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Published by johntss124, 2021-06-25 19:33:46

日语综合教程6

日语综合教程6

❷ よりによってあの能無しを課長にしなくていいのにC社長も社長で、人を見
る目がまるっきりないんだ。(挑了又挑怎么偏偏挑了那个无能当科长呢。经理
也真是的,根本就不会看人嘛。)

❸ ほんとうに気の毒なことったらありませんよ。何もよりによって、あの家に
物盗りに入らなくてもねえ。(真是可怜。为什么小偷偏偏去了他家行窃
呢? !)

❹ なんということか、ふだんあまりテレビを見ない私だが、よりにもよって今
日見ているときに停電になった。(这算什么事儿呀,平时我也不怎么看电视,

,今天偏偏挑我正在看时停电了 。)
❺ よりによってふたりだけの時間を楽しもうという時に友達がくるとは、実に

困ったもんだ。(偏偏挑我们要享受2人世界的时候来了朋友,真是糟糕。)

そ4 〜次第憤的原委是…

動詞につき、形容詞の場合は慣用的な言い方として用いられることがある 。
状態Aに至った経緯、状況或いは自分の行為の理由を説明するのに使う。書き
言葉的。

❶ 電話をいただいたので、伺った次第です。(接到了您的电话,于是我就来了。)
❷ そこで、これを私だけの秘密にしておくより、みなさんに発表したほうがい

いのではないかと、考えた次第なのです。(于是,我就想与其把这作为我ー个
人的秘密,也许还是告诉大家更好一些。)
❸ やむにやまれぬ事情から、借金しなければならなくなりました。こうして
お願いする次第です。(因为有不得已的情况必须借钱,这就来请你们帮忙
了。)
❹ いま、空きベッドがないということで、入院許可を待っている次第です。(现
在没有空的床位,所以正等着医院的住院通知呢 。)
❸ こんなことになってしまい、まったくお恥ずかしい次第です。(事情变成这
样,真不好意思。)

表現の学習

モ》時間を表す表現

中国語には時間を表す表現がたくさんある。例えば、

还有1个月就要举行毕业典礼了 /到今年5月我来日本已经有5年了 /打那之后

136日语综合教程第六册

我每天都在盼望新年的到来。新年到了闰土也就来了。/女儿的婚期临近,作为
母亲,我每天为准备她的嫁妆而忙忙碌碌。/汽车正要上坡道的时候引擎停了。Z
信子毕业后不久就结婚了,已经有了 3个孩子。/…会儿雪开始真正地下了起来。
雪变得越来越大,越来越沉,把周围的一切都淹没了。/这事之后没多少日子爱
就嫁到了1个从没见过面的人那儿去了。

上記の例の下線部に注意しながら日本語に訳しなさい。下線部の日本語は多
分こんなものであろう。「あと〜で〜だ•〜まであと〜だ/ (〜に来)て〜なる/そ
れからというもの/〜を間近に控え/(〜にさしかかろ)うとするところで/〜てま
もなく •とまもなく /しばらくすると/それからいくらも経たないうちに」であ
る。ほかに次のような時間を表す表現もある。

❶ 電車の扉が開くが早いか、乗客が我先に乗り込んできた。(电车门刚开乘客们
就争先恐后地挤了上去。)

❷ 父は一度家に帰ってきたが、財布を掴むやいなや、また飛び出した。(父亲回
来过一次,不过拿了钱包又飞跑了出去。)

❸ 重い荷物を持ち上げたとたん、腰が痛くて立てなくなった。(行李很重。冈リ
提起,腰就疼得直不起来。)

❹ あの人は横になったかと思うと、もういびきをかいて寝てしまった。(他刚躺
下就已经打起呼噜来了 〇)

❺ 友達とけんかでもしたらしく、娘は帰ってくるなり泣き出した。(女儿像似和
朋友吵了架,一回来就哭了起来。)

❻ 彼は夜が明け次第、彼女の安否を確かめてみようと思いついた。別れて以来
まだ彼女に連絡をとったことがなかった。(他决定天一亮就去看看她是否安
好。俩人分手以来还没有和她联系过呢〇 )

〇 最近会社に勤めるかたわら、大学院に通って新しい知識を身につけようとい
う人が増えてきている。(最近一边在公司工作,ー边去研究生院学习新知识的
人多了起来。)

❽ その子は大変賢く、教えるそばから覚えてしまう。(这孩子聪明一教就会。)

まとめ
上記の下線部の表現はいずれも時間的同時性や前後関係を表すものである 。

接続や文体上の相違のほかに、各表現の意味用法上の特徴として次のようにま
とめられると思う。

まず、「が早いか」である。前件とほとんど同時に後件が起こる、という
意味を表す。後件には意志的行為が多く使われ、前後で行為主体が一致す
るものが多い。「やいなや」を使う文は、前件の動作や状態が「始まるかい
なかのうちに」後件が起こったという意味を表す点では「が早いか」と共
通しているが、後件は例②のような意志的行為も 、「その薬を飲むやい

第5課東京回顧写真展137

なや、急に眠気が襲ってきた」のような状態的表現も可能。前後で行為主体が
変わる例も見られる。

次には「たとたん(に)」である。「たとたん(に)」で結ばれる前後の句また
は文は行為、自然現象、状態変化とさまざまである。「薬を飲んだ途端に、にわ
かに顔面蒼白となった」のような行為や現象と結果との間に因果関係がある場
合と、「家を出たとたんに雨が降り出した」のような偶然の一致とがある。文の
重点は後件の変化にあり、意外だというニュアンスを伴う。後件には意志的行
為が使用できない。

例④でもわかるように、「いびきをかいてしまう」ことはほんとうに「横にな
るとすぐ」なのか。その同時性はむしろ話者自身の感覚にすぎない。この点に
おいて「かと思うと」と「が早いか」とは区別が見られ、後者の表す同時性は
時間的に「すぐに」である。

最後に「なり」と「次第」であるが、「なり」を用いる文は同一主体の意志的
な事柄に限られ、「次第」を用いる文は話し手自身の意思的行為でなければ成り
立たなく、文末には過去形はまずこない。

啓や网の構成 J

1.〜かける

動詞の連用形につき、複合動詞になる。「〜し始める」「途中まで〜する」「も
う少しで〜する」「〜にその作用を向ける」意を表す。

❶ 急に別のことを言われて、教授はびっくりしたらしく、飲みかけたお茶を
テーブルにおいた。(教授对话题的突然改变好像显得有些吃惊,他把刚喝的茶
放回到了桌上。)

❷ 結婚後5年目に子供が生まれた。諦めかけていただけに喜びも大きかった。
(结婚后5年オ生的孩子。我们都已经开始不抱什么希望了,所以孩子的诞生
也就特别地高兴。)

❸ 人と人との関わりがどんどん薄っぺらになり、愛が便宜的なものになりか
けているこの世界では、こういうすばらしい話を人々に知らせずにおくべ
きではない、とこのふたりは考えた。(这两人想,当今世界人与人之间的关
系日渐淡薄,爱正在变成权宜之物。所以我们オ应该把这么美好的故事告诉
大家。)

❹ 「怖いわ」と言いかけて、美沙は口をつぐんだ。人に弱みをみせたくない。
今弱音を吐いては、ますます馬鹿にされそうだ。(“我怕”。美沙刚开口又不说
了。我不能让人看到我的弱点。现在叫怕的话,那就越会被人瞧不起。)

0 まず、タバコを吸うんだ。この問題を解くのに、パイプ3杯かかるな。30

138日语综合教程第六册

分ばかりぼくに話しかけないでくれたまえよ。(还是先抽口烟。解决这个问题
要3斗烟的时间呢。你呢,30分钟之内不要来和我说话。)

2. 〜ぬく

動詞連用形につき、「最後まで〜する。また、ひどく〜する」の意を表す。よ
く使われる例には、「働きぬく •迷いぬく •苦しみぬく •惚れぬく •知り抜く ・
困り抜く」などがある。

❶ 後で堪えられない寂しさに襲われるのを知り抜いていながら、厳しくお前た
ちをしかった(我明知道事后自己会觉得非常的寂寞,但还是要狠狠地骂你们
ー顿。)

❷ 私は迷うときには徹底的に迷いぬいた。(我困惑的时候是非常地困惑。)
❸ ひとりで誰にも打ち明けられない苦しみに苦しみぬいている。(他为对谁都不

能诉说的烦恼独自1个人痛苦着。)
❹ 彼は奥さんを亡くして弱りぬいていて、見るのも痛ましい。(妻子死后,他变

得极其衰弱,令人看了心疼。)
❺ やらない場合は別だが、やると決めたら最後までやりぬく性格だc (他就是

那种不干则已,决心干就要干到底的人。)

3. 〜あわせる

動詞の連用形につき複合動詞になり、ふたつ以上のものを一緒にするという
意味を表す。「居合わせる-向かい合わせる-誘い合わせる•座り合わせる-乗
り合わせる•つなぎ合わせる•すり合わせる•待ち合わせる•くみ合わせる ・混
ぜ合わせる•寄り合わせる•言い合わせる•抱き合わせる•結び合わせる 、食い
合わせる」、などたくさんある。

❶ 規定に従って競技者を向かい合わせて、競技させる。まもなく試合の時間に
なるけれど、どういうわけだろう、その向かい合わせの席は今になっても空
いている。(按照规定参赛者比赛时是相对而坐。比赛时间马上就要到了,可不
知为什么对手至今尚未到场。)

❷ だれからともなく誘い合わせて、私たち3人が再び顔を合わせたのは、暮れ
も迫った12月26日だった。(记不清是谁发出的邀请,我们3人再次见面时已
经是年底的12月26日了。)

❸ ある日、長谷川先生の哲学の授業で、隣あわせに座ったのを機会に話しかけ
てみたが、それからふたりは付き合うようになったのだ。(一天,在长谷川老
师的哲学课上我们俩恰巧坐在ー起。我主动和她搭话,就这样开始了交往。)

❹ たまたまふたりは同じ電車に乗り合わせたのだが、別にあらかじめ約束して
おいたわけではない。(我们俩是偶尔坐了同一辆车,不是事先约好的。)

第5課東京回顧写真展139

❺ 不器用な私は父の指導のもとに、ばらばらになっている部品を一つ一つ組次
合わせて、模型飛行機を作り上げた。(手脚笨拙的我在父亲的指导下把那些
散乱的零件装了起来做成了飞机模型。)

練習

ー、次の漢字にふりがなをつけなさい。

猛暑 処方 華やぐ 向日葵 扉 豪快 貸し店舗 七分袖

構図 老舗 水羊羹 明け方 娘 右端 住びしい 筆立て

封印 手垢 文庫本 復刻版 宴 衝立 観音開き 不義理

雑事 通夜 萎れる 萌葱色 某 雑多 露悪趣味 鎧

二、 次の文の下線部の片仮名を漢字になおしなさい。
1. 小屋も畑も霜のためにシラチャけた鈍い狐色だったC
2. 芝居のカキワリのようだC
3. 高い崖の上の家に藤棚らしいものがサキミダれていた。
4. 脈はすこし速かったがフセイではない。
5. 建物を右手の方へまわると、すぐベツムネの離れがある°
6. しょせん国民とはムエンの選挙戦だ。
7. 清らかな水仙の花がイチリンザしに生けてある
8. もう荷物はほとんど八ツソウしてしまったし、今日は出発できる。
9. 現在の段階では、まだ政府の中小企業援助政策は、明確なリンカクも打ち出さ

れていない。

10. 生きているのか死んでいるのかも宜かでない 。
11. 好き嫌いの多い子供らのために毎日のソウザイを考えることも日課の一つのよ

うになっている。

12. 祐子はあなたのことを好いていた。シンソコ惚れていた°

三、 次の質問に口頭で答えなさい。
1. 「私」は何のために医師にポロシャツを買ってあげたのか。
2. 「私」は何で、何に途方に暮れていたのか。
3. 「私」はどうしてあの記憶をこれほど生々しく甦らせたのだろうか。
4. 「私」が写真展を見に行く理由は何だろう。
5. 写真展はどうだったか。興味をそそられるものだと思われたのか。
6. 急いで残りを見て早く帰ろうと思ったとたんに、「私」は何に気づいたのか。

140日语综合教程第六册

7. 「新築記念ガーデンパーティー」の写真は「私」とどのようなかかわりがある

のか。

8. 阿佐緒と秋葉正巳、それから「私」、その人物関係を考えてみなさい。
9. 中学生の正巳の目からみた「私」はどんな人間だったのか。
1〇.こんな「私」に自分を打ち明ける正巳の気持ちを想像してみなさい。

四、 次の文の下線部の意味を説明した上で、全文を中国語に訳しなさい。
1. 日頃、不義理を重ねている知人の顔が次々に頭に浮かんできた。
2. 私は中学校から短大までそろった私立の女子校に勤めている。
3. 日頃、華やいだものとは無縁の生活を送っている。
4. 何か気のきいた物を買おうとすると、何にすればいいのかわからず、途方に暮れ

る。

5. 掃除に手が回らないのか、どことなく埃がたっている。
6. ギャラリーの入口付近に人の気配はなかった。
7. どうしてうちの父親が二つ返事でOKしようとするのを阻止できなかったのか。

8. 哀れというよりは滑稽です。我ながら呆れます。

9. 現実はかなわず、三文の値打ちもないくだらない神経が愚かしくも研ぎ澄まされ

ていくばかりです。

五、 文頭にあげた言葉の用法として、次の文の下線部ではどのように使われているか。
意味あるいはその用法を説明しなさい。
1. あたる

① 年度末決算につき今年度予算を執行するにあたり、出金伝票の提出について
下記の通りご協力くださいますようお願いいたします。

② 自分の身の危険などものともせずに救助にあたっている。
③ 心当たりを虱潰しにあたってみるつもりだったが、わずか二軒目で探し当て

てしまったという。
④ 「より」は動作の行われる地点•経路を示す。口語の「から」にあたる。
⑤ 雨にあたって服が縮んだので着られなくなってしまった。

2. ただ

① 日本では大学進学がポピュラー化してしまったから、ただ皆が進学するから
というだけの安易な動機で、大学に行く学生が多くなってきた。

② ただ、有難いことに、あとから送られてきた「試合要領」に救いの神がいた。
③ いくら聞かれても返事せず、えだ考えごとにばかりふけっていた。
④ こんな過ちを犯したのだから、会社のほうがただではおかないだろう。

第5課東京回顧写真展 141

3.かかる

① 男は白いクロスのかかった机の下を覗き込んだC
② 夕立の晴れた空に虹がかかっていて、しばらくすると消えてしまった。
③ 文句を言いながらも部屋の片付けにかかった。
④ 「地球」が文末までかからないということで、「が」が入ることを説明でき

る。
⑤ 自動車がすぐそばを通ったので、泥水がズボンにかかってしまった。
⑥ 疑いが私にかかっているとはちっとも知らなかった。
⑦ 優勝がかかった試合だからみんなひたすら頑張った。

六、次の語群から最も適切な言葉を選んで( )に入れなさい。必要な場合は適当
な活用形にすること。

ァ上の空 イ雨足 ウ不義理 工駆り立てる オたたき起こす
カ面影 ケきびきびする コくたびれる
サ漠然と キ興じる ク華やぐ ス手が回る

シけばけばしい

1. 今朝4時に( )されて何かと思ったら、母が田舎から来たのだ。

2. 夜は遅くまでトランプや麻雀に( )て、疲れることを知らなかった。

3. 貸し借りも年末には一応きれいにする。平素の( )も一まとめにし

て返す。

4. 私たちだけでは、忙しくて、とても( )かねますから。

5. 白い花びらが春の黄昏のほの暗さの中にひそかに( ,)で見えた。

6. 心に巣くう何物かが、彼を( )ているようだった。

/彼らの( )行動に比べて、作業服を着た連中は緩慢な動作で階段を

上っていた。

8. 小林には人の話を( )で聞く性癖があるようだ。 ・

9. ( )塗りたてられた家の玄関が立ち並んでいる。

10. なぜだか非常に( )ているような気がする。体の芯まで重いのであ

る。

11. 今の都は、名ばかりで、その頃の( )はほとんどない。

12. いったん小降りになったかと思われた( )がまたいちだんと強く

なった。

13. そんなふうに考えると、なぜ、田中に会いにここまでやってきたのか、( )

ではあるがわかったような気がした 。

142 日语综合教程第六册

七、括弧の中の言葉を使って、そして語群から適当な時間を表す表現を選んで、次の文
を完成させなさい。必要な場合は適当な形にして入れなさい。答えは必ずしも一つ
とは限らない。

に控えて からというもの とたんに が早いか かと思うと
次第 まもなく うちに やいなや なり

1.この作が、個展が催された。(できる)

2•ひと月も、彼は暗室作業だけでなく、簡単な撮影も任さ

れるようになった。(する)

3. 事業で、彼の友人たちは皆彼の周りから去っていった。

(失敗する)

4. 目の前の席が空いたので、後ろの人がいきなり私を押し

のけて坐ってしまった。(坐る)

5. 野菜が芽を、鹿がそれを取って食べてしまったのだ。

(出す)

6. 急に空が、はげしい雨が降ってきた。(暗くなる)

7. 男は私のハンドバックを 逃げ出した。(奪う)

8. 買ったものを店に置き忘れたと、慌てて自転車に乗って

店に向った。(気づく)

9. お正月を目の前 どの家庭も掃除と買い物に慌しくみえ

る。•

1〇.私はその全集を古本屋で ポツポツ買っているが、本棚に

おくと、何時の間にかなくなっている。(見つける)

ハ、括弧の中の言葉を使って次の中国語を日本語に訳しなさい。
1.不了解情况的人看来这不过是一家普通的拉面铺。但是如果你知道了那儿曾经

发生过可怕的事,就会觉得那儿至今仍然有着ー种令人害怕的气氛 。(何の変哲
もない/不気味な雰囲気/ように思える)

2小王半开玩笑半认真地说:“送我到车站吧。就这么分手我会感到寂寞的。”
(••・とも…ともっかぬ)’

3.上下车的乘客很少。也就是每到ー站1个人下车,1个人上车。也许是暑假刚

开始的缘故吧,带着家人像是利用休假来参观顺便游玩的人并不多 。(乗降客/と
いった具合だ/かたがた/思しき)

第5課東京回顧写真展 143

4他不能以平常心对待事情,张嘴就发牢骚。这样的生活态度,自己也觉得很
累吧。(平常心/何かと言うと/さえも )

5.小王是个很稳重的人,不喜欢谈论自己的事情。所以虽然我和她关系不错但是

也并不了解她真实的生活情况。不过从来没有听到过有关她的绯闻。因此,这
次的事件大家都觉得吃惊。(しっかり者/〜性質だ/次第だ)

6.这是一项有发展前景的研究。我想即使学校资助一点,也应该让他们继续研究

下去。(見込みのあるZてでも)

/都怨我,哪ー天都行偏偏在这么关键的时候生病,真叫人窝心 。(よりによって)

8. 那家建筑公司一赶工期就会偷エ减料。这样干是不行的。(納期を急がせる/手

抜き工事/始末だ)

9. 经常可以听到“对前途感到不安”的说法。其实前途这种事基本上就是不可知

的。因此所谓的前途不安也并不是现在オ有的,这难道不是人生最本质的东西
吗?(何も〜ない/そもそも)

10.这项研究项目需要的经费比估计的要多,筹措起来有点困难。迄今为止我们还

从来没有在一个研究项目上投放过这么多钱的。(経費が張る/ためしがない)

九、言葉の決まり

1.次の下線部の漢字と同じ字を用いたものを、それぞれ後のア〜工から選びなさ
い。

①タンネンに校正したものだからミスが少ないだろう。

アネン挫 イネン功• ウ懸ネン エネン料

②原本と訳本とを宣_ ョウゴウする仕事をしている。

アショウ午 イショウ和 ウショウ介 エショウ会

③国を救う真理をツイキュウするため、 若い魯迅は日本へ行った。

アキュウ明 イ要キュウ ウキュウ養 オキュウ屈

④あの人はいつもみんなの考えに丄ギを唱えている。

アイ転 イイ外 ウィ向 工イ同

⑤母の病気はカイホウに向かっている。 1:

ア介ホウ イホウ送 ウ手ホウ 工四ホウ

144日语综合教程第六册

⑥ 試験に合格してウチョウテンになる。

アテン数 イテン落 ウテン板 エテン型
エキュウ弾
⑦ 国家財産のキュウハクを国民に訴える。 エタイ在
エカン天
ア キュウ急 イ キュウ屈 ウキュウ電 エケイ品

⑧ 土俵際で、無理な宣セイから投げを打った 。

ア タイ制 イ タイ度 ウタイ久

⑨ 停戦協定で両国の間に左エショウ地帯を設けた。

アカン渉 イカン照 ウカン和

⑩ 野党がレンケイして、総選挙にのぞむ。

アケイ帯 イケイ続 ウ父ケイ

2.次の①〜④の下線部の意味について、それぞれア〜工から適切なものを一つ選び
なさい。

① 彼の口車にのせられた。
ア 相手を説得してその車にのせられた。
イ 友達に勧められて中古車を買った。
ウ うまいぐあいに言いくるめられた。
工彼がしやべりだしたらとめどがない。

② これは筆不精の友人からよく聞かれることばだ。
ア文章を書くことが得意だ。
イ文章を書くことが嫌いだ。
ウあまり文章が書けない。
工 手紙を書くのがあまりすきじゃない。

③ 悪口を言われても、馬耳東風である。
ア 何を言われても、まったく気にかけないこと。
イ すぐはらをたてること。
ウ同調して悪口を言うこと。
エばかばかしく思うこと。

④ 確かな事実がみつからないので、結局水かけ論に終わるほかはない。
ア 言いはって結末のつかないままになる。
ィ司会者がまとめる。
ウ水をうったように静かになる。
工 どちらかが意見をまげておさまる。

⑤ 彼とつきあってio年、いろいろ道草を食ったが、来年とうとう結婚すること
になった。
ア別れたり、他の人と付き合ったりした。
イ 喧嘩をしながら付き合ってきた。
ウ いろいろほかのことに時間を無駄にした。
工 彼がなかなか結婚してくれと言わなかった。

第5課東京回顧写真展145

3. A.次のそれぞれの「ば」は右のどの意味をさしますか、( )の中に記号を書

きなさい。

① 急がばまわれ ( )ア確定条件(ので、から)

② 風吹けば波高きなり( )イ仮定条件(たら、なら)

③ 水清ければ魚住まず ( )ウ恒常条件(と、きまって、ときはいつも)

④ ふと見れば月出でたり( )エ偶然条件(たら、と、偶然に)

⑤ 死なばもろとも ()

B,次の各文は、それぞれ二通りの意味にとれる。いずれの意味にせよ、文意が

はっきりするように直しなさい。
① 春子は本を持って走っていく 一郎の後を追いかけた。
② 年老いた母は悲しげに去っていく娘を見送っていた。
③ 仮装行列で山田君は奇妙な服装をして大声を張り上げて歌う中村君とグラウ

ンドを一周した。
④ きのうわたしが紛失した時計がみつかった。
⑤ 見知らぬ男の人がにこにこしながら絵を見ている僕に近づいてきた。

十、次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

私は高野山へのぼった。そうして不動坂にさしかかった時に、数知れず立ち並
んでいるあの太い檜の木から、何とも言えぬ ⑦荘厳な心持ちを押し付けられた。

(A )これは霊山だと思わずにはいられなかった。この地を選んだ弘法大師の
①ケンシキにも(B )◎ケイフクするような気持ちになった。

そ①れは外郭に連なる山々によって平野から切り離された 、急峻な山の斜面であ
る。幾世紀を経てきたかわからない老樹たちは、㊀金剛不壊という言葉に似っかわ
しいほどどっしりとした、迷いのない、壮大な力強さをもって、天を目ざして直立
している。そうして樹々の間に漂っている生々の気は、ひたひたと人間の肌にも
迫ってくる。②私は底力のある興奮を心の奥底に感じ始めた。

私の目はすぐに老樹の根に向かった。③地下の烈しい営みは既に地上一尺のとこ
ろに明らかに現れている。土の層の深くないらしいこの山に育ってあの④亭々たる

巨幹を支えるために、大い©強靭な根は力の限り四方へ広がって、地下の岩にしっ
かりと抱きついているらしい。あの巨大な樹身にふさわしい根はいったいどんなも
のであろう。⑤ことに隣り合った樹の根と入り交じって薄い地の層の間に複雑にか

らみ合っているありさまは、想像するだけで我々に驚異の情を起こさせる。
確かに山は烈しい生の力の営みによって、残るところなく包まれているのである。

我々はそれを肉眼によって見ることはできなかったが、しかし一種の霊気として感
ずることはできた。隠れたる努力の威圧が、神秘の影をさえ帯びて、我々に例敬虔
の情を起こさせずにはいなかったのである。

私は老樹の前に⑥根の浅い自分を恥じたCそうして⑦地下の営みに没頭することを

146日语综合教程第六册

自分に誓った。今気づいてもまだ遅くない。

画> 下線部0@®@.の部分は読みを示し、下線部Q)©の部分は漢字に改め

なさい。

®( ) ®( ) @( ) @( )

®( ) ©( .)

(IB 下線部①「それ」は何を指しているか、答えなさい。

(1B 下線部②「私は底力のある興奮を心の奥底に感じ始めた」という私の気持
ちの状態を示す最も適当な5文字の語を、文章中から抜き出して答えなさ

い。

dD 下線部③「地下の烈しい営み」と同義の表現を、文章中から9字で抜き出

しなさい。

dD 下線部④「亭々たる」と同義の表現を、文章中から15字以内で抜き出しな

さい。

dD 下線部⑤の「ことに」の意味として最も適当なのは、次の①〜④のうちど

れか。

①事に ②異に ③殊に ④毎に

dD io下線部⑥の意味内容を 字以内で説明しなさい。

dD下線部⑦とはどういうことか。文中の語を6字で抜き出しなさい。

dD ( a )( b )に入る語を次から選んで、記号で答えなさい。

ア しっかり イ つくづく ウ まったく エなるほど

答え:A ( ) B( )

〇〇この文章の「要旨」を、「私は〜気づいた」という構文に従って、5〇字以上
100字以内で答えなさい。

第5課東京回顧写真展147

文学・語学の豆知識

各時代の文学の歴史

文学の歴史の学習は、各時代の特色を知り、それぞれの時代の代表的な作
品名・作者を覚えることに重点をおこう〇

① 古代の文学(大和・奈良時代)
(ア)神話・伝説の時代を経て、平安京に都がうつる(794年)まで
(イ)口承文学の時代と記載文学の時代とにわけられる。

② 中古の文学(平安時代)
(ア)恒武天皇の延暦13年(794年)から、鎌倉幕府の成立した建久3年
(1192年)までの約400年間。
(イ)漢文学が盛んであった。また、女流文学が栄えた。

③ 中世の文学(鎌倉・室町時代)
(ア)建久3年から慶長8年(1603年)の江戸幕府開設までの約400年間。
(イ)貴族文学の平安時代と次代の庶民文学の江戸時代との中間にあっ
て、文化が僧侶の手によって保持され、文学もまた仏教思想の影
響や武士階級の質実剛健な気風の影響があらわれている。
(ウ)この時代の作品である「徒然草」は、最近の入試古典の問題とし
てもっとも出題の多い作品である。

④ 近世の文学(江戸時代)
(ア)慶長8年(1603年)徳川家康が将軍となり、江戸に幕府を開いて
から慶応3年(1867年)江戸幕府の滅亡までの約 250年間。
(イ)町人文学がこの時代の特色である。また、この時代の文学が前期
(上方文学)の時代と後期(江戸文学)の時代にはっきり分かれて
いることに注意する。

⑤ 現代の文学(明治以降)
(ア)1868年の明治維新以後、今日に至る間。
(イ)維新後のあらゆる面での大改革に伴い、文学の面にも今までにな
い変動がおこってきた時代。
(ウ)人間性の問題、文学と社会との結びつきの問題など、それまでの
文学にはみられなかったことが問題にされるようになった。

148 日语综合教程第六册

読み物

スティル・ライフ

•池澤夏樹

春の最初の兆候があった次の日、ぼくは染色工場を一日休んで、海に沿っ
て南の方へ走る電車に乗った。電車は狭い線路をむきになって、遠心力で車
体が傾くのが得意でしかたがないかのように、疾走した。まるで自転車に
乗った小学生だ。

三月の初めの頃この電車に乗るのが、ここ何年かの習慣みたいになって
いる。いつも同じ場所に行く。ことの始まりは、数年前、雨崎という地名を
地図で見つけて興味を引かれたことだ。その時期に仲のよかったガールフレ
ンドと一緒に行ってみた。

「ここはいつも雨が降っているんじやないのかしら。決して乾かない土地
なのよ、きっと」と彼女は地図を見て言った。

「そんなところがあるのかな」とぼくは答えた。
電車をおりて、バスに乗り、しばらく行ったところから海に沿って歩く
と、その先が雨崎だった。その日、東京は曇りだったのに、雨崎はきれいに
晴れていた。地面はすっかり乾いていた。長い傘まで持ってきたガールフレ
ンドは、なんとなくがっかりした風だった。
岬までの海岸には校庭ほどの広い砂浜もあり、なかなか険しい岩礁もあ
り、決して歩きやすくはなくて、おもしろかった。ぼくたちは稀に波のしぶ
きが飛んでくる岩の上に坐って、彼女が用意してきたサンドイッチを食べ
た。対岸に火力発電所の煙突が見えた。沖合を大きなタンカーの灰色の影が
通った。
翌年、同じ三月上旬の日曜日に、思い出してまた同じ場所に行ってみた。
今度は一人だった。サンドイッチもなかった。前の年よりはずっと寒く、沖
には船は見えなかった。火力発電所の煙突からは白い蒸気のような煙がまっ
すぐに立ちのぼっていた。地形や人家の配置は変わっていなかった 。
それから、そうと決めたわけではないのだが、毎年そこへ行くことが習
慣のようになった。三月ごろになって、さて明日は何をしようかと考える
と、雨崎のことが思い出された。毎年そういう巡りあわせになった。日射し
が強くて岩礁を登っているだけで汗をかく年もあれば、風が強くてジャン
パーの襟を立てる年もある。

第5課東京回顧写真展149

雨崎が雨だったことは一度もない。一人で行くことが多いが、二人づれ
のこともあり、一度などは話が大きくなって六人でわいわい行った。そのう
ちの二人は道具を持っていって釣りをしたが、雑魚一匹釣れなかった。釣れ
ない釣りを見ているのは退屈だから、残る四人が騒いで、一時間ばかりで釣
りはおしまいということになった。バスでその先の小さな漁港に行って 、料
理屋に入り、夕刻から夜中まで魚を食べて酒を飲んだ。大勢で行くのも悪く
なかった。

しかし、その年は一人で行った。週末だと人がいるかもしれないと思っ
て、平日に行くことにした。一緒に行くような女友達はその時はいなかつ
た。車があるのだから車で行こうかと思ったけれども、例年の習慣をまもる
ことにして、いい気になって傾いて走る電車にまた乗った 。前の日は暖か
かったのに、その日は気温も低く、電車の窓から見える空はいかにも重たそ
うな灰色に曇っていて、さびれたサーカスの天幕を内側から見るようだっ
た。

小さな湾の西の端でバスを降りる。岬はそこからはじまる。海に迫って
細い道があり、漁具や網を入れる小屋が一軒ある。道は小屋の裏手を通って
いる。小屋の羽目板は塩を含んだ風に晒されてほとんど白に近い色になり、
ひびわれが走っていた。毎年ここを通るたびに見ている光景だ。何も変わっ
ていない。

風はまったくなかったが、寒かった。松林の中を抜ける道をたどってゆ
くと、ちょっとした草地があった。草はみんな枯れていた。地面は湿っぽく
て、靴の底がゆるい地面にめりこんだ。その先で道はまた林に入った。林の
,中の地面はさらさらしていて、靴もめりこまない。それを踏んで歩くと、や
がて岩のごろごろした海岸に出た。

大気は、暗鬱な重たい雲と暗鬱な色の海に挟まれて圧縮され、ぼくは特
別に濃い冷たい空気を吸っているようだった。風が全然なかった。船も通ら
ない。息苦しかった。

やがて、雪になった。はじめのうち、雪片は軽くて、まるで空気の中か
ら次々に湧いて出るように漂っていたが、しばらくすると大きく重くなり、
あたり全体を埋めて本格的に降りはじめた。手袋をしているのに、岩をつか
む指の先がかじかんできた。

高い岩の上に坐りこんで、海の方を見た。毎年来るたびに天候はさまざ
まに変化するが、景色の方はほとんど変わらない。三度目くらいに来た時に
定点観測という言葉を思いついて、それから来るたびにこの周辺や海や対岸
の火力発電所をよく見る。いつも前の年とまったく同じような気がする。海
があって、岩礁があって、ちょっとした浜があって、その背後は崖になり、
崖の上はずっと畑だった。何を作る畑なのかはわからない。崖を攀じのぼっ

150 日语综合教程第六册

てみたこともあったが、三月はじめの畑はいつも寒々としていた。
雪は次第に濃く空気を満たし、火力発電所の煙突は見えなくなった。岩

は冷たかった。まわりの全部が冷たかった。ここから見える風景の全体、こ
の地域にあるもののすべてが雪の温度になって、冷たさは均等にゆきわたっ
ていた。自分の体内だけが温度において周囲から突出していることが感じと
れた。ぼくはこの場では異物だった。それでも、衣類を透して皮膚が次第に
ゆっくりと雪の温度に近づいていった。この岩の一部になったら、一日はー
秒のように感じられ、一年が一時間のように思われるのだろうか 。

顔の皮膚がこわばりはじめた。ほんの表面だけだけれども、身体の材質
が岩の材質に近づいた。坐りこんで、膝をかかえたまま、雪片が次々に海に
吸い込まれて行くのを見ていた。

見えないガラスの糸が空の上から海の底まで何億本も伸びていて、雪は
一片ずつその糸を伝って降りて行く。身体全体の骨と関節が硬化して、筋肉
が冷えきり、内臓だけが僅かな温かさを保っているようだ。身体を動かした
いと思ったが、我慢した。岩になるためには動いてはいけない。

音もなく限りなく降ってくる雪を見ているうちに、雪が降ってくるので
はないことに気付いた。その知覚は一瞬にしてぼくの意識を捉えた。目の前
で何かが輝いたように、ぼくははっとした。

雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、ぼくを乗せたこの世界
の方が上へ上へと昇っているのだ。静かに、滑らかに、着実に、世界は上昇
を続けていた。ぼくはその世界の真中に置かれた岩に坐っていた 。岩が昇
り、海の全部が、龍大な量の水のすべてが、波一つ立てずに昇り、それを見
るぼくが昇っている。雪はその限りない上昇の指標でしかなかった 。

どれだけの距離を昇ればどんなところに行き着くのか、雪が空気中にあ
ふれているかぎり昇り続けられるのか、軽い雪の一片ずつに世界を静かに引
き上げる機能があるのか。半ば岩になったぼくにはわからなかった。ただ、
ゆっくりと、ひたひたと、世界は昇っていった。海は少しでも余計に昇れれ
ばそれだけ多くの雪片を溶かし込めると信じて、上へ上へ背伸びをしてい
た。ぼくはじっと動かず、ずいぶん長い間それを見ていた 。

(『スティル・ライフ』中央公論社より)

、注釈

❶ 池澤夏樹(いけざわ なつき)(1945 -)

日本の小説家。日本北海道に生まれた。東京都立富士高校卒。埼玉大学理工学部中退。1975年か
ら3年間ギリシアに滞在。現代ギリシア詩人の詩を翻訳し「ユリイカ」を中心に発表する。詩・翻

第5課東京回顧写真展151

訳のほかに、映画評論•小説なども手がける。1988年、小説『スティル•ライフ』(中央公論社)で
芥川賞と中央公論社新人賞受賞。1984年、『オイディプス遍歴』で芸術祭優秀賞受賞。主な作品に
『マリコ・マリキータ』(文芸春秋)、『ブキッシュな世界像』(白水社)『夏の朝の成層圏』『真昼のプリ
ニウス』『マシアス・ギリの失脚』などがある。

152 日语综合教程第六册

6第 課

いのち

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•阿部电!

1

わたしのところには、目下、三匹の猫がいるが、近ごろの子供は現実的だ
から、「猫はいったい何の役に立つの?」などと父親に尋ねる。

私としては返答に窮する。
なるほど、そう言われれば、犬は泥棒の番をするとか、投げたボールを拾っ
てくるとか、多少とも人間の用事をする。が、猫ときたら!このごろはねず
みも出ないようだから、食べて、寝て、出歩いて、お腹がすくと帰ってきて、
また食べて寝る、というだけで、人間にはなんにも奉仕しない。
「全然何の役にも立たないところがいいじやないか 。そこにいるだけでおも
しろいんだから。」とでも答えておくしかないが、これでは子供への解答にな
るまい。
それはともかく、動物の行動を見ているだけでも、私には楽しい。彼らが、
松やいぬアカシャの幹を、垂直に、一気に、何メートルも駆け上ったり、飛ん
でいる虫を捕ろうと宙高く躍り上がったりするのを見るたびに、動物ってなん
と無駄のない正確な運動をするんだろう、と今さらのように感嘆するのだ。
畜生のあさましさ、などという言葉が人間にはあるが、そうとばかりは言
えない。人間の母親でさえ、子供を生むこと育てることをいとい、捨てたり
死なせたりする世の中なのに、猫の育児は細心の情愛と無限の忍耐そのもの
である。
育児といっても、猫の親は子供におやつを食べさせるわけでも 、おもちや
を買ってやるわけでもない。自分が草はらで捕まえたとかげをくわえてきて、
子猫に与えるぐらいのことである。奇妙な鳴き声で子供を呼び、子供が行く
と、目の前にぱっと獲物を放してやる。そうして、自分は、子供がとかげで
遊ぶのを眺めるともなく眺めている 。ちょうど、人間の母親がわが子を見守
るときの、満ち足りたような、放心したような表情で、ぼんやり見ている。

第6課いのち153

また、親猫は、子供が皿の物を食べている間は、離れてじっと待ち、子供
が食べ終わると、その残り物にありつく。

子猫をたしなめる際には 、親はどんなに柔らかく子供をかみ、つめを引っ
込めた前足でどんなに手加減して子供をたたくか 、決して折檻なんかしたり
はしない。

「ものいはぬ四方のけだものすらだにもあはれなるかなや親の子をおもふ」
という実朝の歌は、実に実に本当のことだ。

そのうえ、かわいそうに、彼らは日夜人間の文明におびえている。掃除機
の音にすらびくつき、頭の上をジェット機が低空で通り過ぎでもしょうもの
なら、あわてて物陰に隠れ、平身低頭、身の置きどころがないといった風情
で小さくなっている。

人間が生きにく くなれば、彼らもまた生きにく くなるのである。

2

猫が増えてから、家の中のあちこちに、とかげをはじめ、かげろう、ばっ
た、かまきり、はち、かなぶん、蝶、蛾、こおろぎ、時にはおけらのような
ものまで、小動物の死骸がちらばるようになった。外で遊べばよいものを、猫
にも都合があると見えて 、必ず屋内に持ち込んで処理するのだ。

海辺の暖かい草地には、とかげがたくさんいるらしい。猫の手にかかった
とかげは、たいていしっぽがちぎれている。これは、猫は食べるのではなく、
長い時間をかけておもちゃにするのである 。相手が猫のっめで負わされた傷
で弱り果てて死んでしまうまで、ちょっとくわえてみたり、前足で突つつい
てみたり、逃げると追いかけて押さえ込んだり、両足で挟んで宙にほうり上
げたりする。そして、遊び飽きると、その場にほったらかしにして、もう顧
みもしない。

運よく命拾いをして、からがらはい出したとかげもいるにはちがいないが 、
多くは逃げるに逃げられず、家具の後ろや敷き物の下で干物みたいにからか
らになっている。

ひょっとすると、それ以後、家のどこかに棲みついているのもいるのでは
ないかという気がする。ある日あるとき、突然、物陰からとかげが走り出て、
びっくりさせられることがあるから。

お陰で、私はすっかりとかげと親しくなってしまった。元来爬虫類は目に
するのも気持ちが悪く、棒ででも始末するのがやっとであったのに、このご
ろは、生きているのも死んだのも手で持てるようになった。

そうなってみると、とかげというのも、見かけによらずかわいい動物なの
である。

154 日语综合教程第六册

それどころか、私は、とかげもなかなかのやつ、というふうに思うように
なった。

ある日、いつもは猫にもてあそばれるだけでひたすら逃げ回っているとか
げが、勇敢にも猫に対抗している場面を見たのだ。

そのとかげは、小さなあごで、猫の前足に—— 足のうらの皮膚の露出した
部分に——しっかりと食いついていた。

猫は、相手の思わぬ逆襲にたじろぐというよりは 、むしろ閉口の体で、し
きりにその足を振ってとかげを払い落とそうとするのだが 、とかげは断じて
放さない。

私は、おもわず笑ってしまった。窮鼠猫をかむどころか、とかげですら土
壇場になれば、猫のような大きな相手に必死で刃向かうものだと知って 、内
心拍手を送らずにはいられなかった。

また別の日には、とかげが猫のひげの先端に食いついてぶら下がっている
のを目撃したこともある。

私は、何度か、そういう気の毒なとかげを猫から取り上げて草むらに帰し
てやったりしたが、彼らとて早晩また猫に捕まる運命にあるのだろう。

この辺りは、野鳥も多いところで、猫はしばしばすずめをくわえて持ち込
む。

明け方は、すずめにとっては受難の時刻である。猫は早くから草陰や木の
枝に潜んで、すずめを待ち伏せているのだ。

朝起きて見ると、廊下の一角がまるで羽根布団かクッションでも破いたみ
たいに、鳥の羽根だらけになっていることがある。猫は、小鳥を丸ごときれ
いに平らげてしまうから、口ばしも脚の一本も残ってはいない、おびただし
い羽毛のほかは。

猫が草の中にうずくまって 、生きたままのすずめを骨ごとばりばりとかみ
砕いている音を聞くと、そぞろに戦慄を禁じ得ないが、いっそさばさばした
気もしないでもない。彼らのやり方はまことに単純明快である。

ところで、ついこの間、よく晴れた日の午後、自分の部屋で仕事をしてい
ると、すぐ横の草むらで、キ、キ、キ、キ、キ……という何者かの鋭い悲鳴
がした。

虫にしては、その声は大きく、しかも聞き慣れない声だ。
見ると、子猫が——といっても身体つきはもう大人の猫並みなのだが——
何か獲物を追いつめている。
私は縁側から出ていった。地面すれすれにはった松の枝と下生えの雑草と
の間に、押し込められたような格好で、一羽のセキセイインコがもがいてい
た。
私が鳥を助けてやろうと手を伸ばす 、それよりも早く、猫はうなり声とと

第6課いのち 155

もにインコをくわえて、茂みのもっと深いところへ逃げ込んだ。
こうなると、もう私の手には負えない、それ以上猫を追いかけるのはあき

らめたが、その代わりに、こんなふうに考えた。-—猫が捕ったものは猫の
ものだからな。あいつが所有権を主張するのはもっともなことだ。それに、ど
うせ五分もすればきれいに食べてしまうんだろうから 。

ところが、インコの悲鳴はいっこうにやみそうもない 。猫としては、久し
ぶりのご馳走だからゆっくり料理しようというつもりであったかもしれない。
キ、キ、キ、キ、キ、……という絶体絶命の叫びが断続的に聞こえてきて、私
はだんだん落ち着かなくなった 。

(筆者がインコの救出にやや不熱心であったことに、愛禽家の方々は、ある
いは憤慨なさるかもしれない。しかしながら、もともとどんな動物も人間の
愛玩用では決してなかったはずだ。彼らを安楽にしてやっているのも人間で
あるが、閉じ込めて不自由な生活を強いているのも人間である 。それに、一
部の動物を食用に大量飼育し、文明の力で能率的に殺戮している人間に 、猫
の残忍を言う資格があるだろうか。動物どうしがお互いに食べたり食べられ
たりするやり方のほうが、人間の殺生よりもよほど自然の理にかなっている
のではあるまいか。)

それでも、私はもう一度外へ出ていき、庭じゅう猫を追い回して、ついに
彼のロからインコをもぎ取ることに成功した。インコは、翼の付け根の、人
間で言えばわきの下にかなりひどい傷を受けていたが、まだ元気のように見
えた。

それが証拠には、彼女はいきなり私の指のまたにかみついたほどである。
命の恩人かもしれないところの私の指のまたに!しかも、なんという渾身の
力をこめてかんだものであろう!

インコは、しばらくは私の部屋の畳の上に横倒しになっていたが、やがて
起き上がれるようになり、次にはよちよちとその辺を歩き始めた。敷きっぱ
なしの私の布団に、桃色の糞さえこぼした。私は、これなら籠を用意して飼っ
てやってもいい、という気持ちになっていた。

しかし、やはり猫から取り上げるのが遅すぎたのだろう 、二、三時間後に
見ると、また横倒しになって、すっかり冷たくなっていた。

3

動物のことを書く—— と言っても、私の場合はごらんのとおりで、書く資
格もないようなものであるが、読者としては、巧みに小動物の姿を写したル
ナールの『にんじん』や『博物誌』などは愛読してやまない。

一般に、向こうの作家のものを読んで、とてもかなわないと思うのは、彼

156日语综合教程第六册

らが我々と違い、親子代々、子供の時分から鉄砲になじみ、狩猟を通して動
物に親しんでいることである、獲物を仕留めるには、相手の生態をよく知ら
なくてはならないから、自然、観察も真剣で、目も肥える。いわば彼らは、獣
との血なまぐさいつき合いを重ねながら、自然への理解を深めるのであろう。

ルナールにしてもそうで、猟は日常茶飯事であり、『博物誌』などもただの
風流な自然観察の産物ではない。彼の文章は、優しく、かつ残酷である。

ところが、ルナールの『日記』を読んでいくと、三十代の半ばごろになつ
て、あるとき急に、無益な殺生をするのが嫌になった、という感想が出てく
る。大決心をしてもう猟をやめよう、息子にもやめさせたい、と。それに続
いて、彼一流のりすの描写がある——'

……りす。りすにはかささぎのような性質がない 棒と銃器との区別が

できないのだ。樹によじ上って身を隠し、それで安全なつもりでいる。私に

は鼻しか見えない。最初の銃声で、りすは、びっくりして滑り落ち、枝にと

りつき、しがみつく。死んだのだ。そうじゃない、動いている。第二の銃声。

りすは落ちる。私は、雨の降るときには、しっぽを顔の上へ引き寄せて雨を

避ける、この無害な優しい獣を殺したのだ。

冷血漢! (岸田国士訳)

そうして、悔恨が心の中をのたうつ、ともルナールは記している?
彼が、その言葉どおり、以後一切の殺生を絶ったかどうかは知らない。し
かし、りすのことを「雨の降るときには、しっぽを顔の上へ引き寄せて雨を
避ける、この無害な優しい獣」と言うとき、その言葉ひとつにもルナールと
いう人の優しい心根は見てとれる。その心根は、「ものいはぬ四方のけだもの
すらだにも」と詠んだあの歌人の心根に通うものであろう 。ここを読んで、私
は、日ごろ敬愛しているこの作者がまたいちだんと好きになった 。
とはいえ、人間はやはり人間のことで精一杯だ。動物のことまで考えてや
る余裕はなかなかない。飼ってやるだけの情けは持ち合わせながら 、一方で
は、心ならずも冷血漢たるの不名誉に甘んじている。
一日鎖でつながれて、垣根の隙間からしょんぼり往来を見ている飼い犬た
ち。•
打ち捨てられて、雨の中でいつまでもきりなく鳴いている子猫たち。
空を飛ぶことも忘れたまま、籠の中で冷たくなっていく小鳥たち。
もの言わぬ彼らの不幸は、なんと我々人間の不幸に似ていることか、空恐
ろしいまでに!
それでも私は、ときおり彼らに向かって、しみじみと話しかけたくなる

第6課いのち157

「おまえたちは、いいね、言葉もお金も持っていないおまえたちは 。余計な
おしやべりもしないし、明日のことを心配する必要もないんだから。うそっ
きで、欲ばりな人間よりどれだけいいかわからない。……」

もちろん、何を言っても彼らは答えない。うるさそうに、私の顔を、ちら
と見るだけである。

•(『高校国語I』第一学習社より)

注釈

❶ 阿部昭(あべ あきら)(1934 —1989)
小説家。広島県に生まれた。放送関係の仕事を経て小説を書き始め、『子供部屋』で文学界新人

賞を受けた。以後、私小説的な手法で家族を描く短編小説にその特色を発揮した。作品に『未成
年』『大いなる日』『千年』『司令の休暇』などがある。
❷いぬアカシャ 刺槐
筆者の住まいの近くの海岸の砂浜に多く生え、また筆者の庭にもある木として、他の作品にもし
ばしば登場する。日本には真のアカシャはなく、普通アカシャというときは、白い花をつける本
種をさす。
❸ 源実朝(みなもとの さねとも)
鎌倉幕府三代将軍。歌人。「ものいはぬ」の歌は『金槐和歌集』に収載。
❹ものいはぬ四方のけだものすらだにもあはれなるかなや親の子をおもふ
歌意は「言葉を話すことのできないあらゆる獣類でさえも、ああ親は子を心から愛することだ、
まして人間はいうまでもない。」である。

❺ ルナール(Jules Renard)(1864 —1910) 列那尔

フランスの小説家•劇作家。『にんじん』は1894年刊。『日記』は1887年23歳のときから46歳で
没するまでの日記で、没後刊行されたもの。短編小説や戯曲以上に精力を傾けたというこの『日
記』が彼の最大の作品になった。

0岸田国士(きしだ くにお)

劇作家・小説家・演出家。『にんじん』『博物誌』『ぶどう畑のぶどう作り』などの翻訳によって、
ルナールの紹介者として知られる。その業績を記念した岸田国士賞が設けられている。

!新しい言葉 [名] さしあたった現在。ただいま。/当前,目前,

目下(もっか) 现在。
返答(へんとう)
[名・自他サ]相手からの質問・依頼・要求などに対して、こ
窮する(きゅうする)
ちらからその答えやその諾否などを相手に伝
158 日语综合教程 第六册’
えること。/回答,回话。

[自サ] どうしょうもなくてすっかり困る。/困窘,走

投无路。

ねずみ [名] ねずみ科の哺乳動物。/老鼠。

いぬアカシャ(いぬacacia) [名] マメ科の落葉高木。ハリエンジュ、ニセアカ
シャともいう。/刺槐。

今さらのように(いまさら [副] 今になってはじめて知ったように。/现在オ

のように) 发觉似地,仿佛现在才知道。

畜生(ちくしょう) [名] 動物をいやしめていう言い方である。/畜牲;

混帐东西。

浅ましい(あさましい) [形] ①余りにもひどくて、見るに堪えない様子た。

みじめだ。/可怜,凄惨。②品性が下劣で、ー

緒にいるのがいやな感じだ。/卑鄙,下流,可

耻。

厭う(いとう) [他五] いやがる。/讨厌,厌恶。

忍耐(にんたい) [名] 苦しみ•つらさ・怒りなどをじっと我慢する
こと。/忍耐。

蜥蜴(とかげ) [名] とかげ科の爬虫類。蛇に似ているが、四本の

短い足がある。尾は切れても再生する。/蜥

蜴,四脚蛇。

銜える(くわえる) [他ー] 唇や歯の間にはさんで持つ。/衔,叼。

満ち足りる(みちたりる) [自ー] 十分に満足する。/满足。

放心(ほうしん) [名・自サ] ①(突然の出来事などのために)心を奪われて、
ぼんやりすること。/发呆,精神恍惚,茫然自

失。②心配することをやめること。/放心。

ありつく [自五] 待望久しい物がやっと(偶然に)手に入る。Z
好不容易得到(找到)。

たしなめる(窘める) [他ー] それはいけないことだと、穏やかに言葉で注

意したりしかったりすること。/责备,教训,

告诫。

爪(つめ) [名] 人間の手足の指先や動物の足先に生える角質

のもの。/趾甲,指甲;(动物的)爪。

引つ込める(ひっこめる) [他ー] 一度出したものを元へもどす。/缩回,缩入。

手加減(てかげん) [名•自他サ] 程度・条件に応じて適当に調節すること。ま
た、ちょうどよいほどあい。/酌情处理,体谅;

分寸,恰到好处。

四方(よも) [名] まわりの雅語。/周围,四周。

怯える(おびえる) [自ー] こわがってびくびくする。「脅える」とも書

<〇 /害怕,胆怯。

びくつく [自五] 恐ろしがって、びくびくする。/吓得发抖,提

心吊胆。

第6課いのち159

物陰(ものかげ) [名] 物に隠れて見えない所。/隐蔽处,背地,暗地。
平身低頭(へいしんてい
[名・自サ] 体をかがめ、頭を地につけんばかりにして恐れ
とう)
かげろう(蜉蜷) 入ること。狭義では、そのようにして謝ること

ばった をさす。/低头,俯首,低头认罪。
かまきり(蠟螂/螳螂)
かなぶん [名] 形はトンボに似て、羽・体が細くて小さい昆虫。

こおろぎ 成虫は水辺を飛び、産卵後数時間で死ぬので、
おけら(螺姑)
死骸(しがい) 短命・はかないことの喩によく引かれる。/蜉
手にかかる(てにかかる)
しっぽ(尻尾) 螃;(喻指)虚无缥缈。
ちぎれる(千切れる)
果てる(はてる) [名] 秋のころ、草むらに多い昆虫。後ろの一対の足
突っつく(つっつく)
ほったらかし が長く、よく跳ねる。/蝗虫。
顧みる(かえりみる)
からがら(辛々) [名] 頭が三角で胴は長いが、腹が弓状に膨れている

干物(ひもの) 昆虫。/螳螂。
からから
爬虫類(はちゅうるい) [名] 長円形で背中も丸い昆虫。青銅色でつやがあ

り、飛ぶときにうなりを出す。こがね虫科の甲

虫。/铜花金龟。

[名] 秋の夜長に鳴く昆虫。草むら・壁の隙間などで、

ころころと美しい声で鳴く。/蟋蟀,虫曲蛾儿。

[名] ケラ科の昆虫。/蟻虻。

[名] 死んだ人、動物の体。/死尸,尸首,尸体。

[慣] ①世話を受ける。/受到关照。②取り扱われる。

殺される。/被处理,受处分;被杀害,遭毒手。

[名] 動物の尾。/尾巴。

[自ー] 強い外力を受け、物の一部が本体から離れる。/

破碎,被撕掉。

[接尾] すっかり〜する。Z…… 之极。

[他五] 「つつく」の口語的表現。/捅,戳

[名] 「ほうっておく」の話し言葉的な言い方。/弃置

不顾,丢下不管。

[他ー] 通り過ぎた後を振り返ってみる。/往回看,回

顾,回首。

[副] 「ようやくに、やっと、やっとの思いで、辛うじ

て」の意味。「命からがら」と使う場合が多い。/

好容易,勉强地。

[名] 魚や貝を干した食品。/晒干的鱼、贝类。

•[形動] 物が乾き切っていて期待される潤いがまったく

欠けている様子。/干巴巴,干透。

[名] 脊椎動物門の一綱。多く陸上にすみ、肺で呼吸

160 日语综合教程第六册

する。冷血で、皮膚はうろこまたは甲らで覆わ

れている。四肢は蛇類では退化し、他では短

い。/爬虫类。

露出(ろしゅつ) [名・自サ] ①隠していた内部をむき出しにすること。むき

出しになること。/露出,外露。②写真撮影の

際、シャッターを開いて、光線を乾板•フィル

ムにあてること。露光。/曝光。 (

逆襲(ぎやくしゅう) [名・自サ] 負けていた(防衛一方であった)者が反対に攻撃

に転じること。/反攻,还击。

たじろぐ [自五] 「しりごみする」「ひるむ」の意味。/退缩,畏

缩,向后退,倒退。

体(てい) [名] 外から見た様子(多く、望ましくない意で使わ

れる)。外部の人に見せかける様子。/样子,状

态。

断じて(だんじて) [副] 確信を持って断言する。/决不,断乎,绝对。

窮鼠猫をかむ(きゅうそ[慣] 追い詰められた鼠は猫に嚙み付くことがある 、

ねこをかむ) との意。転じて、追い詰められて絶体絶命の場

合には、弱者も強者を破ることがあるものだ。/

狗急跳墙,困兽犹斗。

土壇場(どたんば) [名] もとは斬罪を行うために築かれた土の壇のこ

と。転じて、追い詰められてせっぱつまった場

合をさすようになった。/断头台;被逼得走投

无路。

ぶら下がる(ぶらさがる)[自五] ぶらりとたれさがる。つりさがる。/吊垂,悬

吊。

目撃(もくげき) [名•他サ] 直接目で見ること。/目击。

待ち伏せる(まちぶせる)[他ー] 相手の不意をつくため、隠れて待つこと。/伏

击,埋伏。

羽根布団(はねぶとん)[名] 綿の代わりに、鳥の羽毛を中に入れた上等の布

団。/羽绒被。

クッション(cushion) [名] ①堅いものが直接触れ合わないように間に置く

のに用いる、弾力性のある物。/弹簧垫。②羽

毛など柔らかくて弾力性のある物を入れて作っ

たいす用の背もたれ布団。/靠垫。③たまっき

台の内側の玉の当たるところ。/弹性衬里。

平らげる(たいらげる)[他ー]. 飲食物を、残らず食べつくす。/吃光。

嘴(くちばし) [名] 鳥の口器。/鸟类的嘴,喙。

ばりばり(と) [副] 硬いものを引き裂いたり嚙み砕いたりする音や

第6課いのち 161

そのさまを表す語。/咯吱咯吱,咯嚙咯嚙。

嚙み砕く(かみくだく) [他五] 歯でかんで砕く。咀嚼。難しいことをわかりや

そぞろ すく説明する意にも用いられる。/嚼碎,嚼烂,

戦慄(せんりつ) 咬碎;简明易懂地解释。
さばさば
悲鳴(ひめい) [副・形動] ①気持ちが落ち着かないで、そわそわする様

獲物(えもの) 子。/不安,心神不定。②これという理由もな

追い詰める(おいつめる) く、また知らず知らずにある状態に支配される
縁側(えんがわ)
這う(はう) 様子。なんとなく。/不知不觉地,不由得。
せきせいいんこ
[名・自サ] 恐ろしくて身震いすること。/颤栗,颤抖。
もがく
[副] 気分、性格などがさっぱりとした様子。/爽朗,
うなり声(うなりごえ)
手に負えない(てにおえ 干脆,痛快,轻松舒畅。

ない) [名] ①驚いたとき、苦しいときなどに高く声をあげ
絶体絶命(ぜったいぜっ
ること。また、その声。/哀鸣,惨叫声。②困っ
めい)
殺戮(さつりく) たとき、他に助けを求める声。/叫苦。
殺生(せっしょう)
[名] 漁猟でとった動物。戦争や勝負事に勝って手に

入れた物の意にも用いられる。/猎获物;缴获

物。

[他ー] 逃げる場所がなくなるところまで追い込む。/

追逼,穷追,追得走投无路。•

[名] 日本家屋で、座敷の外側に沿う細長い板敷。え

ん。/套廊,走廊。

[自五] 腹部を地面につけるようにして、手と膝・足で

少しずつ進む。/爬。

[名] 「せきせい」は背黄青の意。頭・背中は黄色。胸・

腹は緑色、 尾は藍色で、愛玩用小型のいんこ。/

黄背绿鹦鹉。

[自五] ①手足をばたばたさせ、体をくねらせて苦し

む。/挣扎。②あせる。いらいらする。いらだ

つ。/着急。

[名] うなる音。/呻吟声,哼哼声。

[慣] 自分としては処理しかねる。/没法处理,没法

办,棘手。

[名] (絶体も絶命も九星でいう凶星の名である)追い

詰められて、どうしても生きる道が残されない

ピンチ。/ ー筹莫展,无可奈何,穷途末日。

[名・他サ] 殺すことの意だが、特にむごく殺すことをい

う。/屠杀,・杀戮。

[名・他サ・ ①生きるものを殺すこと。/杀生。②むごいこ

形動] と。/狠毒,残忍。

162日语综合教程第六册

もぎ取る(もぎとる) [他五]• もぎって(もぐようにして)取る。/摘,扭下,拧

付け根(つけね) 下。
[名] 物と物の接合している根元のところ。/根儿。

渾身(こんしん) [名] 体全体。全身。満身。/浑身。

よちよち [副] 幼児などがたどたどしく歩く様子。/摇摇晃晃,

东倒西歪。

桃色(ももいろ) [名] (桃の花の色のような)薄紅の色。ピンク。/桃

時分(じぶん) 红色,粉红色。
[名] ①大体のとき。ころ。/时刻,时候。②ちょう

どよい時期。/时机。

目が肥える(めがこえる) 一[慣] よいものを見慣れて鑑識力が増すこと/眼力
高,有鉴赏カ。

血なまぐさい(血腥い/ち [形] ①血のにおいがする。/血腥的。②流血を見る
なまぐさい) [名] ような残酷な様子である。/残酷的。
[名] •毎日の極ありふれたこと。/司空见惯的事,极
日常茶飯事(にちじょうさ 平常的事,家常便饭
はんじ) りす科のけもの。ねずみに似ているが、より大
きく、可愛らしい。/松鼠。
りす(栗鼠) カラス科の鳥。頭がよく、器用な鳥として知ら

かささぎ [名]

銃器(じゅうき) れる。/喜鹊。
[名] ひとりで持ち運びできる小銃、拳銃、機関銃な

どの総称。Z枪械。

よじのぼる(よじ上る) [自五] 物にとりすがって登る。/攀登,爬上。

銃声(じゅうせい) [名] 銃を発射した音。/枪声。
とりつく [自五] ①すがりつく。とりすがる。/偎靠。②着手す
る。とりかかる。/摸到头绪。③心霊や魔物な

どが乗りうつる。/(被病魔等)缠住。

引き寄せる(ひきよせる) [他ー] ①引いて近づける。/拉到近旁。②心をひきっ

冷血漢(れいけっかん) [名] ける。/吸引。
のたうっ [自五] 人情味に欠けた冷酷な人間。/冷酷无情的人。
苦しみもがく。苦痛に転げまわる。/ (痛苦地)翻

滚,折腾。

心根(こころね) [名] 心の奥底にある本性。また、気だて。心情。/心

甘んじる(あまんじる) [自ー] 肠,根性。
甘んずる。与えられた状態で満足する、また、
仕方がないものとして我慢する。/甘愿,情愿,

满足。

鎖(くさり) [名] 金属製の輪をつなぎ合わせて作った紐、または

第6課いのち 163

垣根(かきね) [名] 綱。/锁链子。
しょんぼり [副] 家・敷地などの仕切りや囲い。/篱笆,栅栏,围
墙;墙根。
欲張り(よくばり) [名・形動] 元気なくしおれている様子。イ宅びしく寂しそう
な様子を表わす。/孤零零地,垂头丧气地,无
精打采地。
欲張ること。また、その人。/贪婪,贪得无厌
(的人)〇

言葉の学習

そつ 〜としては 作为…来说,就…来说,站在…角度来说 I

「として」に「は」のついたものだが、人物や組織などを表す名詞について、
「その立場•観点から言えば(考えると)」、また、「平均と比べて、それから外れ
た性質を持っている」という意味を表す用法である。通常「は」は省略されな
い。なお、平均値とのずれを述べる場合は「〜にしては」と言い換えられる。

❶ 猫としては、久しぶりのご馳走だからゆっくり料理しようというつもりで
あったかもしれない。(从猫的角度来看,也许这是久违了的佳肴,正打算慢慢
地品尝呢。)

❷「それで、あなたとしては、中川君の失踪をどんなふうに考えておられるの
ですか」長谷川は質問に戻した。(“那,对于中川君的失踪您是怎么认为的
呢?”长谷川又回到了问题上。)

❸ 実は出版社から、私のいくつかの講演記録を集めて出版したいという強い依
頼を受けたのですが、私自身としては、そうした方法で著書を出版すること
はとても同意できませんのでお断りしていました。(说实话,出版社提出要把
我的几个演讲记录汇编出个集子,而我本人无法同意用这样的方法出专著,所
以就拒绝了。)

❹ もちろん窪田さんとUS、うちに手形を保証してもらうことで危機を切り
抜けようとして、迷惑はかけないという建前で依頼して来られたようです。
(当然,窪田想请我们做支票担保以摆脱危机。他来求我们帮忙时作为前提好
像说过不会给我们添麻烦之类的话。)

❺ スチュワーデスとしては小柄で普段はおとなしい真弓だが、自信のある口調
で答えた。(作为空姐来说真弓显得娇小,平时也比较老实 。她用充满自信的口
吻做了回答。)

164日语综合教程第六册

上二、だに甚至,连

類推を表す文語副助詞で、「さえ•すら」の古い言い方である。「〜さえしな
い」「まったく〜しない」の意を表し、打ち消し表現を伴うことが多い。「考え
るだに恐ろしい」のように肯定の形とともに使われると、「〜だけでも」の意味
を表す。書き言葉。

❶ 職務上の重大な誤りが指摘されたが、彼は反省だにしない。(虽然被批评犯有
严重的渎职错误,可是他根本不想好好检查自己 。)

❷ 会社は週休二日制を実施すると言っているが、日曜日建に充分に休めない社
員が少なくない。(说是实行双休日,可是公司有好多人甚至连星期天也不能好
好休息。)

❸ 弘は足元の氷を見た。だが、どう踏みつけたところで氷は大地のように微動
だにしない。(弘看了看脚下的冰。不过,无论怎么使劲地踩冰就像是大地一般
纹丝不动。)

❹ 名を呼ばれても、彼は返事だにせず座っていた。(叫他,他也不应一声地坐
着。)

❺ 白日の下でどうしてこんな見るに忍びないことができるものか、考えるだに
恐ろしかった。(光天化日之下怎么能做出这么目不忍睹的事呢,想想都觉得害
怕〇)

Wヨ〜ようものなら要是…的话 ................ :

「動詞未然形+(よ)うものなら」の形は前の文で「万一そのようなことが起
こったら」という意味を表し、後ろの文には「大変な事態が生じる」というマ
イナスの内容を続けるのが普通。

❶ 信用ってものは会社の存亡にかかわるような存在だ。一度客の信用を失おう
ものなら、もう店の経営は成り立たなくなる。(信誉对公司而言犹如生命。ー

• 旦失信于顾客那商店就会无法经营下去。)

❷ 今度は絶対に失敗してはいけない。失敗しようものなら首になるかもしれな
い。(这次可不能失败。失败了也许会失去这份工作。)

❸ 先生は時間にとても厳しい。授業に5分でも遅れようものなら、しかられて
しまう。(老师对时间要求很严。上课万一迟到,哪怕是5分钟也会挨批评。)

❹ 彼女はおしゃべりだから、発言させようものなら、ひとりで何時間でもしや
べっているだろう。(她原本就喜欢说话。让她发言,1个人能说上好几个小时
吧。)

❺ 王さんはフランスに留学して、世界でフランスほど素晴らしい国はないと
思っている。だれもがちょっとフランスの悪口のようなことを言おうものな

第6課いのち165

ら、フランス人以上に怒ったりする。(小王在法国留过学,觉得法国是世界
上最好的国家。无论是谁,如果讲法国的坏话,他就会比法国人还要生气 。)

また「ものなら(話し言葉では〜もんなら)」の前には可能動詞を使うことが
多く、「もし〜することができれば」という実現の可能性が低い仮定を表す。「〜
ば、〜たら、〜なら」とほぼ同じ意味であるが、これらに比べると後述の反事
実的条件の解釈がしやすい。

❶ ひとりで行けるものなら行ってください。ただ、心配だから、着いたら電話
でもください。(1个人能去的话,那你就去吧。只是我有些担心,所以到了就
来个电话。)

❷ でも行けるものなら氷の跡切れるところまで行ってみたいCそこまで行け
ば、真冬のオホーツク海が見下ろせるのだ。(不过,能走的话我想一直走到冰
的尽头。到了那里,隆冬的鄂霍次克海就能尽收眼底。)

❸ できるものなら、もう一年間日本に滞在したいけれどC (可能的话我想在日本
再呆一年。)

❹ これはおもしろい本だから、出版できるものなら出版したいと思う。(这本书
彳艮有趣,如果能出版的话我想出版。)

匕毁ものを如…就好了,然而 !

「のに」とだいたい同じ意味。「〜すれば思わしくない、あるいは悪い結果に
ならなかっただろうが」「そうしなかったから、よくない結果になってしまつ
た」という意味を表し、人に対する不平、不満、非難を言う場合が多い。

❶ 焦らなくてもいいE芟、焦るから失敗するんだ。(不该着急的,着急オ失败
了嘛。)

❷ 早くしたらよさそうなものを、なにをぐずぐずしているのだろう。(快点儿干
就好了,在磨蹭什么呢。)

❸ 前もって連絡しておけばよかったものを、しなかったので迷惑をかけた。
(事先联系一下就好了,结果给人添了麻烦。)

❹嫌いなら嫌いだとはっきり言ってくれたらよかったものを、いまとなっては
遅すぎるよ。(不喜欢就讲清楚不喜欢好了,现在说已经太晩了。)

❺その場所がわからないと言ってくれれば、一緒に行ったものを、何も言わな
いとは水臭い人だ。(你要是说一声不认识那地方,那我也就陪你ー起去了 。可
你偏不说。真是太见外了。)

、拿動詞に同一動詞の可能形ない想…也不可能

格助詞「に」は意志的な行為を表す動詞につき、「〜しようと思ってもできな
166日语综合教程第六册

い」という意味を表す。
「に」は動詞連体形につくが、「帰ろうにも」など、「にも」の形で動詞の意志

形を受けるのも可能。「に」の後ろの文節には同じ動詞の可能形の否定、あるい
は可能の意味の否定表現を繰り返す。

❶ 電車はひどく込んでいて、乗るに乗れない状態だ。すこし早めに出かけたら
よかったのに、とすごく後悔している。(电车彳艮挤,想乘也乘不上。我彳艮后悔
为什么不早点儿出门呢。)

❷食事の用意をするといっても、材料も買っていなければ調味料もそろってい
ない。これでは、作るに作れない。(说是要准备<饭,可既没有买菜,佐料也
没备齐,这样的话,想做也没法做。)

❸ 昨日はメンバーが集まらず、議題を決めようにも決められなかった。(想把议
题定下来的,可是昨天因为人员没到齐,没能定得下来。)

❹(駅で)「もう終電出ましたよ。」「ええ、間に合わなくて帰ろうにも帰れない
んです。」((在车站)“末班车已经开走了。” “是啊,没能赶上,想回去也回不成
了。”)

❺ あまりにひどい状態なので見るに見かねて、私は彼を援助することに決め
た。(样子太可怜了。我实在看不下去,决定帮帮他。)

号»〜を禁じ得ない不禁…

物事の様子や事情を見て、心の中から自然にそのような気持ちが起こってき
て抑えることができないという意味を表す用法である。「を」の前の部分は感情
を表すものが多い。話す人の感情を表す文であるから、普通一人称の文に使う。

❶ 鈴木さんは駅で切符を買おうとちょっと目を離したすきにスーツケースを盗
まれてしまったそうだ。その旅行もキャンセルせねばならなかったそうで、
まったく同情の念を禁じ得ない。(听说铃木在车站准备买张票,眼睛就那么稍
稍离开了一会儿,旅行箱就被人偷走了。听说旅游也因此取消。真是不胜同
情。)

❷ 大企業が相次いで倒産するという事実を知らされて、驚きを禁じ得ない。(当
被告知大企业ー个接ー个倒闭时,我不禁感到万分吃惊。)

❸ 抑えようと努力しても、そのような気分(行動)に向かう自分を禁じ得ない。
(我想尽量地克制自己,但还是克制不了自己心情发生这样的变化 。)

❹ 友達が登山で遭難したことを聞いて•悲しみを禁じ得なかった。(听说朋友登山
遇难的消息,我不胜悲伤。)

❺ 親に死に別れたその子の姿に涙を禁じ得なかった。(看到那孩子失去亲人后伤
心的样子,我不禁热泪盈眶。)

第6課いのち167

金一・…〜とて一一.......... 一…—........... .—一——............ ,—— ............ )

格助詞と接続助詞のふたつの用法がある。以下の1.2.3.は格助詞の用法で、
4.は接続助詞の用法である。

1. 文または文相当の語句を受け、「〜と言って」「〜と思って」の意を表す。この

場合の「て」はきわめて軽く、文法的機能は「と」だけの場合とほとんど変わ
らない。(说是…‘觉得…。)

❶ 大学を終えてぶらぶらしているのも退屈とて、主人の研究室で秘書みたいに
して手伝ってくださった。(说是大学毕业后闲着也觉得无聊,于是就来我先生
的研究室帮忙做做秘书什么的。)

❷ さっきまでここにいたが、寒いから匕二部屋の中に戻ったのだ。(刚オ还在这
儿,说是觉得冷回屋里去了。)

❸ ちよつと買い物に行くとエ、朝早く出かけたのだが、こんな時間になっても
まだ戻ってこない。一体どこに行っているのだろう。(说是去买点东西ー早就
出门了,可都这时候了还没回来,究竟去哪儿了呢? )

❹体にいい空毎日食べているみたいだ。(说是对身体好,好象每天都在吃。)

2. ほかの同類のものと比較して、それについても例外ではなく、ほかの同種のも

のと同じだということを強く主張し、「であっても」「〜もやはり」の意を表す。
話し言葉では「だって」のほうがよく使われる。(就是…也…。)

❶都会に出かけている彼らq農村と無関係ではない。親戚や友達の中には、
なお農村にとどまるものもあるであろう。(即便是来到城里工作,他们也仍
然和农村有着某种联系,他们的亲戚朋友中有人还留在农村。)

❷ 定年を待たずに退職するほうが、君とて得なんじやないのか。(提前退休就是
对你也没什么损失嘛。)

❸ 学生がいい大学に入れたら、先生とエうれしいに決まっている。(学生考上好
大学,当老师的自然也彳艮高兴。)

❹ この仕事を引き受けたら、土曜日曜とて、暇ではない。(如果接受这项工作那
就是双休日也闲不了。)

3. 原因と理由を表す用法である。「こととて」の形で用いられる場合は「なので」

「だから」「だけあって」の意味を表し、そういう理由だから、こういう結果に
なるのも仕方がないという結果を正当化するニュアンスが含まれ 、後ろの文に
は一般的に予想される思わしくない結果が来る。「からとて」は「だからと
いって」の文語的な表現と理解していい。(就算是…也不能…;就是因为…
而…。)

168 日语综合教程第六册

❶ 氷河期といわれる就職難のこととて、もうすぐ卒業式だというのにまだ就職
先が見つからない。(就是因为就业难如冰川期,马上就要举行毕业典礼了可エ
作还没有落实。)

❷ なにぶん初めてのこととて、行き届かないこともあろうかと思います。(我们
这是第一次做这工作,正因为这样一定会有考虑不周的地方 。)

❸ 景気が悪いか^エ、勝手に社員の首を切るわけにはいかない。(就算是经济
不景气也不能随便地开除职员〇)

❹ たまたま同じ職場で働いている些とエ、なにも相手にそう同情しなければ
ならない理由はない。(就算是碰巧在同一个单位工作,也没有理由要如此地同
情对方。)

4.完了助動詞「た」につき、仮定の逆説を示す用法である。「たとえ〜としても」

「〜でも」「〜(た)ところで」の意を表す。「どんなに」「たとえ」などを伴うこと
が多く、下に打ち消しの語を伴って使う。文語的な用法。(即使…也(不)-〇)

❶ ここまで病状が進んだら、入院したとて、よくならないだろう。(病情已如此
严重,恐怕住院也好不了。)

❷ いくら残念に思ったとエ、結果がこうなってからではどうにもならない。(结
果已经如此,你再遗憾也无济于事。)

❸ どんなにたくさん資格をとったとて、生かさなければ、ないのと同じだ。(即
便获得再多的资格证书,不起作用就如同没有。)

❹ いくら仕事に専念したとて、あなたひとりでは、その仕事をこなせないで
しょう。(无论你多么ー心一意地工作,凭你1个人是做不好的〇)

辺》〜にしては就…来看,以…衡量的话 j

「に」は基準を表す。「AにしてはB」は、Bの状態はAらしくないという評
価を表す場合に使われる。「名詞とい‘うには」「名詞というにしては」は大体同
じ意味である。

❶ 全力を挙げてしたにしては、あまり満足できる結果とは言えない。(就大家的
付出来看,现在的结果还不能说是最令人满意的。)

❷ 大学の学長にしては学識と経歴がちょっと足りないと思う。(以大学校长的要
求来衡量的话,我觉得无论是学识还是经历他都有所欠缺 。)

❸ 生まれてまだ一年でしかないにしては、この子はずいぶん大きいですね。ほ
んとにこの父にしてこの子ありだ。(这孩子出生オー年,长得真大。真是有其
父必有其子啊。)

❹ 寝たきりの老人にしてははりのある声だった。(作为ー个卧床不起的老人,他
的声音还算是有精神的。)

第6課いのち169

❺ 汚い破れたシャツ姿のこの一団は、学生というにしては、あまりにも惨めな
恰好をしている。(衣衫又脏又破的这一群人,说他们是学生吧模样又显得过于
寒珍。)

做二ところの所‘ーー.............

「ところの」の形で、連体修飾語を受け、下の体言に続ける。欧文の関係代名
詞の直訳的表現である。日本語では、必ずしもこれを用いる必要はないが、使
用した場合は翻訳調に聞こえる。書き言葉的で、演説や論文などによく使われ
る。

❶ 彼が目指すところの理想の社会とは、貧富の差がないすべての人が豊かな
生活をするような社会である。(他所追求的理想社会是ー个没有贫富差别,
人人都可以过上富裕生活的社会。)

❷ 子供ができてからは毎日忙しくて、あなたたちのいうところの娯楽などを
ゆっくり楽しんでいられなかったのだ。(有了孩子以后每天都忙,你们说的娱
乐是再也没有好好享受过啰。)

❸ リーダーといわれる人は必ず人間的に非常な魅力を持っているものである。
部下が動くのは、リーダーの命令自体によるのではなく、その直接肌に感じ
られるところの人間的な魅力のためである。(被称为领袖的人一定是ー个非常
具有人格魅力的人。他的部下之所以追随他,不是因为他的命令,而是亲身感
受到了他的这种人格魅力 。)

❹ それでは、あなたの言うところの民主とは一体どんなものでしょうか。いま
の話はどうもとんちんかんのようです。(那么,你所谓的民主究竟是什么呢?
你现在的话有些前后矛盾呀。)

❺ 法の及ぶところの範囲でなければ、どんなことをしてもかまわないという考
え自体は大間違いだ。(以为只要不在法律所涉及的范围做什么事都没关系,这
个想法本身就是大错特错的〇)

…一~ た・る......................................... …一—..................... .—.................... …I

文語的な表現。判断を表す助動詞「たり」の連体形で、平安時代末期から盛
んに用いられた。「〜の立場にあるのだから、それにふさわしく」という意味を
表す。硬い書き言葉や、演説など、フォーマルな話し言葉で用いる。

❶ 昔風には風雅であろうが、現代人た至私たちにははなはだ間が抜けている。
(这在从前看来也许是ー种风流 ,但是在我们这些现代人的眼里实在是太蠢

了。)

❷ 心ならずも冷血漢え全不名誉に甘んじている。(出于无奈只得忍受着冷血动物

170日语综合教程第六册

的坏名声。)
❸ 国の大臣たる者は、自分の言葉や行動に責任を持たなければならない。(身为

国家大臣就必须对自己的言行负责。)
❹ この家の跡継ぎたる者は1回や2回の失敗であきらめるものではない。(作

为这个家的继承人是不能因为ー两次的失败就绝望的。)
❺ 国の代表をところで仕事をするのなら、それなりの誇りと覚悟を持ってく

ださい。(在代表着国家的地方工作,那就应该有应有的自豪和思想准备吧。)

表現の学習

気持ちを表す表現 ー.................................................................................]

気持ちや感覚を強めて言いたい、またはしたくはないが、しなければならな
いと言いたいときにはどんな言い方をすればよいか。この課でこれらについて
少しまとめることにする。もちろん、自分の感情を、それとも相手や第三者の
感情を表すかによってその言い方も違うが、「うれしい」「残念だ」というのは、
「私はうれしい」「私は残念だ」と自分の感情を言う表現である。相手や第三者
のことについてそういう言い方はしない。同じように、相手や第三者の感情に
ついて以下に挙げられている感情表現を使うときも、「あなたはうれしくてしか
たがないでしょう?」「田中さんは残念なものがあると思うよ」のような質問、
確認、推量、説明などの言い方のほうがいいと思う。

1.気持ちを強調する表現

❶「橋本先生は明日で定年になり、授業もきょうで最後だね。」「厳しい先生
だったけど、最後となるとちょっとさびしレ、ものがあるね。」(“桥本老师明天
退休,今天是他最后一堂课吧。” “桥本老师虽然严厉,但ー想到明天起老师就
不来学校了,总还是让人觉得有点儿寂寞啊。り

❷「田中さんの就職、決まったんだって?」「うん、あんな大企業に入れるなん
て、うらやましいかぎりだよc丨(“听说田中的工作已经定了 ? ”“是啊。能进那
么大的企业工作真叫人羡慕。”)

❸ 1点の差で希望校に受からなかったのよ。しいといったらないわC私って
本当に運が悪いのね。(就差1分没能进报考的学校。真让人窝心啊。我这个人
那,做什么都运气不好。)

❹ せっかく、これからという前途のある弟を、そんな目に合わせた人が、私は
憎くてならない(弟弟有着来之不易的美好前程,我恨死那些让弟弟倒霉的人
了。)

第6課いのち171

❺ 昨日の健康診断の結果がいつまでも気になってしかたがない。大丈夫かし
ら。(我总是放心不下昨天体检的结果。不会有问题吧。)

❻ 急にあなたに会いたくてたまらなくなった。それで今ここに来ているのだ。
(我突然变得非常想见你,所以就来了。)

〇 小説の題名にはいつも苦労させられる。一度目にしたら忘れられなくなるよ
うな、早く中身を読んでみたいという気持ちをそそりたててやまないような
印象的な題をつけたいのだが、なかなか気に入ったものが見つからない。(给
小说起名字经常是彳艮辛苦的,因为我总想起一个给人强烈印象的名字 。这名字
或是让人过目不忘,或是让人迫不及待地想了解小说内容 。可常常找不到满意
的。)

❽ 日本社会の構造を分析する時に提出した「タテ」「ヨコ」の概念は、すでに
多くの人々に使われるようになり、著者としては喜びに耐えない。(我在分析
日本社会结构时提出的“纵向” “横向”概念已被彳艮多人运用,作为作者我感
到由衷的高兴。)

まとめ

「てならない」は「てしかたがない」「てたまらない」とは違い、感情•感覚・
欲求以外の言葉を用いるのが難しい。「てしかたがない」「てたまらない」には
その制限がない。直接感情や感覚を表さない場合でも、その事態を我慢するこ
とができなくて、解決しようにも方法がないことから、困惑したりいらだった
りする状態が生じる場合にも用いられる。したがって「面接の時は足が震えて
しかたがない/たまらない」と言えるが、「面接の時は足が震えてならない」と
は言いにくい。

「てたまらない/てしかたがない」は、その時点で強く感じられ、抑えたりし
て我慢できない気持ちや感覚を表している。対照的に、「てやまない」で表され
る感情は長期にわたって強く持続しているものである。「あの人の話を聞いて失
望してやまない」のように、そこでその気持ちが終わってしまうというような
場合なら「てやまない」は使えないが、「彼女は生きている時、先生にぜひ一度
会いたいと願ってやまなかった」なら大丈夫である。

なお、以上の表現はいずれも話す人の気持ちを表すもので、三人称に使うと
きは、文末に「らしい」「ようだ」などをつける注意が必要である。

最後に「〜ものがある」と「かぎり」であるが、両方とも話し手自身の気持
ちを表す言い方で、前者は「相当〜だ/なんとなく〜と感じる」の意味であり、
後者は「非常にそう感じている」という心の状態を表す。

2.感情を強制する表現

❶ 政府役人のスキャンダルは、税金を払っている市民として怒りを禁じ得な
い〇 (对于政府官员的丑闻,作为纳税的市民我不能不感到十分气愤。)

172 日语综合教程第六册

❷ 会社に至急の用事ができたので、旅行の最中に旅行を中止することを余儀な
くされた。(公司发生了急事,不得已在游兴正酣时结束了旅游。)

❸ 大切なものをこわしてしまったのだから、買って返さないではすまないで
しょう。(把别人珍惜的东西弄坏了,不买ー个还他不行吧。)

❹ 私たちは生命の不思議、自然の神秘に打たれないではいられないでしょう。
(我们不能不为生命的不可思议 、自然的神秘所感动。)

❺ 会社の経営があまり良くないため、この開発計画も棚上げにせざるをえない
だろう。(由于公司经营状况不好,这个开发计划只能暂时搁置。)

❻ その痛々しい青年の姿を見るに忍びないように、急いでその傍を通り過ぎ
た。(我不忍看那青年凄惨的样子,快步地从他的身旁走了过去。)

まとめ

「ざるをえない」は、嫌だけれども状況からの判断などでAをするしか方法が
ないという話し手の不本意な気持ちを表す場合と、当然のようにそういう気持
ちになってしまうという感情を客観的に表そうとする場合に用いられる表現で
ある。「せずにはいられない」は自分の感情を抑えることができないという意味
を表す表現だから、これに置き換えると、感情を間接的•客観的•冷静に表そ
うとする表現から、直接的・王観的に表現するものになってしまう。

「ないではすまない」はAのままでは気がおさまらない、満足できないと自
分の感情に視点がある。

"話牖荷 ... ........................................ ]

1.〜果てる

接尾語的な用法で、「すっかり〜する」という意味を表す。「疲れ果てる•弱り
果てる•呆れ果てる•困り果てる•くたびれ果てる•飽き果てる」などいろい
ろある。

❶ 美奈子にしても、心身ともに疲れはて、しかも身重で、宮地の胸に倒れこむ
ような思いだった。(美奈子本人也感到身心疲倦不堪,再加上怀孕的身子,所
以也想依偎在宫地的怀里受到他的眷顾。)

❷ 心臓が弱りはてて死んでしまったそうだ。やっぱり普段の極度の苦労が体に
応えたのだろう。(听说是心脏极度衰竭致死的。平时的过度劳累到底还是影响
到了身体健康。)

❸ 戦争で国の様子が変わりはてた。道端には食べ物不足で飢え死にした人もよ
く見られた。(战争使国家的模样发生了极大的变化。食物奇缺,路上经常可以
看到饿死的人。)

❹2、3か月前、おふくろがその孫のひとりと道で会ったので、爺さんの様子

第6課いのち173

を尋ねたところ、中風で倒れて、立居が不自由になっているので、ほとほと
困りはてているという返事だったそうだ。(两三个月之前母亲在路上遇到了他
的1个孙子,问起他爷爷的情况,据说中风病倒后现在起居都不能自理,真是
为难至极。)
❾ 午後おそく目が覚めた。のどは依然として渇きはてていたcわたしは高熱で
2日間寝たきりだったそうだ。(午后晚些时候我醒了过来,嗓子仍然是出奇地
干渴。据说因为高烧,我已经睡了两天了。)

2. 〜よく

「運よく」のほかに「都合よく •行儀よく •勢いよく •威勢よく •手際よく •血
色よく ・仲良く •気持ちよく •折りよく •元気よく •愛想よく •具合よく」な
ど、いろいろある。

❶ 彼を訪ねて行こうとしているときに折りよく彼が来たC (我正要找他,偏巧他
来了。)

❷ 良子は佐久間に、万事都合よく運んでいるから安心してくださいと言ったC
(良子劝佐久间说:“万事都很顺利,你尽可放心。”)

❸ 荷物が届いたとき、すでに倉庫に到着していた田中係長は、手際よく荷物を
, 運んで入れた。(行李运到时田中组长已等候在仓库,他妥善地把它们搬了进

去。)
❹ 王さんは普通の女と違って男のようにはきはきしていて、たいへん気持ちよ

W話のできる人だ。(小王不同于一般女人,她像男人ー样爽快,是个可以愉快
交谈的人。)
❺ 教科書は、日本語能力試験を目指す学習者が効率よく学べるように工夫され
たものが数多く出版され、目を見張るものがある。(为了帮助那些日语能力考
试的考生能更有效地学习日语,已经有不少精心编撰的好教材问世,其中不乏
让人舌ら目相看的好教材。)

3. 〜並み

問題になっているものの水準と同じ程度であることを表す。

❶ 彼女は家事は何でも得意だ。料理に至ってはプロ並みだ。(她做家务很在行。
尤其做菜更是专业级的。)

❷ 夏とはいえ、高原の深夜や未明は、ときに日本の冬並みにまで温度が下が
る。(说是夏天,可高原的深夜和黎明有时气温会降至日本冬天一般 。)

❸ 女性が一日に4時間近くを家事や育児に費やした上、さらに「男性並み」に
働くことが、本当の意味の「平等」なのだろうか。(妇女一天要花将近4小时
的时间在家务和养育孩子上,还要和男人ー样工作,这是真正意义上的平等

174日语综合教程第六册

吗?)
❹ こんな偉い先生をぶらぶら遊ばせておくのはもったいないというので、就職

話もたくさん持ち込まれた。もちろん一般失業者並みの安い口ではないc (说
是让这样一位了不起的先生整天闲着太浪费了,于是有很多人来为他介绍エ
作。当然,不是一般失业者的那种低报酬工作 。)
❺ 脳死者からの心臓移植もすでに4例目を数え、臓器移植がようやく日本に定
着した感じがある。わたしは、それは近代医学の輝かしい成果であり、よう
やく日本が西欧並みの文明になったなどと褒める気はない。(从脑死者身上进
行心脏移植已经有4例了,使人觉得心脏移植也总算在日本扎下了根。可我并
不想称赞说这是现代医学的辉煌成就,日本总算变得和西欧同样文明了。)

練習

ー、次の漢字にふりがなをつけなさい。

目下 垂直 厭う 忍耐 千切れる 銜える 殺生 明け方
爬虫類 逆襲 日常茶飯事
四方 渾身 蜥蜴 干物 羽根布団 手加減 狩猟 雀
馴染む 目撃 獣
折檻. 野鳥 獲物 縁側 絶体絶命

垣根 弄ぶ 溢す 心根 嚙み砕く

二、次の文の下線部の片仮名を漢字に直しなさい。

1. いぬアカシャのミきを駆け上る。
2. エモノを放した。
3. 人間の文明にオビえる。
4. モノカゲに隠れる。
5. 小動物のシガイが散らばる。
6. イノチビロいをして逃げ出した。

/皮膚のロシュツした部分が多すぎだ。

8. ドタンバで逆転した。
9. センリツを禁じ得ない。
io,野生動物をサツリクする。

三、次の質問に口頭で答えなさい。
1. 「近ごろの子供は現実的だから」とあるが、それはどのようなものを求める考

え方となって現れているか。

2. 「満ち足りたような、放心したような表情」とあるが、これはどのような心情

の表れか。

第6課いのち175

3. 「平身低頭、身の置きどころがないといった風情で小さくなっている。」という

表現には、猫に寄せる筆者のどのような思いが表れているか。

4. 「人間が生きにくくなれば、彼らもまた生きにくくなるのである。」には筆者の

どのような考えが表れているか。

5. 「とかげもなかなかのやつ、というふうに思うようになった」のはなぜか。

6. 「私は思わず笑ってしまった」とあるが、それはなぜか。

7. 「そぞろに戦慄を禁じ得ない」のはなぜか。
8. 「なんという渾身の力をこめてかんだものであろう!」という表現には、筆者

のどのような気持ちがこめられているか。

9. 「向こうの作家のものを読んで、とてもかなわないと思う」とは、どういうこ

とか。

10. 「獣との血なまぐさいつきあいを重ねながら、自然への理を深める」とはど

ういうことか。

11. 「もの言わぬ彼ら」とは、なにをさしているか。「それでも私は、ときおり彼ら

に向かって、しみじみと話しかけたくなる」のはなぜか。

12. 「言葉もお金も持っていないおまえたち」とあるが、「言葉」と「お金」を持つ

ている「人間」はどのようなことに煩わされているのか。

13. 「うるさそうに、私の顔を、ちらと見るだけである」とあるが、動物の立場に

立ってこのときの心情を考えてみるとどのようなことがいえるか。

四、次の文の下線部の意味を説明した上で、全文を中国語に訳しなさい。
1. 猫は平身低頭、身の置きどころがないといった風情で小さくなっている。
2. 窮鼠猫をかむどころか、とかげですら土壇場になれば、猫のような大きな相手

に必死に刃向かうものだ。

3. こうなると、もう私の手に負えない、それ以上に猫を追いかけるのはあきらめ

た。

4. 絶体絶命の叫びが断続的に聞こえてきて、私がだんだん落ち着かなくなった。
5. 獲物を仕留めるには、相手の生態をよく知らなくてはならないから、自然、観

察も真剣で、目も肥える。

6. ルナールにしてもそうで、猟は日常茶飯事である。
7. 猫の手にかかったとかげは、たいていしっぽがちぎれている。

五、次の文の下線部「でも」の用法を説明しなさい。

7.「全然何の役にも立たないところがいいじやないか。そこにいるだけで面白いん
だから。」とでも答えておくしかない。

2それはともかく、動物の行動を見ているだけ色、私には楽しい。
3.育児といっても、猫の親は子供におやつを食べさせるわけ皂、おもちやを買っ

てやるわけでもない。

176日语综合教程第六册

4.元来は爬虫類は目にするのも気持ちが悪く、棒で包始末するのがやっとであっ

たのに.
5いっそさばさばした気もしないMない。

6.上海へ来るのが一日でも遅れていたら、張さんとは会えないところだった。

六、次の語群から最も適切な言葉を選んで( )に入れなさい。必要な場合は適当な
活用形にすること。

ア日常茶飯事 イそぞろにウ風情 工窮する 才しょんぼり,
カ今更のようにキからからク断じてケ刃向かうコ心ならずも:
サ肥える

/.道理につまってことばに( )。

2ありありと眼前に浮かび上がってくるその面影が、自分の中に占めていた大き
さを( )思い知らされた。

3. 雨景色とは言わないかもしれないが、雨も雨ならではの( )がある。

4. しばらく雨が降っていないので、畑がみんな( )になってしまった。

5. こんな情理に背いたことを( )やってはいけない。

6. 「お母さんいつ帰られるの」と、母の死を知らず無邪気に聞いているわが子を

見て( )涙をこぼした。

7. 独りプラットホームに立って( )私を見送っていた雪子の姿がいつまで

も忘れられない。

8. そのような責任のある仕事をしていく自信がないけれど、しっこく頼まれたの

で( )引き受けた。

9. あの人なら、たとえ( )気があっても、その度胸がないと思う。

10, 野村さんにとっては、異なる社会の人々に接するということは、( )であ

り、何らの抵抗を持つものではなかったのである。

11. よい文章に多く接していると、文章に対する目が自然に( )いく。いつ

の間にか文章を書く能力もついているものである。

七、括弧の中の言葉を使って、そして語群から適切な感情を表す表現を選んで、次の文
を完成させなさい。必要な場合は適当な活用形にし、一つのことばを1回使うこと。

ならない しかたがない やまない ざるをえない
に忍びず を余儀なくされる といったらない かぎり
ないではいられない たまらない

第6課いのち177

L交通事故で意識を失ってしまった友達が早く目が覚めるように_______ 。(祈る)

2. 大好きな焼肉を出されると、いつも_________ 。(食べ過ぎる)
3. 60年ぶりの猛暑で、じっとしていても汗がたらたら流れる。今日もまた

一日でしたね。(暑い)

4新聞で久保田の計報を知った。私は悲しく淋しかった。。(惜しい)

5. 嫁にも、たったひとりの孫にも、何一つしてくれとは言わないのだ。それなの

に、みんなが というのはなぜだろう。(する)

6. 人間の健全な生活には、自然と親しむことが大変重要であるが、そのような教

育がなされているだろうか。残念ながら、きわめて不十分と_______ 。(言う)

7. その傷だらけの、今にも息を引き取ろうとしている彼の姿を 人々

は急いで救急車を呼んだ。(見逃す)

8. ようやくたどり着いた山の頂上から見下ろした景色の________ 。(素晴らしい)

9. 会社ぐるみの汚職事件が発覚し、社長を始めとする責任者は_______ 。(辞職)

io.成績を認めていただいたとは です。今後もたゆまぬ努力を続けてい

きます。(嬉しい)

ハ、括弧の中のことばを使って次の中国語を日本語に訳しなさい。

1. 真是人不可貌相。没想到在班里向来不起眼的小吕都变得如此有出息。老师我不

用说和你们同样感到高兴。(見かけによらない/とて/に決まっている)

2. 是的,地方法院的官司我们输了。但是俗话说得好“不到黄河心不死”。我们不

甘心这次失败,打算进ー步向最高法院上诉。(敗訴となる/土壇場/に甘んじる)

3你该这么想,这事儿弄不好会出大事故的,就受这么一点伤你该感到庆幸オ是 。
(場合が場合なら/ものを/〜ですむ)

4. 在经济如此不景气的时候如果再提增加税收的事,选举肯定会失败。(〜ようもの

なら)

5. 旅游途中我的钱包和护照被盗了,真是欲哭无泪。为什么偏偏我会遇到这么倒霉

的事呢。(動詞に同一動詞の可能形ない/思いをする)

R对我们公司来说松本产业是最大的对手。这可是这儿说说的话,老实说我都这样
想过,要是松本产业倒闭了オ好呢。(正直なところ/としても/ないでもない)

Z工作一个接ー个。看着小林穷于应付的样子我禁不住心中充满怜惜。(途切れたこ
となく /対応に窮する/を禁じ得ない)

178日语综合教程第六册

8. 仔细ー看オ感到,这店说是酒馆吧又显得太亮了 。觉得亮得都能不费劲地看文库
本小说了。(にしては/楽だ)

9. 老婆婆亲切地这么说着,ー边马上将我们带到了玄关尽头的山崎君的屋里。当时

我们俩已经疲惫不堪,真希望马上让我们坐下来休息。(愛想よく /突き当たり/
〜果てる)

10. 每天,在世界的某个地方都有一些无辜的孩子因战争而受伤,这事甚至连想像ー

下都会令人感到伤心,但却是现实。(罪もない/だに)

九、言葉の決まり

/.次は特別な読み方が認められる語である。その読み方を書きなさい。

硫黄( )小豆( )浮気( )蚊帳( )

為替( )河原( )雑魚( )凸凹( )

時雨( )白髪( )迷子( )雪崩( )

芝生( )清水( )師走( )仲人( )

砂利( )祝詞( )名残( )最寄り( )

2次の故事"ことわざ•慣用句の意味に似た漢語を、あとの語群から探し、その記
号を( )の中に書き入れなさい。

①青菜に塩( ) ②能ある鷹は爪を隠す( )

③念には念をいれよ( ) ④板につく( )

⑤拍車をかける( ) ⑥二枚舌を使う( )

⑦石の上にも三年( •) ⑧他山の石( )

⑨虫が知らせる( ) ⑩辛酸をなめる( )

ア諦観 イ苦労 ウ辛抱 エ虚言 才萎縮 カ謙虚

キ適役 ク加速 ケ予感 コ慎重 サ反省 シ成功

3.次の文には、敬語の使い方のうえで適当でない箇所がある。その箇所を指摘し
て、正しい言い方に改めなさい。

① 乗りましたら、ご順に車の中ほどへお詰めください。
② 小銭をお持ちしていない方は、両替いたします。
③ しばらく、その書類をご拝借したいのですが……
④ あの窓口で、伺ってみてください。
⑤ 先生、教科書を忘れてすみません〇
⑥ あなたの驚くのもごもっともでございます。

十、次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

母は押しかけるように、父のところへ来て結婚してしまったため、貧乏に堪える

第6課いのち179

だけではなく、一生大岡の家に①気がねしながら暮らすことになったc
祖父や祖母については、幼少の⑦こととて覚えがないが、父の兄弟たちに向かつ

ては、父が裕福になり、いろいろな意味で優越の位置に立った後も、母はいつまで
も腰が低かった。

父自身に向かっても従順で、わたしは母が父に口答えするのを見たことがない。
その父は母に少しも忠実ではなかった。

昭和五年母は死んだ。そのころ家には和歌山市の知己の娘が勉学のため寄寓して
いた。母はその娘の④手前、父に怒鳴られるのを国こぼした。

「この年になって、あんなにひっちやがされて。」
「ひっちやがす」とは「叱り散らす」の和歌山の方言である。母はもう四十六で
あった。そしてこれが、母が父の不服をいうのを聞く最初®idE最後となった。翌
年母は死んだからである。
しかし、父も母をもらったため、いろいろ苦労していると、叔母は言っている。
普通、結婚によって、妻の実家から予期し得る有形無形の便宜がなかった上に、母
は家計が下手だったらしい。「お母さんはしまりがなかったからな。」と、これは母
の死後、父のロから出た唯一の母の悪口であった。
母はわたしを愛してくれたが、わたしを婦人雑誌のいう意味で「教育」すること
はできなかった。おとぎ話も正確には語れなかったので、よく寝床で話してくれた
のは、今、考えてみると歌舞伎や浄瑠璃の筋である。「阿波の鳴門」は「おつる」が
母と同じ名前であったので、わたしはそれを母の経験と間違えた。おつるが殺され
るところまで来て、
「なんだ。それお母さんのお話じやなかったの。」と反問して、かたわらから父に
笑われた記憶がある。
その他、安珍、清姫の物語など、すべて女が男を追う話が奇妙に記憶に残ってい
るのは、後、母が父を追った話を聞かされてから、逆に記憶を彩ったためであろう
か。
母は小学校の成績が一番であったことを自慢した。そして学問はないけれど、難
しい本が好きだといった。「むずかしい本」とは、中学生のわたしが読み出した、漱
石や龍之介の小説の意味である。しかし、わたしの下に七つおいて次弟、さらに五
っおいて末弟を持った母には、好きな本を読む暇はなかった。
ある夜、食卓の席で、母のいった何かでたらめな、変な言葉をわたしが笑うと、
母はむきになって怒った。
「そんなにお母さんをばかにして、今まで学校へやってもらったのは 、だれのお
陰だと思っているのですか。謝りなさい。」
②父も少し母のけんまくに度肝を抜かれたらしく、_緒に怒るのを忘れて、苦笑
して、「昇平、謝れ。」といっただけであった。
このころ、わたしは十五歳であった。父にもわたしはよく手をついて謝らされた
が、だんだん反抗するようになった。そして口論の挙句は家を飛び出して、知己の

180日语综合教程第六册

家へ泊まりに行った。
母は翌日、必ず迎えに来た。
「あたしがきっと迎えに来ると思って、この子はこんなことをするんです。」

と、母は涙を浮かべながら、その家の人に言っていた。子どものわたしが匚エ計
算しているはずはなかったが、母としては迎えに来ずにはいられない③自分の立場か
ら推して、そう思ったらしい。母には要するに、子どものすることを匚里コ余裕が

無かったのである。
そしてこの気持ちは自分の生んだ子が、立派に育ってくれなくては、大岡の家に

合わす顔がないという、古風な女らしい見栄と結びついていた。
家が豊かになると、④母は金をやたらに箪笥の引き出しにほうりこんでおいた。わ

たしはその中から目立たぬように二円三円と盗み、買食いをする味を覚えた。
ある日わたしは自分の机の引出しに入れておいた、そういう金の使い残りが無く

なっているのに気がついた。わたしは発見されたと思い、厳しい叱責を覚悟した。
しかし、その日の夕食の席で、母のわたしを見る目が思いなしか、少し変であった
だけで、意外にも何も言われなかった。

わたしは自分の思い違いかと思ったが、翌日、母の引き出しに手をかけてみると、
鍵がかかっていた。わたしはやはり見つかっていた。しかし、母になぜ叱られない
のか、さっぱりわからなかった。

今では分かる。[J□〇

OD 下線部①「気がねしながら暮らす」と似たような意味を表現しているところ
がある。それを文中から6文字抜き出しなさい。

dB s)文中の下線部@「手前」、( 「こぼした」と同じ意味で使われているものを次

からひとつ選びなさい。

手前 ア 手前にある箸をとって一口味見をしてみた。

イ 南京路のひとつ手前の駅で降りるのですよ。乗り過ごさない

ように。

ウ社会の手前もあるから、言動を慎まなければならない。

工手前の知ったことじやないから、ロを出すな。

こぼしたアほら、水をこぼしちやったよ。

イ 本人のいないところでこぼしたって意味ないじやないか。

ウいまさら、涙をこぼしてももう遅いよ。

ェ 彼はつい得意の微笑みをこぼした。

d❸ 下線部伝)①の文法上の意味説明として最も適当なものを次の中から選びな

さい。

第6課いのち 181

こととて アと思って イであっても ウだから 工としても
にして アでありながら
イで •ウでさえ

dD 下線部②「父も少し母のけんまくに度肝を抜かれたらしく」とあるが、なぜ

なのか、理由を書きなさい。

dD rr~iとに当てはまる最も適切なものを次から一つ選びなさい。
Iアそんなに
イそれまで ウそれだけ エそこまで

n ア注意する イ包容する ウたしなめる 工取り繕う

dD 下線部③「自分の立場」とは、どのような立場なのか。その立場を具体的に

5示している文を二つ選び、それぞれ最初の 字を書きなさい。
1
2

dD 下線部④「母は金を〜ほうりこんでおいた」とあるが、そこに見られる母と

20同じ姿を、他の箇所では別な言葉によって表現している。それを 字以内

で抜き出しなさい。

dD HE!に当てはまるものとして、最も適切なものを次から一つ選びなさ

い。
ア 母は、鍵をかけた効果に父とともにひそかに満足したのである。
イ 鍵さえかければ、きっとわたしが自戒するだろうと思ったのである。
ウ 母は、父に相談して鍵をかけた。これでわたしの盗み心を許そうとした

のである。
エ 母は、自分が生んだ子が盗人であることを父に知られるのがこわかった

のである。

dE) io次の一文は、本文のどこに入れるのが最もふさわしいか。直前の 文字を

書きなさい。

そして母とわたしとの間には、男の子の成長の自然の結果のほかに、わ
たしが教育を受けたという事実によって、距離ができていった。

澗10. 波線部のことばの読み方を書きなさい。

寄寓( )唯一( )彩( )る

182日语综合教程第六册

国字と熟字訓

日本人は漢字の伝来以来、これを尊重し大いに活用したが、漢字だけでは
どうしても表記できない日本固有のことば(和語)もあった。そこで、日本独
特の文字を作って当てたのが「国字」である。「峠」「辻」「畑」などの土地に
関するもの、「笹」「樫」「鯛」「鱈」などの動植物名など、訓読みだけの文字
の多くは「国字」である。

また、和語を漢字の熟語に当てて読む方法 、「熟字訓」も行われ、日本人に
親しまれている。「小豆・田舎・為替・雑魚•梅雨・土産・浴衣……」など、
漢字の持つ意味を巧みに利用しているところがおもしろい。

!読み物

まぼろしの〃タカオトンボ〃

•矢。高雄

その日ボクは、一頭のルリタテハを追って段々畑をあえぎ登り、ブナの
国有林に入っていた。手には捕虫網、肩には毒ビン……小学校五年生の時
のことである。

にわかに樹間が開いた。外輪がブナの原生林にスッポリとつつまれた、
後楽園球場の三倍ほどの湿地帯で、背丈を越える葦が一面を覆い尽くして
いた。村人はここを甘池と呼んでいた。葦の茂みの中に無数の“底無し沼”
があるから、立ち入ってはならないと何度もおふくろから注意されていた。
しかしボクの好奇心の前には、おふくろのきつい注意も無力だった 。ボク
は捕虫網を小脇にかかえ 、葦の茂みをかきわけた。

ボクが昆虫採集に熱中し始めたのは、それより一年前の四年生の時から
である。初めは六本足ならば、蝶も、セミもトンボも、カブトムシもクワ
ガタも手当たりしだいに集めた。それが蝶に傾いていったのは、あのあや
しいまでに美しい鱗粉の織りなす彩りに魅せられたからにちがいない。

第6課いのち183

振り返って、ボクの少年時代は実にのびやかだったと思う 。何か……親
や先生に秘密のことや 、管理の網を搔い潜った謀り事があっただろうか
……等々考えてみるのだが、特にこれといったことが思い当たらない。そ
れもそのはずである。場所は奧:羽山脈の山あいの小さな村であり 、時は終

戦直後の厳しい時代だったから、親たちは子供にかまってるヒマがなかっ
たのである。朝は朝星、夜は夜星の言葉どおり、親たちは朝暗いうちに起
き出し、山奥の田畑に出かけたら、' それっきり暗くならないと帰って来な

い。
のびやかだった……という表現は、裏を返せば、野放しだったというこ

とでもあろう。ましてや山間の村のことだから、公園もブランコも、映画
館も喫茶店もあるわけはない。あるのは限りない緑の山と、一本の渓流だ
け。そこがボクら野放しの子の遊び場のすべてであった。だからボクらは
その中でいやおうもなくさまざまの事態に直面して学び工夫せざるを得な
かった。だからだれもがたくましく、それぞれに生きる知恵も身につけて
いったように思う。

例えば、昆虫採集には捕虫網が必需品である 。今ならば父や母がデパー
卜の夏休みコーナーなんかでワンセットそろえてくれるだろう 。ボクはそ
れを自分のアイデアと工夫ですべてやった。いや別にたいしたことはない。
捕虫網の竹は裏山にいくらでも自生していた。網は使い古しの蚊帳だった。
蚊帳の手ごろの部分を切って袋状に縫う。縫い方は、毎晩繕い物をするお
ふくろの針仕事を見ていて覚えた程度である。あとは納屋からハリガネを
見つけてきて輪をつくればでき上がり。

採集した蝶を標本にするには虫ピンが必要である。初めのうちはおふく
ろの裁縫箱の木綿針を失敬した。’しかしそれには限りがあった。虫ピンを
ほしいと思ったが町は遠い。仮に町へ行ったにしても、当時はたして売っ
てたかどうか。窮すれば通ずとはよく言ったものである。二階に古びた蓄
音機が一台あった。七十八回転で、ハリを使って聞くアレである。その使
用済みのハリがボクの虫ピンとなった。

周囲が山だから採集場に不自由はなかった。だが蝶はどこへ行ってもい
るというわけではない。一般的に言えば、花が咲いていればそこで待てば
よいわけだが、やってみるとそう単純なものではない。カブトムシやクワ
ガタのようにナラやクヌギの樹液を好む蝶もいる 。春型と夏型で大きさや
紋様を変えるものもいるし、オスとメスがまるで別種のような蝶もいる。そ
うしたことは夢中でやり継ぐなかからしだいにわかってきた。どうやらボ
クは行動先行型のガキだったように思う。理論等は二の次で、ムチャクチャ
に行動するなかから、何かしらの法則を見つけ出すのが常だった。

新種の蝶を捕獲と歓喜したのは、メスグロヒョウモンのメスを捕らえた

184 日语综合教程第六册

時だった。メスグロヒョウモンのメスは、オスとは全く違う紋様であるば
かりか、ちょっと見にはヒョウモン類の蝶とさえ思えなかったからである。
当然図鑑を見て落胆する結果となったわけだが 、いつの日か新種の蝶を発
見し、それに「タカオチョウ」なる名前をつけたいなどと 、途方もないこ
とを考えるようになっていた。

話を前に戻そう〇
背丈を越える葦の茂みをかきわけて、ボクは一歩一歩甘池の中へ入って
行った。踏みしめる足元は永い歳月の中で枯れて倒れた葦が積み重なって
できたものだろう。一歩進むたびに、まるでトランポリンの上を歩いてい
るような弾力を感じた。もちろんこれは大人になって知ったことだが、こ
うした湿原はもともと水をたたえた池や沼だったところに、葦やスゲなど
の湿性植物がはびこり、その根が泥土を抱き込んでしだいに水面を覆い尽
くすかたちででき上がった、亜寒帯特有の現象である。しかし当時のボク
にはそんな理屈など知るわけもなく、ただ何となく地底が水であり 、その
上に枯れ葦の薄皮が浮いているような感じがして急におそろしくなった。
「引き返そう! !」と思った時だった。ポッカリとー坪ぐらい葦が生えて
いない場所が目前に現れた。直径1.5 メートルぐらいの小さな水たまりだっ
た。水たまりのまわりには紫色のリンドウの花が咲き乱れている。リンド
ウの花にホッとひと息もつかの間、次の瞬間にはボクは真つ青になってい
た。水たまりと思ってのぞいたそれは、あたかも地獄へでも通じているか
のように深く暗かった。
「底無し沼だ! !」ガタガタと体が震えた。震えながら踵を返して2、3歩、
もと来た方向へ歩き始めた。と、ボクの目の奥に、リンドウの花の上を飛
び交う羽虫の残像が浮かんで振り返った。たしかに小さい赤い何かが花の
上を飛び、フッととまったりしている。
「ハチかな?!アブかな?!」ボクの好奇心は捕虫網をかまえさせてい
た。振り払われた網はカクジツにそれを捕らえた。あとは一目散に甘池を
逃れ、ようやく国有林にたどりつくや中味を見て仰天した。それはなん
と! !両翼を広げても3センチメートルにも満たない極小のトンボだったの
である。

「新種発見! !」
「タカオトンボだつ! ! !」歓喜の雄叫びをあげてボクは一気に山道を
下った。だがそれもつかの間のことだった 。ハッチョウトンボ……無念に
も図鑑にはそう記されていたのである。
四年前、久しぶりの帰郷だったが、あの日の想い出をたどって甘池まで
足をのばしてみた。背丈を越す葦の茂みと、その中に散在する恐怖の底無
し沼、そしてリンドウの花の上を飛び交うタカオトンボを思い浮かべなが

第6課いのち185


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