南東へ流れ、銚子市で太平洋に注ぐ。流域は群馬、栃木、埼玉、茨城、千葉の5県にまたがり、
1.684万平方キロメートルで、日本最大。長さ322キロメートル。
i新しい言葉
がっしり [副・自サ] ①っくりがしっかりと安定して、頑丈なよう
袴(はかま) [名] す。/坚实,坚固。②逞しいさま。/粗壮,健壮。
①着物の上からはいて、腰から下をおおう、ひ
乱れる(みだれる) [自ー] だのある衣類。/和服的裙子。②とっくりが倒
れないように、とっくりの底の部分を入れる容
立ち枯れる(たちがれる) [自ー] 器。/放酒壶的台座,酒瓶托。③植物の茎のふ
しから出て、くきをおおっている皮。/叶鞘。
鉱毒(こうどく) [名] ①整わなくなる。ばらばらになる。/散乱,蓬
乱。②基準・順序などがめちやめちやの状態に
流域(りゅういき) [名] なる。/紊乱,错乱。③平和でなくなる。/混
直ちに(ただちに) [副] 乱,不安定。④(心が)平静を失う。動揺する。/
紊乱,不平静。
鉱石(こうせき) [名] 草や木が立ったままで枯れる。/竖立着的枯萎
償う(つぐなう) [他五] 草木。
捧げる(ささげる) [他ー] 鉱山や精錬所などから出る煙や排水に含まれて
いる、人や動植物に有害な毒物。/矿毒。
買い取る(かいとる) [他五] 川の流れに沿った地域。/流域。
滓(かす) [名] ①時間をおかずに行動を起こすようす。/立
即,立刻,当即,即刻,马上。②間に他のもの
染み出る(しみでる) [自ー] がない様子。じかに。/直接。
役に立つ金属などを含む、鉱物のかたまり。/
矿石。
相手に与えた損害を、お金や品物、労働などで
埋め合わせる。/补偿,赔偿,抵偿。
①(物を)両手で目の前に高く差し上げる。/双
手擎举,捧举。②神仏または尊敬すべき人に物
を献上する。/献,供,供奉。③真心、愛情、信
念などを示し相手に尽くす。/献出,贡献。
買って自分のものにする。/买下,、买入。
①ためてある液体の底にたまったもの。/沉淀
物。②使い道のない残り物。/渣滓。
外へ、にじみ出る。包まれている物や、内部に
含まれている水分、色素などが自然に表面に現
36 日语综合教程第五册
青(蒼)白い(あおじろい)[形] れる。/渗出。
①青みがかって白い。/青白色。②(顔などに)
濁る(にごる) [自五] 血の気のないようす。/苍白。
①透き通った状態でなくなる。/混浊。②色や
不作(ふさく) [名] 音が美しい状態でなくなる。/(嗓子)变嘶哑。
貧苦(ひんく) [名] ③純粋でなくなる。/起邪念。④濁点をつけた
半ば(なかば) [名・副] 発音をする。/发浊音。
農作物のできが悪いこと。/歉收,年成不好。
せめて [副] 貧しさからくる生活の苦しさ。/贫苦,贫困。
貫く(つらぬく) [他五] (名)①時間・空間•物事の全体を半分に分けた
その一方。/半,一半。②ひとつづきの時間•
夜学(やがく) [名] 空間•物事を半分に分けたあたり。中程。/半
途,中途。(副)その状態に完全に成りきってい
郷土(きょうど) [名] ないようす。/一半,半途。
広まる(びろまる) [自五] 最小限の願望を表す。やむをえなければ、それ
だけでも。不満足ながら、少なくとも。/哪怕
古在由直(こざいよし [名] 是,至少。
なお) [名・他サ] ①物の端から端、または反対側まで突き通す。
貫通する。/穿过,穿透;贯通,贯穿。②(目的・
予期(よき) 願望などを)終わりまで成し遂げる。貫徹す
る。/贯彻,坚持,达到。
硫酸(りゅうさん) [名]
Z①夜に学問すること。夜中に勉強すること。
おびただしい(夥しい) [形]
夜学。②夜間に学業を修める課程。また、その
課程を設置している教育機関。/夜校。
①生まれ育った土地。/故乡,乡土。②特有の
伝統や雰囲気をもつ土地。/乡间,地方。
①広くなる。/扩大。②広い範囲にわたって、知
られたり行われたりするようになる。/传播,
遍及,蔓延,扩展。
人名、当時の農科大学、現在の東京大学農学部
の助教授。/(人名)古在由直。
次にくることを予想し、心の準備をするこ
Zと。 预期,预料,预想。
無機酸の一つ。硫黄・酸素•水素の化合物。無
色・無臭•酸性の液体。普通は水溶液の場合が
多く、金•白金以外を溶かす。皮膚に付くと火
傷する。/硫酸。
①数や量がとても多い。/很多,大量,大批,无
数。②程度が甚だしい。/非常,彳艮,厉害。
37第2課田中正造
鋭い(するどい) [形] ①先が尖っていてよく切れる。/尖,锋利。②
人の皮膚や心を強く刺激するようす。/尖锐,
激烈,强烈。③頭脳や感覚の働きがはやく優れ
ているようす。/敏锐,灵敏,机灵。
備え付ける(そなえつけ [他ー] ある目的のためにある物品を、一定の場所に配
る)
Z置しておく。設備しておく。用意しておく。
设置,装置;安置,备置。
細か(こまか) [形動] こまかいようす。/细小,细微,详细。
散らばる(ちらばる) [自五]
まとまっていたものが、あちらこちらに、ばら
ばらになる。/分散,散乱。 ’
とっさま [名] ①「父さま」の平俗な言い方で、他人を尊敬し
て呼ぶときに使う。東京弁では「おとつっあ
さっぱり [副] ん」という。/老爷,大爷。②(「トトサマ」の
転)父の尊敬語。/爸爸,爹。
はかばかしい(搦掺しい) [形] ①よけいなものや、気になるものがなくなっ
て、気分がいい。/利落,整洁。②食物の味が
祟る(たたる) [自五]
堤防(ていぼう) [名] Z濃くなくて、後に強い味を残さないようす。
沈殿池(ちんでんち) [名]
濾過池(ろかち) [名] 清淡,不油腻。③こだわりやわだかまりなどが
明言(めいげん) [名・他サ] ない。/爽快,痛快。④(多く、後に打ち消しの
脆い(もろい) [形] 言葉を伴って)まったく〜ない。好ましくない
ようすを表す。/完全(不)…,丝毫(不)…。
①事物が望ましい方向へ進むさま。順調に進む
さま。多く打ち消しの語を伴って用いる。/进
展迅速的,顺利进行的。②仕事などの進み具合
が良い。/称心如意的,有好转的。
①悪霊による災を与える。/降灾,遭殃。②よ
Zくないことをしたため、悪い結果が生じる。
产生恶果。
洪水や高潮の害を防ぐために、川岸や海岸に
Zそって土地やコンクリートで築いたもの。
坝,堤坝,堤。
液体に混ざっているものが、底に沈んでたまる
池のこと。/沉淀池。
液体をこして、ふくまれている固形物やまじり
ものを除くための池のこと。/过滤池。
疑問の余地がないように、はっきり言うこ
と。/明言,明确说出。
①壊れやすい。/脆,易坏。②屈しやすい。/脆
弱,不坚强。
1日语综合教程第五册
崩れる(くずれる) [自ー] ①(まとまった形のものが)砕け壊れる。崩壊す
る。/坍,塌,崩溃。②整った状態にあるもの
降りしきる(ふりしきる) [自五] が乱れる。見苦しくなる。/乱套,失去原形。
雨や雪が長い間、激しく降り続ける。/下个不
町歩(ちょうぶ) [名] 停,没完没了地下。
田畑や山林の面積を計算するのに町を単位とし
半永久(はんえいきゅう) [名] ていう語。/町步。
思い余る(おもいあまる) [自五] ほとんど永久に近いこと。/半永久。
堪えがたいほどに思う。また、いくら考えても
蓑笠(みのかさ) [名] よい考えが浮かばず、考えることに堪えられな
境内(けいだい) [名] くなる。/心里十分难过,想不通,想不出主意,
大挙(たいきょ) [名・自サ] 不知如何是好。
かけあう(掛け合う) [自・他五] 蓑と笠。また蓑を着て笠をかぶること。/蓑和
笠。
白む(しらむ) [自五]• 神社や寺院の敷地の中。/ (神社、庙宇的)院内,
[名] 院落。
大群(たいぐん) ①大勢が一緒に行動する。/大举,大规模。②
サーベル(sabel) [他五] おおがかりな企て。/大业,大计划。
①両方で何かを掛け合う。/互相泼水,’互相搭
引き抜く(ひきぬく)
上。②すんなり決まらない難しいことについ
あくまで(も) [副] て、相手に交渉を持ち掛ける。/交涉,谈判,
追い返す(おいかえす) [他五] 商洽。
宿屋(やどや) [名] 白くなる。特に夜が明けて空や辺りが明るくな
る。/变白,发亮。
押し止める(おしと(ど) [他ー] 動物などの大きな群れ。/大群。
める) ①かって軍大や警官が腰に下げていた洋式の
刀。/西洋式的佩刀。②サーブル。/击剑。
①ほかのものの中にさし込まれている細長いも
のを、弓Iいて取り出す。/拔出,抽出。②ほか
の団体などに属している大を強引に誘って自分
の団体などに入れる。/选拔,挑选;拉拢过来。
どこまでも。徹底的。/彻底,到底,始终。
もとのほうへ戻す。追い戻す。/赶回去,逐回。
①大の住む家。/住家。②家以外で、一夜を過
ごすところ。とくに旅行者がとまるための施
設。/旅店,旅馆,客栈。
他大の動作を手で押えてとめる。大の行為をさ
えぎってとめる。/制止,阻止,拦住,扣住。
39第2課田中正造
振り絞る(ふりしぼる) [他五] 自分の持っているすべての力を必死になって出
煮え繰り返る(にえくり [自ー] す。/竭尽全力;扯着嗓子喊。
[名] 「煮え返る」を強めていう語。①煮えてわきか
かえる) [名・自サ] える。沸騰する。/翻滚,沸腾。②非常に腹が
真心(まごころ) [他五] 立つ。•/非常气愤。
男泣き(おとこなき) その人やそのことのためを思う、いつわりのな
拝む(おがむ) [形動] い気持ち。/真心,诚意,丹心,精心。
めったに泣かないはずの男が激情をこらえきれ
惨め(みじめ) [名] ずに泣くこと。/男人的哭,号啕大哭。
[名・他サ] ①(尊いものに向かって)左右の手のひらを合わ
野火(のび) [名] せて礼をする。また、体を折りかがめて礼をす
寄付(きふ) [名] る。/(合掌)拜,躬腰敬礼,叩拜。②深く頼み
[名] 込む。/恳求,央求。③拝見する。見る。/瞻
利害(りがい) [他五]
年ごと(とし毎) [他五] 仰,拜谒。
芋粥(いもがゆ) [代名] 見ていられないほどあわれなようす。かわいそ
[名] うでみるにしのびないようす。また、非常に自
啜る(すする) 分が情けなくあわれに思えるようす。/惨,凄
惨,惨痛。
狙う(ねらう) (春のはじめに、灰を肥料とするため)野山の枯
草を焼くこと。また、その火。/野火。
わし (公共の事業•設備などのために)金や品物をさ
額(ひたい) し出すこと。/捐献,捐赠,捐钱,捐助;赠给,
赠送。
利益と損害。得をするか損をするか。/利害得
失,损益,利弊。
年が新しくなるたびに。毎年。年々。/每年,
年年。
Z①山芋にあまずらの汁をまぜていた甘い粥。
山药甜粥。②サツマイモをいれていた粥。/甘
薯粥。
①音を立てながら少しずつ吸うようにして飲
む。/小口喝粥,啜饮,吮吸。②たれた鼻汁を
息と一緒に吸い込む。/抽吸。
Z①弾や矢などを目標に命中させようとする。
X瞄准。②なにかをするチャンスをうかがう。
寻找机会。
Z「わたし」のややぞんざいないばった言い方。
我,俺。
まゆと、かみの毛の生えぎわのあいだ。前額。
40 日语综合教程第五册
おでこ。/天庭,额头。
刻む(きざむ) [他五] ①小刀や包丁などで切って、細かくする。/切
辞表(じひょう) 碎,剁碎。②木や石などを、小刀やのみなどで
当日(とうじつ)
臨む(のぞむ) ほる。/刻,雕刻。③心の中に、しっかりとど
かろやか(軽やか)
羽織(はおり) める。/铭刻,牢记。
足袋跣足(たびはだし) [名] っとめや役目をやめようとするときに、書いて
振り乱す(ふりみだす)
封書(ふうしょ) 差し出す文章。/辞呈,辞职书。
槍(やり)
[名] 何かが行なわれる、その日。/当日,当天,那
煌かす(きらめかす)
遮る(さえぎる) ー天。
弾み(はずみ) [自五] ①面している。目の前にする。/面对。②集ま
直訴(じきそ)
りなどに出席する。/莅临,临到。③ある場面
に出会う。/身临。
[形動] 動きのようすがとても軽そうで、こころよく感
じられる。/敏捷,轻捷。
[名] 着物の上に羽織って着るもの。前はかさねない
でひもでとめる。腰ぐらいの長さで、折り返し
の襟がすそまでついている。/ (和服的)短外罩,
短外褂。
[名] 足袋をはいたままで、下駄や草履をはかずに地
面を歩くこと。/光穿布袜子走路。光穿布袜不
穿鞋。
[他五] 激しく動いて、乱れた状態にする。/披散(头
发)。
[名] 封をした郵便物。手紙。/封口的书信。
[名] ①武器の一つ。長い柄のさきに尖った刃物をっ
けたもの。/梭标。②槍投げの競技で使う、細
長い棒。/标枪。③将棋で、香車のこと。/(日
本象棋)香车"
[他五] きらめくようにする。人目に立つようにきらき
らさせる。/使辉煌耀眼,使灿烂夺目。
[他五] ①あいだに邪魔になるものを置いて、向こう側
が見えないようにしたり、向こう側に行けない
ようにする。/遮住,遮蔽。②相手の話や行動の
邪魔をして途中でやめさせる。/遮拦,阻挡。
[名] ①はねかえるカ。/弹カ,弹性。②動いている
うちについているカ。/起劲。③ちょっとした
きっかけでついたいきおい。/刚—。
[名•自他サ] 決められている手続きをへないで、天皇や将
軍、また、社長など、高い地位の人に直接訴え
41第2課田中正造
ること。/直接上诉,越级上诉。
決行(けっこう) [名・他サ]どんなことがあっても、思いきって予定してい
荒れ果てる(あれはてる) た通りに行うこと。/坚决进行。
こまごま(細細)
不敬(ふけい) [自ー] すっかり荒れてしまう。全く荒廃する。/荒废,
監獄(かんごく)
帰す(かえす) 荒凉。
もらす(漏•洩らす)
[副・自サ] ①ひとつひとつは小さいが、いろいろな種類の
狂人(きようじん)
発作(ほっさ) ものがたくさんあるようす。/零零碎碎,琐碎。
伝わる(つたわる)
②こまかいところまでいきとどいている。/详
立ち退く(たちのく)
详细细:
[名•形動]’皇室や社寺に対して、敬う気持ちがなくて、失
礼な振るまいをすること。/(对皇室、神社、寺
院)不尊敬,失敬,不礼貌。
[名] 「刑務所」や「拘置所」のやや古い言い方。/监
狱,牢房。
[他五] もとの場所へ戻す。また、その場を立ち去らせ
る。/让(打发)回去,叫回去。
[他五] ①(液体などを)外にこぼす。/漏,漏掉,露出,
Z洒。②(秘密などを)こっそり他に知らせる。
泄漏,走漏,透露。③(必要な事柄を)抜かす。
おとす。/遗漏。④心に思っていることを口に
出していったり、(こらえられずに)声や表情を
外に出したりする。/流露,发出,发泄。⑤小
便が出る。/遗尿,尿床,尿炕。
[名] 気が狂った人。きちがい。精神異常者。/疯人,
疯子。
[名•自サ] 激しい苦痛や症状が、急に起こること。/发
作。
[自五] ①一方から他方へものに沿って移る。/沿,顺。
②(音・熱・電流などが)移る。流れる。/传,
传导。③(人を仲立ちにして)ことばが届いて
くる。世に知られる。/闻名。④先人からこと
ばが受けつがれて今に残る。言い伝えられ
る。/传说,流传。⑤代々受けつがれてきて後
のものに残る。/继承,流传。⑥(ある物・物事
が)よそから移ってきて届く。伝来する。/传
来。
[自五] ①今いるその場所をはなれる。立ち去る。/走
开,离开。②住んでいた家や場所を引き払っ
て、よそへ行く。/搬出,搬迁,迁移。
42 日语综合教程第五册
滅びる(ほろびる) [自ー] まったくなくなってしまう。/灭亡,灭绝。
術(すべ) [名] 「方法」「手段」の古い言い方。/方法,办法,手
引き摺る(ひきずる) [他五] 段。 ・
①ものの下側の面が、地面や床についた状態で
熱中(ねっちゅう) [名・自サ] 動かしていく。/拖,拉,曳。②むりやり引っ
張っていく。/强拉硬曳。③ものごとをすぐに
立ち寄る(たちよる) [自五] やってしまわないで、長引かせる。/拖拖拉拉。
①(一つの物事に)精神を集中すること。/热
身なり(みなり) [名] 中,专心致志。②(ある人に)思いこがれるこ
と。のぼせること。/入迷,迷恋。
遺言(ゆいごん•いごん) [名•自サ] どこかへ行く途中で、ちょっとほかのところを
訪れる。/顺便,顺路到。
壮烈(そうれつ) [名•形動] 衣服をつけたようす。/服饰,装饰,打扮。
菅笠(すげがさ) [名] 自分の死後の財産などの処置について、生前に
頭陀袋(ずだぶくろ) [名] 言い残したり、書き残したりして決めておくこ
と。また、そのことば。/遗嘱。
身寄り(みより) [名] 勇ましくはげしいこと。/壮烈。
鼻紙(はながみ) [名] スゲの葉であんだかさ。/臺笠。
①行脚の僧が経文などを入れて首からさげるふ
くろ。/游方僧背的行囊。②なんでもいっしょ
に入れられる、大きくてだぶだぶした、布のふ
くろ。/裕链,万宝囊,捎马子。
血縁のある人。みうち。親族。/亲属,家属。
鼻をかんだりするための、柔らかい紙。/攥鼻
涕用的纸。
言葉の学習’
上〉〜放題(〜ほうだい)…自田地’…随便地’…毫あ限制地‘…放纵地
接尾語。動詞の連用形や動詞+「たい」、またはある種の形容動詞の語幹につ
き、するにまかせて、勝手気ままにする、まったく制限しないという意味を表す。
〇 夫婦共稼ぎのその家は、年中子供たちの散らかし放題のおもちやで、足の踏
み場もないほどである。(他们家是双职エ,家里一年四季小孩子的玩具堆得
乱七八糟,甚至连落脚的地方都没有。)
❷ 普段はおとなしい彼はお酒がはいると、日頃溜まったうっぷんをはらすべ
第2課田中正造 43
く、言いたい放題、やりたい放題、収拾がつかなくなる。(他平时很老实,可
是只要酒一下肚,就会发泄出平日心中的不满,随便乱说乱动,不可收拾。)
❸ 彼は翌日から、’たちまち天下第一の大金持ちになった。と同時にぜいたくし
放題な生活を始めた。(从第二天起他摇身变为天下第一大富翁,同时开始了
为所欲为的奢侈的生活。)
❹家人が引越しをして空き家になったその家の庭は今では荒れ放題に荒れて、
いつも手入れの行き届いていた当時の面影は見るべくも無い。(家里人扌般走后
那里成了空房,如今院子里杂草丛生十分荒芜,昔日那始终拾扌爰得干净整洁的
院子已经不见踪影。)
上工》かたわら 旁边;一方面•••另一方面…;在…的同时,也…
名詞。ものの側面や、物•人のわきという意味を表すほか、「名詞+の」「そ
の」や動詞連体形について前述した事柄以外の空いた時間に、一方で何かをし
ているという意味を表す文章語である。
❶ 野良仕事をしているお祖父さんのかたわらで、孫は畑で虫を捕まえたりして、
楽しく遊んでいる。(爷爷在地里干农活,孙儿就在ー边捉虫子,玩得很开心。)
❷ 消費者たちは、日用品の購入についてはできるだけ選択の煩雑さを避け、そ
のかたわら、節約された時間と精力を特定の趣味的な買い物に注いでいる。
(消费者尽可能地避免在购买日用品时去做繁琐的选择,而把节省下来的时间
和精力用于某种自己特别感兴趣的购物中。)
❸ 伯父は戦後、某大学教育学部で教育に携わるかたわら、家業の菓子屋経営も
助けていた。(战争结束以后,伯父在某大学教育系教书的同时,还帮着经营
一家祖上传下来的糕点店。)
❹ 彼は若い頃に都に移り住み、医学を本業とするかたわら、当時の清新な学問
であった心理学に傾倒し、名高い師に学んだと言われている。(据说他年轻时
就搬到城里,以行医为本职工作,同时拜名人为师,把精力倾注在当时还很新
颖的心理学上。)
q 〜つくす …光,…尽,••・完
本動詞として使われるほか、動詞の連用形に付いて、接尾語としても用いら
れる。「すっかり〜する」「〜し終わる」「極限まで〜する」という意味を表す。
❶ その映画は戦争がいかに残酷、悲惨なものかを描きつくした作品といえよ
う。子供に見せる価値はあると思う。(这部电影可以说是淋漓尽致地刻画了
战争的残酷和悲惨,我觉得值得让小孩子ー看。)
❷ そのニュースが伝わってくると、おびただしい数の群衆が広場を埋め・
44 日语综合教程第五册
U 終戦の喜びに酔いしれた。(消息传来后,成千上万的群众淹没了广场,
他们陶醉在战争结束的喜悦之中。)
❸ 傍聴していた彼は被告の死刑判決を聞いて、言いr2K主ことのできない複雑
な気持ちで会場をあとにして娘の墓地に向かった。(他在ー边旁听,当听到被
告被判处死刑时,心情复杂难以名状。他退出了会场朝女儿的墓地走去。)
❹ 彼はもともと大金持ちの息子だったが、遊び好きの性格から財産を使いM
して、今はその日の暮らしにも困るぐらい、哀れな身になっている。(他原是
富贵人家的儿子,可是由于生性好玩花完了所有的财产,如今沦为一个难以渡
日的可怜人。)
「小〜に終わる(〜におわる)…以…告絳,以…績束,以…终了 」
名詞につき、「〜に終わる」の形で、ものごとが終了する意と、不本意の結
果、期待に反した結果しか得られなかったという意味を表す 。
❶ 半年かけて練りに練った宇宙飛行の計画が、一瞬にして失敗に終わってし
まった。(花了半年的时间,经过反复推敲而制定的宇宙航天计划,却在一瞬间
以失败而告终了。)
❷ 親にさんざん反対されて、彼の初恋はとうとう破局に終わったのである。(他
的初恋遭到父母的极カ反对,终于以分手告终 。)
❸インフレが進行しているにもかかわらず給料は一向に上がらない。そのた
め、労働者側は戦ったが、前後三回にわたる労使の交渉はいずれも不調に終
わった。(通货膨胀不断加剧,但是エ资却一点儿未涨。为此工人们据理力争,
但是劳资双方前后三次谈判均以失败告终。)
❹ 他人の仕事を横領しようと彼はあちこち走り回ったが、彼のこの企みは不成
功に終わった。(他到处奔波企图抢走别人的工作,然而他的企图以失败告终。)
妾 目も当てられぬ(めもあてられぬ) 惨不忍賭,看不下去 、
ひどいありさまで、とても見ていられない。あまりにもひどくて、まともに
見られず、ショックを受ける様子を表し、よく連体修飾語の形で使われる。「目
も当てられない」ともいう。
〇 自分たちの手で作り上げた町が地震であっけなく壊され、目も当てられぬ無
惨な様相を呈している。(自己亲手建设的城市一下子就被地震破坏了,呈现
一片惨不忍睹的景象。)
❷ 広島の原爆ドームを見学した時、その目も当てられぬ惨禍に言葉を失ってし
まった。(参观广岛原子弹爆炸纪念馆时,眼见那惨不忍睹的灾害我无言以对。)
❸ 美しかった山並は開発の名のもとで、今や目も当てられぬ禿山となってし
まい、大勢だった観光客は今はその姿も見当たらない。(原本美丽的山脉
第2課田中正造45
在开发的幌子下已变成目不忍睹的秃山。以前曾经是游客众多,而现在却连人
影都不见了。)
❹ 木も生きものなので、それは宇宙の創造主の現れなのである。今や地球は乱
伐による環境破壊で目も当てられぬ状態になっているc (树木也是生物,是
宇宙造物主的体现。如今地球上乱砍滥伐,破坏环境的现象已经到了目不忍
睹的地步。)
会 胸を挪で下ろす(むねIをなでおろす)……"心率,…松了一ロ气」
心配や危険がなくなり、また気がかりだったことが無事にすんで、ほっとす
る、安心するという意味を表す。
❶ 飛行機嫌いの彼は乗っている間じゆうハラハラしていたが、着陸したとたん
にやっと胸を撫で下ろし、「ヤッター」と叫んでいた。(他不喜欢坐飞机,上
飞机后一直捏着把汗。飞机ー着地他就松了口气,叫了一声“太好了”。)
❷ 一つの不安が解消し、やっと胸を撫で下ろしたと思うと、またしても心配
事が発生した。人生ってなんなんだろう。(了结了 一件令人不安的事刚刚放下
心来,马上又发生了令人担心的事。这人生究竟是怎么回事?)
❸ このごろよく肝臓あたりに痛みを覚え、肝臓がやられたのかと心配した
が、検査の結果、異常はないとわかって、胸を撫で下ろした」(这段时间总
感觉肝区有点疼痛,我一直担心是不是肝脏有问题,直到检查结果出来确认没
有问题我オ松了一ロ气。)
❹待ちに待った孫の志望校の合格通知を見てやっと安心して、胸を撫で下ろ
したものだ。(看见孙子拿到了盼望已久的志愿学校的录取通知书,我总算放
心了。)
モ分 ひた(動詞連用形)に(同一動詞) ー个劲地・••,只顾拼命地…:
「(動詞連用形)に(同一動詞)」という形で、当該動作程度の甚だしさを強調す
る。「ひた」は接頭語で、「(動詞連用形)に(同一動詞)」の前に付き、ひたすら
その行為をするという意味を表す。「(動詞連用形)に(同一動詞)」という形を
単独で用いられても良い。
❶ 自分の出身をひた隠しに隠そうとする彼のことを、周囲の者は奇異の目で見
るばかりでなく、かえって他の人より注目を集めることとなってしまった。
(他拼命掩饰自己的出身,不仅引起了周围的人对他的好奇,反而还因此成为
大家注目的对象。)
❷ 彼女からされた過去の仕打ちを決して許すまいと思っていたが、今日久しぶ
りに会った彼女からひた謝りに謝られると私の心は揺れ動いたC (我曾经想
46日语综合教程第五册
过决不原谅她过去的行为,可是今天见到了久违的她,她ー个劲地向我道歉,
我的决心动摇了。)
❸ それも遠めに見ての印象ではない。2時間近く小舟の上で波に揉みに揉まれ
たあげくの正直な感想である。(那绝不是远远望去的感觉,而是近两小时在
船上颠簸后的真实感受。)
❹ 私は今どこをどう歩いているのか 、さっぱりわからなかった。空は真つ暗
だったし、気はあせりにあせっていた。(我一点儿不知道自己现在走在哪儿,
天已经完全黑了,我急得不得了 。)
W气性〜とする看成…,视为…
用言、助動詞の終止形にっき、主観的な見方や、一般的に考えられている原
因、理由を表す。名詞述語の場合は、「だ」が省略されることが多い。普通、報
道文、法律の条文や論文などに用いられるかたい表現である。
❶ 今のところでは、だれが当選しようと、現状を変えることはできないとする
見方が支配的である。(眼下不管谁当选,都无法改变现状的看法是主流。)
❷ この研究成果は商品化される可能性があるとして、各方面から熱い期待が寄
せられている。(各方面都认为这项研究成果被用于投产的可能性很大,对它
寄予很大的期望。)
❸ 法律では実子でなくても養父母を扶養する義務があるとされている。(法律上
规定,即便不是亲生的孩子,也有赡养养父养母的义务。)
❹検察側は息子さんの死はご両親の思想と宗教によるものと!エ起訴しょうと
考えている。(检察院方面认为其儿子的死亡是由父母的思想和宗教所致,因
而准备・起_诉〇 )
如〜あまり 由于过分…,…之余
いろいろな用法があるが、ここでは感情などを表す連体修飾語、つまり動詞
の連体形や「名詞+の」にっき、副詞的に用いられ、普通でない状態や、程度
がはなはだしく引き起こされた結果を表す。
❶ この仕事を何とか速く終わらせようと焦るあ圭次、かえってミスが目立つよ
うになり、終いには間違いだらけのものになってしまった。(由于急于完成这
项工作,结果反而屡屡出错,最终弄得错误百出。)
❷ 実際に私は夏目漱石の『坊っちゃん』に心酔するあま次、そんなセリフを大
人たちに向かって吐いたのだ。(其实我是因为太崇拜夏目漱石的小说《公子
哥》,所以オ对大人们说出这种话的。)
❸ 目の前に広がる日本海の美しさのあまり、私は見とれていて、つい集合時間
を忘れてしまった。(我被展现在眼前的美丽的日本海所迷倒,不知不觉间把
47第2課田中正造
集合的时间给忘了。)
❹ 彼は興奮のあまり、そこに展示されている文章を人中で立ったまま、一気に
読み通した。(他太激动了,竟站在人群中一ロ气读完了展示在那里的文章 。)
そ一つ~ない连ー・•・都没有
名詞につき、後ろに打ち消しした形で、「少しもない」「全然〜ない」「まった
く〜ない」と強く否定する意味を表す。
❶ 川は都の大通りの中央を流れ、両岸には命の木があって、年に12回実を結
び、毎月実をみのらせる。もはや、呪われるものは何一つない。(这条河横穿
城市的大路中央,河的两边生长着生命之树,这些树1年结12次果实,每个
月结1次。它没有任何可以被诅咒的地方 。)
❷ 大連はゴミニ2落ちていな公大変きれいな町だという印象を受けたが、その
町に行ったらどうだね。(大连的街上看不到ー点垃圾,给我留下了非常干净的
印象。我们去那个城市怎么样?)
〇 これほど簡単な事件なのに、まだ手掛かり一つつかめていないなんて、お前
たちは一体何をしているんだ。(这么简单的事,却一点线索都没找到,你们究
竟在干什么!)
❹ 彼女はもう60歳をすぎたのに、しみ一つ出ていない美しい肌をしていると
感心したものだ。(她已年过60,可是皮肤还很白净,连ー个斑点都没有,真
令人佩服。)
游の学習
そうまみれ•だらけ ________ i
/•まみれ 沾满,玷污
体言について、そのものが一面に汚らしい感じでついていることを表す。不
快な液体や細かいものが体について汚れている様子や、汚い物が全面について
いる状態を表す。
❶ 風もないのに庭園の薔薇の花が揺れている。じっと見ていると中から花粉圭
みれのミツバチが這い出してきたC (没有风,可是院子里的蔷薇花却摇摆着 。
我盯住一看,只见ー只浑身是花粉的蜜蜂爬了出来。)
❷ 現場の様子から、犯人は泥まみれの靴をはレ、たまま部屋に侵入したと思われ
る。(从现场的情况来看,我认为犯人是穿着全是泥巴的鞋子径直进入房间的。)
❸ 猛暑の白昼、荒れた大地をひと鍬ずつ耕していた青年は、私が近づいていく
48日语综合教程第五册
と、その汗まみれになった顔を上げ、「よくいらっしやいました」と爽やか
な笑顔で迎えてくれた。(酷暑之下,青年一锄ー锄地开垦着荒地,当我走近他
时,他抬起头,满脸的汗水,爽朗地笑着对我说,“欢迎你来。”)
❹ 暴行事件発生の連絡を受けた警察官が現場に駆けつけると、そこには血・
れになった青年が青白い顔をして路上に横たわっていた。(警察接到发生暴力
事件的报告后马上赶到现场,在那里一个浑身是血的青年脸色苍白地横倒在
马路上。)
2だらけ尽是,满是,全是
接尾語。名詞について、それがいやになるほど多い。それがたくさんある様
子を表す。多くはあまり良くない場合に使う。
❶ いらいらと何本もタバコを吹かして、男の足元はいつの間にか踏みにじられ
た吸い殻だらけになったc (那男人焦急地连连抽了好几根烟,不知何时起他的
脚下已尽是被碾碎了的烟蒂头。)
❷ 戦場から生きて戻れたことはうれしいが、母親は傷だらけの息子を見て、涙
が止まらなかった。(儿子能从战场上活着回来固然令人高兴,可是母亲看到
他满身是伤,不禁泪流满面。)
〇 もう3年間会っていないが、彼は相変らず借金だらけの生活をしているよう
だ。(虽然3年不见,可他好像依然过着负债累累的生活。)
❹ 展示されている廃艦は穴だらけでぶざまに横倒しになっていて、どれも亡く
なった父の姿を思わせた。(展示厅里报废的军舰千疮百孔,凄凉地横躺着,无
ー不让我想起已故的父亲。)
まとめ
・ ある物体の一面に付いているさまを表すという意味では二語は共通している
が、「まみれ」は汚いと感じられるものが一面にくっついていて汚れている様子
を表すのに対して、「だらけ」は、物の表面にある状態が多く見られ、そのもの
がいっぱいである様子、また、漠然とそればかりであるさまを表したりして、
必ずしも何かの表面にくっついている場面に限定せず、話し手のマイナス評価
を表す。
点五ま展:蘇 「 〕
1.たまたま(偶々) 偶然,偶尔,有时;碰巧,无意中
副詞。いつもでもないが、ときたま、たまに、という意味を表したり、偶然
に、ちょうどそのときである様子を表したりする。
❶ 転職の話をいつ切り出そうかと思っていたところ、たまたまそういう話題に
第2課田中正造49
なったので、僕はそれとなく転職のことを持ち出した。(我正在考虑该什么时
候把调动工作的事提出来,碰巧谈起了这个话题,于是我便若无其事似的提出
了调动工作的请求。)
❷ 彼とは約束したわけではないが、たまたま銀座で出会って、一緒にコーヒー
でも飲もうかという話になり、彼について喫茶店に入っただけのことだ。(我
并不是事先与他约好的,而是碰巧在银座碰到他,他说ー起喝杯咖啡吧,于是
我就跟他进了咖啡馆,仅此而已。)
❸ 去年からだろうか、授業中、ある言葉がどうしても思い出せないことがたま
たまあったC本当に困ったもんだ。(也许是从去年开始的吧,上课的时候偶尔
会怎么也想不起某个单词。真让人为难。)
❹ 彼らは親しい夫婦ではあるが、たまたま別居することがあるようだへ理由が
わからないが。(他们是ー对恩爱夫妻,可是有时候也会分居。不知道是什么原
因。)
2偶然(ぐうぜん)偶然,偶尔
副詞。形容動詞や名詞としての用法もある。ある事柄が因果関係の極めて不
確かな状態で生じる様子。そうしょうとか、’そうなるだろうとか思っていな
かったことが起こる様子を表す。
❶ この本は、私が散歩の途中、偶然本屋の店頭で見つけて買ってきたのだC (这
本书是我在散步时,偶尔在书店里发现买来的。)
❷ コンピュータなんてものはあまり弄らないが、その日偶然弄っていたら停電
になった。(电脑这东西我是不太碰的。那天我偶尔在使用电脑,却突然停电
了。)
❸ それは僕らがある植物を探していて、偶然に山で発見したもので、こんなに
もトップニュースになったりするとは思いもよらなかったよ。(那是我们在寻
找某种植物时偶然在山里发现的东西,根本没想到它会变成头条新闻的。)
❹ チャンスとは觸整にやってくるもののように見えるが、それは普段絶え間な
く努力しているからこそ、はじめてこの偶然のチャンスをつかむことができ
るのだ。(所谓的机遇看起来是偶然碰上的,其实是因为平时在做不懈的努力,
ォ可能抓住这偶尔来临的机遇。)
まとめ
意図していなかったのに、そうなってしまった。思いがけずに何かが起こっ
’ たという出来事の起こり方を言う意味では二語共通しているが、「偶然」は登場
する話題の両者の意図に関係なく重なるという意味を表す 。それに対して、「た
またま」の多くは、全く思いもかけず、ちょうどそのときに、特別なことを体
験した、特殊な状況に身をおいたことを表し、よりにもよって、というニュア
ンスを伴う。「たまたま」はこの意味を表す場合は、「偶然」と置き換えられる
50日语综合教程第五册
が、ごく普通の出来事になり、話題性に乏しくなる。「たまたま」は「時たま」
という意味を表す場合は「偶然」と置き換わらない。
練習
ー、次の漢字にふりがなをつけなさい。
熱弁 不気味 渡良瀬川 濁る 鉱毒 不作 改名 郷土
境内 大挙 白む 野火
硫酸 沈澱池 濾過池 町歩 真心 辞表 羽織 陛下
遺言 額
大群 半永久 人力車 宿屋
菅笠 利根川 不敬罪 直訴
二、 次の文の片仮名の部分を漢字になおしなさい。
1. 両親が出張で家にいないので、家の中はミダれホウダイであるC
2. 傷口から血がシみデていて、痛そうだ。
3. この地球上で、人間とドウショクブツが共存しているのである。
4. 死んだ親がタタっているのだろうか、置いてあるものがわけもなく倒れてい
る。
5彼は、親が残してくれた財産を放棄するとメイゲンした°
6.子供はついて来た小犬をオいカ工した。
/彼は先生の励ましの言葉を心に深くキザみましたC
8. こんなことをサイバンにかけようとしても、たぶん引き受けてくれる弁護士は
いないだろう。
9. 仕事に追われている彼はMなりをかまう暇はなかったのだ。
10.人の持ち物に勝手に触ったりするのはいけないと、小さい時から親にら
れたのだ。
三、 次の質問に口頭で答えなさい。
1. 田中正造というのはどういう人物なのか。
2. 田中正造はなぜ自分の名前を「兼三郎」から「正造」に変えたのか。
3鉱毒問題が証拠のある鉱害であることは明々白々の事実なのに、なぜ政府はそ
れをまともに認めようとしなかったのか。
4. 鉱毒がいちどきに渡良瀬川へ流れ込んだため、もう半永久的に作物は実らない
と言っているが、それはなぜか。
5. 警官はなぜ上京する農民を追い返そうとしたのか。
6. 結局、田中正造は農民たちの信頼にこたえることができなかったが、それはな
ぜか。
第2課田中正造51
Z農民のためにあれだけがんばったのに、なぜかえって正造のことを悪く言った
りするのか。
3田中正造はなぜ直訴に踏み切ったのか。
°政府はなぜ田中正造の直訴を狂人の発作と片付けてしまったのか。
10•田中正造のやったことを、あなたはどう思うか。あなたの考えを述べなさい。
四、 次の文の下線部を辞書で引いて日本語で説明した上、全文を中国語に訳しなさい。
1. 朝から窓の外でカラスが不気味にカーカーと鳴きしき侄。
2. がっしりした大きなテーブルが、客間の真中に据えてあった。
3. お前はこんなことでも平気でするのか。本当に人間の纣だなあ。
4・私の運命はよほど何かに祟られてい屋ようだ。
5.いつも東の空が堕し二至、起きて習字することは長年来の習慣になっている。
五、 次の下線部の言葉の意味が、それぞれのはじめの文と最も近い意味で使われている
文を、①、②、③、④から一つ選びなさい。
1. 洗面所で鏡を見た彼は、自分の顔が蒼黒くむくみ、眼もどんよりと濁っている
のが分かった。
① あの家のそばに座逃水溜りがあることはまだ記憶に残っている。
② こんな漫2^世の中で正しく生きていくことは、場合によっては難しいこと
になる。
③ ここのところを灣2X読むときれいに聞こえるよ。
④ 灣n酒は糟を濾さない酒のことで、どぶろくとも言う。
2. 繰り返して読んで、文章の意味を正しくとらえなければならない。
① 夏休みになると、子供たちはよく郊外に行ってカブトムシなどをとらU遊
ぶ。
② 一種の絶望感にとらえられ、彼は部屋に閉じこもって3日も出なかった。
③’こわくなった子供は母親の袖をしっかりととらえ二放さない。
④ 人の心をとらえ灸のが上手な彼は、とうとうリーダーのポストに昇り詰めた。
3伝染病にかかっているのに、あちこち歩き回ったりして、常識に心エいるね。
① 彼女は自分の人生の生きがいを子供に如±エいる。
② 急に後ろから声をかけられてびっくりした。
③ 彼は性格はいいが、辛抱強さに也皇という点で考えるとどうだろうね。
④ 彼はいつも父親の博学を鼻に心至のだ。
52 日语综合教程第五册
六、次の語群から適切なものを選んで、必要な場合は形を変えて()に書き入れなさ
い。
弁舌をふるう 同情を寄せる またしても せめて 思い余る
昼も夜もなく 男泣きに泣く あくまで 不気味 年ごとに
/•今度こそ子供はまじめに勉強してくれるだろうと期待して、家に帰ってみる
と、( )テレビの前に釘づけになっている。がっかりした。
2.まだ1年しか習っていないので、一級試験の合格はとても望めないが、( )
二級試験に合格してほしい。
3第三回全国大学生弁論大会で彼は( )、相手側を打ち負かした。
4. 女に振られた彼は( )、東尋坊で自殺をはかるに至った。
5. あの日は( )青く澄み切った空で、気持ちのいい1日だった。
6. みんなの前でさんざん侮辱された彼は、我慢に我慢していたが、とうとう我慢
しきれず( )。
zわが身を生んでくれた母親が入院したので、彼女は( )病院で看病を続
けた。 )な雰囲気が漂っていたので、僕
3何も知らずに部屋に入ったが、何か(
は悪い予感がした。
9.改革開放以来、人民大衆の生活は( )向上している。
10•滅茶苦茶に批判された同僚に( )、彼女は密かに慰めてやった。
七、次の文中の 部分に入れるのに最も適切なものを選びなさい。必要な場合
は、語形を変えてもよい。また、答えは必ずしも一っとは限らない 。
1.この「政策協調」の勝利こそが日本経済をバブルで泥 にした悲劇の幕
開けである。
①まみれ ②だらけ
2待ち合わせ場所で有名な博物館の前は、たばこの吸殻 —で、イメージと
'は合わない。
①まみれ ②だらけ
3. 母のしわ の顔を見ると、これからもっと親孝行をしなければならない
②だらけ
と思った。
①まみれ
4. 国慶節に間に合わせるために、労働者たちは工事現場で毎日ほこり に
なって必死に働いている。
ま①みれ ②だらけ
53第2課田中正造!
5. もう春になったとはいえ、寒い日もあったのだから、セーターぐらい
は持っていったほうがいい。
①偶然 ②たまたま
6. 車が流行り出すと必然的に交通事故が増える。しかし、交通事故に当たるのは
にしか見えないのだ。
①偶然 ②たまたま
7. いつもではないが、家でカラOKを楽しんだりすることもある。
①偶然 ②たまたま
8. あの小説を書いたのは、それを書くしばらく前に、戦争末期九州にいた父の身
辺を知る女性から、聞かされた印象が一つのヒントになったからだ。
①偶然 ②たまたま
ハ、括弧の中の言葉を使って次の中国語を日本語に訳しなさい。
1.考上高中以后,我一方面努力从事音乐活动,同时我还参加了田径俱乐部,致カ
于体育运动,日子过得非常充实。(かたわら;田径俱乐部ー陸上部 )
2他把她的来信全部烧尽后,静静地离开了这个城市 。(〜つくす)
3. 精心策划了两个月的阴谋因妻子的告发很快地以失败而告终。(〜に終わる;精
心策划ー練りに練った)
4. 那个村庄里有一对老夫妻,非常溺爱自己的独生女。可是那独生女在十五六岁的
时候得病去世了。从此以后,夫妻俩终日以泪洗面,让人目不忍睹。(目も当てら
れぬ;终日以泪洗面一朝から晩まで涙に暮れる)
5. 船上广播说轮船已经偏离台风前进方向,全体乘客听后总算放下心来。(胸を撫で
下ろす)
6. 他拼命地赶写,整整花了10个月的时间,终于写成了一篇洋洋10万字的论文。
接下来只等答辩了。(ひた+動詞連用形に同一動詞)
7. 老师认为我是ー个低智商的学生,好像已经对我放弃教育,允许我任意请假。(〜
放題;低智商的学生->頭の悪い子)
8. 今天早上我特意很早离家,但是由于太急于赶路,中途走错了路,结果还是迟到
了。(〜あまり;赶路一道を急ぐ)
9. 如今连小孩子都知道的打雷现象,古人却把它看成是神的力量。(〜とする)
54 日语综合教程第五册
10.人和人之间如果毫无传递思想的意愿,就不可能有真正的交流,当然也更不可能
建立起友谊和充满信赖的关系。(一つ〜ない;相互传达-伝え合う)
九、言葉の決まり
1.次の文のそれぞれの漢字の誤りを指摘し、その下に線を引いて、()に正しい
ものを書きなさい〇
① 太郎は実に諭快な男である。( )
② そんなに短刀直入にものをいうやつがあるか。( )
③ 後侮先に立たず。(-)
④ アメリカ留学生を派遺した。()
⑤ まったく五里夢中のことはある。( )
2次の下線を引いた語句について、その表現や言葉づかいの誤っているものを三
つ選びなさい。
① 議長のつるの一声で議案は可決されたC
② 今さら対策を講じても焼け石に油だC
③ 伊豆の山々にはみかんが枝もたわわになっているC
④ 父の帰国する日を千日千秋の思いで待っている。
.⑤私たちを一把ひとからげにあっかわないでください。
⑥ 彼は職場がかわって水を得た魚のように生き生きしている 。
3.次の文について、あとの問いに答えなさい。
①アわたしはイ涙ぐんでウ仏前に工焼香する才母のカ姿をキ見守っていた。
A・B問い、この文は次のの・ように、二つの意味にとれる。ア〜キのうち適切
なものを( )に選びなさい。
A「涙ぐんで」が( )を修飾しているとみると「母が」涙ぐんでいるこ
とになる。 )を修飾しているとみると「わたしが」涙ぐんでい
B「涙ぐんで」が(
ることになる。
,②次の文中にある助動詞「れる」の働きを説明しなさい。
海へ入るのは、確かに危険なことだ。特に荒れているときは、突然大波が
襲い、沖合いにさらわれるということもあろう C
③次の下線部と同じ働きをしているものを 、あとから一つ選びなさい。
「なんだ、寝られんのか・••…」とかすれるほどの小さな声が返ってきた。
ア、創立記念式典で、来賓の方が祝辞を述べられたC
イ、あの子の様子を見ていると先のことが案じられる。
ウ、英語のスピーチがうまいと、友人にほめられたC
エ、天気がよかったので、遠くの島まで眺められたC
55第2課田中正造
十、次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
昭和三十四年のこと、私がアメリカのピッツバーグで下宿生活をしている時、隣
室に五十五歳ぐらいの婦人が引つ越して来た 。
彼女は下宿部屋に備え付けになっている古ぼけたテーブルや椅子を片付けさせ、
壁紙も自分の好みに合ったものを選んで貼り替えさせた。そして、以前から彼女が
使っていた家具を運び込んで、安下宿とは思えない暮らしを始めた。カナダ生まれ
のエリノアさんというその婦人は若い時から、大金持ちの家庭に住み込んで子供の
養育係をしていたが、近頃は一日中子供の相手をする体力がなくなってきたので、
下宿住まいをして、時間決めのベビー・シッターを引き受けることにしたという。
ある日、私がスーパー・マーケットから大荷物をかかえて帰って来ると、彼女がド
アを開けてくれ、
「あんたは勉強が忙しいだろうに、炊事も自分でするの」
と聞いた。
「ええ、その方が経落的ですもの」
と言うと、
「そうかもしれないけど、私は生まれて一度も料理をしたことがないのよ。それで
済んでいたからね。今も、朝はここでコーヒーと果物で済ませて、昼と夜はおいしい
レストランを見つけたから、そこに行って、ゆっくり食べるのよ。ミシンはもちろん
使えないわ。ボタンも自分で付けるとなんとなく①しまりが悪いから、人に付けさ
(1せるしね。でも髪や洋服のデザインを考えるのは好きよ。 )、住まいのインテリ
アを考えるのも好きで、よく友達の家のインテリアもしてあげるの。車は運転しない
2で、タクシーを使うことにしているし、( )をたっぷり持ってるわけよ。
3( )、私みたいな暮らし方をしていると、災害が起こって交通が途絶したり
電気が切れたりすると、ほんとにお手上げになってしまうだろうと思って、まず、
私の生きているうちにはそんなことにならないように祈るばかりよ。ウフフフ」
と、少し自嘲的に笑った。
エリノアは、自嘲的に笑いながらもじつに伸び伸びと、こういった暮らし方を選
4択し、そして( )が提供する機能を十分に利用している。
日本でも、単身生活の男の人は彼女のような暮らし方をしている人が多いが 、
当時、女がこのような生活を堂々と送ることは、かなり勇気のいることだった。
エリノアの持っている自由闊達な雰囲気をうらやましく思ったりもした 。しかし、
② 彼女の話の終わりの笑いは、心にかかった。
次の年、エリノアの部屋のそのまた隣に、マーガレットという若い看護婦さんが
引つ越して来た。このマーガレットは、お料理好きで、忙しい時でもなるべく自分
5で作ったものを食べたいのだと言う。( )ある日曜日、スキヤキに招待したら、
とても喜んで、作り方と分量を教えて、と言う。私が、その時にある物を材料にし
て、味付けも目分量だ、と答えると、「じや、今日使った材料をそのまま書いてちょ
56 日语综合教程第い川
うだい」ということになったが、マーガレットが驚いたのは、私が作り方を書いた
ものを手元に置かないで料理をすることだった。
私は、そのマーガレットにびっくりしたけれど、彼女も彼女のお母さんも、前日
にクックブックを開いて、献立を決め、③そTこ指定された材料を買い集めて、当
日も、④それと首つ引きで料理をするのだそうだ。
さて、それから十五年経った、今の日本での話になるが、先日、東京のアパート
の中に飾るために紙で矢車と吹き流しと真鯉緋鯉を作って、あり合わせの棒に糸で結
びかけていた。ちょうど出来上がりかける頃、小学校五年生の女の子が入って来て、
「うわー、すごい。おばあちやん、自分で作ってるの。紙やいろいろセットになつ
て作り方も書いてあったんでしょ。それどこで売ってた」
と叫んだ。
「上手じゃないけど、このミニ鯉のぼりね、私、自分で考えて、材料も捜して作っ
てみたのよ」
と言うと、
「へえー、どうやって、それを考えたの」
と不思議そうな顔をする。
「そうねえ、鯉のぼりを作りたくなったから、どうしょうかって工夫しはじめたの」
と答えてはみたが、それも彼女の疑問を深めるばかりのようだった。
もちろん、彼女の人生には、ミニ鯉のぼりを作る工夫などをはるかに超える大き
な工夫が要求され、生き方そのものに創意を凝らさねばならないことも起こって、
彼女はたくましく、それをやってのけるのかもしれない。
しかし、この女の子や、看護婦のマーガレットに比べると、出来合いで用を済ま
せながら生活することによって失われるものや、その底に潜む ⑤危険さえ知って
いて、なおあえて ⑥そ並を選んでいた年輩のエリノアの生活の方に、何かより確
かなものを感じるのは、なぜだろうか。
文中下線①の意味として、最も適切なものを次から選びなさい。
① しっかりとしまつをしていない
② たるんでひきしまっていない
③ きびしくとりしまっていない
④ とじまりをちやんとしていない
文中の(1)(3) (5)に入れる語句として最も適切なものを次から選びなさ
い。なお、同じ記号を重ねて用いてもよい。
①ただ ②それに ③それで ④そうねえ
135
嫡❸ 文中の(2)(4)に入れる語句として、最も適切なものを次から選びなさい。
57第2課田中正造
(2 )①計画的生活 ②豊かな生活 ③希望的現実
④自由な時間 ⑤不確実な時間
(4)①仲間 ②国家 ③社会 ④大都市 ⑤商業都市
dD 文中下線②の「彼女の話の終わりの笑いは、心にかかった」とあるが、なぜ
心にかかったのか。次から最も適切なものを選びなさい。
① 彼女のような生活はやや偏ったもので、社会を皮肉な目でみるだけに終
わるかもしれないから
② 彼女のような生活は恵まれた条件においてのみ成り立ち、日本では実現
不可能だと思えたから
③ 彼女にとって自分の生活は不本意なものであって、むしろそれを改めた
いように見受けられたから
④ 彼女はもはや自らの生活を設計していく意欲を失ったようで、それを続
けていくのは無理なように見えたから
⑤ 彼女も自らの生活にある程度の不安を持っているかも知れず、筆者も彼
女の生活の良さを確信するに至らなかったから
周© 文中下線③の「そこ」と④の「それ」はそれぞれなにを指しているか、答え
なさい。
そこ( )
それ( )
(iB 文中下線⑤の「危険」とはどんな危険か、文中のことばで答えなさい。
(1D 文中下線⑥の「それ」はなにを指しているか、答えなさい。
文学;語学の豆知識
伝記とは
伝記は小説などの創作の世界とちがって 、個人の一生のあとを追って書か
れた記録である。読み方は、小説などとそう変わらないが、人生の真実の姿
にふれ、失敗したり、悩みつつも人生の道を開いていった数多くの先人の姿
、を学びとる態度が必要である。
伝記には、自伝と他の人の書いたものと二つある。伝記を読む場合、主に
58日语综合教程第五册
次のことに注意して読む。(1)主人公の生き方(信念)に注意する。(2)主人公
の生活環境(時代、社会の様子)をくわしく理解する。(3)主人公の強く表現し
たい気持ち(主題)を段落に分けてよく読みとる。つまり、その人の「仕事」
を通して、その人の「生き方」を読みとる。
「ー:FL こ宀い广•上上・/了览陽”上•〔・技土で上;"— ■■ •・ハ ,ヽー • ■': ■,■■'.' ■ ■■- ■' . ■ ■': ■■■ ' ■ j. - ■1 . 「 '
!読み物
伝え合い ..... ..
•西江兼ラ:
ー九六〇年代に入ったばかりのころの話だが、北東アフリカのソマリア
という国の奥地で、わたしにはいっさい分からない言葉を話す数人の青年
に行き会ったことがある。彼らはどの地方から来た者なのかはおろか、視
界が充分にきくその砂漠の中の、いったいどこからこつぜんと涌き出て来
たのかすら分からなかった。気がついてみたら、角ばった顔をした精悍な
裸体の男たちが手に手に槍を持って、まるで冒険映画のーシーンそのまま
にわたしを取り囲んで、口々に何か言っていた。
しかし、それでもわたしは恐ろしくもなかったし、危機感も抱かなかっ
た。そうかといって、その初対面の砂漠の男たちに特別な親しみを感じた
というわけではもちろんない。ただ、少なくとも不安感のようなものは持
たなかったように思う。簡単なあいさつを顔や動作で交わした後、わたし
は彼らの小屋までついて行き、そこで羊の脚肉を食べさせてもらったり、ら
くだのミルクを飲ませてもらったりした。
その時に、その場で出会った一人の老人の言葉が、妙に印象深くわたし
の頭に残っている。老人はイタリア語を少々話し(ソマリア南部は旧イタリ
ア植民地)、彼だけがわたしとは言葉が通じた。そこで、その老人は青年た
ちとわたしとの間をとりなす役割を果たしてくれることになった。
「ところで、あんたの住んでいた所には羊がいるかね。」
砂漠の上にごみくずのように散らばる十数頭の羊以外には、食べられそ
うな物は青草一本見えないやせた大地の上で、老人はぽつりとわたしに尋
ねた。
「いや、日本という所には羊はほとんどいませんよ。」
第2課田中正造59
わたしは老人の質問をそれほど深く考えずにこう答えた。
老人はその言葉を、わたしが知らない言葉に訳して周囲の人々に伝えた。
すると、そこに集まっていた人々が急になにやら心配そうな表情で、ごそ
ごそと話し合いを始めたのだった。後になって分かったことだが、そこで
は羊だけがほぼ唯一の食べ物であってみれば、羊がいないという答えは食
べ物がなくなってしまっているという意味そのものなので、彼らは、わた
しが既に食糧の尽きた故郷を捨ててその土地まで流れて来たと思っていた
のだった。
考えてみれば、その人々との間に、ふつうならば生じるはずがなかった
誤解をわたしは知らずに与えてしまっていたのである。
その後、何年もたった。わたしは久しぶりにアフリカの現代的な都会に
いる。現在のナイロビのような大都会では、ケニア国内のみか、他国から
の人々も含むと百数十の異なった人間集団からの出身者が、おのおのの風
俗習慣をそのままに残しながらも、言語だけはスワヒリ語や英語という共
通語に頼って日常を送っている。すなわち彼らはお互いに通じ合う共通の
言語というものを持っている。
だが、その様子を見ていると、いつもわたしが思い出すのは、ソマリア
で世話になったあの青年たちや老人との出会いで持った会話なのである。
伝統的な衣装や化粧、特定のジェスチャーなどの異なりは外から見える。
大都会の中でも、そうした部分に関しては、お互いに相手の違いが読めて、
意思の伝え合いにはそれほどの支障をきたさない。
しかし、おのおのの集団にはそれなりのものの考え方、判断の仕方のよ
うな、外見からはおよそ見当がつかない心の中の問題というものがある。こ
うした部分もまた、この大都会では、その異なりが同じ言語で相手に表現
されてしまうことになる。そうなると、言葉が通じるだけにかえって相手
の心も自分の心と同じと思い込むことになり、それがためにお互いに誤解
を生み、理由もなしに悩みごとを大きくしたり相手を傷つけたりするとい
うことになってしまう。
こんなことがある。海岸地帯から来た人々の中には、習慣上、他人に何
かをしてあげて「ありがとう。」と言う者がいる。ということは、そういう
行為をしてくれた相手が英語なりスワヒリ語で 「ありがとう。」と言わなけ
れば、受け手はその与え手のことをちょっと変わった人物だと評価しても
よいということでもある。ところが、わたしたちの属している世界での事
態はその逆だ。何事かをしてもらったほうが「ありがとう。」と言う。そし
てそう言うことは人間として当然のことであると決めつけている。
親しい友人に何かをしてあげた時、その相手が「ありがとう。」の一言も
言わずにそれをしてもらってしまえば、わたしたちが属する世界の人は「な
60日语综合教程第五册
んだ。こいつはそんな程度のやつだったか。やはり礼儀知らずで世間知ら
ずだ。」と思い込んでしまうということになってしまいかねない 。だがその
oJ時、相手も心の中では、「何かをしておいて感謝の言葉も出ないとは……
と、あきれてがっかりしているかもしれないのだ 。
海岸から来た人々にとっても、例えば人に物を与えることは善行である。
しかし、もし相手がそれを受け取ることを拒否したら 、どうしてその善行
が可能となろうか。まさに「もらってくれてありがとう。」と、彼らは相手
を前にして、そのようなよき機会を与えてくれた神(アッラー)に感謝する
のである。
異なった世界に属する人々が同じ言葉で話す。これは一見したところは
すばらしい。だが実際には、言葉が通じてしまうからこそ単純な事柄が複
雑な事態となってしまうことも、ごくふつうにあるようだ。
I(『新編国語 』東京書籍より)
注釈
❶ 西江雅之(にしえまさゆき)(1937〜)
東京生まれ。言語学者、文化人類学者。主な著書に、『花のある遠景』『旅は風まかせ』『ことばを
追って』などがある。
❷ ソマリア(Soma Lia) 索马里
アフリカ大陸東端の民主共和国、1960年イギリス保護領ソマリランドとイタリア信託統治領ソマ
リアとが独立合併。面積63. 7万平方キロメートル、人口 925万(1995)。首都モガディシュ。言語
は主としてソマリ語、英語、イタリア語、アラビア語。
❸ ナイロビ(Nairobi) 内罗毕
アフリカ東部、ケニア共和国の首都。内陸の高地にある。人口約116万(1985) 〇
❹ケニア(Kenya) 肯尼亚
アフリカ東部、赤道上にある共和国。1895年以来英保護領、1963年独立、1964年共和国。コーヒー、
茶を産し、また、観光業が盛ん。面積58万平方キロメートル。人口 3052万(1995)。
❺ スワヒリ語(Swahili) 斯瓦希里语
アラビア語をはじめ英語、ヒンディー語などからの借用語を多く含む。タンザニア・ケニア•ウ
ガンダなどの主要言語で、アフリカ東部•中部で共通語として用いる。
❻ アッラー(Allah) 安拉,真主
(神の意)イスラム教徒の信仰する全知全能にして唯一の神。アラー。
第2課田中正造61
3第 課
日常の思想
I本文
・梅原猛
余暇というものをどう考えたらよいかという問題について、哲学的考察を
せよというのが新聞社が私に与えた課題である。余暇の問題は、漸次重要な
問題になってゆく。なぜなら、科学技術の発展と共に、生産力は向上し、人
間の労働時間が短縮するのは、資本主義国と社会主義国とを問わず、科学技
術を採用している現代の文明のたどる必然の方向であるからである 。むしろ
このことはよいことなのである。なぜなら人間が、衣食の心配から解放され
て、自由な時間をもっことは、何よりも人間にとって望ましいことだからで
ある。
かって人類にとって、自由な時間は、ぜいたく以外の何物でもなかった。な
ぜなら、人類の大多数が、生存を維持するために労働を余儀なくされている
とき、そのような労働に従事しない人間は、それだけで、罪を背負っていた
からである。したがって、自由な精神的仕事に従事する宗教家は、自ら物質
欲と性欲をたった。つまり禁欲を自由な精神生活の代価として支払ったので
ある。ここでは、閑暇は全く少数の例外者にのみ許された特権であった。も
とより人類は、今までこのような労働中心主義的価値観に生きたが 、特にこ
のような価値観を強くもっているのは近代西洋文明であり 、日本人が、この
ような価値観に徹底したのは明治以後であると思う。徳川時代においては労
働と同時に遊びの価値を評価する視点がまだあった。
しかし明治以後日本が西洋文明の採用にふみ切るや否や、日本人は全く労
働を唯一の価値とする一元的価値観をもった。なぜなら、日本人が、日本あ
るいは東洋の文明がヨーロッパ文明に、とうていかなわないと判断したのは、
ヨーロッパ文明がより強い軍事力と共に、より高い生産力をもっということ
を洞察したゆえであった。ここで日本人の洞察は、あやまってはいない。ヨー
ロッパの科学文明は、その技術によって生産力を高めようとすることを、そ
の文明の原理とする文明であるから。
62日语综合教程第五册
日本は、ヨーロッパ諸国の軍事力の圧力の前に到底匹敵しがたい自己を感
じると共に、ヨーロッパの科学技術文明の生み出す生産力におどろいたので
ある。ヨーロッパ文明を移入して、強く豊かな国を作れ、それが過去百年の
間の日本の目標であった。こういう目標の中に自己を集中させた日本は 、
従って、ヨーロッパよりはるかにヨーロッパ的な技術文明を生んだ国、ヨー
ロッパ諸国より、はるかに技術文明に価値をおく国となった。そういうこと
は、しばしば文化的後進国に起こることである。科学技術文明は、ヨーロッ
パにおいて、伝統的な精神文明、特にキリスト教文明との調和の中にあった 。
しかし日本やアメリカやロシアのように、おくれて技術文明を採用しようと
する国において、このような調和は問題ではなく、技術文明だけが性急に移
入されたのである。
このような文明の中にあった明治百年の日本におい
て、三つの価値が、価値の王座に君臨した。一つは勤
勉。勤勉は、生産力の向上には、欠くべからざる徳で
ある。しかも、おくれてヨーロッパ文明を採用した日
本において、勤勉は二重に重視される。私は明治百年
の日本人の第一の徳は、やはり勤勉ではなかったかと
思う。小学校の庭に二宮尊徳の銅像がつくられる。し
かもその像は、たきぎを背負い勉強している像である 。
かつて多くの像を日本人は尊敬したが、この像ほど、ミ
ミッチィ像はない。一分の寸暇をおしんで働いている。
余裕がちっともないのである。働け、働け、さらば救
われん、そのような宗教が、明治百年の日本人の宗教
であった。二宮尊徳の銅像は、悲しいまでにいじまし 二宮尊徳
いわれわれの自画像なのである。
勤勉の徳によって、われわれが期待するのは、繁栄である。繁栄が明治百年
の日本の大事な目標であった。そしてその繁栄というのは、物質の豊かさを意
味する。しかも近代人にとって物質は、単なる自然物ではない。多くの人間の
意思によって作られた物質なのである。今日、われらの周囲にある物質は、ほ
とんど自然のものではない。われらが今日価値を置く物質、テレビ、電機製品、
自動車、すべて、われらの意思がっくり出し、われわれに奉仕する物質なので
ある。ここでは、人為的なものが、自然なものより喜ばれる。
このような勤勉、繁栄の価値とならんで、近代人にとって大きな価値は進
歩である。だんだんこの世の中がよくなってゆく。物質は豊かになり、人間
の智恵は増進してゆき、世の中はだんだん住みやすくなる。それが、近代人
の信念というより、信仰でもあった。それゆえ、ここでは変化することが価
値であり、スピードが価値であった。変化することが価値であるならば、否
63第3課日常の思想
定が価値であり、どこへという問いもなく、ただスピードを出すことのみが
価値とされるのである。
私は過去百年間、日本人をささえた価値観は、そういう勤勉一繁栄一進歩
という価値観であったと思う。このような価値観は、日本人全体の価値観で
あり、右と左とを問わないのである。むしろ進歩政党ほど、強くこのような
価値観の上に立っている。しかしこのような価値観は、現在、大いに動揺し
ている。むしろ、このような価値観の上に育った文明そのものが、このよう
な価値観に対して懐疑を投げるのである。
今日、完全に機械の時代である。多くの単純労働において、機械は人間よ
り、はるか多くの能力を発揮することは、すでに十九世紀において明らかに
なった。そしてやがて複雑な労働すら、機械は人間にかわってすることが出
来るようになった。そして最後に、頭脳労働においてすら機械は、人間に優
るようになった。勤勉は唯一絶対の価値であることを失うのである。
なぜなら汗水たらした労働より、むしろゆとりをもった自由な思惟が 、技
術の発明に好都合であることが多いからである 。機械は人間よりはるかに勤
勉ですらある。かくして、勤勉は、価値の王座からおちる。それと共に、繁
栄ももはや価値の王座に、君臨することができない。なぜなら、繁栄は、現
在、先進的資本主義国にはほぼ実現されはじめた価値であるからである 。も
ちろん物質的繁栄には限りがないが、今、物質は先進国において、そろそろ
過剰になりはじめているのである。しかもその繁栄には、自然が犠牲に供さ
れるのである。つまり自然を自己の意思によって征服することが 、ここで繁
栄の条件であるが、このように、人為により痛めつけられた自然が、人間に
復讐をしないかどうかが問題である。
今日、自然は、その調和を乱しつつある。緑の山野は、一面に枯れ山とな
り、清流は獨流となり、野生の獣はもちろん鳥や魚も一日一日少なくなる。大
都会のコンクリートの中にあって、人間が果たして生きることが出来るかど
うかは、はなはだ疑問である。公害の問題は、そういう自然破壊の一つの現
れであろうが、病はもっと根本的なところにある。このような繁栄と自然征
服という価値がゆらぎはじめてきているのである。
そして最後に進歩も文明の目標ではなくなる 。進歩の思想において、未来
は現在よりよくなるという観念がある。ここでは現在は現在として価値ある
のではない。むしろ現在は、未来のために是認されるのである。こういう人
生観のみが価値をもっとき、われらは、父や母より価値あるが、われらの子
はわれらより価値があるということになる。じじっそういう信念によって、
進歩的な学生諸君は、父母や教師や大学を否定した。
しかし、今日この勤勉一繁栄一進歩の価値観が急速にくずれていく。代
わって遊び一自然ー自由の価値観が、価値として登場してくる。•ヒッピーの
64 日语综合教程第五册
思想は、こういう新しい時代のはしりである。そこでは、一切の労働からは
なれ、自由で、自然に帰った生活を送ることが、人間の理想となる。こうい
うヒッピー族が技術文明の先進国であるアメリカにおいてもっとも多く出て
いることに注意したい。
このような遊びの問題について今後、この連載で他の論者によって論じら
れるであろうが、私は一言だけ言っておきたい。勤勉一繁栄一進歩の価値観
は崩壊しようとしている。それに代わって、遊び一自然一自由が、新しい価
値観として立てられようとしているとしても 、なおそのような価値観は人類
を長い間ささえる価値観とならないであろう。なぜならいったん、文明の木
の実を食べた人間は、再び、非文明へ逆転することは出来ないからである。対
立する二つの価値観を調和する点を発見すること 、そのへんに新しい文明の
原理は見つけ出されると私は思う。
(『日常の思想』集英社より)
注釈
〇梅原猛(うめはらたけし)
1925年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。立命館大学教授、京都市立芸術大学教授、同大学学
長を経て、1987年5月より1995年5月まで国際日本文化研究センター初代所長。現在、京都市立
芸術大学名誉教授、国際日本文化研究センター顧問。1972年毎日出版文化賞受賞、•1974年第一回
大仏次郎賞受賞、1992年文化功労者顕彰。主な著書に『地獄の思想 日本精神の一系譜』『隠さ
れた十字架 法隆寺論』『水底の歌 柿本人暦論』などがある。
❷徳川時代(とくがわじだい)
江戸時代。徳川家康が征夷大将軍に任ぜられた慶長8(1603)年から、徳川慶喜が大政奉還して将
軍職を辞した慶応3(1867)年までの、江戸に徳川幕府の存続した265年間。家康が関ヶ原の戦い
に勝利を収めた慶長5年を始期とする説もある。
❸キリスト教(きょう)
仏教、イスラム教と並ぶ世界三大宗教の一つ。イエスをキリストすなわち救世主と信じる宗教。
神の国の福音を説き、人類の罪を救済するために自ら十字架につき、復活したイエス=キリスト
を信仰の中心とする。ユダヤ教を母体として1世紀中ごろパレスチナに起こり、4世紀初めローマ
帝国の国教となる。現在欧米を中心として世界各国に広まっている。ローマ・カトリック教会、
東方正教会、プロテスタント諸教会の三つの流れがある。耶蘇教。
❹ 二宮尊徳(にのみや そんとく)(1787〜1856)
江戸後期の農政家•思想家。相模の人。幼名、金次郎。農家に生まれ、没落した家を再興。のち、
諸藩・諸村の復興に尽力、幕臣となった。徹底した実践主義者で、その思想•行動は報徳社運動
として受け継がれた。
❺ ヒッピー (hippie) 希比派,嬉皮派
20世紀60年代の米国で、既成の社会体制や価値観を否定し、脱社会的行動をとった若者たち。ま
た、その運動。60年代後半にはその風俗とともに世界中に広まった。
65第3課日常の思想
!新しい言葉
考察(こうさつ) [名・他サ] (物事の道理・本質などを)調べて考えること。/
考察,研究。
漸次(ぜんじ) [副] だんだん。次第次第に。/逐步,渐渐。
短縮(たんしゅく) [名・他サ] (本来の時間•距離などを)減らして短くするこ
と。短く縮めること。/缩短,缩减。
必然(ひつぜん) [名] 必ずそうなると決まっていること。それ以外に
なりようがないこと。/必然。
望ましい(のぞましい) [形] そうあってほしい。好ましい。/最好,最理想
的。
従事(じゅうじ) [名•自サ] ある仕事に携わること。/做,从事。
罪(つみ) [名]
(道徳・法律・宗教などの上で)してはならない
物質(ぶっしつ) [名] 行い。悪い行い。/罪过,罪责,犯罪,罪孽。
性欲(せいよく) [名] ①(精神に対して)金銭・物品など感覚で知りえ
禁欲(きんよく) [名•自サ] る現実のもの。/物质。②哲学で感覚によって
その存在が認められるもの。/物体,实体。
代価(だいか) [名] 男女間の肉体的な交渉を求める欲望。/性欲。
人間の欲望、特に性欲を抑えること。/禁欲,节
閑暇(かんか) [名] 欲。
特権(とっけん) [名] ①品物の値段。代金。/价钱;货款。②あるこ
徹底する(てっていする) [他サ] とのために払わなければならない犠牲•損害・
代償。/代价,牺牲,损失。
ふみ切る(踏みきる) [他五] することのない状態。暇。/闲暇,空闲,闲工夫。
特別の身分・階級・立場の者だけに与えられる
洞察(どうさつ) [名・他サ] 権利。/特权。
あやまる(誤る) [自他五] ①底まで貫きとおること。/贯彻到各个角落。彻
底了解。②ある一つの思想•態度などすべての
高める(たかめる) [他ー] 面を貫くこと。中途半端でないこと。/彻底,贯
諸国(しょこく) [名] 彻始终。
① 足で強く踏みつけたひょうしに切る。/踏断。
② 思い切ってその事に乗り出す。/下决心。
よく見通すこと。見抜くこと。/洞察。
(自)しそこなう。(判断などを)まちがう。/弄
错,错,误。(他)間違ったほうに導く。失敗させ
る。/贻害,贻误。
(程度を)高くする。/提高,抬高,加高。
多くの国々。ほうぼうの国。/各国,诸国。各
地方。
66 日语综合教程第五册
匹敵(ひってき) [名・自サ] あるものと比べてみて、それと対等であるこ
移入(いにゅう)
と。肩を並べること。/匹敌,比得上。
目標(もくひょう)
調和(ちょうわ) [名・他サ] ①移し入れること。/迁入。②植民地から本国
性急(せいきゅう)
王座(おうざ、) に、また、一地方から他地方に貨物を運び入れ
君臨(くんりん) Zること。 运入。
二重(にじゅう) [名] 目印。目当て。狙い。/ 、目标,指标。
みみっちい
[名・自サ] しっくりと釣り合いが点れていること。また、
寸暇(すんか)
余裕(よゆう) そのつりあい。/调和,协调,和谐,配合。
ちっとも
いじましい [名・形動] 落ち着きがなく、慌しい。/性急,急躁。
[名]
自画像(じがぞう) ①王の座席。またぐその地位。/車座,王位。②
繁栄(はんえい)
人為(じんい) Mo/(比喩的に)その分野で第一の第一位,首
増進(ぞうしん)
信念(しんねん) 位,首席。
信仰(しんこう)
[名・自サ] ①君主として国民を治めること。/君临,统治,
支配,掌握主权。②(転じて)ある分野で大きな
勢力をもっこと。/称霸,有巨大势カ。
[名] 同じものが二つ重なること。重複。/双层,两
层,双重;重复。
[形] (俗語)僅かなお金や小さなことを気にかける。
細かくて、けちくさい。しみったれている。/吝
啬,小气。
[名] わずかな暇。/寸暇,片刻的闲暇。
[名] 必要以上に余っている部分。ゆとり。/富余,充
裕;从容。
[副] (下に打ち消しの語を伴って)少しも。いっこう
に。/一点儿(也不),毫(无),一会儿也(不)。
[形] ①意地汚い。心にゆとりのない、けちくさいよ
うす。/气量小,度量狭窄。②痛々しい感じが
する。哀れで見苦しい。/可怜,可哀。
[名] 自分で自分の顔・姿などを描いた肖像。/自画
像。
[名・自サ] 経済力・勢力などが大きく盛んになること。さ
かえること。/繁荣,昌盛,兴旺。
[名] ①人間の力ですること。/人力,人为。②人間
の力を加えること。/人工。
[名•自他サ] (能力や物事の勢いが)増し進むこと。/增进。
[名] そのことを固く信じて疑わない心。自信の念。/
信念。
[名・他さ]神・仏などをかたく信じ、その教えを守り、そ
67第3課日常の思想
れに従うこと(心)。また、あることを絶対視し
て信じること(心)。/信仰。
動揺(どうよう) [名・自サ] ①動きゆれること。/颠簸,摇动,摇摆,摆动。
懐疑(かいぎ)' ② 心の落ち着きを失うこと。/动摇‘不安,不
優る•勝る(まさる)
たらす(垂らす) 稳定,不平静。
思惟(しい)
好都合(こうっごう) [名•自他サ] 疑いを抱くこと。また、その疑い。/怀疑。
ほぼ
過剰(かじょう) [自五] 他と比較して、より好ましい状態にある。程度
供する(きようする)
征服(せいふく) [他五] が上である。/比・•・好,胜过,强过。
①液体をしたたらせる。/滴,流。②垂れるよ
痛めつける(いためっ
ける) うにする。ぶらさげる。/垂,套拉‘搭拉,拖。
復讐(ふくしゅう) [名・自サ] (論理的に)考えること。/思考,思维。
乱す(みだす)
枯(れ)山(かれやま) [名・形動] 都合がいいこと。具合がいいこと。また、いい
清流(せいりゅう)
濁流(だくりゅう) 都合。/方便,顺利;恰好,合适。
野生(やせい)
獣(けだもの) [副] だいたい。おおかた。おおむね。/大略,大体,
大致。
[名・形動] 必要な程度を超えていること。必要以上にあっ
てあまること。/过剩,过量。
[他サ] ①(地位や身分の高い人などに)差し出す。/供
给,拿出来,端出来。②役立たせる。/供,提供。
[名・他サ] ①(武力などによって敵を)打ち負かして従える
こと。支配下に治めること。/征服。攻占。②
(比喩的に)困難なことがらを成し遂げるこ
と。/克服,战胜。
[他ー] ひどい目にあわせる。厳しく責め立てる。/给
以沉重打击,痛加攻击。
[名・自サ] ①あだうち。かたきうち。/报仇。②仕返し。報
復。/报复。
[他五] 秩序などを混乱させる。平静な状態をかきまわ
す。/弄乱,扰乱。
[名] 草木の枯れた冬の山。/冬天草木都已枯死的山。
[名] 川などの水のきれいな流れ。/清流,清溪,清
清的済水。
[名] 濁った水の流れ。/浊流。
[名・自サ] (動植物が)自然に山野で生まれ育つこと。/野
生。
4[名] ①全身に毛があり、 足である動物。「けもの」と
も読む。/野兽,兽类。②不人情な人やろくで
もない人間をののしる言葉。/畜牲。
68日语综合教程第五册
コンクリー卜(concrete) [名] セメント・水・砂•砂利を適当な割合で練り固
めたもの。土木・建築工事の材料。/混凝土。
はなはだ(甚だ) [副] 程度が著しいこと。/很,甚,非常,极其。
病(やまい) [名] ①病気。/病,不治之症。②よくない性癖。欠
点。短所。/,毛病,坏习惯,恶癖。
根本(こんぽん) [名] ある物事のなりたちを支える、最も基礎になる
ものト歩おもと。根源。/根本,根源。
是認(ぜにん) [名・他サ]
よいと認めて許すこと。その通りだと認めるこ
代わる(かわる) [自五] と。/同意,肯定,认可。
①ある古いものが退き、別の新しいものがそこ
登場(とうじょう) [名・自サ] に麥る。/更换,替换。②代理になる。/代替,
替氏,
はしり(走り) [名]
①舞台に役者が現れ出ること。/出场,上场,登
一切(いっさい) [名•副] 台,出台。②ある場面に関係者が現れ出るこ
と。/出现,登场。
連載(れんさい) [名・他サ] ①走ること。また、走るぐあい。/跑。②旬に
さきがけて市場に出る野菜•果物・魚など。/初
論者(ろんしや) [名] 上市的。③一般に、物事のはじめとなること。
崩壊(ほうかい) [名・自サ] さきがけ。/前奏,先锋。②と③番の場合はか
ながき。
逆転(ぎやくてん) [名・自サ] (名)何もかも。すべて。全部。/所有,全部。(副)
(下に打ち消しの語を伴い)全然、全く。/一切,
全部,一概,都。
小説・記事などを新聞・雑誌などに続き物とし
て掲載すること。/连载,连续刊载。
議論をしているその人。/议论者,主张者。
①崩れ壊れてしまうこと。/崩溃。②放射性元
Z素が放射線を出して別の元素に変わること。
蜕变,衰变。
Z①それまでとは反対の向きに回転すること。
反转,倒转,逆转。②それまでとは反対の状態
になること。/倒过来,反过来,倒退;恶化。
言葉の学習]、
三少—二から—丛2—直_____ 一 ―—— _______ — I
格助詞。時間的、空間的起点を表すほか、望ましくない状態、出来事からの
脱出や、物事の離脱または消失の場所などをも表すことができる 。
69第3課日常の思想
❶ ここに苦しみながら自惚れと劣等感という偏見から自由になっていった1人
の人間がいる。(在这里我们可以看到1个痛苦地从自负和自卑的偏见中获得自
由的人。)
❷ それは日本を封建社会&ら近代化社会に脱皮させる必要な条件であった。(那
是使日本从封建社会脱胎进入近代社会所必需的条件 。)
❸ 権力闘争も人類の醜いことで、これも戦争と同じように、いつになれば地上
から消えるだろうか;(权カ斗争也是人类丑恶的一面,如同战争一样,什么时
候才能从地球上消失呢?)
❹ この博物館は戦災から奇跡的に助かり、今日まで残っている。今では毎日の
ように大勢の観光客を迎えている。(这个博物馆奇迹般地躲过了战祸,保存
至今。如今它每天迎接着大批的观光游客。)
5上 〜以外の何物でもない(〜いがいのなにものでもない)
[ 不外乎是…,为非是…
体言や動詞連体形につき、強い肯定を表し、「〜にほかならない」に相当する
文型である。
❶あなたの言っている美しい世の中、それは誰も望むところだが、今の時代そ
れは単なる理想の絵空事以外の何物でもないC (谁都希望能有你所说的那个
美好的社会,但是在当今这个时代,那不外乎是理想的虚构而已。)
❷ 日本人がこうも自然を破壊して顧みなかった理由は、日本人の自然に対する
甘え以外の何物でもないC (日本人之所以如此肆无忌惮地破坏自然,无非是
仗着大自然对他们的恩宠而已。)
❸ 息子さんがはるばる遠くから時間とお金をかけて度々親のあなたを訪ねてく
れることは親孝行以外の何物でもなレ、c (你儿子不惜时间和金钱一再从老远赶
来看你这个母亲,这无非是对你的孝顺。)
❹ 彼をその泥沼から引き離させたのは、恐らく文人の教養以外の何物でもない
だろう。(使他远离泥坑的恐怕不外乎是他作为文人的修养吧 。)
M〜を余儀(よぎ)なくされる(させる)不得已,没赤法,无秦何n
動作を表す名詞について、意志に反して何かをしなければならなくなる、ま
た、・そうさせざるを得ない、という意味を表す書き言葉である。
❶一人暮らしの母が大病で緊急入院したので、娘としての私は予定外の出費を
余儀なくされた。(单独生活的母亲因患大病突然住院,我作为女儿只好额外
地为她支付费用了。)
❷彼は任命されて職場に赴任したが、社長から言われた経営目標を達成でき
ず、とうとう辞任を余儀なくされた。(他奉命去单位赴任。但是因为无法达到
70日语综合教程第五册
社长吩咐的经营目标,终于不得已辞去了职务。)
❸ この大型不況は建設オーナーに売れない物件の値下げを余儀なくさせた。(这
次长期的经济萧条使得开发商不得不降低销售不出去的商品房价格 。)
❹ この空前の台風は、半年かかって立てた旅行計画の中止を余儀なくさせた。
(花了半年オ制定的旅游计划就因为这场空前的台风而不得不中止了 。)
勢もとより:□
1.副詞。初めから。以前から。もともと、という意味である。(本来,原来,根本)
❶ もとより、満員電車に乗っているということは、あんまり愉快な経験であろ
うはずがない。(本来,乘在拥挤的电车上就不可能是件让人愉快的事 。)
❷ こんな無謀な計画、反対に遭うのはもとより分かっているだろう。誰の発案
だ。(我本来就知道这么有欠斟酌的计划一定会遭到反对的。这是谁想出来
的?)
❸ もとより、楽天主義は、政治家にとって悪徳というより美徳である。(本来,
乐观主义对政治家而言,与其说是ー种败坏的道德,倒不如说是ー种美德。)
❹ こんなに多くのお客さんが来るとはもとより予想していなかった。品不足は
仕方のないことだ。(本来就没有想到会来这么多客人,东西不够也是没有办
法的嘛。)
2副詞。言うまでもなく。もちろん、という意味を表す副詞であるが、よく「〜
はもとより」の形で使われる。(当然,固然,不用说)
❶ あの本は先週図書館から借りてきて読んだよ。それは子供はもとより、大人
も十分読む価値のある本だと思う。(这本书我上星期去图书馆借回来看了,
我认为这本书小孩子自不必说了,就连大人也值得一看 。)
❷ あの悲惨な事件については、父親はもとより、息子さんも忘れたかのよう
に、ほとんど口にすることはなかった。(关于那起悲惨的事件,不用说父亲
了,就是儿子也好像是忘了似的,从不提起。)
❸ 中国やアメリカなどの大きな国はもとより、シンガポールのような小さい国
でも多くの民族が集まって一つの国をつくっている。(像中国茶美国等大国自不
必说,就连新加坡这样的小国家也是有多个民族聚合起来形成一个国家的。)
❹ 今回の旅行は宿泊はもとより、お食事も十分ご満足いただけると思います。
(这次旅行住宿就不用说了,伙食方面也定能让各位满意 。)
佥ゆえ 原因,理由
名詞。体言や活用語の連体形につき、原因と結果を表す。文語的で改まった
表現である。よく「〜のは〜ゆえである」「〜がゆえ(に)」「ゆえに」の形で使
71第3課日常の思想
う。また「それゆえ(に)」「それがゆえ(に)」という接続詞の形でも用いられる。
❶ 山里の宿屋のこと些大変静かで、都会のあの騒々しい車の音は聞こえな
い。(由于是山里的客栈,非常安静,听不到城市里的那种汽车的喧闹声。)
❷ この地は温暖多雨であるがゆえに、植物がよく繁る。しかし、人間生活から
見れば、じめじめした気候は、決して気持ちのいいものではない。(因为这地
方温暖多雨,所以植物茂盛。但是就人类的生活而言,这种阴沉潮湿的气候令
人感到心情不畅。)
❸ 人口が都市に集中しているゆえエ、都市で公害が起こっていると言う人がい
るが、私はそう思わない。(有人说,就因为人口都集中到城市,所以城市里オ
发生公害。可我并不这样认为。)
❹ 私にはこういう故郷はない。それゆえか、物心ついてから、信州へ住みたい
と願っていた。(我没有这样的故乡。就因为如此,我从懂事时开始,就希望住
到信州去。)
❺ 今年の夏の降雨量は極端に少ない。それがゆえに政府も水不足に対する政
策に追われている。(今年夏天的降雨量特别少。因此政府也整天忙于为缺水
制定对策。)
キ金~と並んで(~とならんで)与---- 起,与---- 样 J
格助詞「と」と動詞「並ぶ」の連用形で構成され、’体言に付いてそれと同じ
方向に向いて同列に位置するという意味を表す。「〜と並ぶ(名詞)」の形でも用
いられる。
❶ 勤勉、永年勤続と並んで、今では新規開発によって会社にいかに貢献できた
か、ということも重視されるようになってきた。(与勤奋和长期工作一样,如
今公司也开始重视员エ能否有所创新为公司带来盈利 。)
❷ 超低金利の日本と並んで、西ドイツでも公定歩合の引き下げが世の注目を集
めている。(与日本实行超低利率ー样,西德也降低了央行贴现率,引世人瞩
目。)
❸ キリスト教は、仏教、イスラム教と並ぶ世界三大宗教の一つで、近年来、そ
の国では特に若者の間で流行っているようである。(基督教与佛教、伊斯兰教
ー样是世界三大宗教之一,近几年来,在那个国家,尤其是在青年人中间好像
很流行。)
❹ 中国における近代の都市集中型の建設ラッシュは高度成長と並んで、海外の
驚異のまととなった。(中国现代的城市集中型建房高潮也与经济高速增长ー
样,令海外人士刮目相看。)
72 |日语综合教程第五册
善0登 仅仅,光,蔓具 :
副助詞。体言や用言、助動詞の連体形、様々な文節に付き、ある一つの事柄・
状態に限定したり、それを取り出して強調したりする意味を表す。話し言葉の
「だけ」「ばかり」と同様の意味を表し、書き言葉である。「のみ」は格助詞「が、
を」とダブって使う場合は、「が、を」が省略できる。
❶ 私は、私的利潤の追求皿に奔走する企業は、この際深く反省すべきだと思
う。(我认为一味追求私人利润的企业,在这种时候应作深刻的反省。)
❷ こんなことになってしまって、私には、ただ悔恨あるのみだった。(事情弄成
这样,我只有悔恨而已。)
❸ それは色合いが美しい些でなく、造形的にも非常に優れたデザインだ。(那
不只是颜色好看,造型也非常好,是ー款优秀的设计 。)
❹ 共同生存下において些はじめて、人類は自然と闘うことができるのだ。(人
类只有在共同生存的条件下,才能与大自然作斗争 。)
づ・すら甚至…,就连…
副助詞。名詞や「名詞+助詞」、接続助詞「て」、ダ型活用形語の連用形、様々
な文節にっき、極端な事柄を提示して、他のものはもちろん、と事柄の甚だし
いさまを暗示する文章語である。尚、主格につく場合は、「ですら」の形が多い。
また、よく 「〜すら〜ない」の形で用いられる。
❶ 当時、マッチのようなもの支ら配給の対象になって、いくらお金があっても
自由に買えるわけではなかった。(当时甚至连火柴这种东西都是配给的对象,
无论有多少钱都不能自由购买 。)
❷ 僕は先月彼女と北海道へ旅行してきた。これは親にすら話していないのだか
ら、ぜひ内緒にしてほしい。(我上个月与她ー起去北海道旅游了。这件事连父
母都没有告诉,所以你们一定要替我保密。)
❸ 君の親ですら匙を投げたのだから、他人の私に何をしろと言うのよ。(甚至
连你的父母都已束手无策,你还想让我这个老太婆做什么呢?)
❹ テレビで見た西洋人の粽を包む手つきは、ぎこちないようにすら見える。(在
电视节目中看到西方人包粽子的手势,看起来甚至显得有点笨拙。)
❺ 見てすら、一体何が何だか分からない人間に、発明しろと言ったって無理で
はないだろうか。(他们连看都看不明白,还要让他们去创造发明,恐怕是做不
到的吧。)
a昨し:c ___________________ ___________________ ;
し副詞。文末に疑問を表す「か」をつけ、最終的に予想されるとおりにいけるか、
73第3課日常の思想
という疑問や仮定を強調する様子を表す。よく「はたして〜だろうか」「はたし
て〜かどうか」の形で使う。(果真…吗?真的…吗?)
❶ この結論は、はたしてどこまで適切な調査や分析、政策方針によるものなの
か。(不知这个结论究竟来自于多少确切的调查、分析和政策方针?)
❷ 当時、あるソビエトの作家は、はたして人類に21世紀があるだろうかを疑っ
たそうだ。(听说当时有个苏联作家曾经怀疑,人类究竟有无21世纪。)
❸ あれだけの距離をはたエ、体の弱い彼女には完走できるだろうか。(那么些
距离,她身体又这么弱,不知她究竟能否跑完全程?)
❹ 統計から見て景気が回復しているとしても、君たちが卒業のころ、はたして
就職口が増えるかどうかわからないだろう。(即使从统计上看经济有所复苏,
但是还不能预料,到你们毕业时就业机会是否真的会有所增加 。)
2.副詞。確定表現をともなって、予想・予告したことが実際に起こる様子を表す。
思っていたように。よく「はたして〜した」の形で使う。(果然…)
❶ 彼女はろくに仕事もできないし、大丈夫だろうかと思っていたら、はたして
今日大失敗をして社長に叱られた。(我正担心她做不好工作,果然今天出了
大错,遭到社长的训斥。)
❷ 何にでも興味を持つ彼女のことだから 、たぶん来るだろうとは思っていた
が、はたして早々に出席していた。(她对什么都是兴致勃勃的,所以我想她应
该会来的吧。果然她很早就到场了。)
❸ 初対面の時からその大は賢そうな大と見ていたが、はたしてすぐに頭角を現
し始めた。(第一次见面时我就看出他是个聪明人,果然他马上就崭露头角了。)
❹ こんなふうに不備が続くと失敗を招くに違いないと思っていたら 、はたし
工そのとおりになってしまった。(如此考虑不周定会导致失败,果然不出我
所料。)
ョケ〜としても 即是…也…,纵然・•・也… j
「体言+だ」や「活用語終止形」について、「〜としたら」と同様で、仮定や
確定的仮説条件を表し、可能性の少ない仮定を表す表現である。後項はプラス、
マイナス両方のものが来る。
〇 彼は厳しいことで有名な教授だから、彼にやられたとしても、それは決して
あなたの不名誉にはならない。(他是ー个严格得出名的教授,即使被他问倒
了,也不能算是你的耻辱。)
❷仮に彼が言ったのは真実だとしても、今になっては釈明のしかたがないの
で、あきらめたほうがいい。(即使他说的是事实,事到如今也已无法辨明了,
所以还是放弃这个念头为好。)
74 日语综合教程第五册
❸2人で行くとしても、ときたま自転車に乗って近所のそば屋に手打ちのうど
んを食べに行く くらいだ。(即使两个人同行,也不过是有时骑上自行车到附近
的养麦面店去吃点手制乌冬面而已。)
❹ 仕事で彼に会いに行けないとしても、おみやげぐらいは持っていってもら
う。ぼくの大恩人だからね。(即使因工作不能去看他,我也要让人带点礼物
去。他可是我的大恩人啊。)
類語の学習
心…もはや・すでに
1. もはや 事到如今、已经
副詞。ある事態が実現しようとしているさま、またある事態が変えられない
ところまで進んでいるさまを表す。今となっては。すでに。
❶ 自分の生きてきた過去。もはや引き返すことのできない人生を考える時、
せめてこれから悔いのない日々にしたいと思う。(回顾自己走过的历程。当
我想起那已经无法逆转的人生时,感到起码今后要让自己的每一天都过得无
怨无悔。)
❷ 事態がはっきりと明らかになれば、もはやじたばたしてもしかたがない。(如
果事态弄清楚了,那么着急也是无济于事的。)
❸ 外国生活で彼はもうすっかり健啖になり、たくましくさえなって、もはや昔
の虚弱児の面影はなかった。(国外生活使他变得^し能吃,甚至变得十分健壮,
已经看不到以前的那种虚弱样子了。)
3❹ 事故が発生して 日も経ったので、遭難者の救出はもお絶望と思われてい
1 3たが、奇跡的に今日、 人の男性が助け出された。(事故发生后已经过去 天
1了,都以为遇难者已无生还的希望。然而今天却奇迹般地救出了 名男子。)
2. すでに 已经,业已
副詞。ある動作行為が過去に行われていたことや、その時点ではもうその状
態になっていることを表す。
❶ 雪山を滑落した彼は、すぐに救急隊の手でタン力に載せて担ぎ出され病院に
運ばれたが、病院に着いたとき、すでに事切れていたC (他从雪山上滑落后,
4急救队马上把 也扶上担架送往医院,可是送到医院时他已经咽气了。)
❷ 夜行バスが東京に着いた時、駅前の立ち食いそば屋さんはすでに営業してい
た。(夜行大巴士早上抵达东京的时候,车站前的养麦面店已经开始营业了 。)
0 すでに日本企業の発展途上国依存度は高まり、こういう発展途上国はまさに
75第3課日常の思想
日本企業にとって21世紀の「生命線」になりつつある。(日本的企业已经在
很高的程度上依赖于发展中国家,这些发展中国家正在成为日本企业2I世纪
的“生命线ん)
❹ 農村はすでに食糧不足と深刻な失業問題を抱え、都市への人口流入が止まら
ない。(农村已经发生了粮食不够和严重的失业问题,人口不断流向城市 。)
まとめ
時間が経過して状態が変化している様子を表す点では二語共通している。「す
でに」は過去のある時点でその事態が成立しているのに対して、「もはや」はそ
れだけでなく、現時点でそうなったという場合にも用いられる改まった言い方
である。また、今となっては取り返しがつかない、現状は動かしがたい、といっ
た含みのある話し手の主観的判断をも表す言葉である。
. . . .ZIZ会ー…愈二輯・ーー・ーーーーーー一…___一.ーー…一…一ー・一..一一.—j
1.再び(ふたたび)再,又,重
副詞。もう一度。かさねて。同じ動作や状態を二度目に繰り返すという意
味を表す。下に打ち消しの語が来ると、「二度と」の意になる。否定の場合
はよく「再び〜する〜ない」の形で用いられる。
❶ その翌年は、彼は会社を辞めて毎日新聞社の正社員になり、書び親元に戻っ
て、父母とともに生活を営むようになった。(第二年,他辞去公司的工作到每
日报社正式就职,并再次回到父母身边和他们ー起生活。)
❷ 企業収益の改善傾向などを背景に、米国の企業合併、買収が再び脚光を浴
び、いろいろな企業からの注目を集めている。(在企业盈利有所改善的背景
下,美国的企业合并和收购再度大出风头,受到各行各业的关注。)
❸ 今後、このような間違いは再び繰り返さないようにすることは大切である。
(重要的是今后不再重犯这样的错误。)
❹ 残念なことにあの戦争で二度と亶び得ることのできない貴い文化財を失って
しまった。(遗憾的是在那场战争中失去了不可复得的珍贵的文化遗产。)
2.再度(さいど)再度,第二次,又一次
名詞・副詞。もう一度。もう一度何かをする場合に使うもので、やや文章語
的な言い方である。直接否定語にかかりにくく、否定語にかかる場合は「再度
は〜ない」の形で使われる場合が多い。また、「再度に及ぶ(わたる)」、「再度
の〜」の形もある。
❶ 大手企業であるあの会社は再度大規模なリストラを敢えて行ない、企業の建
て直しを図った。(那家大公司还是再次进行了大规模的裁员,实施企业重组 。)
❷ 大喧嘩をして以来、あの件について彼は再度「YES」とは言わなかった。(自
76 日语综合教程第五册
从大吵ー架以后,关于那件事他再也没说过“是”。)
❸ これは亶度に及ぶ請求なので、当社としては真剣に対策を考えなければなら
ない。(这已经是第二次要求付款了,作为本公司应当认真考虑对策 。)
❹ わたくしどもは宣度のお願いに参りましたが、ぜひよろしくお願いします。
(我们这是第二次登门相求,还请您多加关照。)
まとめ
繰り返して起こったり行ったりするさまを表すという意味では二語とも共通
しているが、「再び」は上述の意味を表す場合は、「再度」に置き換えられるが、
下に否定の語が来て、「二度と」という意味を表す場合は、「再度」との置き換
えはできない。また、置き換えが出来る場合でも、「再び」より「再度」のほう
が漢語表現であるため、ややかたい文章語的な表現になり、場合によっては重
大な決断など、動作主の強い決心を表し、また名詞的用法があるところも「再
び」と違う。
練習
一・次の漢字にふりがなをつけなさい 。
漸次 匹敵 閑暇 徹底 洞察 従属 性急 罪 人為
増進 懐疑 否定 病 好都合
君臨 王座 信仰 奉仕 清流 濁流 是認 獣 頭脳労働
思惟 汗水 過剰 復讐
逆転 登場 総合 崩壊
二、次の文の片仮名の部分を漢字になおしなさい。
Z/.厄介な責任問題をむりやりに導 わされた。
2. 鼻緒がきれた下駄を下げて帰ってきた。
3. 富士山を住かに望む。
M4. あんな美しい山も今ではカ_れ土 となってしまった。
5. 技術の面ではかれのほうが室:っている。
6. これは風紀を室すことだから厳しく処罰しなければならない。
7. そこまでしていただき、ハナハだ恐縮です。
8. この大福は形が室れても味は変わらないよ 。
9. あの子は涎を客らしている。智恵遅れの子のようだ。
10.ちょっと変に見えるかもしれないが、彼ドクジのやり方なんだ。
•三、次の質問に口頭で答えなさい。
1.「むしろこのことはよいことである」とあるが、「このこと」とはどんなことな
77第3課日常の思想
のか。
2自由な時間をもっことはなぜ人間にとって望ましいことなのか。
3. 労働に従事しない人間は、なぜ罪を背負うことになるのか。
4. 西洋文明の採用に踏み切る「や否や」を別の言葉で言い換えなさい。
5. 西洋文明を導入した日本はなぜヨーロッパ諸国より、遥かに技術文明に価値を
おく国となったのか。
6. 「このような調和はあまり問題とされず」とあるが、どう理解するか。、
/ 「信念」と「信仰」とではどう違うか。
8. 「こういう人生観」とはどういう人生観なのか。
9. かつての価値観が崩れつつあるからといって、新しい価値観はそれに取って代
わることができるか。なぜか。
10.筆者の見方に賛成するのか、しないのか。その理由を述べなさい。
四、 次の文の下線部を辞書で引いて日本語で説明した上、全文を中国語に訳しなさい。
1. 彼は無実の罪を背負って遠い孤島に流された。
2. 父が不眠症のために神経を痛めつけ苛立たせている°
3. 彼は大関に一気に押されて俵を割った。
4. やっと開発したこの新しい治療法の効果について懐疑が投げかけられた。
5. 子供が一流大学に入ったそうで、これに勝る喜びはない。
五、 次の下線部の言葉の意味が、それぞれのはじめの文と最も近い意味で使われている
文を、①、②、③、④から一つ選びなさい。
1. 彼は機械の操作をあやまって事故を起こしたのだC
① こんな指導は子供をあやまらせるだけだ。
② 大生の十字路で、彼は進むべき道をあやまってしまった。
③ 自分が悪いのだから、相手に素直にあやまらないといけないよc
④ あいつの厚かましさにはあやまった。
X2. この度、ヨーロッパへ留学するという長年の願いが心纟 、彼女は興奮して夜
もよく眠れなかった。
3① 真心を込めて彼と 年間付き合ったが、美しい彼女の出現でかなわぬ恋と
なってしまった。
② 雪国育ちの私はとても京都の暑さにはかなわず、とうとう北海道へ逃げてき
たのだ。
2③ 彼はまだ新大でとても横綱にはかなわず、出場して 分も経たないうちに
あっけなく押し切られた。
④ 目的に地うような旅行計画を立てるにはたいへん時間がかかる。
78日语综合教程第五册
3彼は人当たりはいいが、二画頑固なところがあるので、このことに関して必ず
しも聞いてくれるとは思わないね。
① 朝起きると、外は二画に濃い霧が立ち込めて、とても車が運転できる状態で
はない。
② 一面のトップを飾るニュースを作るために、彼らは取材にたいへん苦労した
ものだ。
③ 物事の二面だけを見てはいけないし、片方の言い分を聞くだけでもいけない
と思う。
④ 火事現場はまさに一面火の海だが、消防隊員は命の危険を冒して火の海に突
入した。
六、次の語群から適切な言葉を選んで、必要な場合は形を変えて()に書き入れなさ
い。
かわって や否や 望ましい いっさい 何よりも
いったん ならぶ はなはだ みみつちい さらば
1.( )作業のゆとりがほしい。以前は、やりようによっては5秒でも10
秒でも息を抜けたのだが。
2今まで全部パスしたのに、最後のところで落ちてしまったとは( )遺憾
である。
3. この学校では語学力にかけて彼に( )ものはない。
4. 仕事は忙しいが、急用ができたため、来週( )帰国する。
5. 大人はまだ駅弁の蓋についた米粒を食べることはできる。が、子供はそれを
( )、貧乏だとさげすむだろう。
6. 求めよ、( )与えられん。
/そのニュースが伝わる( )、抗議の電話が会社にかかってきた。
8. よし分かった。今後あなたのことには( )干渉しないことにする。
9. みんな年末でたいへんだが、やはり全員参加のほうが( )〇
io.茶色に( )、今年はピンク色のような明るい色が流行っているそうだ。
七、次の文中の 部分に入れるのに最も適切なものを選びなさい。必要な場合は、
語の形を変えてもよい。また、答えは必ずしも一っとは限らない。
1.そのニュースを耳にすると急いでかけつけたが_________ 出発したあとだった。
も①はや ②すでに
2会社に勤めてはじめて学生生活はどんなに幸せかということが分かった。でも、
学生時代には____—戻れない。
79第3課日常の思想
①もはや ②すでに
3食事が終わると、隣人たちはなごやかに話し出す。見ず知らず同士で
はない。
①もはや ②すでに
4. 失敗と決まった以上、やり直すしか残る道はない。覚悟してね。
①もはや ②すでに
5. 明日は にわたる交渉になるが、ぜひとも成功させたいと考えている。
①再び ②再度
6. 彼らは特別弁護人の参加をすみやかに許可することを 要求した。
①再び ②再度
/その日に倒れて以来、彼は寝込んで_________ 立てなかった。
①再び ②再度
8.僕のせいで父が倒れてしまった。今後、僕は 過ちを犯さないことを誓
う。 ②再度
①再び
ハ、括弧の中の言葉を使って次の中国語を日本語に訳しなさい。
1. 所谓爱国心不仅仅体现在抗击外来侵略保卫祖国方面,即便是在和平时代,不随
地乱扔垃圾,保护城市卫生也是ー种爱国心的体现。(から;外来侵略一外敵の
侵入)
2. 她违背诺言看了其中的东西,这不外乎是出于好奇心,不必大惊小怪。(〜以外の’
何物でもない;大惊小怪一大騷ぎする) -
3. 由于参加人数不够说明会不得已中止了。对此我们只能表示歉意。(〜余儀なくさ
れた;参加人数不够ー参加者が集まらない)
4. 我本来就知道她是个领养的孩子。事情都已经过去20年了,到现在还有什么好
吵的。(もとより;领养的孩子Tもらい子)
5. 我不太喜欢看电视,也没有时间看电视。即便偶尔看,那也只是看看新闻而已。
(〜としても)
6. 由于发明了计算机,オ使复杂的计算得以在短时间内完成。可我反而感到比以前
更忙了。(〜がゆえに)
/真没出息,他连对方的脸都不敢看一眼,更不要说和他自己喜欢的女孩子说话
了。(〜すら;没出息T意気地がない)
80 日语综合教程第五册
8.生活在舒适环境中的人们,身心到底是否健康呢?(はたして〜だろうか)
9那种只有一小撮有权势的人才能得益的政治,前途非常暗淡,只能让国民感到失
望。(のみ;-ー小撮有权势的人ー一握りの権力者)
g 这只猫已经养了10年了,与其说是宠物还不如说是家庭的ー员。但这只是人单
方面的想法,宠物本身并不一定这样想。(というより)
九、言葉の決まり
1.次の漢字の訓勇旎みを送り仮名に注意して二通り書きなさい。
①汚 ②悔 ③怠
④触 " ⑤占 ⑥盛
⑦捕 ⑧頼 ⑨背
2. 次の慣用句の匚二]に入る語を書き入れなさい。
① rーを立てる。(その人の名誉を保たせる)
② 匚二3を抱える。(非常に困る)
③ ! を盗む。(見つからないようにこっそりする)
④ 匚二]を貸す。(相談を聞く)
⑤ 匚二:を巻く。(できばえに感心して、ひどく驚く)
3. 次の文章から副詞を抜き出し、副詞が修飾している語(被修飾語)を書き出せ。
一般に日本人は身ぶりや表情に乏しい民族だといわれている。外国人の動作
を見ていると、肩をちょっとあげて、両手を広げてみたり、表情たっぷりに片
目をつぶったり、なかなかはでである。
これらの動作と日本人の日常生活の動作をくらべてみると一般にいわれてい
る批評もなるほどと思われてくる。
従来、わが国では、どんな場面に遭遇しても、端然として、まゆひとつ動か
さぬとか、あからさまな物言いをさけるとかいったことが、美徳とされてきた。
十、次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
現代の日本の時代を表現するのに、「ダイナミック」という言葉ほどふさわしい
ものはない。
激烈なダイナミズムを生みだしたこうした時代は、過去の日本にも存在した。た
とえば、幕末である。しかし、幕末の激動と現代日本のそれとを比較してみて気づ
くのは、①前者が、二つまたは三つの明確な立場が、それぞれに長期的な目標を
81第3課日常の思想
もってぶっかりあった結果生じた激動であるのに対して、今の日本の激動は、多様
化した価値観が互いに衝奕し合い、複雑な変動をとげていることに特徴がある。そ
れゆえニ-一世紀の日本がどうなるかということは、現在の変動がそのように見通
しのきかない変動であるために、容易に予測できないのである。
ただ言えるのは、②この特殊なダイナミズムにますます粕車がかかり、変動がさ
らに大型になり、そうして個々の価値観が今以上に多様化するだろう、ということ
である。
では、私たちはどうしたら、このような激動の時代に対処できるのだろうか。私
たちにこれからもっとも要求されるのは、自分自身の判断力と考える力だと思う。
③原理とか原則とかに盲目的に固執していては、多様化と変動に対処していけな
ビのである。変動と多様化に対処するための教科書は存在しない。自分自身にすな
おになり深く考え、その結果、もっとも賢明な選択をすることだけが、のこされた
唯一の方法だと私は思うのだ。
こういうといかにも多難な時代のようであるが、実は私は、逆にむしろいい時代
だと思っている。変動し、多様化する時代こそは、個人が自己の可能性を発揮しや
すい時代だからだ。
十人十色というように、人は生まれたときに、すでに一人一人異なっている。外
L面だけではなく、性格、資質といった目に見えない部分も違う」a 人それぞ
れ可能性は、当然、多種多様であるべきはずなのである。匚瓦コ、人はともすると、
この多様性に目をつむりたがるのだ。なぜか。安心したいからである。あるいは迷
いたくないからである。Mコ、一流大学に入り一流企業に就職するという、いわ
ゆるエリートコースに身を置けば、迷うこともなく、不安にかられることもないと
人は考える。
変動は、こうした直線的な進み方を変えるだろう。人はもはや、^^]に対して
目をおおってはいられなくなるのだ。⑤自分自身の可能性を懸命になって掘り当
て,独自の生きがいを創造しなければならなくなるのだ。’
社会もまた、そのことをすべての人に要求せずにはいられなくなるに違いない。
独自の生きがいを創造できずに、変動においてきぼりにされ、多様化に見放され、
絶望感に支配された人間が比重を占めるようになっては、社会は非常に混乱し、悪
<すれば覆ってしまうからである。
独自の生きがいを創造するために、自分自身の中に眠っている可能性を掘り当て
ていかなければならない。それがいかに難しいことでも、苦労を伴うことでも、時
代を生き抜くためには、⑥そのことが必要になってくるのだC
HD I a 17 c Iに入る語句を次から選びなさい。
アところが イたとえば ウそれとも 工だから
ABC
82日语综合教程第五册
dB 下線部①「前者」は何を指しているか。文中のことばで答えなさい。
dB 下線部②「この特殊なダイナミズム」の「特殊」とはどのようなことか。文
中のことばを使って、20字以内で書きなさい。
dD 下線部③「原理とか原則とかに盲目的に固執していては、多様化と変動に対
処していけない」について、次の問いに答えなさい。
(1) 「原理とか原則とか」を比喩的に言いかえている言葉を、文中から抜き
出しなさい。
(2) 筆者が言っている現代のよさを文中から15字以内で抜き出しなさい。
d@ I④Iに当てはまる最も適切な言葉を次から選びなさい。
ア社会性 イ多様性 ウ特殊性 エ日常性
dD 下線部⑤「自分自身の可能性を懸命になって掘り当て」とあるが、そのため
に必要なものは何か。15字以内で書きなさい。
dD 下線部⑥「そのことが必要になってくるのだ」とあるが、それはなぜか。そ
の理由として最も適切なものを次から選びなさい。
ア、激しい競争社会の現代では、ほとんどの人が直線的な進み方を選択しょ
うと望んでいるが、並たいていの努力では不可能なはずだから。
イ、さまざまな価値観が存在する現代では、人は安心するために原理原則に
頼り、独自の判断力と思考力とを持つことを避けがちだから 。
ウ、すべての人が平等な現代では、独自の生きがいを創造するために自分自
身の可能性を掘り当てようとすると、周囲から批判を受けがちだから。
エ、複雑な変動をしている現代では、さまざまな価値観が認められるが、その
結果、他人との区別があいまいになり、人は自分の独自性を見失うから。
文学・語学の豆知識
文章表現の技巧
いい文章を書くには、文章表現の技巧をつかまなければならない。文章表
現の技巧とは、だいたい次のいくつかある。
(1)比喩法—— あるものを他のものにたとえる。
83第3課日常の思想
直喩法——たとえるものがはっきりしている。「〜のように」「〜に似
た」
隠喩法ーー表現上はたとえの形式をとらない。白髪を生じたことを
「頭に霜をおく」など。
活喩法ーー擬人法ともいう。人間以外のものを人間にたとえる。
声喩法----音や状態を擬声語、擬態語で表す。
(2) 強調法ーー文章を強め印象を強くする。
反復法一ー同じ言葉を繰り返す。
漸層法ーー調子をだんだん高めていく。
誇張法ーー実際よりもおおげさに表現する。
(3) 変化法—— 文章に変化をもたせて、おもしろみを出す。
倒置法ーー語順をひっくり返す。
省略法 表さなくてもわかる部分を省いて、余情・余韻をもたせる。
引用法ーー古くから使われていることばなどを引用する。
読み物
二十一世紀のおそろしさ
■森本哲郞
もうかなり前のことだが、画家の藤田吉香氏とスペインを旅したことが
ある。その時私が意外に思ったのは、彼がカメラを持たず、どんな場所へ
行っても記念撮影にさえ全く関心を示さないことだった。反対に私は、
ちょっとでもおもしろいと思った風景に立ち会うと、やたらにカメラの
シャッターを押した。
そんな私を見て彼は不思議そうに、「どうしてそんなに写真を撮るのか
ね。」ときいた。「どうして君は写真を撮らないんだい。」と私は反問した。
画家なら私以上にいろいろな風景を撮っておきたくなるのではないかと
思ったのだ。すると彼はこう言った。「いい景色があったら、覚えておけば
いいじやないか。」「覚えとけって、そういちいち覚えきれるもんじやない。
せっかくこうして旅に出たんだから、せめて記念にフィルムに収めておか
なくちやあ。」「それは君がまじめに風景を見ていないからだ。本気で一所懸
84日语综合教程第五册
命に見れば忘れるもんじやない。」と藤田氏は言い、「カメラという便利な機
械があると、つい、それに頼って人間は対象を見つめなくなるんだな。」と
つぶやいた。
「で、そんなにたくさん写真を撮って、君は帰ってから、その写真をじっ
くりと見たことがあるのかい。」
そう言われて、私はギクとした。何十本、時には一回の旅で百本以上の
フィルムにさまざまな風景を収めながら、実を言うと私はそのほとんどを
見たことがないのだ。むろん見ようと思えばいつでも見られるだけの整理
はしてある。
しかし、考えてみると、こうしたことは、何も写真に限らない。ビデオ
の場合だってそうだ。興味をひくテレビの番組があると、私は女房に、必
ずビデオにとっておくように頼む。そんなビデオが今やかなりの量に達し
た。だが正直に告白すると、これまでとったビデオの一本たりとも私は見
たことがないのである。だから、この番組を忘れずにとっておいてくれ、と
頼むと、女房は顔をしかめて、「また?そんなこと言ったって、あなたった
らビデオを見たことがないじやないの。」と言う。だが、こちらとしては、
いっか見ようと思っているのだ 。が、見ない。いつでも見られるという安
心感だけで終わってしまうのである。
まだある。新聞や雑誌の切り抜きである。その切り抜きは、それこそ山
のようにあるが、恥をさらして言えば、これまで私はついぞ、それを利用
したことがない。しかも、切り抜いたり、コピーしたりした記事に限って、
切り抜く前にじっくりと読んだためしがないのだ。あとで丹念に読めばい
いと、ついそう思うからである 。カメラ、ビデオ、複写機、こうした便利
な道具によって、私は自分ながら情けないほどふまじめになってしまった。
なるほど、藤田氏の言うとおりである。カメラに頼れば無意識のうちに
風景を真剣に見つめなくなる。人生は日々、一期一会である。その心構え
がしだいに薄れて、人生を漫然とした安心感だけでやり過ごしかねなくな
る。私はいたく反省した。だが、こうした人間の易きにつく本性について
は、既に二千年以上も前に荘子がちやんと警告しているのである。彼はこ
う言っているのだ。機械アレバ必ズ機事アリ、機事アレバ必ズ機心アリ。す
なわち、機械を使うと必ず機械に依存する仕事が増える。仕事が増えれば、
いよいよ機械に頼らなければならなくなる。すると、やがて必ず機械に頼
る心が生じ、それが健康な人生の営みを損ね、「道」からいよいよ遠のいて
しまう、というのだ。
だからといって、私は機械を無用だの、悪だの、と言うつもりはない。そ
れどころか、現代の生活に機械がどれほど貢献しているか、私たちが機械
の恩恵をどれほどこうむっているか、私は身にしみて感じている。問題は
85第3課日常の思想