おもおもしく落ち着いて安定した様子を表す。「〜と」「〜とした」の形も使う。
〇 どっしりと重みのある厚い辞書が何冊も机の上に散らかっているCそこから
先生の仕事ぶりが窺える。(书桌上零乱地放着好几本又厚又重的词典,由此
我们可以看出老师工作的情形。)
❷ どっしりした大きな仕事机が広い書斎の真ん中に置かれ、見るからに社長の
部屋だと分かる。(书房的正中放着ー张又大又重的办公桌,ー看就知道那是社
长的办公室。)
❸ 私はヨーロッパを回って、あのどっしりした独特の石造建築の街を見て、歴
史の重みというものをしみじみ感じた。(当我周游欧洲,看到那庄重独特的
石材建筑时,深切地感受到ー种历史的沉重 。)
❹ 理事長は熱烈な拍手の中で壇上に上ると、どっしりと落ち着いた物腰で今年
の抱負を語り始めた。(理事长在ー阵热烈的掌声中登上讲台,以沉着稳重的
语气阐述了今年的抱负。)
2.ずっしり 沉甸甸
副詞。実際に手に持ったときに、体にものの重さを感じるようす。また、重
いものをおくようすを表す。「ずっしりと」の形でも使う。
❶ 室外作業なので、紙が飛ばないようにずっしり重い砂袋が数ヶ所に置いてあ
る。(因为是室外作业,为了防止被风吹掉,在纸上压了好几个沙袋。)
❷ 朝目が覚めると、私は頭全体に重レ、鉛の鉢がずっしりと覆レ、被さったような
異様な頭痛を覚えた。(早上醒来,我感到头疼得厉害,好像在整个头上被套上
了一个沉重的铅盆ー样。)
❸ 老いた両親、大学生の子供2人、持病持ちの妻など、家庭の全ての責務が兄
の肩にずっしりと重くのしかかっている° (家里有年迈的双亲,两个上大学
的孩子,还有病魔缠身的妻子,所有的家庭责任和义务都沉重地压在哥哥的肩
上。)
❹45歳とは、まだ肩に重荷がずっしりとのしかかっている年なのに、リスト
ラされたという悲惨な事実を前に、彼は泣くに泣けなかった。(45岁,正是
肩头负担最沉重的年龄,面对下岗这一残酷的事实,他欲哭无泪 。)
まとめ
物の「重さ」を表す意味では二語は共通しているが、「ずっしり」は実際に物
を持ったときに、重さを感じたり、または何か重大なことを任されたりする場
合、その重みを感じたりする様子を表す。それに対して「どっしり」は見るか
らに重そうな様子を表したり、重みがあって安定性を感じたり、また、いかに
も頼りがいのあるような、落ち着いた様子を表す場合もある。
136 ロ语综合教程第五册
練習
ー、次の漢字にふりがなをつけなさい。 親心 百日 旅立つ 津波
囁く 漁師 見抜く 戸口
山崩れ 養う 婿 山番 行商 機織 群れ 雑木林 空耳
分厚い 鼻緒 網 借金 食卓
木の葉 草履 里 ー合 白地
風呂敷 天井 髪
二、次の文の片仮名の部分を漢字になおしなさい。
1. 彼の家はカりモノばかりである。”
2. め么の時間が来てもなかなかそれができなくて、困っている。
3. どういうわけか、目の前の土£いっぱいの草がほかほかの白いご飯に変わった
のだ。
4 あれはおじいさんがタンセイして栽培した胡蝶蘭である。
5. 家の前はカのハナバタケが一面に広がっている。
6. ヒトメで好きになることをヒトメぼれという。
7. この野菜サラダに、ちょっとコマを振りかけて食べるとおいしい。
8. 清音と濁音をききツけるために、彼はかなりの努力を払った。
9. 工業や商業が発達した現在、畑をタガヤす若者が少なくなった。
1〇,今日、マアタラしい着物を着ているが、何かいいことでもあるのか。
三、次の質問に口頭で答えなさい。
1.アイはどのような家に生まれたか。
2 なぜ母親の頼みを真剣に考えてくれる人がいないのか。
3. おばあさんが喜んでアイを嫁にもらうのはなぜなのか。
4. どうしてあの汚くて、古いなべを嫁入り道具にしたのか。
5. あのなべはなぜやたらに使ってはいけなかったのか。
6. アイの婿さんはどんな人なのか。イメージして話しなさい。
7. アイが動物の声を聞き分けるようになったと言っているが、それはどういう意
味なのか。
8. アイが二度目に焼き魚を作った時、どんな気持ちだったか。
9. アイの夫とおしゅうとさんはなぜ仕事をやめたのか。
1〇.アイはなぜ心をくすぐられたか。それはアイのどんな気持ちを表しているか。
11.魚を焼くことに対して、アイの気持ちはどのように変わっていったのか。
72アイの一家はなぜ天罰を受けたのか。
13.アイの母親がお出でお出でと優しい声で呼んでいるが、あなたはそれをどのよ
うに理解したか。
第5課木の葉の魚137
14.この童話を読んだ感想を述べなさい。
四、 次の文の下線部を辞書で引いて日本語で説明した上、全文を中国語に訳しなさい。
/・ころんで擦り剥いただけでなく、おまけに服まで破いてしまったC
2. このセーターは脱ぎ着するたびにぱちぱち静電気が起こって気持ちが悪い。
3. 長い間胸に仕舞っている切ない思いを夕べ一気に彼に打ち明けた。
4. 来週の日曜日にホームパーティーをするので、ぜひ来ていただきたいが、必ず圭
ぶらで来てください。
5あんなことをしたのは、母性愛に飢えていたからだろう。
五、 次の下線部の言葉の意味が、それぞれのはじめの文と最も近い意味で使われている
文を、①、②、③、④から一つ選びなさい。
1. みんなはさらりとして、さきほどのもめごとはまるでなかったかのようだった。
① あいつはさらりと平気で嘘をつくのだC
② この油はさらりとしていて、使いやすい。
③ お母さんの注意を彼女はさらりと忘れてしまったのだ。
④ スカートを作るにはさらりとした布のほうがいい。
2. 彼は力のこもった声できっぱりと言ってくれた。
① 感染症が拡大した国から帰ってきた人はしばらく家にユ空慎むべきだと
言われている。
② 一週間後、彼は愛情のこもった手紙をもらったC
③ 電話の向こうの声がこもっていて、よく聞き取れなかった。
④ うちの事務所にはいつも煙がこもっていて、空気が非常に悪い。
33. この鳥は 時間で巣を挎えるのよ°
① 頭金ぐらいなら、自分で撞えればいい。
② 10分ぐらい待っと、顔を祷えた彼女が出てきたC
③ このごろ、課長も弁当を祷えるようになったそうだC
④ 彼はまた温泉地に女を祷えたそうだ。
六、 次の語群から適切なものを選んで、必要な場合は形を変えて( )に書き入れな
さい。
とびきり 目を凝らす まだしも せっせと ばかりに
ぽかんと こんがりと ろくに とっとき 溜息をつく
1.天気のいい日なら( )、こんな大雨の降る日にあんな遠いところへ何
しに行くというの。
138日语综合教程第五册
2 子供たちは植えた木の根もとに( )土をかけていた。
3. あの子は( )口を開けたまま、小鳥が遠いところに姿が消えるまで見
)
届けていた。
4. それはお祖父さんの( )の骨董品だよ。こっそり見せようか。
5. ( )小麦色に焼けた若い女の肌が眩しい。
6. 今の若者に親孝行をしてもらおうなんて、当てにならないよ、と言ってお婆さ
んは( )。
7. ここの品は安いと聞いたけど、この莓は( )安いね。
8. 説明書を( )読まないで、組み立てに取りかかった。失敗してもお
かしくないだろう。
9. 今度のチャンスがほしい( )、彼女はばかなことに手を染めてし
まった。割に合わない。
1〇.ぼくは( )空を見たが、何も見えなかった。
七、次の文中の 部分に入れるのに最も適切なものを選びなさい。必要な場合は、
語の形を変えてもよい。また、答えは必ずしも一っとは限らない。
1. この町の「文化芸術を 会」は、心豊かな人生を過ごすため、文化芸
術活動を通じて、世代や地域を超えた交流を継続的に支援していく、特定非営
利活動法人である。
養①う ②育てる
2. 妻子はもちろん、去年父親に死なれて母親を 義務もできたよ。
①養う ②育てる
3. こんな厳しい環境の中でも、2人の愛は次第に 〇
①養う ②育てる
4. 大勢で歌を歌う場合は、「協調•協和」が必要であり、いかに心を一つにして声
を揃えるかが重要である。それは協調性を のに大いに役立つ。
①養う• ②育てる
5. その町はきめ細かく隅々まで行政の行き届いた配慮で保存され 、それ故の古風
さが 落ち着いた伝統の風格を醸し出して 、古都本来の良さが見てと
れる。
①ずっしり ②どっしり
6. 僕は約束通りにホテルのロビーで彼女に会った。そこで彼女から手渡されたも
のは 重く、400ページもある彼女の恋の日記であった。
①ずっしり ②どっしり
7. 彼女を見送りに行ったが、 した重い荷物を持たされ、さんざん
だった。
第5課木の葉の魚 139
①ずっしり ②どっしり
8.あの とぶ厚く被っている草屋根を見ただけでも、彼女は心に温かみ
を覚えた。
①ずっしり ②どっしり
ハ、括弧の中の言葉を使って次の中国語を日本語に訳しなさい。
1.上星期去吃了一次川菜,川菜的麻辣程度远远超过我的想像。(〜かげん)
2因为负了巨额债务,尽管还了又还,却丝毫不见本金减少。(同一語の重ね表
現;巨额债务ー膨大な借金)
13. 父母留下的财产全让贪心的哥哥给拿走了,我连 个饭碗都没拿到。(一つ〜な
い)
4. 让我儿子去那家有名的大公司就职,那可是求之不得的事啊 。(願ったりかなっ
たり)
5我试着说了刚学会的话,没想到竟然与对方沟通了意思,真是太高兴了。(〜
たて)
6.坐MK (ー种出租拼车)去机场时虽然随身行李不限,但每件行李收费500日元。
T这比坐机场班车贵多了。(〜にっき、随身行李 手荷物)
/因为一周以来一直不分昼夜地工作,今天血压特别高。我已经服了降压药,
可是毫无效果。(やたらに)
8.因为看恐怖电影,爷爷心脏病复发,被送进了医院 。从此以后,爷爷再也不
看恐怖电影了。(それからというもの;恐怖电影…スリラー映画)
。做母亲的眼看着自己孩子受苦,她那时的心情是,要是能够代替的话,哪怕
是去死也愿意。(といったら)
10.把人家伤得这么厉害,如果道歉的话也就算了。要是连句道歉的话都没有,
那可不行。(ならまだしも)
九、言葉の決まり
1.漢字の組み合せかたがA群の熟語に最も近いものを、B群の中から一つずつ選ん
140日语综合教程第五册
で、その記号を書きなさい。 ③道路 ④微笑
ウ収支 エ豪雨
A群 ①読書 ②遠近
B群 ア価値 イ植樹
2. 次の| |にあてはまる語をあとから選び、記号をつけなさい。
①| |というか、信じられないという顔をする人もいる。すこしおかしいの
ではないか、と人の顔をのぞきこんでいる人もいた。
ア猫をかぶる イ虎の尾をふむ ウ狐につままれる
工猿も木から落ちる オ犬も歩けば棒にあたる
② 友人によって人間は変わる。「匚二]」ということわざを引くまでもなく、友
人は人間を変えるのである。
ア三人寄れば文殊の智恵 イ渡る世間に鬼はない
ウ 朱に交われば赤くなる 工 けんか両成敗
才親しき仲にも礼儀あり
3. 次のA〜Fの文を読んで、後の問いに答えなさい。
A、 わたしは、彼に同情しない。なぜなら、彼には誠意がないから。( )
B、 海へ行こうか、それとも、山にしょうか。( )
C、 梅の花が咲きました。桃の花も咲きました。( )
D、 今日は、雨の中をお集まりくださいまして、ありがとうございました。では、
さっそく開会することにいたします。( )
E、 私は、一生懸命に努力しました。だが、少しもうまくいきませんでした。
()
F、 日が差してきた。雲が切れたのだ。( )
A〜F問い、上のは、次のどんな「文と文の関係」を示していますか。次のものか
ら適当なものを選んで、上の文の( )に記号で入れなさい。
ア、文に対し、あとの・文で話題を変える関係
イ、前の文に、あとの文を対比・対立させる関係
ウ、前の文に対し、あとの文で説明を補充する関係
エ、前の文に、あとの文を累加・並列する関係
ォ、前の文に対し、あとの文でそれと反対のことを述べる関係
十、次の文章を読んであとの問いに答えなさい。
io’父が帰ってきたのは、夜の 時頃だったろう。玄関の戸が開き、
「ただいま」
①W:いつもと変わらない。 を脱いで、のっしと上がる。
父が緊急の出来事について、なにも知らないことは、子どもの私にもその声だけ
第5課木の葉の魚141
でわかった。私はすぐにでも母が大切な話題を切り出すものと②固唾を飲んでいた
のだが、母はその件には触れず、
「お帰りなさい」
父の着物をさし出し、父が着替えるのを待って、いつも通りお茶を入れる。
そして、父がー口飲んだときだった。
「実は、昼、稔子から手紙が来て……」
と、事情を語った。
父の顔が見る見る赤く膨れあがった。手紙を急いで読み、それを投げ出し、
「なんで、お前は、今ごろ、そんなことを言い出す!」
と、怒声が飛んだ。
母は……手紙が届いてから今しがたまでずーっと父の居所を捜し続けていたこと
を告げたが、③父の怒りのポイントは、それではない。
これも細かい事情は忘れてしまったが、とにかく父の言いぶんは、「俺は家に帰
りついて玄関の戸を開け、家族の元気な顔を見て、『ああ、今日も無事でよかった』
と安心するんだ。それを日課にしているんだ。それなのに、お前はわざと知らん顔
をしていて、俺が安心したときを狙って、こういう大事なことを言い出す」
つまり玄関先でいち早く言い出すべきことを、母が遅らせて茶の間でお茶を出し
たところで告げたのがわるい、という主旨であった。
母は黙って怒られていた。
そのうちに父の怒りも収まった。考えてみれば、怒っていて好転する出来事では
ない。対策が思案され、翌日の午前中には電報為替が発信され、父は大阪周辺に知
人を捜してよい医者を紹介してくれるよう手配を採ったはずである。父にとっても
金繰りはなかなかむっかしい様子だった。
その翌日か、翌々日くらいだったろう。母と私は庭に立っていた。母は庭掃除を
していた。松の木と庭石と、母と私……位置関係が映画のシーンのようにはっきり
と記憶に残っている。
私には父の怒りが④釈然としなかった。理不尽に思えてならなかった。
母だってどんなに早く父に緊急の事態を知らせたかったか。あちこちに電話をか
けていたときの様子から考えても自明である。玄関の足音を聞いたとたん、駆けて
行って告げたかっただろう。だが、疲れて帰宅した父にいきなりショッキングな
ニュースをぶつけては気の毒だ。それを考えてタイミングを遅らせたに決まってい
る。
もし逆に玄関先で母がいきなりつらい用件を持ち出したら、父はなんと言っただ
ろう。
「なんで俺が家の戸を開けたとたんに、そういうことを言い出す!」
と、やっぱり怒ったのではあるまいか。きっとそうだ。⑤どう考えてみても、母は
わりにあわない。
私は思った通りのことを母に告げた。
142日语综合教程第五册
母は庭掃除の手を止め、少し笑った。それから庭石のまわりを一回りしてゆつく
り眩いた。
「お父さんはね、怒ったんじやないのよ。」
「⑥•うん?」
「うろたえたの」
短く言いきった。
もう少しなにか言ったかもしれないけれど、覚えているのは、これだけだ。母が
あまり多くを語らなかったことはまちがいない。
dD 下線部①に描かれているそのような父のようすが大きく変化しはじめたこと
を表す一文が本文中にある。その文を抜き出しなさい。
(BB 下線部②の意味に当たるものを次から選びなさい。
① 事の成り行きが気がかりで、緊張している
② 話題が途切れず、会話が調子づく
③ 楽しい話題が次から次へと出て、話に熱中する様子
④ お七しろい話に夢中になる
d囲 下線部③で、父のほんとうの怒りのポイントはどういうところにあると、
「私」は受け取ったのか。最も適当なものを次のア〜工から一つ選んで、記
号で答えなさい。
ア、こちらも生活が苦しいのに送金を断らなかったところ
イ、緊急の事なのに居所を捜しあてられなかったところ
ウ、自分の帰りを待つだけで、娘に何もしていなかったところ 、
エ、大事な事を帰宅したときすぐに知らせなかったところ
<iB 下線部④の意味を自分のことばで表現しなさい。
下線部⑤で、なぜ「私」はそのように感じたのか。その理由を25字以内で
書きなさい。
dD 下線部⑥のことばには「私」のどのような気持ちが表れているか。最も適切
なものを次のア〜工から一つ選んで、記号で答えなさい。
ア、母の言葉がよく聞きとれず問い直したい気持ち
イ、母の父をかばう態度が納得できず反発する気持ち
ウ、母の思いがけない言葉を聞いてとまどう気持ち
エ、母のどんな時にも冷静な観察力に敬服する気持ち
第5課木の葉の魚 143
文学・語学の豆知識
童話について
童話は子供のために作られた話で、昔から語り伝えられてきたおとぎ話や
伝説・寓話などを含む。狭義には特に創作された物語をさし、日本では鈴木
三重吉、小川未明らによって発展した。
童話は子供を対象に書かれる物語なので 、内容にしても言葉の表現にして
も、成人読者からみれば幼稚な一面がある。しかし、擬声語や擬態語など、言
葉が豊富に使われて作り出された物語の世界で 、それらの言葉の吟味がある
はずである。そういう言葉の効果を考えながら、一語一語の大切さに触れる
ことは重要で、物語の登場人物の心理変化を読みとることも大事である。
読み物
ふろ場の散髪
•椎名誠
夏は少年にとって大きな脱皮の季節なのだろう。ひと夏を過ぎると、少年
はまた一つ変わっていくのだ 。
七月に夏のシベリア横断の旅から帰ってきたあたりで 、岳が急に大人びて
きているのに気がついた。すでに声変わりし、顔つきになんとはなしの「男
の意志」のようなものが表れてきた。一年前の夏、三宅島でつりをした時
に見たむじゃきなあどけなさ、といったものはもうあまり見られなくなっ
ていた。
わたしが今までずっとふろ場で刈っていたしろうと床屋をいやがるように
なったのは、そのシベリアの旅から帰ってすぐのころだった。ぼさぼさに
のびた頭を見て、わたしはいつものように「そろそろ頭刈ろうか。」と気軽
な感じで言ったのだ。
すると岳は「まだいいよ。」と、わたしの顔を見ずに言った。
その時はそれで頭の話はしなかった。二回目は夏休みに入る直前だった。
144日语综合教程第五册
坊主からそのまま三か月ほどのばしっぱなしにしている岳の髪の毛は、頭
のてっぺんからすその方まで同じ長さでのびてしまっているので、すその
毛が耳におおいかぶさるほどになっていた。
「さあ、そろそろ頭刈ろう。」
と、わたしは言った。すると岳はその時もわたしの顔を見ずに「まだいい
よ。」と言ったのだ。しかしその頭はもうどこから見ても 「まだいいよ。」と
いう状態ではなかった。だれが見ても「もうだめだ。」というようなむさ苦
しいかつら頭になっていたのである。
「まだいいよじやないよ。来い。いっしょにふろ場に来い!」
と、わたしはなんだか妙にいら立ちながら 、わたしを見ようとしないやっ
の顔をにらみつけた。
岳はわたしの勢いに圧倒されたのかそれ以上抵抗することなく、すなおに
わたしの後についてきた。
「そんなみっともない頭しててどうするんだ。」と、わたしは階段を下りな
がら言った。岳はふくれつ面をしていたが、黙ってわたしの言うことを聞
いた。
いつものようにふろ場の流しの腰かけに座らせ、わたしはトレーナーのう
でをまくった。そして岳に「シャツを脱げ。」と言った。しかし岳はわたし
に背を向けて、腰かけに座ったまま、動こうとしなかった。いつもだった
ら、わたしが電気バリカンの用意をしている間に、彼は素早く着ているも
のを脱ぎ、パンツ一枚になってわたしに背中を向け、おとなしく頭を刈られ
るのを待っているのである。
三〜四年生のころは、よほど寒い真冬のころのほかは、パンツも脱いだ
素つ裸にさせてバリカンを使った 。しろうと床屋の問題点は刈った髪の毛
がやたらにあっちこっちに散らばってしまうことで、終わった後にちょっ
と体についた毛をはらうだけでは間に合わなかった 。そこで終わった後は
思い切りよくシャワーを全身にかけて洗い流してしまう 、という方法を
とっていたからだ。流れ落ちた髪の毛が排水口に落ちないようにタイルの
上から素早くかき集めるのも岳の仕事だった。
「シャツを脱げよ。」
と、その日、わたしは岳に言った。
「脱がないでやると、そのシャツはもう着られなくなるぞ。」
とわたしは追いうちをかけるようにして言った。しかし岳は黙ったまま
だった。そしてかたくなに動こうとしなかった 。
わたしは彼が腹を立てているらしい、ということを知って、わたし自身も
少し腹を立て始めていた。そこでシャツを着たままでいいから構わず刈っ
てしまおう、と思った。
第5課木の葉の魚145
電気バリカンのプラグを差し込み 、少し空回しをした後、岳の頭をわしづ
かみにし、首の後ろからバリカンを入れていこうとした。するとその時、岳
は片手でわしづかみにしているわたしの手首を逆ににぎり、頭だけくるり
とふり返るとそのままわたしをにらみつけた 。それは岳には珍しく本当に
怒っている、という顔だった。
「なんだ!」
と、わたしは言った。
「おとうはよ、こんなふうに勝手に自分の好きなように人の頭を刈って
いっておもしろいか!」
と、岳は言った。いつになく強い調子だったので、わたしは少しおどろい
てしまった。
「どういうことだ?」
と、わたしも成り行き上少しあらあらしい口調で言った。
「おとうはよ、いつも命令ばかりだよな。自分の好きなように命令ばっか
りしてよ、命令を聞かないと怒ってよ、それで怒ってばっかりいてよ。」
と、岳は言った。そこまで言うと鼻の付け根のへんを赤くし、わたしをに
らみつけながら不意にぼろぼろと大粒の涙をこぼし始めた 。
岳のそんな反応を見るのは初めてだったので 、わたしはそこで本当におど
ろいてしまった。やつの頭をわしづかみにしていた手をはなし、同時に空
回ししていた電気バリカンのスイッチを切った。
「なんだ?坊主にされるのがいやなのか?」
と、わたしは言った。
「そんなことは言ってないよ。」
岳はわたしをにらみつけるのをやめ、さっきまでそうしていたように、ふ
ろ場の窓に向かって頭をいくらか下げ、しばらく黙り込んだ。
「じやあなんだっていうんだ。」
と、わたしは語気をあらくしたまま言った 。
「なんだっていうんだよ……。」
もう一度言った。
しかし岳は何も答えなかった。黙っていることで、なんとなくやつの言お
うとしていることがわたしには分かってくるような気がした 。わたしも少
し黙り、次に何を言おうか考えた。しかし特に何か効果的な文句がうかん
でくるということもなかった。そしてその気配はなんとなく一つのことに
固まりつつあった。
「もう坊主にするのがいやなのか?」
と、わたしはそのことをもう一度、今度は静かな口調で言った。岳は黙っ
. たままだった。
146日语综合教程第五册
「いやなのか?」
と、わたしはさらにもう一度言った 。
「うん。」
と、岳はわたしに背中を向けたまま低い声で言い、足もとのタイルを足の
親指でゆっくりなぞった。
「じやあどういう頭がいいんだ?」
と、わたしは言った。岳は何も答えず、妙に長い沈黙が続いた。不意に、
「どうって……oJ
と、岳が低くてかすれた声で言った。
「坊主じやなけりや、どういうかっこうがいいんだよ。」
岳はすぐには答えず、右足の親指でゆっくり何度もタイルの一辺をなぞり
続けた。それから前と同じ、低くてかすれた声で、
「別にどうっていうわけでもないけれど、でも、とにかくこういうふうに
頭を刈られるのはいやなんだ、もう……oJ
と、岳は言った。
「おれにバリカンでやられるのがいやだっていうわけか?」
と、わたしは言った。
岳はまたしばらく黙り込み、それからしやべりながら、自分の言うこと
を、一つずつ確かめていく、というような感じで、
「別におとうにやられるからいやだというわけではなくて、こうやって、
突然おとうの気まぐれで、勝手にふろ場に連れてこられて、それで、好き
なように、おとうの好きなように、どんどん、刈られていく、っていうの
が、僕はいやなんだ……oJ
と、言った。
しやべり終わると、岳はまた右足の親指でゆっくりタイルをなぞり始め
た。しやべっている時はそちらの方に自分の全神経を集中させるから 、足
でタイルをなぞり続けている余裕がなかったのかもしれないな、とわたし
はその足の動きを見つめながら考えていた 。それにしても岳の言っている
ことはなかなかに説得力があった。
「そうか....〇 J
と、わたしは言った。しかしだからどうすべきなのか、ということはその
時点ではよく分からなかった。
「じやあ、どうしたらいいんだ……?」
と、わたしはその次に言った。岳は何も答えなかった。
「今度からは床屋に行って床屋に刈ってもらうようにするか?」
と、わたしは言った。
「お前の好きなようにさ、お前の行きたい時に行って……oJ
第5課 木の葉の魚 147
「うん。」
と、岳はわたしに背中を向けたままかすかに聞こえるような声で言った。
かくしてふろ場で岳の頭を刈る、というわたしの仕事はその年でおしま
い、ということになった。ふろ場の散髪は岳が保育園に行っているころか
らやっていたので八年ほども続いたことになる 。そして、それはわたしに
とってけっこう楽しい仕事であった。
その日の夜、わたしは妻にこのことのてん末を簡単に話した。
「やっぱりなあ、だんだん反抗的になってきているよ。」
と、夜ふけのぬるいコーヒーを飲みながらわたしは言った。しかし妻の考
え方はちがっていた。
「反抗、とかいうのではなくて彼の自立 、というようなものじゃないかし
らね。男の自立期になってきているのよ。」
と、妻は少しこしやくなことを言った。
「そうか、自立期か... 。」
反抗ではなくて自立、というふうに理解するとわたしは少しやわらかい気
持ちになった。そうか、そういうことなのかもしれないな、とわたしはコー
ヒーをすっかり飲み干してから一人でうなずいた。
(『中学校国語ー』学校図書より)
®注釈
〇椎名誠(しいなまこと)(1944〜)
東京都生まれ。日本写真大学中退。業界雑誌編集長を経て、『本の雑誌』の編集長となる。エッセ
イ『さらば国分寺書店長のオババ』でデビューし、1988年『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞を
受賞する。
鋭い透視力を持ちながら、それをあまり表面に出さないで、軽快な文体を駆使してさまざまな
作品を発表している。また、旺盛な行動力の持ち主で、シベリア横断、アリューシャン列島、オー
ストラリア中央砂漠帯横断、パタゴニアの旅等世界各地の挑戦的な旅を続けている。作品として
は『哀愁の町に霧が降るのだ』『あやしい探検隊北へ』『イスタンブールでなまず釣り』『風景進化
論』『岳物語』『続岳物語』『ふぐと低気圧』『海を見に行く』など多数。
148 日语综合教程第五册
なぜ車輪動物がいないのか
本文
•本川淳雄
デューク大学はダーラムという町にある。タバコ畑の広がるのどかなノー
スカロライナ州の片田舎だ。森の中に点々と建物がたっているだけで 、歩い
て行ける距離には何もない。買い物をするにも、子供を学校に連れて行くに
も、車がなければとても生きていけない世界だった。
日本では自動車への依存度はアメリカほどではないけれども、車輪のお世
話になっている点では、似たようなものだろう。毎朝駅まで自転車で出て、電
車にゆられて勤め先に急ぐ。車輪がなければ、現代人の生活は回転していか
ない。
ところが、まわりを見回しても、車輪を転がして走っている動物には、まっ
たくお目にかかれない。陸上を走っているものたちは、二本であれ、四本で
あれ、六本であれ、突き出た足を前後に振って進んでいく 。空を見上げても、
プロペラ機は飛んでいても、プロペラの付いた鳥や昆虫はいないし、海の中
でもやはり、スクリューや外輪船のような、回転する駆動装置をもった魚は
いない。
生物界には車輪がない。身の回りにある道具類は、よく調べてみると、そ
の原理は生物がとうの昔に発明していたものばかりの中で、車輪は例外的に、
人類独自の偉大な発明なんだ、と学生時代に習って、なるほどと感心した記
憶がある(あれからもう二十年たってしまった)。
ところが、その後、自然界にも車輪があることが分かってきた。あの、顕
微鏡でもなかなか見るのがむずかしいほど小さいバクテリアが 、毛のはえた
車輪を回転させて泳いでいたのである。
それにしても、われわれが肉眼で見ている動物たちに、なぜ車輪を使うも
のがいないのだろうか。これほど便利なものを使わないのには、それなりの
理由があるのかもしれない。私の友人マイク・ラバーベラがサイズの観点か
ら、この問題を論じている。それを紹介しよう。
1496第 課なぜ車輪動物がいないのか
まず陸上を動くものから考えることにする。自動車が便利なことに異論は
ないであろうが、これはガソリンを食うので、ひとまず置いておくとして、車
輪の良さをしみじみ体感できるのは自転車であろう 。同じ自分の足を使うの
に、こんなにも速く楽に走れるなんて!と、学校にあがる前、一時間十円の
貸自転車に心を躍らせたものである。事実、自転車というものは、人間の使
う陸上の移動道具のうちで、もっともエネルギー効率の良いものである。自
動車もこの点ではかなわない。
一般的にいって、なぜ車輪がこれほど好まれるかといえば、エネルギー効
率が大変に良いからである。足を前後に振って歩くやり方では、前に振った
足を止めて、逆に後ろへ振りと、振る方向を変えねばならない。そのときに
エネルギーがいる。また、足を上げたり下げたりするわけだから、これは重
力に対して余計な仕事をすることになる。ところが回転運動ならば、回転方
向は一定であり、上下動もない。前後・上下に振り動かす余計なエネルギー
は使わなくてよい。だから、あの大変そうに見える車椅子でも、エネルギー
的には、歩くよりもよっぽど楽である。
ただし、これは平らな良い道を行く場合の話で、ちょっとでも凸凹がある
と、たちまち難渋しはじめる 。やはり車椅子が大変なことに違いはない。車椅
子と同列に論じては、はなはだ申し訳ないが、息子をベビーカーにのつけて押
していると、このあたりの大変さが私にも分かる。舗装した道路を押して歩い
ている分には楽なものだが、階段は担いで昇らねばならないし、砂利道やぬか
るみときた日には、もうお手上げだ。車輪は平坦なかたい道では威力を発揮す
るが、凸凹ややわらかい地面では、ほとんど役に立たないのである。
それでは、どのくらいの凸凹があると車輪は使えないのだろうか。こうい
うことに関しては、車椅子に関する資料がそろっている。車輪の直径の四分
のーまでの高さの段ならば、体を前後させて車椅子の重心を動かすことによ
り、なんとかクリアできる。それ以上高い段は越すのがむずかしく、車輪の
直径の二分の一より高い段を越すことは原理的にできない 。車椅子の車輪の
直径は六-ー〜六十六センチなので、十六センチの凸凹が車椅子の使える限
度といえる。
地面のやわらかさの方はどうかというと、ふかふかの絨毯の上では、車椅
子はなかなか前に進まない。われわれが歩く際には、足は地面をズルズルと
擦って歩いているのではなく 、動いている方の足は宙に浮いているし、地面
に着いている方の足は、その場所を踏みしめたままだ。だから、地面との摩
擦が大きくなっても、歩く効率はあまり落ちない。ところが車輪は、連続的
に地面との摩擦を保ちながら地面をずって回っていく。だから、地面がふか
ふかしたりネチャネチャしたりすれば、回転に対する抵抗がすぐに大きく
なって回りにくくなる。たとえば、泥道はコンクリートの道路に比べて回転
150日语综合教程第五册
の抵抗は五〜八倍になるし、砂の上なら —五倍にもなる。
さて、自然に目を向けてみよう。石ころのゴロゴロしていない、草が繁っ
てふかふかしていない、雨がふってもどろんこにならない、そんな地形はど
こにあるだろうか。
われわれの目からみたら、自然はけっこう平らに見えるかもしれない。た
だし、ここで忘れてならないことは、ヒトという生き物は、大変に大きい生
き物だということである。百六十センチの高さから世界を見ている動物は、
そう多くはない。われわれのサイズだからこそ、直径六十センチ以上もある
車輪を使って、十六センチの凸凹でも問題にせずにすむ。ネズミが車輪を使
うとしたら、車輪の直径が六センチ程度になるだろうが、それならー ・五セ
ンチの小石や枯れ枝に難渋することになる。アリが四ミリの車輪を使うとし
たら、ーミリの砂粒や落ち葉一枚に立往生してしまうだろう。
’地面の凸凹を調べた結果によると、どうも、大きい凸凹ほど数が少なく、小
さいものになればなるほど、数が多くなっていくものらしい。だから、われ
われの目に平らと見えるところでも、小さな凸凹はたくさんあり、動物のサ
イズが小さくなればなるほど、地面は起伏に富んだ世界となる。つまり、車
輪はますます使いにく くなっていくのである。
サイズの大きいものにとっても、車輪はそうそう使い勝手のいいものでは
ない。車でロッククライミングをやろうつたって 、それは無理だ。車輪は地
面との摩擦力がないと働けないので、垂直な壁を登ることはできない。手足
なら、しがみついて登れる。車輪はジャンプすることもできない。車椅子の
例では、幅二十センチの溝でも越えられない。マウンテン・シープは十四メー
トルもジャンプして谷を越す。
車輪の大きな欠点は、小回りのきかないことだ。まず、向きを変えるのが
むずかしい。車椅子の場合、百八十度回転するのには、百五十センチ四方も
の空間がいる。また、二台の車椅子がすれ違うには、二台の幅だけの道幅が
どうしても必要となる。ヒト二人がすれ違うときを考えてみれば、横向きに
なってすれ違ってもいいし、やむを得なければピヨイと飛び越してもいいの
で、車とはえらく違う。
ただ速いばっかり速くても、小回りがきかなければ、木立や岩などの障害
物の多いところでは、車輪は立ち往生してしまうだろう。車輪動物が二匹狭
い山道でばったり出会ったら、すれ違うこともできず、さりとて廻れ右して
もどることもできず、二匹とも進退きわまるということに、ならぬともかぎ
らない〇
こう見てくると、車輪というものは、われわれヒトのような大きな生き物
が、山をけずり、谷をうめて、かたい平坦でまっすぐな幅広の舗装道路を造っ
てはじめて使い物になる、ということが分かると思う。
1516第 課なぜ車輪動物がいないのか
舗装道路を帝国内にあまねく造り、車を走らせたのはローマ人である。し
かし帝国が崩壊し、道路の維持補修がなされなくなった後には、その道をラ
クダやロバが背に荷物を積んで歩いていた。がたがたの道では、車は使えな
<なったのである。
広く、まっすぐで、かたい道。階段のない、袋小路のない、道幅の広い町
並み。これらは車に適した設計であり、戦前には、ほとんど見られなかった
ものである。
私は長く沖縄に住んでいたが、小さな離島を訪れるたびに、島が変わって
いくのが、よくわかる。白いサンゴの砂を敷きつめた福木の並木が涼しい影
を落とす美しい道が、次に訪れたときには、ただ広いだけのコンクリート道
路に変わっている。日中など、焼けた鉄板の上にいるのと同じで 、とても歩
けたものではない。なんでこんなことをするのかと聞くと、狭い島で公共事
業をやろうとすれば、道路を「良くする」のと、砂浜の海岸をコンクリート
で固めて「護る」しか、やることはないのだそうだ。
技術というものは、次の三つの点から、評価されねばならない。(1)使い
手の生活を豊かにすること、(2)使い手と相性がいいこと、(3)使い手の
住んでいる環境と相性がいいこと。
産業革命以来、技術はわれわれの生活を豊かにしてきた。エンジンはわれ
われの筋肉を増強し、その結果、われわれは楽に大きな力を出せるように
なった。望遠鏡や顕微鏡は目の力を増強し、遠くのものや小さいものを見え
るようにしてくれた。コンピュータは脳の力を増強し、おかげではやく複雑
な計算をしたり、大量の記憶を処理できるようになった。
これらの技術がわれわれの暮らしを豊かにしてきたのは、間違いのない事
実である。しかし、使い手を豊かにするという観点ばかりに重きをおいて技
術を評価する従来のやり方を 、考え直すべきときにきているのもまた事実で
ある。自動車というものは、これまでの基準からすれば完成度のかなり高い
技術なのだけれど、人間との相性や環境との相性を考えに入れると 、まだま
だ未熟な技術と言っていい 。
人間との相性ということからみれば、道具が、手や足や目や頭の、すなお
な延長であれば、それに越したことはない。作動する原理が、道具と人間と
で同じならば、相性はよくなる。残念ながら、コンピュータやエンジンは、脳
や筋肉とはまったく違った原理で動いている 。だから操作がむずかしいので
ある。自動車学校にみんなが行って免許をとらなければいけないこと自体、
車というものが、まだまだ完成されていない技術だという証拠であろう。
環境と車との相性の問題は、大気汚染との関連で今まで問題にされること
が多かった。しかし、ここで論じてきたように、車というものは、そもそも
環境をまつ平らに変えてしまわなければ働けないものである 。使い手の住む
152日语综合教程第五册
環境をあらかじめガラリと変えなければ作動しない技術など、上等な技術と
は言いがたい。
環境を征服することに、人類の偉大さを感じてきたのが機械文明である。
だから山を拓き、谷をうめ、「良い」道路をつくることは、当然よいこととし
て、問題にされてこなかったようだ。車は機械文明の象徴と言っていい。アッ
ピア街道やアウトバーンを造った人たちが、征服せねばやまぬ思想の持ち主
だったことは、まさに象徴的なことである。
(『ゾウの時間ネズミの時間』中公新書より)
注釈
❶ 本川達雄(もとかわ たつお)
1948(昭和23)年生まれ。•動物生理学者。宮城県生まれ。主な著書に、『サンゴ礁の生物たち』『歌
う生物学』などがある。
❷ デューク大学(Duke) 杜克大学
1938に設立したアメリカの大学。
❸ ダ ラA (Durham) 达勒姆
アメリカのある町。
❹ ノースカロライナ州(North Carolina) 北卡罗来纳州
アメリカ合衆国南東部、大西洋岸の州。州都はローリー。独立当時の13州の一つ。繊維工業、タ
バコ栽培が主産業。人口 673.7万(1991年)。
❺ マウンテン・シープ(Mountain Sheep) ー种高山绵羊
北アメリカの高山地帯に住む野生の羊。ビッグホーン、オオツノヒツジともいう。
❻沖縄(おきなわ)
日本最南端の県。沖縄本島をはじめ琉球諸島を含む。県庁所在地は那覇市。面積2265平方キロ
メートル。人口129.5万。
〇 福木(ふくぎ) 福氏藤黄,福貝氏藤黄
オトギリソウ科の常緑高本。沖縄では防風林として植えられている。
❽ 産業革命(さんぎょうかくめい)
産業技術の変革により、手工業から機械工業への発展にともなう社会経済上の大変革。1760年代
イギリスの繊維工業部門に始まり、1830年代以降欧米各国に波及。その結果生産量は飛躍的に増
大し、工場制と資本主義が確立された。
❾ アッピア街道(Via Atpia Antica) 阿比亚古道
古代イタリアの主要街道の一つ。
® アウトバーン(Autobahn) 高速公路
ドイツ語で高速自動車道路という意味。
;新しい言葉 [形動] ①しずかでのんびりしている。/宁静。②空が
のどか(長閑) 153第6課なぜ車輪動物がいないのか
晴れて、熱くも寒くもなく、穏やかだ。/晴朗。
片田舎(かたいなか) [名] 都会から遠く離れていて、交通や生活に不便な
ノ点々(と)(てんてん)
ところ。/偏僻的乡村,边远的地方。
依存度(いぞんど・いそ
んど) [副] ①点を打ったようにあちらこちらに散らばって
勤め先(つとめさき) あるようす。/点点,滴滴,散在。②しずくな
陸上(りくじょう)
突き出る(つきでる) どがしたたり落ちるようす。/水点,滴落。
プロペラ(propeller)
スクリュー (screw) [名] 他にたよることによって成り立っていることの
外輪船(がいりんせん) 度合い。/依靠或依靠别人的程度。
駆動(くどう) [名] 勤めているところ。/工作地点,工作岗位,单
身の回り(みのまわり)
位。
とうの昔(疾うのむかし) [名] ①陸地の上。/路上,陆地上。②「陸上競技」の
顕微鏡(けんびきょう)
バクテリア(bacteria) 略語。/田径运动的略称。
生える(はえる)
[自一] 著しく外側へ出る。突出する。/顶破,突出
肉眼(にくがん)
来。
異論(いろん)
[名] 推進器。推進力を得るために、エンジンで回る
羽根の形をした回転装置。/螺旋桨,进行器。
[名] ①原動機からの動力を推力に変換するプロペ
ラ。特に船舶の推進器を言う。/螺旋桨。②ね
じ。ねじこむこと。/螺丝钉,螺旋。
[名] 「外車船」のこと。外車を取りつけた汽船。スク
リューを用いる以前の汽船はすべてこれであっ
た。/外轮船,轮箍船。
[名・他サ]動力を与えて動かすこと。/驱动。
[名] ①衣服、装飾品など身に付けるもの。また、日
常生活に当てるもの。/身边的衣物。②日常生
活の雑事。/日常生活琐事。
[連体] (トウはとくの音便)とっくに過ぎ去った昔。/
很久以前,老早。
[名] きわめて小さな物質や生物などを、レンズなど
で拡大して観察する器械。/显微镜。
[名] 細菌、微細な単細胞生物。/细菌。
[自ー] ①植物の芽や根が出る。/长。②植物が根付い
て、生きている。/生。③動物の毛•角・歯な
どがでる。/发。
[名] 人間自身にそなわっている目。また、その視力。
眼鏡、望遠鏡などを用いない生来の視力。/肉
眼。
[名] まわりと違う意見。/异论,不同的意见。
154日语综合教程第五册
ガソリン(gasoline) [名] 沸点範囲がセ氏25〜200度の石油留分および石
油製品の総称。/汽油。
体感(たいかん) [名] 外からの刺激を体で感じること。/身体所受到
的感觉。
効率(こうりつ) [名] 仕事の結果と、それに使った労力・時間•エネ
ルギーなどの比率。/工作效率。
重力(じゅうりょく) [名] 地球上の物体が地球の中心に向かって引き付け
られる力。物体の重さになる原因になるもの。/
重力。
車椅子(くるまいす) [名] 足の不自由な人が乗って(自分の力で)自由に移
動できる車のついた椅子。/轮椅。
平ら(たいら) [形動] ①でこぼこがない。/平,平坦。②傾いていな
い。/平地。
凸凹(でこぼこ・とつおう) [名・自サ] 表面が平らでなく、へこんだところやもりあ
がったところがあるようす。/凹凸,凹凸不平。
難渋(なんじゅう) [名・自サ] ものごとがうまくすすまないで、,苦労するこ
と。/艰涩,晦涩。迟迟不进。不顺利。
同列(どうれつ) [名•自サ] ①列が同じであること。同じ列。/同列,同扌非。
② 同じ程度、地位、資格、待遇(1こあること)。ま
た、同じ地位に並ぶこと。/同等(地位,程度)。
③連れ立つこと。同伴。/ ー起,偕同。④その
ベビーカー (baby car) [名] 歹U。/该列。
のつける(乗つける) [他ー] 赤ん坊を乗せる折り畳み式の孚L母車。/婴儿推车。
のせる。/使乘上。
舗装(ほそう) [名・他サ] 道路の表面をアスファルトやコンクリート、レ
ンガなどを敷いてかためること。/铺修,铺路。
担ぐ(かつぐ) [他五] ①重い荷物などを、肩や肩から背中の部分でに
なう。/担,扛,M,背。②自分たちの上に立
つ人だとしてみんなでおしたてる。/推戴,拥
戴。③からかって人を騙す。/骗,耍弄。④迷
信などを気にする。/迷信。
砂利道(じゃりみち) [名] 砂利のある道。小石がごろごろした道。ざりみ
ち。/碎石子路。
ぬかるみ(泥渾) [名] 雨や雪などのために、どろどろになって、歩く
のに苦労するところ。/泥泞。
お手上げ(おてあげ) [名] 「両手を上げて降参する」という意味で、いきづ
まって解決の方法がないこと。/束手无策,只
好认输。
155第6課なぜ車輪動物がいないのか
平坦(へいたん) [名・形動] ①(土地が)平らなこと。/平坦。②(感情の起
威力(いりょく)
クリア(一)(clear) 伏がなく)坦々としていること。/平坦,平稳。
絨毯(じゅうたん)
ずるずる [名] 他を圧倒•服従させる強い力。/威力。
擦る(する) [形動・他サ]①障害を越えること。/越过,跨过,跳过。②
宙(ちゅう) 一掃する。きれいにする。/清除,扫除,除掉。
浮く(うく)
[名] 毛織物の一種。獣毛糸を用いたパイル織。無
踏みしめる(ふみ締める)
摩擦(まさつ) 地のものもあるが、染色してけばで模様を織
連続(れんぞく) り出す。/地毯。
ずる
[副・自サ] ①重いものを引きずるようす。/拖拉着。②と
まれないで、ゆっくりと滑るようす。/滑溜。
③好ましくない状態が、解決しないで、その
ままのびているようす。/拖拖拉拉。
[他五] ①ものに、ほかのものをおしっけるようにし
て、つよく動かす。/擦,磨擦。②おしっけて、
こすり、こまかく くだく。/研碎。③お金など
をすっかりなくす。/损失,输。
[名] ①地面から離れたところ。/空中。②書いたも
のを見ないで言えるように覚えているこ
[自五] と。Z背诵。
①水の中にあったものが水面に出る。水の底
から水中に上がる。/浮,漂。②表面に現れ
る。/浮起,浮出。③固定した基盤から緩みは
なれる。/浮动,摇晃,游离。④心が晴れ晴れ
して活気がある。/兴高采烈,高兴,快活。⑤
うわすべりで軽々しい。軽薄である。/轻薄,
轻イ兆。⑥余分が出る。/多余,有剩余。
[他ー] 力を入れて、しっかり踏む。踏んで固める。Z
用カ踩,踩结实。
[名・自他サ]①物と物とが擦れ合うこと。また、こすり合
わせること。または、二物体が接触し一方が
運動しようとするとき、または運動している
とき、その接触面に運動を妨げようとするカ
が働く現象。/摩擦。②両者間に意見や感情の
食い違いがあって、事がうまくいかないこ
と。/闹摩擦,意见分歧,不和。
[名・自他サ](同種の物事が)切れ目なく続くこと。また、
切れ目なく続けること。/接连,连续。
[自五] (自)①すべって移る。すべり動く。/滑动,移
156 日语综合教程第五册
动,挪动。②位置が決まったところから少しは
ずれる。Z离开原来的位子。③緩んで下がる。/
松滑,松脱滑落。(他)ひきずる。/拖,曳,拖拉,
ネチャネチャ 拖延。
抵抗(ていこう) [副・自サ] べとべとしているさま。/粘糊糊,泥泞。
[名・自サ] ①外からの力に対して負けまいとすること。手
ふかふか
泥道(どろみち) 向かうこと。反抗。/反抗,抵抗,抗拒。②す
ごろごろ
なおに受入れられない気持ち。反発する気持
茂る・繁る(しげる)
どろんこ(泥んこ) ち。/反感。③物理で、力の作用の向きを反対
枯れ枝(かれえだ) 向きの力(反作用のカ)。空気抵抗。電気抵抗な
アリ(蟻)
砂粒(すなつぶ) ど。/阻力,电阻。
落ち葉(おちば)
立往生(たちおうじょう) [副・自サ] やわらかくふくれているようす。/松软状。
起伏(きふく) [名] 泥ぶかい道。ぬかるみの道。/泥泞的路。
[副・自サ] ①重くて大きいものがころがったり、異物が
富む(とむ) っっかえたりするようす。また、その音や感じ
使い勝手(つかいがって)
を表す。/滚动的样子或声音。②似たことがた
くさんあるようす。/到处都是。
[自五] 草や木が成長して、葉や枝がたくさん出る。/茂
盛。
[名] ①「どろ」の幼児語。//泥土,泥巴。②どろが
たくさんついて、よごれていること。どろだら
け。/泥。满是泥巴,全身是泥。
[名] 枯れた木の枝。また、葉の落ちてしまった木の
枝。/干枯的树叶。
[名] 昆虫の一種。土の中に巣をつくり、集団生活を
営む。/蚂蚁。
[名] 砂の一つ一つの粒。Z沙粒。
[名] ①散り落ちた木の葉。/落叶。②落ち葉色。/枯
叶色。
[名・自サ] 途中で行き詰まって、どうにも動けなくな
る。/进退不得。抛锚。
[名・自サ] ①土地が高くなったり、低くなったりしている
こと。/起伏,凹凸,起落。②感情や状況など
が高まったり、低くなったり、変化が多いこ
と。/荣枯,盛衰。
[自五] お金や物品、土地など、財産をたくさんもって
いる。/富余,有钱。
[名] 使用したときの使いやすさの程度。/使用时的
方便程度。
157 -第6課なぜ車輪動物がいないのか
ロッククライミング [名・自サ] 岩登り。高山の岩壁をよじ登ること。/攀岩。
(rock-climbing) [名・形動] ①(数学)一つの直線または平面が他の直線また
垂直(すいちょく)
は平面と互いに直角に交わること。/垂直。②
地平面または水平面に対して直角の方向。/垂
直。
しがみつく [自五] 絶対にはなれまいと、だきつく。/紧紧抱住,搂
住,抓住。
ジャンプ(jump) [名・自サ] 跳躍する。/跳跃,跳。
溝(みぞ) [名] ①地面を細長く掘って、水の流れる道にしてあ
るもの。/沟,槽。②ほかの人と気持ちがしっ
くりいかなくて、へだたりがあること。/隔阂。
小回り(こまわり) [名] 曲がり角を小さくまがること。回転半径が小さ
いこと。/小转弯。
道幅(みちはば) [名] 通り、道路の広さ、幅。/路宽,道宽。
横向き(よこむき) [名] よこをむくこと。また、そのかっこう。/朝向
侧面。
飛び越す(とびこす) [自五] ①間にある物の上をとんで越える。/跳过。②
ふむべき順序・段階をぬかして先へ進むこと。
通り越す。/越级晋升,蹴等升级。越级,超越,
越过。
木立(こだち) [名] 木が何本かかたまって生えているところ。ま
た、その木木。/树木,树丛。
ばったり [副] ①重いものの倒れ方が唐突・急激であるさま。
人が突然死ぬさま。/(物体或人)突然倒下的样
子。②出会いが唐突であるようす。/突然相遇。
③物事が突然に途絶えるさま。/突然停止。
さりとて [接] そうだからといって。/虽说如此,尽管这样说。
廻れ右(まわれみぎ) [名] 揃えた両足の右足を後ろに引き、それを軸に体
を右回りに180度回転させて真後ろを向くこ
と。また、その号令。/向后转。
進退きわまる(しんたい窮 [慣] すすむこともしりぞくこともできない。どうし
まる) たらいいか分からない、困難な状態にある。/进
退两难。
幅広(はばびろ・はばひろ) [名] 普通のものより幅の広いこと。また、そのも
の。/宽幅。
あまねく [副] 広い範囲にわたって。すみずみまで。/到处,普
遍。
158 日语综合教程第五册
袋小路(ふくろこうじ) [名] ゆきどまりになっている、家と家のあいだの狭
い道。Z死胡同。
離島(りとう) [名] ①遠く離れた島。/孤岛。②今まですんでいた
島を出ること。/离开岛屿。
敷きつめる(しき詰める)[他一] 敷いて押しつける。一面に敷く。/全面铺上,
铺满。
日中(にっちゅう) [名] 太陽が出ている間。昼間。/晌午,白天,昼间。
砂浜(すなはま) [名] 砂地になっている海岸。/海滨沙滩。
固める(かためる) [他一] ①(こな•つぶつぶしたもの、どろどろした液体
などを)かたい(あるかたちをもった)ものにす
相性(あいしょう) [名] る。固まらせる。/凝固,坚固。②一つのかた
まりにする。/堆集一处。③しっかりしたもの
筋肉(きんにく) [名] にする。たしかなものにする。/坚定,使巩固。
増強(ぞうきょう) [名・他サ] ④守りを厳重にする。/加强防守。⑤「〜に身
免許(めんきょ) [名・他サ] を固める」の形で(〜を)身に付ける。/身穿,把
全身武装起来。
まつ平ら(真ったいら) [形動] ①男女の性格があうかどうかということ。/缘
分。②相手との調子や性格の合い方。/性格相
象徴(しょうちょう) [名・他サ] 同。
動物の骨や内臓などのまわりにあって、収縮す
持ち主(もちぬし) [名] ることで体の運動をおこす器官。/月几肉,筋肉。
まさに(正に) [副] 人数や設備を増やして、全体を強力にするこ
と。/增强,加强。
①政府や官公庁が、許可を与えること。/批准,
许可;执照,许可证。②芸能で師匠が弟子に対
して、修業が充分であり、芸を身につけたと認
めること。/传授拿手技能的秘诀。
高低・凸凹•傾斜がまったくないこと。/非常
平。
目に見えない物事を、形のある別のもので端的
に表すこと。また、その表されたもの。/象征。
そのものを所有している人。/持有人,持有者。
①疑いない様子。間違いなく。確かに。/的确,
确实。②ぴったりしている様子。ちょうど。い
まにも。/快要,即将,将要。③(「まさに〜べし」
の形で)それが当たり前である様子。当然。必
ず。/应当,当然,可以说。④事が行われる直前
である様子。ちょうどそのとき。/恰恰,正当。
159第6課なぜ車輪動物がいないのか
言葉の学習":
モ》 〜であれ〜であれ 无论是…还是… j
名詞について、「どちらの場合でも」という意味で、後ろにくる事態には変わ
りがないことを表す。
❶ 要するに彼という人を愛するので、貧乏:であれ、金持ちであれ、彼に対する
気持ちは変わらない。(总而言之,我爱的是他这个人,所以不管他是穷还是
富,我对他的心是不变的。)
❷ 悪意であれ善意であれ、結果として相手に傷を負わせたのだから、その責任
を取らないといけないだろう。(无论是善意还是恶意,从结果来看的确是你
让别人受伤的,所以不能不负责任吧。)
❸ 今は山奥の村であれ、離島の村であれ、電気がつかないところはほとんどな
いのではないかと思う。(如今无论是山沟里还是孤岛上的村子里,用不上电
的地方恐怕已经没有了吧。)
❹ 戦時中は、芋であれ何であれ、食べるものさえあればそれで幸せだった。(在
战争时期,不管是地瓜还是别的什么,只要有吃的东西就算是幸福的了。)
七ふ 心を躍らせる(こころをおとらせる) 兴奋,激动
期待や喜びのあまり胸をどきどきさせる(する)こと、という意味を表す。
「ノ匚、が躍る」もある。
❶ 晴れやかなその日、ステージに立った彼は心を躍らせながら、みんなの前で
受賞の喜びを語った。(在那喜庆的日子里,他站在讲台上心情激动地向大家
讲述自己获奖的喜悦心情。)
❷ 彼は国境を越える期待に心を躍らせながら、幾つもの山道を登り、幾つもの
峠をこえた。(他期待着出国,但又有点不安,正是怀着这种不平静的心情他走
过了好几个坡道,翻过了好几座山头。)
❸ 大学の合格発表に自分の名前を見つけ、彼は大喜びで家に帰り、そして心を
躍らせながら、合格通知が来るのを待っているc (在高考榜单上看到了自己的
名字,他十分高兴地回到家里,心情激动地等待着录取通知书的送达。)
❹ 彼女はその朝、目が覚めるなり心を躍らせながら身支度を整えると、憧れの
先輩に会いに家を出て行った。(那天一早起来,她便心情激动地精心打扮,然
后去见自己仰慕已久的前辈。)
E余計(よけい)多余;反而更加 1
形容動詞、副詞。形容動詞として使う場合は、必要の度を越していてむだな
160日语综合教程第五册
ようすを表すが、副詞として使う場合は、普通よりもっとたくさん、前よりも
まして、より一層という意味を表す。「余計に」の形でも使われる。
❶ 彼は女房の父親とずっと慎重に付き合ってきたが、その父親の死に際に彼が
ftしゃべった最後の一言が余 だったため、女房と別れてしまったのだ。(他一
直非常谨慎地与丈人相处,可是由于在丈人临死前他说了一句多余的话,结果
弄得跟夫人分了手。)
❷ 面接試験では自分をうりこもうとして一生懸命になるが、あまり鎚な事を
言い過ぎないほうが無難だよ。(在面试的时候谁都会拼命表现自己,但还是
不要过于多说为好。)
!t❸ これは生まれながら薄運の猫だから、金 私たちとの縁が強まったのだろ
う。(这是个天生命薄的猫,所以与我们的缘分也更深。)
❹ だめだと言われたら余計にやりたくなり、ついその仕事を一生続けてきたの
だ。(他们越是说我不行,我就越想干,结果我这一生就做了这个工作 。)
〜分には(〜ぶんには)如果是…程度的话
「分」は名詞でいろいろな使い方があるが、動詞の連体形につき、「〜分には」
の形で「そのようであるかぎりでは」という意味を表す。
❶ 私は自分で日本語を話す分にはあまり不自由を感じないが、通訳となると、
ままならぬところがずいぶんある。(自己开口讲日语时倒没觉得有什么太大的
障碍,可是做口译时反而有很多地方翻得不尽人意 。)
❷ アルバイトをして自分で食べる分に性困らないが、もし高い授業料を払うと
なるとちょっと無理がある。(靠打工挣自己的生活费,是没问题的。可是若要
挣出昂贵的学费,那就有点困难了。)
❸一般に人間はなにかの宗教を信じる分には、自由であるが、それを他人に押
し付けることは問題である。(一般来说人们信奉某种宗教是自由的。但是若
把它强加于别人那就有问题了。)
❹ この車は制限速度を守って走る分には何ら支障はないが、スピードを出しす
ぎると対応出来るような構造になっていない。(这辆车在结构上只要不超速行
驶,是没有问题的。可是一旦超速驾驶,那就无法控制了。)
〜ときた日には(〜ときたひには)要是,如果是;说到,提到;
名詞や用言の終止形につき、前に述べる行動や性質、程度が普通ではない極
端な状況を表すもので、「あきれてしまう」といった気持ちを表したり、このよ
うな状況では「こうなるのも当然」といった意味を表す。「〜ときたら」のやや
古めかしい言い方である。
161第6課なぜ車輪動物がいないのか
❶ 簡単な文字入力なら自分もできるが、なにかの操作ミスでコンピュータが動
かないときた日には自分ではどうにもならない。(如果是简单的文字输入,
那我自己也行。但要是因为操作错误而使电脑死机的话,那就没有办法对付
了。)
❷ ちょっと持つ分にはそう重いと感じないが、これを持って一時間以上歩かな
ければならないときた日にはとても耐えられそうにない。(稍微拎一下的话感
觉不到重,但如果是提着它走上一个多小时,马上就会感到受不了了。)
❸ あの子ときた日には、暇さえあれば、コンピュータゲームをやっている。来
年高校受験があるというのに、全然勉強しない。(说到那孩子,他只要有时间
就玩电脑游戏。明年要考高中了,可是他却一点儿不肯用功。)
❹ あの店の経営方金十ときた日には、間違っていると思う。いいサービスを提供
せず、お客さんからお金を取れるだけ取っているから。(说起这家店的经营方
针,我认为是错的。因为他们只顾拼命地向客人收钱,而根本不向客人提供优
质服务。)
'气冷 〜に目を向ける(〜にめをむける) 看到…,把目光转向… i
体言につき、そちらを見る、関心を向ける、という意味を表す。
〇 豊かになった人間は、山奥に住んで学校にも上がれない子供たちに目を向け
至べきである。(已经富裕起来的人应该看到那些住在山村里连学都上不起的孩
子。)
❷ 一人つ子政策の下では、われわれは将来の老人問題に目を向けなければなら
ないと思う。(在独生子女政策下,我们必须把眼光转向今后的老人问题 。)
❸ 自国の文化を研究するには、先ず他国の文化に目を向けることから、とはよ
く言われることで、的を得ていると思える。(人们常说,要研究自己国家的文
化,首先就要把目光放在其他国家的文化上,我觉得这种说法抓住了要害 。)
❹ 世界市場のシェアをアップするためには、われわれは先ず消費の動向に目を
愈、消費者が何を求めているかを考えなければならない。(为了提高世界市
场的占有率,我们首先应该把目光转向消费者的动向上,必须考虑他们究竟需
要些什么。)
そ点 〜ない(ぬ)ともかぎらない 说不定,不见得不,未必不 J
「用言の否定形+ともかぎらない」の形で、ある物事が起こる可能性は極めて
低いが、全くないことではないという意味を表し、何か対策を立てたほうがい
いという見解を示し、話者の懐疑の気持ちが含まれている。話し言葉の「〜な
いとはかぎらない」と同様である。
❶ 君、勝手にしゃべるなよ。余計なことを言うと、やぶ蛇にならぬともかぎら
162日语综合教程第五册
ないよ。(你可不要随便乱说。说多了,说不定会自找麻烦的。)
❷ あの子の夜遊びをこのまま放置しておくと、最悪の事態にならぬともかぎら
ない。(就这样放任那孩子深夜在外边玩的话,说不定会导致最坏的结果。)
❸ 農薬だの、薬だの、毎日変なものばかり食べているので、いつどんな病気に
ならないともかぎらない。(又是农药啦,又是药品啦,我们每天尽吃些不好
的东西,说不定什么时候会生病。)
❹ 留学というのは、単なる学問をするためでなく、何かを経験するために行く
ものである。その際、何かすばらしいチャンスに出くわさないともかぎらな
ビ。(留学不仅是为了做学问,还是为了有所经历。留学时,说不定能碰上什
么好的机遇。)
、ものではない
動詞や可能を表す動詞について、次の用法がある。
1.その動作行為の実現が不可能であるという意味を表し、否定の気持ちを強調す
るのに用いる。前によく「とても」と一緒に伴い、話言葉で使われるのが普通
で、よく、「可能動詞過去形」の形で使われるが、マイナス評価のことがらに用
いる。(不可能…)
❶ 未熟の柿は大変渋くて、とても食べられたものではない。速くほかの果物と
交換しなさい。(还没熟的柿子太涩,根本无法吃,快换别的水果。)
❷ あいつに任せたら、何を仕出かすかとても分かったものではない。ほかの人
にやらせたほうが無難だ。(如果放手让他干,夭知道他会做出些什么事来 。还
是让别人干比较保险。)
❸ こんな下手な字はとても人に見せられたものではない。さっさとしまいなさ
い。(这么难看的字根本无法让别人看,赶紧收起来。)
❹ お祖父さんが急病で入院したため、みんな交替で看病している。こんな時
に、旅行に行くなんてとても言えたものではない。(祖父因病突然住院,大家
都在轮流看护他。这种时候我根本不可能说自己要去旅游。)
2行為を表す動詞について、「〜すべきではない」という意味を表し、人に忠告を
する場合に用いられる。(不该…)
❶子どもには子どもなりの人生があるので、親としてかたわらで取り越し苦労
をするものではない。(小孩子有他自己的人生,作为父母也不必为此自寻烦
恼。)
❷ 最初から姉さんをああいうところに行かせるものではない。行かせたから、
今日のようなことが起こったのだ。(ー开始就不该让姐姐去那种地方。就因
为让她去了,オ会发生今天这样的事。)
❸ 意見が正しいかどうかは声の大きさで決めるのではない。だから、大声を出
163第6課なぜ車輪動物がいないのか
すものの肩を持つものではない。(意见是否正确不是以声音的大小来决定的,
所以不应该帮那些声音大的人说话。)
❹ 絶対陰口は言うものではない。後に言ったことが必ず広がってしまうのだから。
(绝对不应该在背后说别人的坏话,要知道说出的话日后一定会传出去的。)
ゴ旗~からみれば从…来看,是…
体言につき、ある立場に立って物事を見て判断•評価をするという、話し手
の視点や根拠•立場を表す。「〜からみたら」「〜からみて」「〜からみると」と
同様である。
❶ 相手からみれば、精一杯の報酬を出しているつもりだろうが、こちらとして
はまだ生活費にもこと欠くぐらいの安い給料である。(就对方而言,他们是
尽了最大的努力拿出最高的酬薪了。可是从我们这边看却是ー份连生活费都不
够的低薪。)
❷ あなたは自分では一生懸命頑張っているつもりだろうが、プロの目から芯
ら、まだまだ甘いね。(你自认为是在拼命努力,可是以一个内行的眼光来看,
你的努力还差得远呢。)
❸ 表向きには彼女はおとなしそうだが、他方からみて、とても芯の強いしっか
りした子だよ。(表面上看来她彳艮温顺,但从其他方面来看她是个内心非常坚
强又稳重的人。)
❹ テストの成績からみると出来は悪くはないが、しかし実際の会話となるとあ
の子はほとんどできない。(从考试成绩来看还不错。但从实际会话能力来看
那孩子几乎不行。)
そ)〉〜に越したことはない(〜にこしたことはない)最好了,最佳的]
用言連体形や体言につき、常識的に当然と考えること、また「〜が一番いい」
という意味を表す。
❶ あなたも明日の会議には出てくれるに越したことはないが、それは時間的に
無理だろう。(你能出席明天的会议当然是最好不过的,可是恐怕时间不允许
吧。)
❷ 経済的なことや掃除のことを考えなければ、家は広いに越したことはない。
(如果不考虑经济条件和打扫的因素,住宅当然宽敞些好。)
❸ 自ら進んでやってくれるに越したことはないが、やる気のない子にやる気
を起こさせるのは大変だ。(自己能够主动积极去做,那是最好的。可是要让那
些没干劲的孩子鼓起干劲,可是件困难的事。)
❹ 頭のいい子であるに越したことはないが、例えそうでないとしても、親に
164日语综合教程第五册
とってはどんな子でもかけがえのないものに変わりはない。(如果是头脑聪明
的孩子,那当然最好,但即便不是很聪明,对父母来说,自己的孩子是别人所
无法替代的。)
類語の学習
そ4ひとまず•差し当たり•とりあえず
7•ひとまず(一先ず)暂且,姑且,暂时,先
畐"詞。そうすることで事が終わるわけではないが、さしあたって。とにかく。ー
応。なにはともあれ、物事の面でも気持ちの面でも、十分ではないが、一段落つい
て、次の行動や状態に移るまでの一区切りとして何かをするという場合に使う。
❶io年間かけてやっと博士号を取った。これでひとまず安心だ。仕事のこと
は帰国してからゆっくり考えよう。(花了10年的时间好容易取得了博士学位。
这下暂且可以放心了。工作的事等回国以后再慢慢考虑吧。)
❷1ヶ月看病して、父の病気もようやく回復したので、僕はひとまず帰郷した。
(经过1个月的护理,父亲的病总算好了。于是我就先回老家了。)
❸3日3晩がんばったのだから、ひとまずみんなを家に帰らせてゆっくり休ま
せながら、次の指示を待つことにした。(大家已经猛干3天3夜了,所以先让
大家回去好好休息,顺便在家等候下ー个指示 。)
❹ これはひとまずの妥協で、これからは本番の交渉だ。(这是暂时的妥协,今后
还将进行正式的谈判。)
2差し当たり(さしあたり)当前,目前,眼前
副詞。先のことは別として、現在のところ。将来のことを問題にしないで、
差し迫った当面のことだけを問題にする場合に用いる言葉である。
❶ 長く続けられるかどうかは分からないが、さしあたり学生の間に欠席者は出
ていない。(不知道是否能坚持下去,目前学生中尚无人缺席。)
❷ 今後の住宅改善の意向調査で、さしあたり改善計画を考えていない家庭が、
全体の6割弱あることが分かった。(通过)寸今后住宅改善意向调查,我们了解
到目前暂不考虑的家庭不到60%。)
❸ 仕事はみんな手順がついているから、さしあたりお前にやってもらうことは
ないようだ。(工作大家都已经分工好了,目前暂时没有什么需要你干的。)
❹ 私の預金。さしあたりの目標は月に百万円で、「中金持ち」になることであ
る。しかし、サラリーだけで百万円を貯めようと思うと、簡単ではない。(我
1656第 課なぜ車輪動物がいないのか
100的存款。眼下的目标是每个月为 万日元,即成为一名“中产阶级气 可是,
单靠エ资,要想存上100万日元,可不是一件简单的事。)
3.とりあえず(取り敢えず)暂时,姑且,先
副詞。他にもいろいろしなければならないことがある中で、その事を何より
も先にするようす。他の事はさしおいてまず第一に。最終的にどうなるかは別
として、一応の応急措置としてこうすることを表す。
20❶ これぐらいでは足りないと思うけど、とりあえず 万円をお貸ししますの
で、これで急場を凌いでください。(我也知道光这些钱是不够用的,不过暂且
先借给你20万日元,用来救救急吧。)
❷ 朝から電話が休む暇なくかかってきて、いったい何が起こったのか、わから
ないので、とりあえず一度行って様子を見てきた。(今天一大早电话铃就响个
不停,不知究竟出了什么事。所以我先去那里看了看情况。)
❸ 今後このような講義があるかどうか分からないが、今日はとりあえずこの辺
で終わることにしよう。(不知道今后是否还有这样的讲座,不过今天就暂时
到这里结束吧。)
❹ これはとりあえずの方法で、あとでまた改めて適切な措置を検討しよう。(这
是临时应急的办法,回头再重新研究讨论合适的措施吧 。)
まとめ
この三語は、同じ文脈で、ほとんど同じようなことを表す場合がある。例え
ば「〜それを目標としょう」のような文脈では、三語のどれを使ってもいい。
「さしあたり」は、今のところ、というのに近く、時間的関係を表す言葉で、差
し迫った当面の状況や、今思いつく範囲内だけから判断して、今のところの措
置として何かが行われる点に重点を置いた表現である。それで「とりあえず(ひ
とまず)帰郷した」のように、過去にすでに実現したことには「さしあたり」は
使えない。
「とりあえず」「ひとまず」は、主に動作の表現に使われるという傾向がある
が、「とりあえず」は、いろいろ必要なことがあるが、間に合わないので、他の
ことはさしおいて、応急措置として、「間に合わせ」という気持ちを表す言葉で、
あとでまた続ける、というようなニュアンスが含まれる。’「ひとまず」は物事の
面でも、気持ちの面でも十分ではないが、一段落ついた、あるいは一段落つけ、
次の行動に移るための一つ手続きとして何かをする場合に使う言葉である 。
ふちまち•たちどころに :
んたちまち(忽ち) 转瞬间,立刻,马上;忽然,突然
副詞。非常に短い時間のうちに行われたり、その状態に達したり、何かがきっ
166 日语综合教程第五册
かけになって、間を置かずに変化が起こったりするようすを表す。すぐ。急。
❶ 阪神の優勝を祝って、大安売りをするスーパーでは、山のように積んであっ
た商品がたちまち売りきれてしまった。(为庆祝阪神队获胜,超市里举行了
大减价活动,堆得满满的商品转眼间就销售ー空。)
❷ 床屋の椅子に座って鏡を見ていると、私のボーボーの髭が手馴れた剃刀に
よってたちまちすっきりした顔になった。(我坐在理发店的椅子上看着镜子,
只见那乱糟糟的胡子在理发师熟练的打理下,一会儿镜子里就出现了一张焕
然一新的脸。)
❸ 彼女の話になると、彼はたちまち顔が赤くなって興奮してきた。(当谈到他的
女朋友时,他一下子红了脸,并开始兴奋起来。)
❹ 梅雨時、淡い日差しが射してきたかと思うと、たちまち日差しが消えて、空
が曇り、続いて雨が降り出す日が多い。(天空オ露出些阳光,转瞬间就消失
了,接着马上转阴,然后就开始下雨。梅雨季节里这种天气很多。)
2たちどころに(立ち所に) 立刻,马上,不一会儿
副詞。あることをするとすぐ結果が出るようす。その場ですぐに、即座に、
時間を置かずに、大きく変化したり、ある状態になったりするという意味を表
したり、また、未来に実現する行為を表したりする。
❶ 社長の息子が警察に捕まった話はたちどころに社内に知れ渡った。(社长的儿
子被警察逮捕的消息立刻传遍了整个公司〇)
❷ 空に打ち上げられた花火はたちどころに様々な美しい花々に変わりながら広
がって、やがては大空の暗闇に吸い込まれるように消えてゆく。(烟火在夜空
中变成绚丽多姿的花朵,并不断扩散,不久就像被吸收了似的消失在夜幕中。)
❸ 彼は非常に決断力のある大間で、どんなややこしいトラブルでも、彼が行く
とたちどころに解決する。(他是个决断カ很强的人,无论发生什么麻烦的纠
纷,只要他到场就会迎刃而解。)
❹ 彼は切り紙が上手である。1枚の紙と挟みを彼のところに持って行くと、た
ちどころにあなたにそっくりの横顔の切り紙をしてくれるのである。(他剪纸
的手艺很高明,只要给他1张纸和1把剪刀,立刻就能剪出和你侧面一模ー样
的剪纸来。)
まとめ
「たちまち」も「たちどころに」も短時間に大きな変化や事態が起こるという
意味では二語共通している。「たちまち」は、大の意志と関係のない事柄や他大
の行為につながりやすく、自然現象が短時間に起きたときに使い、ある状況•
変化が目の前で、あたかも見ているかのように、短時間のうちに起こることを
表現するのに用いられ、話し手の驚きや感動の気持ちを伴う。また、大間につ
167第6課 なぜ車輪動物がいないのか
いても人間以外のものについても使う。
「たちどころに」は、自然的、生理的な変化には使わない。「たちどころに」
は、人間の意思や行為が何らかの形で関与して、立っているその場で、その事
態が即座に変わることを表現するのに使い、人間について用いることが多い。
また、「たちまち」よりも時間的には短いという感じがあり、「たちまち」とい
う意味のほかに、「たちどころに解決する」のように、未来に実現する行為につ
いても使えるが、「たちまち」のほうは、そういう未来に実現する行為にはつな
がりにくい一面がある。
練習
ー、次の漢字にふりがなをつけなさい。 回転 陸上 昆虫 抵抗 駆動装置
効率 重力 凸凹 難渋 障害物
片田舎 距離 舗装 車輪 直径 重心 摩擦 垂直 砂粒
顕微鏡 肉眼 異論 体感
依存度 平坦 泥道 威力
砂利道 小石 起伏
二、次の文の片仮名の部分を漢字になおしなさい。
1. あそこはコダちが続く道で、運転しにくい。
2. 宮崎のマチナみがとてもきれいだ°
3. 白い砂を室きッめて曲りくねった道が向こう側まで延びている。
4. あそこはりトウだから、めったに行くチャンスはない。
5. 海辺のスナハマを裸足で歩くのがすきだ。
6. あれは足のキンニクが弱くなったためである。
/後ろの席だから観劇にはボウェンキョウを持っていったほうカヾいい。
8. 大学にいるうちに、まずウンテンメンキョを取っておくのだ°
9. 浴槽を洗う洗剤と壁のカビをとるための洗剤のアイショウは悪いそうだ。
io.日本人は自然をセイフクするのではなくて、自然に親しむべきだと考えている。
三、次の質問に口頭で答えなさい。
1. 文中の「歩いていける距離には何もない」とはどういう意味なのか。
2. 「車輪がなければ、現代人の生活は回転していかない」とは、どういうことか。
3. 動物はなぜ車輪を使わないのか。
4. 車輪の欠点はなにか。
5. 「アリが四ミリの車輪〜立ち往生してしまうだろう」と言っているが、それは
なぜか。
168日语综合教程第五册
6. なぜサイズの大きい動物にとっても、車輪はそうそう使い勝手のいいものでは
ないと考えているのか。
7. 人間はサイズが大きいから車輪が使えるのだといってもいいか。
8. ローマ人が道路を造ったのに、車が使えなくなったのはなぜか。
9. 「〜技術を評価する従来のやり方を、考え直すべき時が来ているのも事実であ
る」といっているが、なぜなのか。
io.筆者は機械文明をどのように見ているか。
四、次の文の下線部を辞書で引いて日本語で説明した上、全文を中国語に訳しなさい。
1. 彼女は都会の片隅でひっそりと暮らしている。
2. 遠く人家の灯火が点々と見える。
3. こちらに来てから、とんでもない目に会ったよ。
4. 自分のために子供を犠牲にするのは宀色常識からはずれた考え方である。
5. 小さい子供たちはそこで泥んこになって遊んでいる。
五、次の下線部の言葉の意味が、それぞれのはじめの文と最も近い意味で使われている
文を、①、②、③、④から一つ選びなさい。
1.車を転がすことに関しては、ここにいる大間でぼくの右に出る者はいないだろ
う。
① 明日の運動会では、子供たちに大きなボールを転が丈競争をさせるそうだ。
② うっかりしてテーブルにぶっかり、コップを転がしてしまった。
③ 土地を転がして金持ちになった大は土地成金というC
④ 部屋の片隅に未完成の提灯が転がしてあるが、製作者の姿は見えない。
2 1姑が亡くなって 週間も経たないのに、ご主大も母親の後を追うようにこの世を
去った。これは彼女にとってまさに大生の悲劇だC
① これはまさに長い間求めていた仕事で、私はその場で会社と契約を結んだ。
② 息子である兄こそ差・親の面倒を見るべきである。
③ 私の大がまさに死のうとしているところに、救いの薬が届けられたのだ。
④ 機はまさに熟したと思って、彼は公園へ彼女を誘って、デートしながらプロ
ポーズした。
3忙しいこともあったろうが、この仕事はずるずるのばされている。
① 発車すると、目の前のガソリンスタンドがずるずると後ずさりを始めた。
② 風邪を引いたのか、子供はずるずる鼻をすすりながら傍らで勉強している。
③ 2人は離婚もせずにずるずると別居生活を続けている。
④ 自動扉が開くと小柄な彼女が、大きな荷物をずるずる引きずりながら出てき
た。
169第6課 なぜ車輪動物がいないのか
六、次の語群から適切な言葉を選んで、必要な場合は形を変えて( )に書き入れな
さい。
えらい そうそう なんとか しみじみ がらりと
のどかな さりとて ばったり とうの昔 あまねく
/•優勝できるかどうかは別として、( )挑戦のチャンスを彼に与えた
い。 )気持ちで休日を過ごした。
2慌しい仕事も一段落し、久しぶりに(
3.私が社長の息子だとわかったとたん、みんなの態度が( )変わった。
4もう働きたくない。( )いつまでも家にいるのもつまらない。
5. お祖父さんの話では( )からここは墓場になっていた。
6. あの国の首相が米軍に逮捕されたことは( )知れ渡った。
7. 犯人と思われる男が( )勢いで建物から飛び出してきた。
88. 異常気象のせいで、 月だというのにクーラーの売れ行きが( )とまつ
た。
9. 先週の土曜日に約束したばかりで、( )日にちは経っていないし、
忘れたなんてことはないだろう。
10.今回の試験を通して、普段からの勉強の大切さを( )感じた。
七、次の文中の 部分に入れるのに最も適切なものを選びなさい 。•必要な場合
は、語の形を変えてもよい。また、答えは必ずしも一っとは限らない。
1.片思いを打ち明けられないでいた彼が突然目の前に現れて、彼女の心は
乱れてしまった。
①たちどころに ②たちまち
2あの子の特技はパズルを解くことである 。どんなパズルをやらせても、
_____正確な図案を作り出すことができる。
①たちどころに ②たちまち
3それはまさに昆虫のような感覚で、その感覚により日本人は 相手の
人物を見分ける。
①たちどころに ②たちまち
4. 山登りをしていると、私は 汗だくになり、息を切らして、何度も立
②たちまち
ち止まった。
①たちどころに
5. やるべきことは一応全部やったつもりなので、身の回りを片付けて
上海へ帰ってきた。
①とりあえず ②ひとまず ③さしあたり
170日语综合教程第五册
Rいつまた出張するか分からないので、待てないことを全部先にすま
せた。
と①りあえず ・②ひとまず ③さしあたり
7.将来、この村にも大学生が出て来るだろうが、それらしい人物は見っ
からない。
①とりあえず ②ひとまず ③さしあたり
ハ、括弧の中の言葉を使って次の中国語を日本語に訳しなさい。
1. 父亲病倒在床上,想吃松软的肉包子,我走出医院到附近去寻找,结果在拐弯角
处发现了一家小馒头店。(ふかふか)
2. 他们越是说我不适合当教师,我就越想当教师。结果我这一生就干了这个工作,
而且还干得很出色。(余計;不适合当教师ー教師に向かない )
3. 我的脚在平地上走动时并不疼,但上下楼梯时却感到疼痛异常。(分には;上下
楼梯ー階段の上り降り)
4. 现代都市生活又方便又好,这固然不错。可是一旦发生地震等灾害,马上就会陷
入瘫痪状态。(〜ときた日には;瘫痪状态->パニック状態)
5. 机场里,那些心情激动地伸长着脖子,焦急地等待着自己孩子归来的父母,给我
留下了深刻的印象。(心を躍らせる)
6. 我认为无论是男孩子还是女孩子,只要好好地长大,将来能成为自己的接班人,
这就应该满足了。(〜であれ〜であれ;好好地长大一立派に成長する)
/虽说宴会上有各种酒,可都是些烈性酒,我们女的根本喝不了 。(〜ものではな
い;烈性酒ー強いお酒)
8. 从她的态度来看,我觉得她并不是拒绝我们,倒是ー种愿意考虑的样子。(〜から
みれば)
9. 家里有人做饭固然好,但即使没人做饭也应该认真地对待每ー餐オ是。(〜に越し
たことはない;认真对待每ー餐ーちやんと食事をとる)
10. 一般人们都说自然好,可我认为那个国家的人工美也非常出色 。我想我们也应该
看到这种人工美才是。(目を向ける)
171第6課なぜ車輪動物がいないのか
九、言葉の決まり
1.次の文の( )に入れる最も適切なものを選んで記号で答えなさい。
①会議で決を( )る。
ア取 イ執 ウ撮 エ採
②役場で税金を( )める。
ア収 イ修 ウ納 エ治
③彼は後悔し、( )することを誓った。
ア更生 イ 公正 ウ後世 エ攻勢
④本県産業の( )をはかった。
ア進行 イ 深更 ウ信仰 エ振興
⑤このことに( )が薄いのは、残念である。
ア歓心 イ 関心 ウ寒心 エ感心
2次の①〜⑦は、「右(往)左(往)」のように、( )の部分に、それぞれ同じ
漢字を1 文字入れて、 4字熟語になるようにしなさい。
3(①四( )八( ) ②( )画( )賛
)材( )所 ④以( )伝( )
m(⑤( )喜( )憂 ⑥( )信( )疑
)眠( )休
3.次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
日本語の語順には、大きな特色がある。一つは、修飾語が被修飾語の前に来
る、ということである。たとえば、
「ほのかに白い花」とか、「空を飛ぶ雲」のように。このために、文が非常に
わかりにくい構造になることがある。
「これが、国民の代表者としての国会議員がヾ国の政治について、討議する
国会議事堂である。」という文を例にとって考えると、この文の主語•述語は、
匚む ・匚亘:となる。では、どんな国家議事堂かと見ると、国会議員が討議
する国会議事堂である、ということがわかる。しかも、さらに、国会議員には
匚③□という修飾語がつき、「討議する」’には「国の政治について」という修飾
語がついている。そこで、この文を聞き、または読むときに、こういう種類の抵
I抗が生じる。すなわち、まず、「これが」のあとに、本来続くべき ④丨が来な
I⑤いで、「国民の代表者としての」という |の修飾語が来るCそのために、「こ
れが」の続きを『保留』しておいて、「国民の代表者としての」に移るわけだが、
そのあと、また、「国会議員が」の続きも、本来は匚互]に連続して行くべきな
Zのに、やはり『保留』して匚⑦ 討議することになっているという意味のこと
ばに移らなければならない。
このように、言いかけては保留し、また言いかけては保留し、最後にしめく
くる、という語順は、確かに、非論理的だとして批判されるだけのことはある
172日语综合教程第五册
ようだ。主語に対応する述語は、なるべく早く出して、「何をどうする•どんな
だ・何だ」が早くわかるように工夫することである。
問い:上の文中の 匚①コ〜匚⑦コには例文中のどの語句を入れたらよいか。前後の
文章をよく読んで、最も適切な語句を書き入れなさい。
① .② ③④
⑤ ⑥⑦
十、次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
①ヒトの遺伝子をすべて解読しようというヒトゲノム解析計画は早ければ二〇〇
一年、遅くとも二〇〇三年には終わります。遺伝物質の本体が塩基の配列だと分かつ
てから五十年足らず、二十一世紀への転換点で、遺伝子の構造解析は②けりがっく。
病気の多くはしょせん、遺伝子の働きのアンバランスで起きる。それが解明され
れば、診断、治療、③すべての医療分野が一変します 。
これまでの医療は「集団」の医療でした。ある病名から、みんな同じ治療を受け
ます。一人ひとりの遺伝子が詳しく分かれば「個別」の医療、「オーダーメード」の
医療が可能です。二〇一〇年にはそれが目に見える形になるでしょう 。
たとえば癌は細胞増殖の異常で起こります。細胞の増殖をしている遺伝子
A Bは多数あって、そのどこがおかしいかは、 さん さんで違います。一番目と三番
目と百五十番目の遺伝子がおかしい大腸癌があれば、二番と三百番がおかしい大腸
癌もあります。
外から見える症状は同じでも、遺伝子レベルでみると癌の性質がまったく違う。
A( )関連する遺伝子を数百個調べてやっと見えるような、非常に微細なレベル
で病気の違いまで分かるようになるのです。
もう一つ大事なのは、遺伝子の働きの多様性を知ることです。同じ役割を持つ遺
伝子でも、働き方が人によってわずかに違うことがあります。その微妙な違いが病
B b気のなりやすさや薬の効き方の違いを決めます。( )ある 解毒酵素の遺伝子
cがわずかに違うだけで、薬の 副作用が十倍違うこともあります。
Cこれによって、どの薬をどれくらい使うかも個別に決められます。( )、効
くか効かないか分からないまま全員に使うのでなく、有効な人には使い、副作用も
dめける。そういう考えがあってもできなかったのは、調べる道具がなかったから
です。
e今後、遺伝子の多様性について膨大なデータを チクセキしていけば④それがで
きるようになります。実現のために戦略をたてて取り組んでいく必要があります。
⑤わけのわからない遺伝子を見つけて、この遺伝子はどうでした、こうでしたと
いうことも大切ですが、このように目に見える形で患者さんの役に立つ研究をして
いきたい。
173第6課なぜ車輪動物がいないのか
生物学の研究が進んだいま、研究者や医師はこれまでとはまったく違った質の情
報を手にしているという意識が必要です。
たとえば、遺伝子を五個なり十個なり調べると、あなたは平均より五倍糖尿病に
なりやすいとか、十倍高血圧になりやすいといったことが発病前に分かってしまう
ようになる。イ生格や行動についても遺伝子とのかかわりがみえてくるでしょう。重
大なプライバシーにかかわる情報です 。
就職、結婚などで遺伝子情報による差別が絶対にあってはなりません。いまのう
ちから、遺伝情報をいかに⑥プロテクトするかを、ちやんと考えていかないと。情
報をもらした人には相応のペナルティーを科すなどの仕組みが必要です 。
医師や研究者は自分がやっていることが大きな社会的意味をもっているというこ
とを認識しなければなりません。⑦法的な整備も必要ですが、遺伝情報にかかわる
人が踏み越えてはならないこと、最低限守るルールをわきまえ、職業的な倫理観を
もつ必要があります。
いまの医学部は学問的な知識を教えるが、社会との接点、医師と患者との関係
や、研究が社会にあたえるインパクトについて考えさせる場がない。そうした教育
の場をつくっていくことは今後、絶対欠かせないと思います。
(1D 下線部a〜eのカタカナは漢字に直し、漢字には読みがなをつけなさい。
a( )b( )c( )
d( . )e( )
曲 下線部①「ヒトの遺伝子」のヒトについて、「人」と漢字で書かずに、カタ
カナで表記したのはなぜか。次から一つ選び、記号で答えなさい。
ァ、「人」を生物学上の「種」ととらえ、それを前提に話していることを示
したかった。
イ、一人ひとり全く異なる遺伝子を持つ 「人」というものを、個別にとらえ
ていることを表したかった。
ウ、「人」は他の生物とは違う特殊な存在なのだということを強く表現した
かった。
,エ、未知の存在としての「人」を、その不可解性のまま表現したかった。
(BB 下線部②「けりがっく」を別の言葉で言い換えなさい。
(ED ( ) a〜cにあてはまる最も適切な語を次から選び、記号で答えなさい。
ァ、たとえば イ、しかし ウ、しかも 工、つまり
A( ) B( ) C( )
US 下線部③「すべての医療分野が一変します」とあるが、何から何に変わるの
か、文中の言葉を使って答えなさい。
174 日语综合教程第五册
dD 下線部④「それ」はどういうことを指すか。本文の語句を使って20字以内
で答えなさい。
dD 下線部⑤「わけのわからない遺伝子を見つけて、この遺伝子はどうでした、
こうでしたということ」を文中の他の8字で答えなさい。
(iB 下線部⑥「プロテクトする」を別の言葉に言い換えなさい。
(1£) 下線部⑦「法的な整備」のことを、作者はどのように考えているか、文中の
言葉で答えなさい。
文者溜学の豆知識
説明文とは
説明的な文章は、それを書き表す目的によって、次の二つに分類できる。
(1) 自分の主張を主とした文章
A学術的論文(学問上の研究を述べた文章)
B批評・評論文(他人の考え•作品などを批評した文章)
(2) あることがらについて説明することが主になっている文章
説明文•解説文(他人の考え•著書などのあらすじや概要を述べて趣旨 ・要
点・考えなどを説明した文章)
これらの文章の特徴は、だいたい序論•本論•結論からできていて、事実
の部分と意見の部分とに書き分けられ 、科学的•理論的であいまいさがない 。
説明的な文章の読み方としては、①「何について」述べているかをつかむ。
②文章の組み立て (構想)を調べる。つまり、全文の要旨をとらえる。各段落
の要旨のうち、中心になる段落を見つけ、てみじかにまとめる。
要旨のあらわれ方
① 文章の終わりにある場合(問題の提示ー論理の発展一結論 )
② 文章の最初にある場合(結論ーその説明Tくり返し)
③ 文章の途中にある場合(問題の提示ー結論ー結論の説明 )
④ 文章中に分散している場合と言外にほのめかされている場合とがあるの
で、よく読み分けることが大切である。
中心部分と付加的部分とを読み分ける
①「要するに、結局」……あとに結論がある。 、
第6課なぜ車輪動物がいないのか175
② 「ことに、まして」……主張を強める場合、段落は切れない。
③ 「私はこう思う。〜と信ずる」……結論は前後にある。(強い主張を表す)
読み物
時計はなぜ右回りなのか
ヽ •百井僅策
世の中には、だれもが当り前と思っていながら 、よく考えてみるとどうも
不思議だ、ということが多い。一例を挙げるなら、時計の文字盤だ。どこ
の店で売っている時計も、すべて右回りにできている。三時は必ず右側に、
したがって九時は必ず左側にある。「左巻き」の文字盤なんて、見たことが
ない。クロックワイズということばまである。しかもこれを当然のことと
受け取り、だれも疑わない。
三時と九時が、あべこべになってはいけない、という理由はいったいなん
だろう。国際法でもあるのかしらん。それとも、統一型を作って売りやす
くするための、国際時計製造業者協会の、世界的な陰謀かしらん。
このことに疑問を抱いたのは、もうはるか少年の日のことである。戦争が
始まろうとするころ、民間でも軍隊式に午後一時を十三時、午後二時を十
四時と呼ぶようになり、呼び方に慣れるため、茶の間の時計の文字盤に数
字を追加せよ、との達しが区役所から回ってきた。小学生だった姉と私は、
13から24までの数字を書き込んだ丸い紙片を、二人で文字盤にはりつけな
がら、どうして時計はこっち回りなんだろう 、といぶかしんだものだ。
その疑問がある日、突然に氷解したのである。
ロンドン特派員をしていたころ、南アフリカのバーナード博士が世界で初
めての心臓移植をやった。インタビューのため、すぐアフリカ大陸を縦断、
ケープタウンに飛んだ。そのときのことだ。
ケープタウンは海に向かって開け、町の背後—— つまり町から見て海とは
反対側—— に平たい頂上で有名なテーブル・マウンテンがそびえている。山
には海側から日が当たる。黄金に輝きそめる明け方から、あかね色の夕映
えまで、その色は刻々と変わり、峨々たる山容はなんともいえず美しい。
というと、山は町の北側にある、と想像される読者が多いだろうが、実は
176日语综合教程第五册
逆なのだ。山は南側、海は北側で、日は北から当たるのである。ケープタ
ウンが北を向いた港だということは 、私も行くまで知らなかった 。たしか
に、南半球なのだから、北のほうほど暖かく、港も家も北向きがよいに決
まっている。だが、理屈ではそうとわかっても、私たち「北方人種」の感覚
からすると、日のあるほうが断然「南」に思えてしまう。
自然に親しむ人なら、だれでも太陽の位置から方位を割り出しつつ行動す
る。時計の短^・を影に合わせれば、その線と十二時との二等分線が真北一
という例の公式を、ほとんど無意識的に活用しているものだ。
ところが南アフリカのお日様は私を混乱させた。公式は通用しない。地図
を片手に町を歩いていても、何度お日様を見上げ、勘違いに舌打ちしたこ
とか。しかもお日様が、ふだんと反対に、向かって右から左にそろそろと
動いたあげく沈むさまなど、異様なる生きもののようにさえ思えた。感動
的だった。
「真北にあるときが正午。とすると、午前十時という感じの位置のとき
は、ここで午後二時か。するともう二時をちょっと回ったころかな。」——
などと、ある日、大通りで空を仰いで考えていたときだ 。突如、天啓のよ
うに閃めいたものがある。思わず私は道の真ん中の交通巡査めがけて突進
した。
「日時計はどこ?」「え、日時計?」「そう、日時計!」そのあわてぶりは
全く町の風景にそく、、わなかっただろう、と思う。「よく公園なんかにあるや
っだ。あ、そうだ。公園はどこだ。公園!大きな公園!」
あっけにとられた巡査をあとに、ともかくタクシーをとばしケープタウン
中央公園に駆けつけた。親切な運転手君と、日時計に憑かれた男は、二人
とも走らんばかりに汗をかきかき公園中を探した。
それは公園の中央部にあった。石でできた、りっぱなものだった。喜べ、
文字盤はみごとにアンチクロックワイズに刻まれていた。十二時を上に見
て三時は左側にある。私はニャリとした。チップをはずんだ。うれしそう
な、しかしわけのわからなさそうな、きまり悪そうな運転手君の表情が忘
れられない。
結論をいえば、全くばからしいくらい簡単なことだが 、要するにこういう
推論が成り立ったわけだ。つまり、あらゆる時計の最初のものはおそらく
日時計であろう。それが右回りに時を刻んだということは、太陽の動きに
注目した人々が北半球に住んでいたことを意味する。いわば現在の時計の
右回りの文字盤は、文明の発祥地が北半球だったという事実の記念碑であ
る、と。
その晩、私を招いてくれたケープタウン大学医学部の教授の家で、私は
「発見」について一席ぶったあげく、同席した実業家に「南半球の数少ない
6 177第 課なぜ車輪動物がいないのか
工業国として、逆回りの時計を作ってはいかが。お土産品としても売れる
こと請け合い。」などと放言、「いや、日本から輸入するほうが安上がりだ。」
と大笑いになった。
これには続編がある。文部省の文化財保護委にいる義兄がロンドンを訪ね
て来てのよもやま話に、この日時計の話が出た。義兄は「水」はどうだっ
たか、と言う。「水」というのは、水槽に水をいっぱいに張って下の栓を抜
くと、水が落ちるときに渦を巻く。その渦が北、南半球では必ず逆だとい
うのだ。どちらが右巻きか、左巻きか、暇な方はやってごらんになるとよ
ろしい。同じ半球では何回やっても必ず同じ方向に渦を巻く。
ロンドンのわが家で実験を繰り返していたら、家内が突然、「それじゃ赤
道の真上ではどうなるのかしら。」と言い出した。二人とも「ウー厶。」
さて、赤道の真上まで出張する機会はなかなかやってこないものだな----
というのが野次馬特派員の、あせりにも似た最近の心境である。
(『時計はなぜ右回りか』より)
[ぎ釈
〇 白井健策(しらい けんさく)(1933〜)
朝日新聞論説委員(国際関係)。東京生まれ。千葉大学文理学部卒業。著書『文章トレーニング』
『賛美歌への招待一音楽随想』『天声人語(12)』『天声人語(13)』など。
❷ ケープタウン(Cape Town) 开普敦
南アフリカ共和国西ケープ州南西端の都市。自然の良港。喜望峰の北約50キロメートル。州都で、
共和国議会の所在地。人口 85.4万(1991)。
178 日语综合教程第五册
,浦
7第 課
紅山桜
本文
•辰灌和男
昔、弾誓上人という遊行聖が桜の木を切つ「 紅山桜
て自分の姿を刻みはじめたところ、たちまち
その木から熱血が流れでたという。上人はた エ
だちに刻むのをやめて、袈裟で覆い、箱に入
れた、という伝説がある。
桜のなかでもとりわけ、紅の濃い紅山桜を
見ていると、熱血が流れでたというこの伝説
がなまなましく、身近なものに思えてくる。
北の桜をたずねる今回の旅は、新潟に住む写真家、高波重春さんと一緒
だった。
私は行く先々の旅館でぬくぬくと畳の上に寝たが 、高波さんは川辺や公園
のわきに愛用のワゴンを止め、その中で寝ていた。誘っても、断固として車
内で寝る習慣を変えなかった。毎年、春になると、桜前線を追って全国を走
り回る。ほぼ二十年、そうやって桜を撮り続けている人だ 。
高波さんとの旅はたのしかった。撮影の合間に「いっくら撮ってもろくな
もんできねえけど」「こんげな景色見てんと、写真というちんけえ四角の枠に
おさめんのがばからしくなっちやう。ただもう、ひざまずくしかないなあ」と
自嘲のお国ことばが飛びだす時は、結構調子に乗っている様子だった。ひざ
まずくどころか、そんな時の高波さんは三脚をかついで右に左にかけ回った 。
東北や北海道の桜を見て、そのしぶとさに驚かされることが多かった。
福島県三春町にある紅枝垂の巨木、滝桜はわずかに盛りをすぎていたが、
私は花の滝に打たれながら、その幹や枝の怪物じみたたくましさに見とれた。
私よりも先に着いて撮影を続けていた高波さんは「三日前が最高でした。最
第7課紅山桜179
高の時に見てもらいたかったなあ」と残念がった。「最高の状態の桜の花が撮
れるのは一年のうちの一日、一日のうちのいっときですね」ともいった。私
としては、花はいつ見ても花だと思いたい。つぼみの桜もいいし、泥にまみ
れた花びらもいい。だが写真を撮るとなると「一年、いっとき説」も成り立
つのだろう。
夜のうちに十分に水分を吸った花が早朝のやわらかな光に包まれて照りは
える。その一瞬がすばらしいという。逆に乾いた風にさらされ続けると、花
の表情はおおざっぱなものになってしまう、のだそうだ。「ですから、おらの
取材は祈りの繰り返しです」と写真家はいった。
私たちは福島から青森へと桜を求めてさ“まよい、南に下って秋田の湯瀬に
着いた。湯瀬の山や沢ぞいに咲く紅山桜を見て 、二、三日腰をすえることを
きめた。高波さんは翌朝の撮影地点をさぐるのに半日を費やした。立ち止
まって、長い間、桜を見つめ、「桜と対話するなんていうのは、こちらの思い
過ごしだろうな」とつぶやいた。
「桜のほうは、好きで咲いているわけですし、しょせんは片思いなのでしょ
うが、早朝ひとりで山の中の桜と相対していると 、ああ今おらはこの桜と二
人きりで時間と空間を共にしているという思いがあって 、そう思いながらも
怖くなることがあるんです。桜には美しさを超えた恐ろしさがあり、恐ろし
いと思いながらもひきこまれます。その瞬間を映像にしたいと思いますね」
もうすぐ五月だというのに、夜ふけて雪になった。翌朝六時、めざめると
雪はまだ降り続き、桜は白い紗のむこうにあった。川辺に停車中のワゴンを
探しあてた。肩を落としているだろうと思った相棒は「雪国はいつもこうで
す。雪と桜とを一緒に撮れるなんてすばらしい出あいですよ」とむしろ上機
嫌で、はやる心を抑えている様子だった。
私は雪の降りしきる湯瀬の山へひとりで入った。わが相棒の「片思い」に
同情したこともあったし、私自身もまた、ひとりで桜に向かいたいという気
分になっていた。
雪はみぞれになり、みぞれがまた雪になった。雪に打たれながらも、花は
ほとんど散らない。これしきのことで、散ってたまるかという調子でしがみ
ついている。雪がやんだ。雲が割れて、日がさす。切り裂くような透明な空
気の中で、撫の新芽が光る。キブシの黄の花が輝く。
谷川のそばに一本のはぐれ桜があった 。やあと呼びかければ、やあと答え
てくれそうな、ほどほどの大きさの紅山桜だった。群れからきっぱりと離れ
ているところがいい。幹がぬれぬれと黒い。
光をあびて、桜の花の一つ一つ、花びらの一枚一枚がにおいたち、なんと
いうか、すっきりとした情念を放っている。
180 日语综合教程第五册
「しず心なく」花の散るさまを、古人は歌った。だが、今、この紅山桜はま
さに「しず心」で咲き続けている。降り続いた雪や雨に動ずることもなく、散
り急ぐこともない。
はぐれ桜が発している情念とは、しず心そのものではないか。長い間向き
あっているうちに、そのしず心がこちら側に忍びこみ、心の奥底に潜むしこ
りのようなものを溶かし去ってくれるような.、そんな感じを味わった。
午後遅く、私は高波さんと落ちあった。ラーメンを食べながら、いい写真
が撮れただろうかとたずねた。
「いいのが撮れたと思ってても、現像があがってくるとむなしくなります」
と相棒は自嘲の姿勢である。調子はまずまずだったらしい。
ファインダーをのぞいている時の感動が写真にするとでてこない、それが
もどかしい、ともいった。これは本音だろう。
もどかしいから「来年こそは」と自分を追い立てる。「来年こそは』が撮影
を繰り返すカの源になる。桜を撮りはじめた時、はたちだった青年が今は四
十歳を超えている。
冬は、新潟で除雪車を走らせる仕事をして撮影の資金をかせぐ。百姓の仕
事もする。何種類もの桜を種から育てている。「東京という街はなんといって
も無機質な感じです。ですから新潟でべと(土)にへばりついて、体を張っ
て大地を感じとる暮らしを続けること、おらにはそれしか生きる道がないん
Jじやないか。そういいきかせています
秋田で別れる時に、たずねた。
「桜への片思いはまだ続きますか」
「死ぬまで撮り続けます。桜は私に生命力を与えてくれているわけですし、
生涯、桜にすがって生きてゆくでしょうね」。そういってから、照れ屋の写真
家はつけ加えた。「といってもどこまでゆけるかわかんねえけど」
高波さんは新潟に戻り、私はいちど帰京し、五月中旬、北海道の襟裳岬を
めざした。今度は桜の散るさまを見たかった。相棒なしの旅だ。
えりも町の庶野で、海辺の小さな旅館に泊まった。海鳴りと雨の音を耳に
しながら寝た。翌日も雨だった。雨が小降りになると、岬を吹き渡る風が激
しくなった。
「いつもこうなんですよ、ここは。雨がやむと風、風かと思うと雨で」と旅
館のおかみさんがいった。翌日も雨だった。
こうなってはしず心で待っているわけにはいかない。雨と雪の中に散る桜
を見物に行くというと、おかみさんは酔狂な客の顔をしげしげと見て、今な
あ、うどんをゆでたところだから、せめて体を温めてからゆきなさい、といっ
てくれた。ありがたく、いただいた。ひとり歩きは危ない。クマが出るとい
第7課紅山桜 181
けないから、といって呼び子を貸してくれた。
町が自慢する桜公園を抜けて、林道を奥に入る。さすがに人影はない。雨
の中で、大花延齢草の白さがきわだって見える。横なぐりの風が吹き、蝦夷
大桜草の花が激しくゆれている。風に散る桜もあり、散らない桜もあった。桜
の散るさまを見に来たつもりではあったが、ここで見た北の桜はやはり、風
雪に耐えて咲き続ける姿に風情があった。
手がかじかみ、ぬれそぼって歩いているうちに、いきなり眺望が開けた。
遠景に雪の山々があり、手前の山々には辛夷が咲き、落葉松があわあわと
した緑を見せている。赤茶色のひろがりは、楓や撫の新芽だろう。その赤茶
色の炎の中に紅山桜が点在している 。私は立ちつくした。立ちつくしている
うちに露草色の空が見えてきた。風の中のしぶきが銀色に光っている。
近づいて桜をあおぐ。花びらに、ツメでひっかいたような跡がある。紅色
がはげている部分がある。風や雨との闘いの跡だ。その傷あとに、私は桜の
生命力を見た。
桜は時にはぶきみな暗さを見せ 、移ろいのはかなさを見せ、死の相を見せ
る。そして時には生の歓喜の表情を見せ、しぶとさを見せ、豊かな実りの予
兆となる。私たちが桜をたずねずにはいられない秘密の一つは、この桜の両
面性にあるのではないか。
後日、箱根へ行き、阿弥陀寺所蔵の「弾誓上人絵詞伝」を見せていただい
た。確かに、眼光鋭い上人が刻む桜の木からは赤い血が流れていた 。
桜木の熱血伝説を信じた古人は 、桜に霊性を見、その霊性の中にぶきみさ
と、あふれる生命力を見たに違いない 、と私は勝手に解釈している。
(『世界花の旅1』朝日新聞社より)
〇注釈
〇 紅山桜(べにやまざくら)
バラ科のヤマザクラの1種。普通の山桜よりも紅の色が濃いので紅山桜と呼ばれ、花がやや大き
いので大山桜とも呼ばれる。花は葉の芽吹きと同時に咲く。日本の本州中部以北から北海道にか
けて分布し、北海道の人は蝦夷山桜と呼ぶ。
❷ 辰濃和男(たつの かずお)(1939〜)
元新聞記者。東京都生まれ。主な著書に『反文明の島』『文章の書き方』などある。
❸ 弾誓上人(たんせい しょうにん)(1551〜1613)
室町時代末期から江戸時代前期の浄土宗の僧。
❹遊行聖(ゆぎようひじり)
諸国を行脚して修業する僧。
182 日语综合教程第五册
❺新潟(にいがた)
(1)0本の中部地方北東部、日本海側の県。越後、佐渡ニ国を管轄。面積1.258I万平方キロメー
トル。人口 249.1万。全20市。⑵新潟県中部の市。県庁所在地。信濃川河口に位する港湾都市で、
1858年の日米修好通商条約により日本海沿岸唯一の開港場となった。天然ガスを産し、化学・機
械工業が盛ん。人口 48.3万。
0桜前線(さくらぜんせん)
ソメイヨシノの開花前線。
〇東北(とうほく)
日本の福島•宮城・岩手•青森・山形・秋田六県の総称。東北地方。
❽ 紅枝垂(べにしだれ) 红垂枝樱树
「枝垂」はエドヒガンザクラの園芸種の1種。枝が長くしだれる。このうち、花がとくに濃い紅色
のものを区別して「紅枝垂」という。
❾滝桜(たきざくら)
樹齢数百年といわれる国指定の天然記念物。
®撫(ぶな) 山毛棒,水青冈
ブナ科落葉高本。山地に生え、5月ごろ淡緑色の花を開く。
❿キブシ 旌节花
キブシ科の落葉高本。山地に生え、春、葉に先立って黄色の花を穂状に垂らす。
®「しず心なく」
紀友則(きのとものり)の歌に「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」とあ
る。
®べと
「土」の方言。
®襟裳岬(えりもみさき)
北海道日高山脈南端、太平洋に突出する岬。付近の海域は寒流・暖流の合流点で海霧が発生し
やすい。
(E)呼び子(よびこ) 警笛,哨子
人を呼ぶ合図に吹く笛。ここでは、人とクマが会うことがないように用いる。
(D大花延齢草(おおばなのえんれいそう) 大花朵的延龄草,蜀葵
百合科の多年草。日本の本州中部以北•北海道に分布し、4、5月ごろ、茎の先に大形の白い花を
1個つける。
®蝦夷大桜草(えぞおおさくらそう)
サクラソウ科の多年草。日本の本州中部以北•北海道に分布し、6、7月、濃紅色の4〜8個の花
を輪状につける。•
®辛夷(こぶし) 辛夷
モクレン科の落葉高本。春、葉に先立って芳香ある白色の花を開く。
®楓(かえで) 枫,枫树
カエデ科の落葉高本。葉はてのひら状。
座)露草色(つゆくさいろ) 鸭跖草
露草は、夏に青色の花を開くツユクサ科の一年草。露草色は薄い藍色。縹色(はなだいろ)。
®箱根(はこね)
神奈丿!I県南西部にある景勝地。
医 阿弥陀寺(あみだじ)
神奈川県足柄下(あしがらしも)郡塔ノ沢にある浄土宗の寺。「あじさいでら」とも読む。
函 弾誓上人絵詞伝(たんせいしょうにんえことばでん)
宅亮編(たくりょうへん)。1767年刊。弾誓の伝記・行状を各地に尋ね、それらを2巻にまとめた
もの。
第7課紅山桜 183
7新しい言葉
紅(べに) [名] ①紅花の花弁などを材料とした紅色の色素。Z
袈裟(けさ) 红色;红的色剂、色素。②鮮やかな赤色。紅。頰
覆う(おおう)
紅。/鲜红色,胭脂红。③口紅。/ 口红。
濃い(こい)
[名] 僧侶が衣の上につける長方形の布。左肩から右
なまなましい(生々しい) 脇下にかける。/袈裟,法衣。
旅館(りょかん)
ぬくぬく [他五] ①広がるものをひろげてかぶせて、中のもの
川辺(かわべ) を、外から見えなくしたり、外気に触れないよ
わき(脇)
うにしたり、また、きずつかないように守った
断固(だんこ) りする。/蒙上,盖上,覆盖,遮盖。②知られ
合間(あいま)
自嘲(じちょう) ないように隠す。/掩盖。
[形] ①色が深い。/颜色深,浓。②あるものが含ま
れている割合が多い。成分が強い。/浓,稠,烈,
配。③隙間が少ない。密である。/密。④関係
などが密接である。/密切,亲密。⑤程度•度
合いが強い。/强,大,重。
[形] 少し前にすぐ目の前で起こったばかりのよう
に、あたらしい。/非常新的;生动的,活生生
的,逼真的。
[名] 料金を取って客を宿泊させる家。宿屋。旅籠。/
旅馆,客栈’
[副] ①心地よい暧かさがあって気持ちよい様子。Z
暖烘烘,热乎乎。②苦労も不自由もなくのんび
りと。/舒服,自在。③ずうずうしいようす。Z
满不在乎,厚着脸皮。
[名] 川の近辺。川のあたり。/河边,河的旁边,河
的附近。
[名] ①胸の両側面で腕のつけねの下の部分。/腋下。
胳肢窝。②傍ら。側。/旁边。③目指すものか
らはずれた方向。/旁处,别的地方。④能で主
役の相手を演じる人。/配角。
[副・形動]きっぱりとした意志をもって押し切ってするさ
ま。決意がかたく変わらないさま。/断然,毅
然,坚决。
[名] 続いていたことがとぎれ、また始まるまでの、
比較的短いあいだ。/空闲时间,空儿。•
[名・自サ]自分で自分を軽蔑し、あざけること。/自嘲,自
184日语综合教程第五册
ひざまずく(跪く) [自五] 我嘲笑。
膝を下につけて屈む。尻をあげ両膝を地につい
しぶとい [形] て屈まる。深く敬意や屈服の意志を示す動
かけ回る(駆けまわる) [自五] 作。/跪,跪下。
苦痛や苦境になかなか屈しない。/顽强,倔强。
巨木(きょぼく) [名] ① あたりをあちこちと走って回る。/到处乱跑。
盛り(さかり) [名] ② (あることのために)奔走する。かけずりまわ
怪物(かいぶつ) [名] る。Z四处奔走。
まみれる(塗れる) [自ー・] 非常に大きな立ち木。/大树。
①物事の勢いが一番強いこと。また、その時
照りはえる(てり映える)[自ー] 期。/最盛时期,全盛状态。②人の一生で、精
神的•肉体的に一番元気があり、充実している
繰り返す(くりかえす) [他五]
さまよう(彷徨う) [自五] こと。また、その時期。/壮年期;精力充沛。(3)-
沢(さわ) [名] 花が満開であること。/盛开。④鳥獣が一定の
時期に発情すること。/发情。
費やす(ついやす) [他五] ①正体がわからず、不気味な生き物。/怪物,妖
怪。②不思議な才能や力を持っている人物。/神
思い過ごす(おもいすごす)[他五] 秘人物,怪杰。
粉状や液状などのものが体一面について汚れ
片思い(かたおもい) [名] る。ハ沾满全身。
太陽などの光を反射して、きれいに輝く。/映
照。
また同じ事をする。反復する。/反复,重复。
①当てもなく歩き回る。/彷徨,徘徊,流浪。②
どちらともなく、ただよう。/踌躇,犹豫,迟
疑不决。
①低地で、浅く水がたまり草が茂っているとこ
ろ。/泽,沼泽。②源流に近い、山間の谷川。/
浅谷。
①(時間や金銭を)使ってなくす。/花费,耗费,
消耗,用掉。②無駄に使う。浪費する。/浪费,
白费。
余計なことまで考える。必要以上に深く考えて
余計な心配をする。/思虑过度,考虑过多,胡
乱猜疑。
一方はなんとも思わないのに、片方だけが恋い
したうこと。一方的で相手に通じない思慕。/单
恋,单相思。
第7課紅山桜185