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非凡·新日本语能力考试·N1读解

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Published by johntss124, 2021-05-26 19:20:42

非凡·新日本语能力考试·N1读解

非凡·新日本语能力考试·N1读解

9 筆者は何を言いたいのか。
1  「 あ り の ま ま の あ な た を 愛 し ま す 」 と 言 う 人 は 嘘 を 言 って い る こ と
2  人 の 心 の 中 で の 考 え は と き に は そ の 人 の 顔 に 表 れ る。
3 人のことを知るためには、 その人の顔をまず覚える必要がある。

ひとがら

4  人 の 顔 が そ の 人 の 人 柄 に 必 ず し も 一 致 し て い る と は 限 ら な い こ と

(10)
おおいたけんうす き し

 神戸市から大分県臼 杵 市 に 転 居 し て4年。 閑 静 な 住 宅 地 で 暮 ら し や す
いが、 共働きの家庭が多いので、 昼間は大人同士、 顔を合わせる機会が
少ない。 なかなか親しい人ができず、 少し寂しい思いをしていた。 そん
な時、 自治会が防犯パトロールの参加者を募り、 安心して暮らせる地域
にしようと呼びかけていた。 町内で班を作って週1回、 夕方に通学路など
を見て回るもので、 私も加わることにした。
 昨年11月と今年8月 に 当 番 に な った が、 巡 回 し な が ら 言 葉 を 交 わ す う
ち、 同年代の女性らと打ち 解 け 合 う よ う に な った。 パ ト ロ ー ル を き っか
けに、 少しずつ連帯感が生 ま れ つ つ あ る。 何 か あ った 時、 助 け 合 う よ う
な関係を築くことができればいいと思う。

(渡壁智子「防犯の巡回を機に 町内の連帯感深める」による)

10 筆者の一番言いたいものはどれか。
1  人 と 付 き 合 う 機 会 を 得 る に は 人 が 多 い 住 宅 地 に 転 居 し よ う。
2  人 と 付 き 合 う 機 会 を 得 る に は 近 所 の 人 を 訪 ね て あ い さ つ を し よ う。
3  進 ん で 人 と 付 き 合 う 機 会 を 捜 し て 親 し い 人 間 関 係 を 築 こ う。
4  進 ん で 自 治 会 の 活 動 に 参 加 し て 幅 広 く 人 脈 を 作 ろ う。

94

第三部分 综合练习

  中篇文章练习(8篇)

問題 次の文章を 読 ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の
を 、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

(1)
 幼児は、 大人の 会 話 か ら 短 期 間 の う ち に 言 葉 を 習 得 す る。 5歳 ま で に
は、 関係代名詞を含む複雑な文が話せるようになり、 ほぼ完全な文法を
マスターすると言われている。 ところが中学生ぐらいの年代になると、
外国語を学ぶときには多くの困難が伴う。 これはおそらく多くの人が経
験していることだろう。
 外国語の学習に、 なにか①いい方法はないだろうか。 語学の天才と言
われる人の勉強の仕方を見てみよう。 トロイの遺跡を発掘した19世紀の
ドイツ人、 シュリーマンは、 20歳のころに1年間で英語とフランス語をマ
スターし た。 ス ペ イ ン 語 や イ タ リ ア 語 は、 そ れ ぞ れ6週 間 で 流 暢 に 話

だつ

し、 また書くことができる よ う に な った と い う か ら、 そ の 集 中 力 に は 脱

ぼう

帽せざるをえない。
 彼は、 家庭の事情で若いときから奉公に出され、 冬でも暖房のない屋

(注 )

根裏部屋に住まなければならない ほ ど 貧 乏 だ った。 満 足 な 教 材 な ど あ る
はずもなく、 辞書と1冊の読本だけで、 新しい言葉に挑戦したときもあっ
た。 とにかく音読と暗唱を心がけたようである。 ロシア語を勉強してい
るときには、 その声 の 大 き さ か ら 苦 情 が 出 て、 2回 も 住 所 を 変 え な け れ
ば な ら な い ほ ど だ った。
 シュリーマンのやり 方 に は、 こ れ と い って 特 別 な こ と は な い。 音 読 や
暗唱が大事なこと は、 だ れ で も 分 か って い る。 違 って い る と し た ら、 学
習するときの集中力である。 彼ほどにはできないとしても、 外国語の習
得は、 集中して行なうことが大切なようだ。

95

(注 )奉 公 :こ こ で は 仕 事 を す る こ と

1 ①「いい方法」とはこの場合でどうすることか。
1  音 読 と 暗 唱
2  辞 書 の 活 用
3  文 法 の マ ス タ ー
4  複 数 の 言 語 の 同 時 学 習

2 シュリーマンが語学において成功したカギは何か。
1  言 語 環 境
2  学 習 方 法
3  教 材
4  集 中 力

3 筆者の言いたいことは何か。
1 集中力があれば、 いくつもの外国語は身につけられる。
2 集中して学習を行なうなら、 外国語の習得が可能になる。
3 集中力は勉強の仕方より大切で、 常に練る必要がある。
4 集中して学習に力を入れれば、 だれでも成功する。

(2)
 日本政府が外国人労働者に「一定の枠」をはめているのは、 どこの国に
も共通する姿勢なの で、 間違 って い な い だ ろ う。 し か し、 今 や 不 法 残 留
外国人は20万人にも上り、 彼らは不法な存在 ゆ え に 人 権 が 脅 か さ れ、 困
難に直面している。 なぜ、 こんなに多数が日本を目指し、 不法残留する
のか。 枠が現実に合っていないからではなかろうか。
 日本政府は「単純労働者」を原則として受け入れていないが、 現に押し
寄せてくる外国人の大半が、 その単純労働者である。 円高、 経済大国の
ニッポンに彼らが集まって く る の は、 当 然 で あ る。 日 本 が 戦 前 に 移 民 で
各国の世話になった歴史や、 今の経 済 発 展 が 途 上 国 の 資 源 や 労 働 力 に 大
きく負うことを忘れてはならない。 途上国の彼らを無視する枠のはめ方
は問題だと思う。 今度は日本がリーダーシップを発揮する番だろう。
 彼らは、 現実には日本人が嫌う3K 労働を担っている。 歓迎している中

ていへん

小企業も多い。 日本経済の底辺を現に支えているのだ。 その彼らが合法

96

的に日本の技術や経営をきちんと 学 び、 自 国 へ 戻 って 経 済 建 設 に 役 立 て
られたら、 得るところは大きい。 不法ゆえの社会的圧迫、 人権無視、 健
康破壊が続けば、 彼らはきっと 日 本 に 悪 い 印 象 を 持 って 帰 国 し、 後 々 の
両国関係に悪影響を与えよう。 彼らの人権保障策を早急に確立するとと
もに、 単純労働者も年限を切る、 政府の研修を受けるなどを条件に受け
入れを緩和すべきだと思う。

(小 笠 原 信 之 「 外 国 人 学 生 の た め の 大 学 合 格   小 論 文 」 に よ る )

4 日本政府が外国人労働者に「『一定の枠』をはめている」ことに対し
て、 筆者はどう考えているか。

1 どこの国でもしていることだから、 問題にすることではない。
2 外国から多数の労働者が押し寄せてくるのだから、 当然だ。
3 不法を承知で残留している外国人が多いのだから、 やむをえない。
4 不法残留者が20万人もいるのだから、 現実に合っていない。

5 「一定の枠」はどういうことを指すか。
1  中 小 企 業 が 希 望 の 労 働 者 を 受 け 入 れ な い こ と
2  単 純 労 働 者 を 受 け 入 れ な い こ と
3  途 上 国 の 労 働 者 の み 受 け 入 れ る こ と
4  移 民 労 働 者 の み 受 け 入 れ る こ と

6 筆者は外国人労働者にどう対応すべきだと主張しているか。
1  合 法 的 に 日 本 の 技 術 を 学 ば せ る。
2  条 件 を 付 け て 受 け 入 れ を 緩 和 す る。
3  自 国 に 戻 って 経 済 建 設 に 役 に 立 た せ る。
4  人 権 や 健 康 の 面 で 改 善 す る。

(3)
 十九世紀後半、 文明化の開始と産業化の本格化とともに、 人びとは移
動を一挙に本格化させる。 人びとは生地を離れ、 村から町、 町から都市
へと出かけ、 新 た な 生活 を 開始 し、 か つ て な い 体験 を 重 ね る よ う に な
る。 移動の理由はさまざまで、 移動の数だけ理由はあり、 個人の中にも
複合的に移動の原因は存在するが、 移動にともない、 生地やそれまでの
居住地が「故郷」となり、 同時に、 「故郷」を語る現時の場所が自覚化され
る。 人は自らを語るとき、 生地を出発点に置き、 そこを「故郷」としてと

97

らえてみせる。 あらゆる自伝は生地とそこでの日々から書き起こされ、
「故郷」をさまざまに 語 って み せ る。 「故郷」は 人々 に とって 始原 の 時 間 を
体験した場所=空間であり、 人は、 しばしばノスタルジアの感情で覆っ
て「故郷」を描き出す。
 「故郷」はこうして、 それぞれの人に と って 掛 け 替 え の な い、 切 実 な 場
所=土地として認識され、 意味づけがなされるが、 「故郷」はさまざまな
場所=空間で語ら れ、 公 共 の 空 間 で も お お っぴ ら に 語 ら れ る。 た と え
ば、 サブカル チャー の 領 域 も、 「 故 郷 」 を 語 る 拠 点 の 一 つ で あ る。 歌 謡
曲、 映画、 漫画などでは、 とぎれることなく「故郷」を描き、 歌い続けて
いる。 学校教育でも、 「旅愁」のように「恋しやふるさと、 なつかしき父
母」を繰り返す唱歌が生徒たちに教えられた。
 このことは、 「故郷」が個人の次元に位置づけられるとともに、 共同性
を持ち、 集団の次元を合わせ持つことを示している。

(成 田 竜 一 『「 故 郷 」 と い う 物 語 』 に よ る )

7 人々が「故郷」を目指し始めたのはいつからと言えるか。
1  文 明 を 知 った と き
2  移 動 を 始 め た と き
3  み ず か ら を 語 り 始 め た と き
4  ノ ス タ ル ジ ア を 感 じ た と き

8 「故郷」とはどういう場所だと言っているか。
1  歌 に 歌 わ れ る 場 所
2  掛 け 替 え の な い 場 所
3  映 画 な ど で 芸 術 化 さ れ た 場 所
4  か つ て な い 体 験 を し た 場 所

9 「共同性を持ち」とあるが、 この文では具体的にどういうことを指し
ているか。

1  故 郷 が 人 か ら 人 へ と 語 り 継 が れ る こ と
2  故 郷 は 共 通 の 話 題 に な る こ と
3  故 郷 が 様 々 な 作 品 の テ ー マ に な る こ と
4  故 郷 は 父 母 と 切 り 離 せ な い こ と

98

(4)

 1945年に日本は敗戦を迎えた。 しばらく戦時中に行われていた事が こ
かいめつ

とごとく否定され、 日本語教育もその目的と対象を失い壊滅した。 文字

通り火の消えた状態 と な った。 し か し、 1950年 代 に 入 る と、 次 第 に 復 活
きざ

の兆しが見えてきた。 それは、 学術·文化交流、 経済協力のための日本

し ょう へ い

語教育という形で生まれ変わり、 日本に 招 聘された留学生や技術研修

生等に対して、 ①その本来の目的を達成するための手段としての日本語

教育が行われ始めた。 1962年には、 日 本 語 教 育 学 会 が 発 足 し、 1972年 に
は、 日本の対外文化交流 を 飛躍的 に 発展 さ せ た 国際交流基金 が 発足 し

た。 1980年代に入ると、 ② 中国 の 日本語学習熱 が 一挙 に 高 ま った の を は

じめ、 世界各国で経済大国日本 の こ と ば を 学 ぼ う と い う 外国人 が 急増

か っき ょう てい

し、 1990年代初期まではまさに日本語ブームといった活 況 を呈した。 こ

うして見ると戦後から現在までの日本語教育は、 国際交流のための日本語

教育、 あるいは、 経済大国日本がもたらした日本語教育とも呼ぶことがで

きよう。

10 ①「その本来の目的」とは何を指しているか。
1  文 化 交 流 を 進 め る。
2  留 学 生 を 増 や す。
3  日 本 語 を 復 活 さ せ る。
4  戦 前 の 日 本 を 見 直 す。

11 ②「中国の日本語学習熱が一挙に高まった」要因は何か。
1  日 本 語 ブ ー ム に な った か ら
2  日 本 語 教 育 学 会 が 発 足 し た か ら
3  国 際 交 流 基 金 が 設 立 し た か ら
4  日 本 の 経 済 大 国 化 に な った か ら

12 筆者は「日本語教育」をどう見ているか。
1 日本の文化を世界に発信するため、 各国で行われた。
2  日 本 の 経 済 成 長 と い う 目 標 達 成 に 役 立 った。
3  日 本 の 国 際 交 流 を 盛 ん に す る 手 段 と し て 役 立 った。
4 日本人が敗戦から立ち直るため、 日本で復活した。

99

(5)
 通信大手のKDDIは国際電話 の オ ペ レ ー タ ー 扱 い 通 話 と ジ ャパ ン ダ イ
レクトを来年(2011年)3月末に終了する、 と発表しています。 KDDIの前
身のKDDに37年余り勤め、 ほとんどをオペレーターとして働きました。
だから、 オペレーター通話の廃止を後輩から聞いてびっくりしました。
 オペレーター扱いの国際電話は、 海外と日本を結ぶ通話の中でも非常
に重要な仕事です。 技術革新が進み、 世界各地に自動で電話が掛かると
いう利便は素晴らしいこ と で す。 し か し、 い った ん 災 害 な ど パ ニ ック 状
態になれば、 自動でつ な が る で し ょう か。 海 外 の 親 族 や 知 人 の 消 息、 生
死の確認に至るまで、 オペレーター同士が真剣なやりとりの末につなが
るのです。
 時間がかかっても支払う電話 料 は、 実 際 の 通 話 分 数 だ け で す。 会 社 は
コストの削減を考えているかもしれません。
 しかし、 と私は問いたいのです。 国際電話というライフラインを担っ
ているのはKDDIだけで す。 声 の 外交官 た ち の 仕事 を 存 続 さ せ る こ と が
通信大手の責務と思います。

(杵 渕 智 子 氏 の 文 に よ る )

13 「オペレーター通話の廃止」とあるが、 会社が廃止した理由は何だと
言 って い る か。

1  コ ス ト の 削 減 を 図 る か ら
2  利 用 者 が 減 少 し た か ら
3  技 術 革 新 が 遅 れ て い る か ら
4  ラ イ フ ラ イ ン が 切 れ て い る か ら

14 オペレ ー タ ー 扱 い の 国 際 電 話 を ど う い う も の と し て 紹 介 し て
いるか。

1  自 動 電 話 を 使 う よ り 使 用 料 金 が 安 い。
2  災 害 な ど で 自 動 電 話 が 不 通 の 場 合 も 通 じ る。
3  自 動 電 話 よ り 真 剣 な や り と り が 行 わ れ る。
4  国 際 化 や 技 術 革 新 の 流 れ に 沿 って い る。

15 筆者の言いたいことは何か。
1  オ ペ レ ー タ ー の 使 命 を 後 輩 に 教 え る。
2  オ ペ レ ー タ ー と し て 災 害 時 に 活 躍 し た 例 を 挙 げ る。

100

3  オ ペ レ ー タ ー の 経 験 か ら 今 回 の 業 務 終 了 に 反 対 し て い る。
4  オ ペ レ ー タ ー を や め た 後 も 自 動 化 に 関 心 が あ る。

(6)
 なぜ今脳ブーム が 起 き て い る の か。 そ れ は 自分 の 脳 を こ れ か ら ど う

ぎ しん あん き

使っていったらいいのか、 皆 分 か ら な く て、 疑 心 暗 鬼 に な って い る か ら
だと思います。 おそらく定例的な、 マニ ュ アルに沿った仕事のやり方で

(注1)

は 対 処 で き な い こ と が 非 常 に 多 く な って き て い る か ら で し ょう。

にな

 コンピューターの発達 に よ って、 ホ ワ イ ト カ ラ ー が 担 って い た 事 務 業
務が大変な高速で処理できるようになり、 ①定例的な仕事は必要ではあ
るけれども、 主戦場ではなくなりました。 少なくとも私の周りでは、 そ
の 事 務 処 理 の ほ と ん ど を ITで カ バ ー し て い ま す。
 仕事というのは半分はマニュア ル で 処 理 で き る の で す。 し か し 後 の 半

ぐうゆうせい

分は予測のできないことで動いている。 私は偶有性という言葉を使いま
すが、 ②半分は必然で、 半分は偶然だという概念ですね。 必然部分をコ
ンピューターに任せられる今、 人間 の 脳 に し か で き な い こ と は 予 測 で き

しぼ

ない偶然に対応することに絞られていく。 それがこれから求められる仕
事 の 能 力 に な って い く で し ょう。
 たとえば会話ができる コ ン ピ ュー タ ー は ま だ 存在 し て い な い。 コ ミ ュ
ニケーションは、 多くの偶然的要素 に 対 応 し な け れ ば な ら な い 難 し い 能
力ですから、 その重要性は急速に増しています。 創造性も同じです。 今
までにない新しいものを生み出す力、 ひ ら めきをとらえる力が何より

(注2)

も必要にな って き て い る。 不 確 実 性 が 高 い 時 代 を ど う 生 き 抜 い て い く
か。 そのカギを握っている脳の力の 育 て 方 を 誰 も が 捜 し 始 め て い る の だ
と思います。

(茂 木 健 一 郎 「 ひ ら め き が 身 を た す く 」 朝 日 新 聞 に よ る )

(注1)マ ニ ュア ル :こ こ で は 既 成 の 方 法 の こ と で あ る
えいびん

(注2)ひらめき:思いつき。 鋭敏な頭の働き

16 ①「定例的な仕事」とあるが、 どんなことか。
1  従 来 の 既 成 の 方 法 に 基 づ い た 仕 事 の や り 方
2  人 間 の 脳 の 力 に し か で き な い 仕 事 の 進 み 方
3 コンピューターのおかげで、 すばやく処理できる事務業務
4 ITの発達によって、 先端技術を利用して処理する事務業務

101

17 ②「半分は必然で、 半分は偶然」とあるが、 筆者はなぜ仕事を半々に
分けるか。

1 たくさんの仕事はホ ワ イ ト カ ラ ー と ブ ル ー カ ラ ー が そ れ そ れ 分 担 し
ているから

2 仕事は人間の力で 半 分 は 予 測 で き る 仕 事 で、 後 の 半 分 は 予 測 で き な
い仕事だから

3 もともと、 すべての仕事は人間自身でやっていたが、 今ではコンピュー
ターが全部助けてくれているから

4 コンピュータ ー が で き る 仕 事 は 限 ら れ て い て、 人 間 の 脳 に し か で き
ない仕事も依然として存在しているから

18 この文章の内容に合っているものはどれか。
1 コンピューター技術が高速に発達するにしたがって、 人間は楽に仕事

が で き る よ う に な って き た。
2 事務業務が昔も今も や は り ホ ワ イ ト カ ラ ー を 中 心 に 進 め て い る 仕 事

ほ さ やく

で、 コンピューターはただ補佐役でしかない。
3 今、 脳ブームが起きているのは、 人間はコンピューターがいつかこの

し ゅさ い

世界を主宰することを恐れているからだ。
4 人間は 脳 の 力 の 育 て 方 や 脳 の 働 き に 対 し て、 か つ て な い 関 心 を 示

し、 新しい生き方を求めるようになった。

(7)
 文章というのは「さあ書こう」と 思 って な か な か 書 け る も の で は な い。
まず「何を書くか」という内容が必要だし、 「どんな風に書くか」というス
タイルが必要である。
 でも、 若いうちから、 自分にふさわしい内容やスタイルが発見できる
かというと、 ①これは天才でもないかぎりむずかしい。 だからどこかか

き せい

ら既成の内容やスタイルを借りてきて、 適当にしのいでいくことになる。

(注1)

 既成のものというのは他人にも受け入れられやすいから、 器用な人だ
とまわりから「お、 うまいね」な ん て け っこ う 言 わ れ た り す る。 本 人 も そ
の気になる。 もっとほめら れ よ う と 思 う と い う 風 に し て 駄 目 に な っ
た人をぼくは何人も見てきた。 たしかに文章というのは量を書けばうま
くなる。 でも自分の中にきちんとした方向感覚がないかぎり、 ②上手さの
大半は「器用さ」で終ってしまう。

102

 それではそんな方向感覚はどうすれば身に付くか?これはもう、 文章

うんぬん

云々を別にしてとにかく生きるということしかない。
(注2)

 どんな風に書くかというのは、 どんな風に生きるかというのと大体同

くど

じだ。 どんな風に女の子を口説くかと か、 ど ん な 風 に け ん か す る か と

すしや (注3)

か、 寿司屋に行って何を食べるか、 そういうことである。

(村 上 春 樹 『 村 上 朝 日 堂 』 新 潮 文 庫 よ り )

(注1)し の ぐ :障 害 や 困 難 を 乗 り 越 え て 行 動 す る
うんぬん

(注2)云 々 :あ れ こ れ と い う こ と
くど

(注3)口説く:異性に対して、 愛情を打ち明ける

19 ①「これは天才でもないかぎりむずかしい」とあるが、 筆者は何を言
いたいのか。

1  普 通 の 人 な ら 最 初 は 模 倣 か ら 文 章 を 書 き 始 め る の だ。
2  若 い 人 は 自 分 な り に 文 章 の 内 容 と ス タ イ ル を 決 め る べ き だ。
3 プロ以外の人は、 いい文章を書くことが不可能だ。
4 専門の訓練を受けないと、 いい文章を書くことが不可能だ。

20 ②「上手 さ の 大 半 は 「 器 用 さ 」 で 終 って し ま う 」 と あ る が、 ど ん な
ことか。

1 素材の収集においてとても上手で、 「器用な人だ」とほめられること
2 きれいに文章を書くことができ、 「うまい」と言われること
3 自分のものがなく、 ただうまくまねるだけにすぎないこと
4 うまくまねるだけのみならず、 自分なりのものもあること

21 いい文章を書くには、 必要な条件として最も正しいものはどれか。
1 他 人 の 書 い た 既 成 の 内 容 や ス タ イ ル を 借 り て う ま く 手 を 加 え る

といい。

2 量を書けばうまく な る か ら、 と に か く 文 章 を 量 産 す る こ と が 要 求 さ
れる。

3 「器用さ」だ け で な く、 「上 手 さ」も 考 慮 し、 天 才 的 な 頭 脳 を 養 う の が
必要である。

4 文章を書くとき、 文 章 の 技 巧 以 外 に も さ ま ざ ま な 経 験 を す る の が 大
切である。

103

                        (8)                         
A
   19 歳 の 女 性 で す 。 介 護  の 専 門 学 校 に 通 っ て い ま  す が 、  ク ラ ス に な じ 

めず、 浮いています。 郊外に友だちはいますが、 学校には一人もいま
せん。 私の存在感がまったくないのです。
 友だちがいないのは消極的で自分から話しかけるこ と が 少 な か った
のだと考えると、 人間関係も築けない人間が他人の世話などできるは
ずが な い と 思 い、 自 分 は ダ メ な 人 間 な ん だ と 感 じ る よ う に な り
ました。
 看護士は昔から夢でしたが、 最近ではあまり魅力を感じなくなり、
自 分 の 夢 も そ の 程 度 だ った の か と 空 し く な り ま す。
 友だちがいないというだけで、 こうなるのは情けないのですが、 学
校の教科書を見るだけで涙が止まらなくなる時もあります。
 毎日がつらく学校 を 止 め て 違 う 職業 を 探 そ う と も 思 い ま す が、 で
も、 ここでくじけたくない気持ちもあります。
 ご助言をお願いします。

(相談者 A 子)
                                  
B                                   

                           ク ラ ス に 友 人 が 一  人 も い な い と の こ  と で す が 、 心 配 無 用  で す 。  「友                          

だちの多い積極的で明るい子が良い子」などというつまらぬうたい文

句が学校教育でまかり通ってい る か ら、 あ な た の よ う な 人 が 罪 悪 感 や

劣 等 感 を 持 って し ま う の で す。

 クラスに友だちが一人もいな く て も、 暗 く て 消 極 的 で も ま った く か

まいません。 いろいろな個性があるというだけのことです。 明るく積

極的な人間ばかりの世の中など、 平坦でひだのないつまらない世の中

です。 周りがそんな人間ばかりでは、 私などはすぐに疲れ果ててしま

います。 いろいろな種類の花があるように、 いろいろな個性の人間が

いるから楽しく潤いのある世の中となるのです。

 うたい文句など気にせず、 身体の不自由な人の世話をしたいと考え

たあなたはりっぱな志の 人 で す。 世 の 中 に は あ な た の よ う な、 優 し く

て思い や り が あ り、 孤 独 の 寂 し さ を も 知 って い る 人 を 待 って い る

のです。

ふじわらまさひこ

(回 答 者 :藤 原 雅 彦 )

104

22 A 文はどういうことを相談している文ですか。
1  ク ラ ス に つ い て
2  性 格 に つ い て
3  友 だ ち に つ い て
4  進 路 に つ い て
23 回答者の答えとして、 合っているものはどれか。
1  明 る く 積 極 的 な 人 間 を 目 指 し な さ い。
2  暗 く 消 極 的 な 自 分 を 恥 じ る 必 要 は な い。
3 いろいろな人間がいるからこそ、 世の中は難しい。
4  自 分 ら し く 生 き た い 人 に 看 護 士 の 仕 事 は 向 い て い な い。
24 A 文とB 文の相違点として、 正しい組み合わせはどれか。
1 A 文は友だちの和を問題とし、 B 文は世の中の広さを伝えている。
2 A 文は介護の夢を語り、 B 文は世話する現実を教えている。
3 A 文は性格を悲観し、 B 文は個性を評価している。
4 A 文はクラスの雰囲気を問題にし て、 B 文 は 学 校 の 組 織 を 問 題 に し

ている。

105

  长篇文章练习(5篇)

(9)
 農作物を荒らす野生のシカの捕獲が最近、 急増しているが、 その大半

がオスジカで、 オスとメス の 比 率 が ア ン バ ラ ン ス に な った り、 オ ス の 平

均年齢が急激に下 が った り し て い る。 研 究 者 た ち は 「や み く も に オ ス ば

かり捕っても個体数は減らず、 逆に 遺 伝 的 に 弱 い シ カ が 増 え る な ど の 危

険性がある」と警告している。

 法律で狩猟が認められているのはオスだけ。 ただ農林業の被害の多い

ところでは、 知事の許可を得て「有害鳥獣駆除」として、 オス、 メスとも

に捕獲できる。 しかしハンターはり っぱ な 角 を 持 つ 大 き な オ ス を ま ず 狙
(注1)

う。 一方、 メスはこれまで同様子供を産み続けるため、 農作物の被害は

一 向 に 減 ら な い と い う ① 悪 循 環 に 陥 って い る。

 ホンシュウジカは、 オス 一頭 に 対 し て メ ス 三頭 の 比率。 力 の 強 い オ ス
(注2)

が、 メス二十頭くらいでハーレムを作るといわれる。

(注3) いわ て ご

 ところが、 ここ数年、 ②オスとメスの比率は大きく変化。 岩手県·五

は やま

葉山では、 オス一頭に対しメスは五、 六頭と言われる。

み うらしん ご

 農水省森林総合研究所の三浦慎悟鳥獣管理研究室長、 東北大理学部の

たか き なり き

高規成記助手らが、 1981年から1988年にかけ五葉山周辺で384頭の年齢を

調べたところ、 オスの八割が二歳以下、 九歳以上はほとんどいなかった。

 オスの繁殖活動が最も活発になるのは十歳前後で、 寿命は約十五歳。

「力の強いオスジカ が い な く な った た め に、 弱 い オ ス で も メ ス と 交 わ る

など、 自然の状態か ら か な り か け 離 れ た こ と が 起 こ って い る」 と 三 浦 さ

んは指摘する。

 北海道のエゾジカでも同じ傾向がみられるという。

(注4)

  全 国 で 「 狩 猟 」 と 「 有 害 鳥 獣 駆 除 」 で 捕 獲 さ れ た 数 は1988年 度 が 三 万 四 千

頭で1985年と比べ三割増。 そのうちメスの割合は6%。
ひ ょう ご け ん

  兵 庫県、 岩手県などでメスの捕獲頭数を大幅に増やそうという動き

もあるが、 「生息数を調べないまま大幅に捕獲を増やすと、 絶滅する可

能 性 も あ る 」 と い う 指 摘 も 強 い。(後 略)

(「 シ カ 捕 獲 に 死 角 」 朝 日 新 聞 に よ る )

106

(注1)ハ ン タ ー :猟 師
(注2)ホ ン シ ュウ ジ カ :本 州 鹿
(注3)ハーレム:繁殖期に、 動物が形成する一雄多雌の群れ
(注4)エ ゾ ジ カ :蝦 夷 鹿

25 ①「悪循環」とあるが、 どんなことか。
1 捕獲されているが、 シカの数量が増えていること
2 捕獲されているが、 農作物の被害が依然として大きいこと
3 狩猟が禁止されているが、 捕獲する人が増えていること
4 狩猟が禁止されているが、 角に対する需要がまだ多いこと

26 ②「オスとメスの比率は大きく変化」とあるが、 どういうことを言ってい
るか。

1 オスが増え、 メスが減る。
2 オスが減り、 メスも減る。
3 オスが増え、 メスも増える。
4 オスが減り、 メスが増える。

27 農林被害の多い所でなぜオスが多く捕獲されるのか。
1 立派な角を持ち、 商品価値が高いから
2  法 律 で 定 め ら れ て い る か ら
3  オ ス に よ る 被 害 が 多 い か ら
4  メ ス と 比 べ て 頭 数 が 多 い か ら

28 オスばかり捕獲することのよくない点はどれか。
1  農 林 業 へ の 被 害 が 増 え る と こ ろ
2  メ ス と の バ ラ ン ス が 崩 れ る と こ ろ
3  遺 伝 的 に 弱 い シ カ が 増 え る と こ ろ
4  シ カ が 絶 滅 す る お そ れ が あ る と こ ろ

(10)
ぎ じん か

 絵本などで動物たちを擬人化する場合、 彼らの生き方暮らしぶりなど

じ かい

をよく知った上で書くべきだ、 この ご ろ そ う 自 戒 し な が ら 制 作 に 取 り 組
んでいる。

107

 ①それは、 さまざまな生き物たちと人間が、 これから先いつまでも共

に暮らしていくために重要なことだと思うからだ。 それに、 動物たちの

個性をしっかり見ること で、 キ ャラ ク タ ー が 生 き 生 き し て く る し、 物 語

も膨らんでくる。

 ②トガリネズミを主人公にして、 山登りの話を書こうと思い始めたの

は、 もう18年も前のことだ。 長 い 間 思 い 続 け て き た か ら、 ト ガ リ ネ ズ ミ
のこととなると、 まるで家族や親戚みたいな親しみを覚える。

 今まで絵本や童話に登場してくることがほとんどなかった ト ガ リ ネ ズ

ミを、 なぜ主人公にする 気 に な った か。 そ も そ も の 理 由 は 単 純 で、 そ の

名 前 が 気 に 入 った か ら な の で あ る。“ト ガ リ”と い う 語 感 に 素 朴 さ や 懐 か

しさを感じるし、 高い山の峰を連想させる響きがある。 純朴な田舎の若

者が、 冒険心と好奇心に胸を膨らませ て、 天 に 突 き 刺 さ って い る と 言 わ

れる不思議な山のてっぺ ん を 目指 し て 登 って い く、 そ ん な 物語 の 主 人 公

に ぴ った り と 思 った の だ。

 トガリネズミについて書いてある資料は少ないが、 彼らのことが少し

ずつ分かってくるにつれ、 わが主人公にますます惚れ込んでいった。

 ネズミといっても、 モグラの仲間 の 食 虫 目 だ。 ミ ミ ズ や カ タ ツ ム リ や

昆虫を食べて暮らしている。 体長はわずか五、 六センチ、 最小の哺乳類

だ。 彼らの外見上の特徴はその名の と お り 口 先 と 鼻 が と が って い る こ と

だ。 歯の先が赤 い と い う の も 珍 し い。 コ ウ モ リ た ち の よ う に 超 音 波 を

使って、 物のありかを探ることもできるという。

つる いま いずみ よし はる

 5年ほど前、 都 留 文 科 大 学 の 今 泉 吉 晴 教 授 の 研 究 室 に モ グ ラ を 見 に

行ったとき、 初めてトガリネズミに出会った。

 飼育ケースの前にしゃが み こ ん で、 私 は 憧 れ の ト ガ リ ネ ズ ミ に 見 入 っ

た。 飼育ケースの中には落ち葉がしかれている。 向こうの隅の落ち葉が

モクモクと動いたかと思 う と、 こ っち の 落 ち 葉 の 下 か ら ひ ょっこ り 顔 を

出す。 落ち葉の上で鼻をヒクヒク動かしたかと思うと、 もう落ち葉の下

にもぐりこ ん で い る。 で き れ ば ス ケ ッチ し た い の だ け れ ど、 ち っと も

じっとしていてくれない。 (中略)

 「落ち着かないヤツだな」と私が文句を言うと、 ③「のんびりしたヤツ

だね」とトガリネズミが言い返した。

しんぱくすう

 彼らの心拍数は六百から千二百、 活動は二、 三時間おきに寝起きを繰

り返すというパターン、 寿命も一年とか一年半とか言われている。 トガ

リネズミと人間とでは、 持っている 時 間 が ま る で 違 う の だ。 人 間 み た い

にのんびりしていたら、 彼 ら の 一生 は あ っと い う 間 に 終 わ って し ま う と

108

いうわけだ。
 主人公のトガリネズミは、 体長五センチの目の高さで物を見、 さまざ
まな生き方の動 物 た ち と 出 会 い、 「(  ④  )」 を リ ュック に つ め て 山 を
登 って い く。

(毎 日 新 聞 に よ る )

29 ①「それ」は何を指すか。
1  絵 本 を 書 く こ と
2  擬 人 化 す る こ と
3  よ く 知 った う え 書 く こ と
4  自 戒 す る こ と

30 ②「トガリネズミを 主人公 に し て、 山登 り の 話 を 書 こ う と 思 い 始 め
た」のはなぜか。

1  ト ガ リ ネ ズ ミ を よ く 知 って い た か ら
2  ト ガ リ ネ ズ ミ の 名 前 が 気 に 入 った か ら
3  ト ガ リ ネ ズ ミ を 家 族 と し て 飼 って い た か ら
4  ト ガ リ ネ ズ ミ に つ い て 誰 も 書 い て い な い か ら

31 ③「『のんびりし た ヤ ツ だ ね』と ト ガ リ ネ ズ ミ が 言 い 返 し た」 と あ る
が、 トガリネズミにこう言わせた理由は次のどれか。

1  人 間 が 怠 け 者 だ か ら
2  人 間 が よ く 寝 る か ら
3  人 間 が 動 物 好 き だ か ら
4  人 間 が 長 生 き す る か ら

32 ( ④ )に入る適当なものはどれか。
1  干 し た ミ ミ ズ
2  干 し た 落 ち 葉
3  干 し た サ カ ナ
4  干 し た モ グ ラ

(11)
 アイスキャンデー売りの①不思議な動作に気づいたのは 私 だ け で は あ
りません。 友だちはみんな、 毎日必ず地面に置かれる三つのアイスキャ

109

ン デ ー の こ と を 知 って い ま し た。
 売れ残りを 捨 て て い る の だ と か、 あ れ こ れ 言 い 合 って い た 子 供 た ち
に、 真相を話してくれたのは近所のおばあさんでした。

く う し ゅう

 アイスキャンデー売りは空 襲 で、 三人の子供を亡くしたのです。 焼け
死んだ 小 さ い 人 た ち が い た 場 所 に、 毎 日 キ ャン デ ー を 供 え て い る の
でした。
 「ここに幽霊が出るぞ。 子供の幽霊が三人出て来て、 アイスキャンデー
を食べるんだ。 」
 小学生たちは 言 って、 幽 霊 ご っこ が 始 ま り ま し た。 幽 霊 が 出 る、 幽 霊
が出ると繰り返しながら、 木の周りを回るのです。 単純すぎて、 遊びと
も呼べないような も の で し た が、 幽霊 の ま ね を し て ぐ る ぐ る 回 り な が
ら、 思いつく限りの怖い顔をして見せるのがおもしろく、 暫くの間、 み

(注1)

んなが熱中しました。
 あ る 日、 幽 霊 ご っこ の 最 中 に、 ア イ ス キ ャン デ ー 売 り が や って 来
ました。
 「アイスキャンデーのおばさんの、 子供の幽霊…アイスキャンデーを食
べるぞ。 」
 三人の子供の、 幽霊のふりをしていた小学生たちは、 おばさんの自転
車が止まると立ちすくみま し た。 亡 く な った 人 を お も ち ゃに し て は い け

(注2)

ないと、 心のどこかしらで、 考えたのかもしれません。 ②しかられるの
を覚悟 し て、 し ん とし て い る 小 学 生 た ち に 向 か って、 女 の 人 が 言 い

(注3)

ました。
 「幽霊になって、 会いに来てくれるといいんだけどね。 」
 ③それっきり、 だれも、 何も言いませんでした。
 夏休みが終わると、 アイ ス キ ャン デ ー 売 り は 来 な く な り、 白 と ブ ル ー
とピンクのア イ ス キ ャン デ ー も 姿 を 消 し ま し た。 次 の 年 も そ の 次 の 年
も、 合図の鐘は聞こ え ま せ ん で し た。 小 学 生 だ った 私 は、 ア イ ス キ ャン
デー売りと同じくらいに年を取り、 戦 争 が あ った こ と や 爆 弾 で 吹 き 飛 ば
された子供たちがいたことを忘れかけています。
 「いったい、 どんな味がしたのだろうか、 あのアイスキャンデー…。 お
なかが痛くなってもいいから、 食べておけばよかった。 」
 暑い日に巡り合うたびに④そう思います。 おいしく作られて、 清潔に
パックされたアイスキャン デ ー は、 り っぱ な ア イ ス ボ ック ス に 詰 め 込 ま

(注4)

れていて、 いつでも買えます。
 ちりんちりんと鐘を鳴らしながら、 心の痛みを抑えていたに違いない

110

女の人に、 小学生たちが出会う夏は、 二度とないようにと思います。

(立 原 え り か 「 ア イ ス キ ャン デ ー 売 り 」 ·『 親 父 の 値 段 』 に よ る )

(注1)思 い つ く 限 り の :考 え が 心 に 浮 か ぶ す べ て の
(注2)立 ち す く む :立 った ま ま 身 動 き が で き な く な る
(注3)し ん と し て い る :静 か に な って 何 も 言 わ な い 様 子
(注4)パックする:包むこと。 包装すること

33 ①「不思議な動作」とあるが、 なぜ不思議に思っているか。
1  ア イ ス キ ャン デ ー を 地 面 に 置 く 理 由 が 分 か ら な い か ら
2  キ ャン デ ー 売 り の 人 に 聞 い て も 教 え て く れ な い か ら
3  子 供 た ち は 「 そ れ は な ぜ か 」 と 一 度 も 考 え た こ と が な い か ら
4 キャンデー売 り が い る 時、 近 所 の お ば あ さ ん が 真 相 を 教 え て く れ な

いから

34 ②「しかられるのを覚悟して」とあるが、 これは小学生がどんなこと
を自覚していた表れだと筆者は想像しているか。

1  空 襲 で 焼 け 死 ん だ 子 供 の と こ ろ で 遊 ん で は い け な い こ と
2  勝 手 に 近 所 の お ば あ さ ん に 真 相 を 教 え て も ら って は い け な い こ と
3  自 分 よ り 年 上 の 人 に 対 し て い た ず ら を し て は い け な い こ と
4  な く な った 人 を お も ち ゃに し て は い け な い こ と

35 ③「それっきり、 だれも、 何も言 い ま せ ん で し た」と あ る が、 な ぜ だ
と考えられるか。

1  突然目の前に現れたお ば あ さ ん の 言 葉 に 驚 か さ れ て 何 も 言 え な く な った
から

2  死んだ子供たちが会い に 来 て く れ る こ と を 願 って い る お ば さ ん の 痛 み に
気づいたから

3  死んだ三人の子供の幽 霊 が お ば あ さ ん に 会 い に 来 る と 分 か って 怖 が って
いるから

4 自分が悪い遊び を し た と 分 か った が、 ど う お 詫 び を し た ら い い か 分
からないから

36 ④「そう思います」とあるが、 筆者のどんな気持ちを表しているか。
1  と う と う お ば さ ん の ア イ ス キ ャン デ ー を 食 べ る 機 会 が な く な って 後 悔

111

した気持ち
2  おばさんが毎日アイス キ ャン デ ー を 死 ん だ 子 を 供 え る こ と に 感 動 し た 気

持ち
3 アイスキャンデー売りの お ば さ ん を 今 後 は 見 ら れ な く な る か と 心 配

する気持ち
4 もうしわけな い 気 が し な が ら、 幽 霊 ご っこ を し た あ の 夏 が と て も 懐

かしい気持ち

(12)
 我が国では当然のことながら①家に入る時に靴を脱ぐ。 日本に住んで
いる外国人の中にも日本の習慣になじんで、 この方が清潔でもあり楽だ
と 言 って 実 践 し て い る 人 も い る。
 クラベルの小説「ショー グ ン」は 映画 に ま で な って、 日本 に つ い て の よ
り良い理解といくつかの新しい誤解とを生みだした。 私はこの本が米国

さむらい

で出版されてすぐ読んだのだが、 侍 が 家 の 中 で ス リ ッパ を は い て 歩 く
場面が出て来た途端に ② 読 み 続 け る 意欲 を 失 って し ま った。 多 分 著 者 は
我が国を訪れた際に、 日本家屋 で ス リッパ を 出 さ れ て、 こ れ が 昔 な が ら
の 習 慣 だ と 誤 解 し て し ま った の だ ろ う。
 考えてみると、 靴を脱いだあとに ス リ ッパ を は か せ る と い う 習 慣 は い
つから始まったものな の だ ろ う か。 お そ ら く 明治 に な って 文明 開 化 の 時
代、 いわゆる和洋折衷の住宅が流行したころに考えだされたものだろ
う。 スリッパ を 出 さ れ て も、 廊 下 や カ ー ペ ット の 上 は そ の ま ま で よ い
が、 畳の上では脱いでいただくということになれば、 外国から来た客人
は と ま ど って し ま う に 違 い な い。
 ある時、 ヘルスクラブで 泳 い だ あ と、 ロ ッカ ー ル ー ム で 服 を 着 て い る
と、 隣にい た 米 国 人 と お ぼし き 裸 の 大 男 が、 パ ン ツ と ソ ック ス を は い

(注1)

て、 次に靴をはきはじめた。 私は③これは面白いぞと横目で観察してい
る と、 靴 を は き 終 わ った 男 は、 そ の ま ま ズ ボ ン に 足 を 突 っ込 ん だ。 私 の
倍もありそうな大きな靴をはいているのだから、 足をズボンに通すのは

あくせん く とう

簡単ではない。 悪戦苦闘の末ついに靴が顔を出すと、 彼はおもむろに上

(注2)

半 身 の 身 づ く ろ い に 取 り 掛 か った。
(注3)

 これは日本人には考えられない衣服の着方である。 たとえどんなにあ
わてていたとしても、 靴から先にはくことはない。 日本人は靴というも
のは汚れていると考えている。 歩いていて知らずに犬のフンを踏んだか
も知れないという訳だ。 靴をはいた あ と で ズ ボ ン に 足 を 突 っ込 む と い う

112

事は理解できない。 習慣の違いというものは恐ろしい。

(日 本 経 済 新 聞 夕 刊 「 あ す へ の 話 題 」 に よ る )

(注1)~ と お ぼ し き :~ と 思 わ れ る
(注2)おもむろに:徐々に、 ゆっくりと
(注3)見づくろい: 服を着ること

37 ①「家に入る時に靴を脱ぐ」ことを、 日本人はどのように考えている
のか。

1  家 で は ス リ ッパ を は く も の と 考 え て い る。
2  家 で は 便 利 に な る も の と 考 え て い る。
3  靴 は 汚 れ て い る も の と 考 え て い る。
4  靴 は 邪 魔 に な る も の と 考 え て い る。

38 ②「読み続ける意欲を失ってしまった」理由と し て 考 え ら れ る こ と は
どれか。

1  小 説 の 内 容 で 日 本 の 習 慣 を 誤 解 し て い る と こ ろ が あ る と 気 付 い
たから

2  小 説 が 長 く て 予 想 ほ ど お も し ろ み が な い と 気 付 い た か ら
3 小説 が 外 国 人 の 目 で 日 本 を 見 る も の で、 読 む に た え な い と 気 付 い

たから
4  小 説 の 内 容 は 日 本 人 が み な 知 って い る こ と ば か り だ と 気 付 い た か ら

39 ③「これは面白いぞ」とあるが、 何をおもしろがっているのか。
1 パンツをはいて、 それからソックスをはくこと
2 靴を先にはいて、 それからズボンをはくこと
3 ソックスをはいて、 それから靴をはくこと
4 ズボンをはいて、 それから靴をはくこと

40 筆者の考えとして、 いちばん適当なものはどれか。
1 日本人の家に入るとき、 靴を脱がなければならない。
2 服を着るとき、 順序正しくしなければならない。
3  国 に よ って 習 慣 が だ い ぶ 違 う こ と を 知 る べ き だ。
4  外 国 人 と し て 日 本 の 文 化 を 正 し く 理 解 す べ き だ。

113

(13)
て ん し ょく

 若者が転 職 する理由として、 若者の意識の変化や家族関係の変化の

し てき

影響を指摘する声を耳にする。 若者の仕事に対する考え方や価値観が変

わり、 昔に比べ「勤め続けること」へのこだわりや、 それを大事と考える

き はく

意識が希薄になったという。 少子化 が 進 展 し、 親 と の 同 居 も 増 え て き た

ほご

ことで、 親の保護のもと に 生活 を す る こ と が 容易 に な った、 親 の ス ネを
(注1)

かじりやすくなったといわれる。 そ の 結 果、 生 活 の た め に 働 く 必 要 も 薄

れ、 転職や失業を選択することが多くなったというのだ。

じ ゃく ね ん し ゃ

 たしかに、 若 年者の意識や家庭環境の変化の影響は無視できないも

のだろう。 しかし、 若年が①転職に踏み切る理由は、 本当にそれだけな

(注2)

のか。 もっと自分から転職や失業に 踏 み 切 ら ざ る を 得 な い 別 の 理 由 が あ

るのではないか。

ほこ

 若者からやりがいを感じられる仕事、 誇りや満足を感じることができ

なっとく

る仕事に出会えるチャンスが失わ れ つ つ あ る。 納 得 の い く 仕 事 に 多 く の



若者 が 就 い て い な い。 そ の こ と が、 会 社 を 辞 め る こ と を 決 断 さ せ

ている。

 ②仕事の中身の変化とあわせて、 仕事量がいちじるしく増大している

ことも、 若者の転職の背景となってい る。 多 く の 企 業 は「リ ス ト ラ」と い

はい ご

う言葉を背後にちらつかせながら雇用調整を進めている。 だが、 実際に

(注3) はんえい

は、 企業内部の人員整理のむずかしさを反映し、 ほとんどの場合、 調整

しん き さいよう よく せい

は新規採用の抑制を中心に行われている。 若い社員の立場から考える

と、 それはいつまでたっても後輩の 社 員 が 入 社 し て こ な い こ と を 意 味 す

ま った ん いつ

る。 そのため、 業務の末端としての仕事がどんどん増え続ける。 何時に

かく とく

なっても仕事が 終 わ ら な い。 よ り 高 い 技 術 や 知 識 の 獲 得 へ、 会 社 内 の

ステップアップも期待でき な い。 そ ん な 状 況 の な か、 あ る 日、 若 者 は 転
(注4)

職を決意する。

 転職が増える背景として、 会社に余 裕 が な く な って い る こ と か ら、 若

年 へ の 企 業 内 教 育 訓 練 で あ る オ ン · ザ · ジ ョブ · ト レ ー ニ ン グ (OJT)の 機

会も減っている。 自分の能力をいま 働 い て い る 会 社 の な か で 発 展 さ せ る

じ ゃく ね ん

という期待は失われ、 結果的に転職志向を強めている。 若 年のうちで

もとくに高校卒の場合、 企業内教育の機会が充実している大企業への就

きわ

職が極めて難しくなって い る。 そ の こ と も 若 年 全 体 に つ い て OJTの 減

はく しゃ うなが

少に拍車を掛け、 自発的な転職を 促 している。 若年の自発的転職の増

(注5)

加は、 たんに意識の変化や親のすねかじりだけでは片付けられない。 し

114

かし、 転職の増加をはじめとする若年の雇用状況について、 ③議論はあ

まりに楽観的である。

 若いうちにやりがいのある仕事に出会い、 それに取り組み続けること

ほこ

で、 仕事に誇りと責任を感じることができ、 それが同時に社会全体の活

気を生んで い く。 し か し、 実際 は そ れ と 反対 の 方向 に 社 会 は 進 ん で い

る。 若年の多くが働く意欲を失い、 能力や経験を身につけていない。 そ

た だい

れは将来とりかえしの付かない多大な社会的コストを生むことになる。

(注6)

 にもかかわらず、 若年の置かれている深刻な状況についての声が、 社

ひび

会全体に響いてこない。 若年やブルーカラーの声はかつてならば労働組

合の活動を通じて社会に広く伝わ る ル ー ト が あ った。 し か し、 労 働 組 合

そ しきりつ おおはば てい か

の組織率が大幅に低下したこととあわせ、 このルートは有効に機能して

ち ゅう こ う ね ん だ い そ つ

いない。 かわりに 中 高年大卒ホワイトカラーといった「日本経済新聞」な

かさ こ よう

どの読者層に重なり合う人々の雇用に関する不安の声ばかりが、 政府や

マスコミを通じて広く伝えられている。

(玄 田 有 史 『 仕 事 の な か の 曖 昧 な 不 安 — 揺 れ る 若 年 の 現 在 』 中 央 公 論 新 社 に よ る )

(注1)親のスネをかじる:自活しないで、 親から生活費などをもらって暮
らすこと

(注2)踏み切 る:不 安 が あ る に も か か わ ら ず、 思 い 切 って そ の 事 に 乗
り出す

はい ご

(注3)背 後 に ち ら つ か せ る :暗 示 す る
(注4)ステップアップ:昇進のこと。 地位の向上

はく しゃ

(注5)拍車を掛ける:加速する。 促進する
(注6)とりかえしのつかない:補ったり、 救ったりすることができない

41 ①「転職に踏み切る理由」とあるが、 筆者の意見によると、 本当の理

由は何か。

かほご

1 親の過保護で、 失業しても暮らしていけない心配がなくなるから

2 仕事をやる時の喜 び な ど を 感 じ ら れ な く な り、 納 得 の い く 仕 事 に 就

かないから

3 経済の不景気が長 く 続 い て、 や り が い の あ る 仕 事 を 見 つ け る の が 難

し く な った か ら

そく ばく こん ぽん

4 日本の会社の雇用 制 度 が 変 わ り、 若 者 を 束 縛 す る 古 い 体 制 が 根 本 か

ら崩れたから

115

42 ②「仕事の中身の変化 と あ わ せ て、 仕事量 が い ち じ る し く 増大 し て
いる」とあるが、 その具体例として正しいものはどれか。

1 社員の転職 が 頻 繁 に 起 こ り、 結 局、 一 人 の 仕 事 の 量 が 大 幅 に 増 え て
いる。

2 企業が不況を乗り 越 え る こ と を 考 え、 一 人 の 社 員 に た く さ ん の 仕 事
を割り当てる。

まったん

3 雇用調整は新入社 員 が 採 用 さ れ な い こ と で、 末 端 業 務 が ど ん ど ん 増
えている。

4 高い技術や知識が必要な仕事が増え続け、 業務の内容や量が変わって
きた。

43 ③「議論はあまりに楽観的である」とあるが、 筆者がそう批判する根
拠は何か。

1 若年の離職は企業内教育 訓 練 が 減 って い く こ と と 関 係 が あ る と い う
議論があるから

2 若年の離職は単に 就職意識 の 変化 や 親 の す ね か じ り の 問 題 だ と い う
議論があるから

3 若い社員が仕事に 誇 り と 責任感 を 感 じ る 社 会 が す ぐ 来 る と い う 議 論
があるから

4 若い社員が働く意 欲 を 失 い、 高 い 技 能 を 身 に つ け た く な い と い う 議
論があるから

44 筆者がこの文章で一番言いたいことは何か。
1 若年の深刻 な 就 職 現 状 を 認 識 し、 対 策 を 立 て る か ど う か は、 若 年 の

問題のみならず、 日本社会の将来にもかかわっている。
2 若年の自発的な転職は確 か に 問 題 だ が、 重 大 な 社 会 的 問 題 が 起 こ る

の に つ な が って い な い こ と を 知 って お く べ き だ。
3 若年の雇 用 状 況 を 改 善 し、 社 内 教 育 訓 練 シ ス テ ム を 健 全 に す れ ば、

転職や離職問題をある程度解決することができる。
4 労働組合の組織率 を 大 幅 に 強 化 さ せ、 若 年 や ブ ル ー カ ラ ー の 声 を 政

府やマスコミを通して、 社会に伝えるべきである。

116

第四部分 实战演练

第1回

問題1 次の(1)から(3)の 文章 を 読 ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て
最 も よ い も の を、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

(1)
 子どもはその発達の途上、 二つのことばの獲得を迫られる。
 一つはいわゆる「ことばの誕生」とも呼ばれる。 乳児期から幼児期にか
けての、 あの親たちを喜ばせてやまぬことばである。

(注1)

 そして今一つは、 子どもが学校時代を通して、 新たに身につけてゆく
ことを求められることばである。

じ ゅう そ う せ い

 私たちおとなのことばは、 こうした二つのことばの 重 層 性において

(注2)

成り立つ。 このことを無視したことばや言語についての論議は、 十分な
深さに至らないままに終わるのではないかと思われる。

(岡 本 夏 木 『 こ と ば と 発 達 』 岩 波 書 店 に よ る )

(注1)喜 ば せ て や ま ぬ :喜 ば せ て な ら な い
(注2)重 層 性 :い く つ も 重 な って い る こ と

1 「このこと」とあるが、 何を指しているか。
1  家 庭 の こ と ば と 学 校 の こ と ば の 違 った 点
2  親 た ち と 先 生 た ち の こ と ば を 調 和 す る 必 要 性
3  言 葉 の 発 達 の 過 程 に お け る 重 層 性
4  お と な の 言 語 に 関 す る 論 議 に い た る 深 さ

(2)
 来春卒業予定の高 校 生 の7月 末 現 在 の 求 人 倍 率 は0.67倍 で、 昨 年 よ り
も厳しいとの記事を読んだ。
 私が大学生 だ った 当 時 も 就 職 氷 河 期 と 呼 ば れ、 悪 戦 苦 闘 し た。 し か
し、 今年は、 もっと 深 刻 な よ う だ。 今 の 日 本 の 企 業 は、 即 戦 力 を 望 み、

117

新卒者を戦力として養成する余裕がないとも聞いた。 戦力になるための
経験も積め な い と い う こ と で あ れ ば、 学 生 た ち に と って は 切 実 な 悩 み
だ。 私から見ると、 元気でやる気満々の若い人たちがその資質を磨く機
会さえ奪われているようで、 もどかしくてならない。

(山 本 智 子 氏 の 文 に よ る )

2 高校生の就職率が低い理由は何か。
1  企 業 に 新 卒 者 を 雇 う 余 裕 が な い か ら
2  資 質 を 磨 か な い 学 生 が 多 い か ら
3  戦 力 に な る 学 生 が 少 な い か ら
4  企 業 が 新 規 採 用 を 控 え て い る か ら

(3)  
件 名 :ア ン ケ ー ト 調 査 協 力 の お 願 い

お客様各位
拝啓
 紅葉の美しい季節になりましたが、 皆様にはご健勝にお過ごしのこ
ととお喜び申し上げます。
 さて、 過日は当ホテルをご利用いただきまして、 誠にありがとうご
ざいました。 私どもの料理、 おもてなしにはご満足いただけましたで
しょうか。 私どもでは、 お 客様 の 声 を 大 切 に し、 ご 意 見 を 今 後 の 指 針
とさせていただいております。
 お忙しいところ恐縮でございますが、 よろしければご感想やお気づ
きの点をお教えいただければ幸 い で ご ざ い ま す。 添 付 フ ァイ ル の ア ン
ケートにお答えいただき、 ご返送くださいましたお客様には、 謝礼と
して当ホテルのお食事券を折り返しプレゼントさせていただきます。
 また近 い う ち に、 当 ホ テ ル で お 目 に か か れ ま す こ と を 願 って お
ります。
 取り急ぎ用件のみにて失礼いたします。

敬具

東洋ホテル支配人
田中一郎

118

3 このアンケートの目的は何か。

1  利 用 者 数 の 増 減 を 知 る。
2  利 用 者 の 年 齢 層 を 知 る。
3  利 用 者 の 予 算 を 知 る。
4  利 用 者 の 要 望 を 知 る。

問題2 次の(1)から(3)の 文章 を 読 ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て
最 も よ い も の を、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

(1)
 津波の直撃をもろに受けた東北の街で住民が屋上や校庭に書いた大き

な「SOS」や「HELP」が連日、 ①世界各国のテレビに映し出されている。

 インド紙「ビジネスライン」は、 同国のタイヤ大手企業幹部が出張先の

う つのみや とち ぎ

宇都宮氏(栃木県)で、 生まれてはじ め て の 地 震 に す く み あ が った 話 を 取

り上げた。 「日本人は誰もがパニックに陥らなかった。 動揺する外国人を

机の下にもぐら せ、 避難場所 へ 手 際 よ く 誘 導 し て く れ た」 と 体 験 を 紹

介。 「地震にここまで冷静に対処できる国は日本をおいてほかにはない」

たた

と称えた。

 中国の「環 境 時 報」も「数 百 人 が 広 場 に 避 難 し た が、 毛 布 や ビ ス ケ ット

が与えられ、 男性は女性を助けていた。 3時間後に人がいなくなった時、
ゴミ一つ落ちていなかった」という 滞 日 中 国 人 の 声 を 拾 い、 「日 本 人 の 冷

静さに世界が感慨を覚えている」と報じた。

 今月(3月)11日 以 来、 世 界 の 目 が 日 本 に 注 が れ て い る。 日 本 ほ ど 周 到

に地震に備えてきた国はない。 その日本が壊滅的被害を受けた今、 他国

みぞう

はどう備えたらよいのか。 他国の人々はこの未曾有の地震をわが事と受

け止め、 かつてない恐怖を感じている。

 海外から見ると、 普段の日本はよくも悪くも目立たない国の一つだ。

こうばん

めまぐるしく首相が交代しても、 「力量不足がまたひとり降板した」と突

き放した調子で論評 さ れ る。 国内総生産(GDP)世界2位 の 座 を 中 国 に 抜


かれて も、 「日 本 が 今 ま で2位 だ った こ と を み ん な 忘 れ て い た 」 と 素 っ
けな

気無い。

 しかし、 ② 今回 は 違 う。 震災 は 日本 に 向 け る 世界 の 視 線 を 一 変 さ せ

た。 各国が日本の経験から一つでも多くの教訓を学び取ろうと懸命に

な って い る の だ 。

(山 中 季 広 氏 の 文   朝 日 新 聞 に よ る )

119

4 ①「世界各国のテレビに映し出されている」とあるが、 各国の反応と
して正しいものはどれか。

1  自 然 の す さ ま じ い 破 壊 力 に 恐 怖
2  被 害 の 甚 大 さ に 同 情
3  市 民 の 冷 静 さ に 賛 嘆
4  国 の 対 策 を 評 価

5 ②「今回は違う」とは、 いつのことを言っているか。
1  首 相 交 代 後  2  震 災 の 後    3  復 旧 の 後    4 GDP3位 以 後

6 ②「今回は違う」とあるが、 何が「違う」のか。

1  関 心 の 度 合 い が 低 く な った こ と
2  関 心 の 親 密 性 が 増 し た こ と
3  関 心 の 範 囲 が 広 が った こ と
4  関 心 の 緊 急 性 が か か った こ と

(2)
 日本の大学も、 やっと自 己 点 検 評 価 の 時 代 に 入 って き た。 ア メ リ カ の

大学では、 大学 や 学科 ご と の 評価 の ラ ン キ ン グ が 公 表 さ れ て い る。 ま

た、 学生たちの評価が先生方の昇格などの評価の参考にされる。

 この背景には、 常 に 個 人 の ア イ デン テ ィテ ィや ク リ エ イ ティビ テ ィを
(注1) (注2)

重視する習慣や、 良いものは良い、 悪 い も の は 悪 い と い った 評 価 の 習 慣

が社会に定着しているからである。

 これは 大 学 に 限 った こ と で は な い。 た と え ば、 NY タイ ム ズ に は、
(注3)

オーケストラのランキングが毎年のように発表される。 良い指揮者に恵

まれ、 良い演奏会 が 続 く と、 こ の ラ ン キ ン グ が 急 上 昇 す る。 し た が っ

て、 上位をキープする競争も激しい。 ランキングが上がるとレコードの

(注4)

録音も増える。 そうなると団員の収入も増加する。 つまり、 評価結果は

最終的には個人に反映されることになる。 このように評価がダイナミッ

クなところがいかにもアメリカ的である。 しかし日本の場合は、 その評

価が固定化してしまう傾向がある。

 話を戻そう。 自己点検評価というからには、 大学生がみずから評価基

準や評価方法を決めることになる。 これらの評価基準が自分たちだけに

都合の良いものでは、 競争の原理を取り入れたことにはならない。

120

 これらの評価結果が公開され、 その気になれば誰もが大学のアクティ
(注5)

ビティを自分の基準で評 価 で き る。 そ う な れ ば、 レ ッテ ル だ け で 大 学 を

選ぶ現状の打破につながることが期待される。 競争は始まった。

(注1)ア イ デ ン テ ィテ ィ:自 己 認 識
(注2)ク リ エ イ テ ィビ テ ィ:創 造 性
(注3)NYタ イ ム ズ :ニ ュー ヨ ー ク · タ イ ム ズ の こ と (新 聞 社 名 )
(注4)キ ー プ す る :確 保 す る
(注5)ア ク テ ィビ テ ィ:行 動

7 アメリカで自己点検評価が行われる理由は何か。

1  ラ ン キ ン グ を 発 表 す る メ デ ィア が 多 い か ら
2  評 価 の 習 慣 が 社 会 に 根 付 い て い る か ら
3  個 人 の ア イ デ ン テ ィテ ィに 対 す る 関 心 が 薄 い か ら
4  物 事 を 固 定 的 に と ら え る 習 慣 が な い か ら

8 「ダイナミックなところ」とはどういうことを指すか。

1  ラ ン キ ン グ が 上 が る と 個 人 の 収 入 も 増 え る。
2  ラ ン キ ン グ が 上 が る と 競 争 が 激 し く な く な る。
3 ランキングを上げるため、 優秀な人材を集める。
4 ランキングを上げるため、 評価基準を変える。

9 日本の大学が自己点検評価を取り入れる効果は何か。

1  ラ ン キ ン グ が 毎 年 公 表 さ れ る。
2  大 学 間 の 無 駄 な 競 争 が な く な る。
3  レ ッテ ル で 大 学 を 選 ぶ こ と が な く な る。
4  学 生 が 先 生 方 の 昇 格 を 決 め る。

(3) り ょく い ん り ょく そ う
と やましげ ひ こ

 外山滋比古氏は 緑 陰 緑 想という言葉を解説した文章のなかで、 ヨー

ロッパには古く か ら 歩 き な が ら 考 え る 伝 統 が あ る と 指 摘 さ れ、 「戸 外 の

思考」と呼んでおられる。 1日1、 2時 間 か け て 散 歩 す る と、 大 自 然 の 営 み
と自分とが一体化して、 精神活動が活発になるというわけである。

 歩行中にいろいろなヒラメキを得た経験は誰にでもあるだろう。 通勤途

121

中に駅の階段を上っているとき、 会社の廊下を歩いているとき、 思わぬア
イデアが頭の中をよぎる。 それは大自然の中での思考に比べるとスケール
が小さいかもしれないが、 机の前でじっとしていたのでは考え付かないよ
うなものばかりである。 論理的なものであることもあれば、 言葉になる以
前の形とか色とかだけのこともある。 時間にしたら一瞬のことだ。
 これらのアイデアを誰もが確実に記憶できて実践できれば、 経済面で
も文化面でも、 人間の活動はもっと 発 展 的 な も の に な る は ず だ。 と こ ろ
が多くの場合そうはいか な い。 状 況 が 変 わ る と コ ロ ッと 忘 れ て し ま う。
階段を上り下りしながら思いつい た こ と は、 電 車 に 飛 び 乗 った 瞬 間 に 忘
れてしまう。 同じ状況が短時間しか続 か な い の で、 せ っか く の ア イ デ ア
が十分熟成しないうちにこぼれ落 ち て し ま う の で あ る。 非 常 に も った い
ない。
 人の姿も音声も、 記録再生が簡単に で き る よ う に な った。 ビ デ オ を 見
たり、 テープを聞いたりするような感覚で、 自分の精神活動を追体験で
きるようにならないものだろうか。

10 筆者はアイディアの得られる場所としてどこが最適と言っているか。
1  駅 の 階 段
2  会 社 の 廊 下
3  机 の 前
4  戸 外

11 「人間の活動はもっと発展的なものになるはずだ」とあるが、 人間活
動 が 発 展 す る の に 何 が 必 要 と 言 って い る か。

1  ア イ デ ィア の 実 践
2  ア イ デ ィア の 熟 成
3  ア イ デ ィア の ス ケ ー ル を 大 き く す る。
4  ア イ デ ィア を 豊 か に す る。

12 筆者が今、 切実に求めているものは何か。
1  ヒ ラ メ キ を 得 る 場 所 の リ ス ト
2  ヒ ラ メ キ を 得 る 生 活 の ゆ と り
3  ヒ ラ メ キ を 持 続 さ せ る 方 法
4  ヒ ラ メ キ を 記 録 に 残 す 方 法

122

問題3 次の文章を読ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の
を 、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

 「負ける」とは何なのであろう。 そ の 意 味 は 子 供 で も 知 って い る。 相 手
より力が劣って対等に立ち向かえ な い と い う こ と だ。 た し か に 語 義 は そ

(注1)

うなのであるが、 しかし、 日本人は「負ける」ことを、 必ずしも語義どお
りに受け取っていないよ う な の で あ る。 相 手 よ り も 劣 って い て、 ま とも

(注2)

に立ち向かえないという こ と は、 け っし て 好 ま し い こ と で は な い。 地 球
上のどんな民族でも、 負けることを欲するなどというそんな例はない。
ところが、 日本人は負けることをそれほど恐れず、 大して嫌がりもしな
かった。 「負けるが勝ち」と い う こ と わ ざ が、 何 よ り も そ の 間 の 消 息 を よ
く 語 って い る。
 負けるが勝ち——というのは、 相 手 に 勝 ち を 譲 って や る こ と が、 結 局
は相手に勝つことになるという意味である。 ①それはどんな場合か。 相
手と対等の立場に立たず、 相手よりも優越した次元に身をおいて、 負け
てやることができる、 そ う し た 場合 で あ る。 も っと 具 体 的 に 言 う な ら、
「負ける」と い う 日本語 の 中 に は、 ② 相手 に 花 を 持 た せ、 自分 は 実 を 取
る、 そのような暗黙の計算が含まれているのだ。 だから、 取り引きの際
に値段を引くのを「負ける」というのである。
 この場合、 「負ける」とは、 相手の要求に屈するということだが、 相手

こうむ

の要求に屈しても 売 り 手 は 決 し て 損 害 を 蒙 った わ け で は な い。 た し か
に利益はいくばくか減じはしたが、 そ れ で も 儲 け は ち ゃん と 確 保 さ れ て

(注3)

いるのだ。 むろん相手もそれ を 知 って い る。 知 って い れ ば こ そ、 「負 け」
を相手に強要するのである。 したがって、 こうした取り引きの前提は「負
けるが勝ち」と い って も い い。 売 り 手 は 負 け る こ と に よ って、 結 局 は 儲
け、 勝利を得るのだから。
 この意味で、 日本人はあまり勝負 に 拘 ら な い 民 族 と 言 って も い い で あ
ろう。 なぜ拘らないのかというと、 日本人は、 勝敗というものは、 一概
に決められないと考えて い る か ら で あ る。 勝 った と 思 って も、 実 は 負 け
ていることがあるし、 反対に③負け た と い って も 意 外 に そ れ が 勝 利 へ 通
じ て い る 場 合 が あ る こ と を し っか り 洞 察 し て い る の だ。
 そこで日本人は、 「負ける」ことをしばしば戦術にする。 「おまけ」とい
う日本語は、 それを雄弁 に 語 って い よ う。 「お ま け」と は、 本 来 の 商 品 に
別の商品を加えて客に渡すこと、 すなわち景品のことである。 日本人ほ
ど「おまけ」の好きな国民はいない。 日本 人 の 商 戦 は「お ま け」か ら 成 って

123

いると言ってもいいほど だ。 「お ま け」と は、 す な わ ち 客 に 負 け る こ と で
あり、 負けることによって客に勝ち、 さ ら に 競 争 相 手 に 勝 つ 戦 略 に ほ か
ならない。

(森 本 哲 郎 「 日 本 語   表 と 裏 」 に よ る )

(注1)立 ち 向 か う :対 抗 す る
(注2)ま と も に :正 面 で
(注3)い く ば く か 減 じ は し た :多 少 少 な く な った

13 ①「それ」は何を指すか。
1 負けることを恐れず、 嫌がりもしないこと
2  相 手 よ り も 優 越 し た 次 元 に 身 を 置 く こ と
3 相手に勝ちを譲るが、 結局相手を負かすこと
4  相 手 に 負 け る よ う に 見 え て 結 局 は 勝 つ こ と

14 ②「相手に花を持たせ、 自分は実を取る」とあるが、 どういう意味か。
1 表面上は勝っているが、 実際には負けていること
2 勝ちを譲り、 自分は負けたままで我慢すること
3 表面上は勝ちを譲るが、 実質的に勝利を得ること
4 勝ちを譲り、 取引上の信用を堅く守ること

15 ③「負けたといっても意外にそれが勝利へ通じている」とは、 取り引
きの際の売り手の立場では具体的にどう言うことか。

1  日 本 人 は あ ま り 勝 負 に 拘 る 国 民 根 性 を 持 って い な い と い う こ と
2  日 本 人 は あ ま り 勝 負 に 拘 ら な い 国 民 根 性 を 持 って い る と い う こ と
3 利益は少し増えるが、 儲けはちゃんと確保されていないということ
4 利益は少し減るが、 儲けはちゃんと確保されているということ

16 この文章の概要として正しいのはどれか。
1 相手と常に対等の 立 場 に 立 と う と す る 日 本 人 に は、 取 り 引 き に お い

て利益をあげることに拘らない傾向がある。
2 勝敗は単純には決 め に く い と 考 え て い る 日 本 人 に は、 取 り 引 き に も

表面上の勝負に拘らない傾向が現われている。
3 常 に 儲 け を 追 求 し 経 済 的 な 豊 か さ を 確 保 し よ う と し て い る 日 本 人

は、 勝敗自体には拘らない傾向を持っている。

124

                   4 日本人は取り引き に お い て 勝 敗 に 心 掛 け て い る が、 表 に 現 わ れ る こ                    
と に 拘 ら な い 傾 向 を 物 語 って い る。

問題4 次のAとBはTPP 参加に関 す る 賛 否 を め ぐ る 意 見 文 で あ る。 そ れ
ぞれの文を読んで、 後の問いに対する答えとして最もよいもの
を 、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

A
   政 府 が 協 議 開 始 を 決 め  た 環 太 平 洋 経 済 連 携  協 定 (T PP ) に つ い て 、 賛 
否を問う議論がされている。 参加すれば、 関税が原則撤廃され、 我が

べいはん

国の農業が危機にさらされると言われている。 そこで、 私は米飯給食の拡
大を提案したい。
 私の住む市では今年6月 下 旬 か ら、 す べ て の 公 立 小 中 学 校 の 給 食 で
パンを減らし、 米飯を週2回から4回に増や し た。 全 国 で 米 飯 給 食 が 増
えれば、 米の需要や自給率の向上、 地産地消による食育など、 様々な
効果が期待できる。
 幼少期からパンを主食にして い る と、 大 人 に な って も 継 続 す る と 言
われる。 農業団体はTPPに 反対 の 声 を 上 げ る ば か り で は な く、 米 飯 給
食の導入に活路を見い出してはどうだろうか。

(五 十 畑 潤 一 「TPP 参 加 に 備 え   米 飯 給 食 で 食 育 を 」 に よ る )

B
   関 税 の 原 則 撤 廃 を 目 指  す 環 太 平 洋 経 済 連 携  協 定 (T PP ) に つ い て 、 政 
府は協議開始を決めたものの、 参加の是非の判断は先送りした。 国内
農業への打撃などを懸念 す る の は も っと も な こ と だ が、 今、 こ の 流 れ
に乗り遅れれば、 日本は世界から取り残される一方だ。
 私はむしろ、 逆の発想をしたらどうかと考えている。 何よりも日本
の米や野菜はおいしく、 技術力に匹敵する財産だ。 先日、 ベトナムの
原子力発電の事業受注が事実上 日 本 勢 に 決 ま った が、 農 産 物 も 同 じ よ
うに官民一体で「日本ブランド」として売り出してはどうか。
 中国の富裕層には日本の米や果物は高くても売れると聞く。 関税が
なくなれば、 多くの国で日本の農産物が喜ばれるだろう。

(原 園 直 子 「 日 本 が 誇 る 農 産 物   世 界 へ 売 り 出 す 時 」 に よ る )

125
                                                                     
                                  

17 A 文では、 TPPによる農業への影響にどう対応すると言っているか。
1  幼 少 期 か ら 米 を 主 食 に す る。
2  学 校 給 食 で 米 の 回 数 を 増 や す。
3 自給率向上のため、 米の生産を増やす。
4 地産地消を守るため、 あくまで反対する。

18 B 文の意見に合っているものはどれか。
1 TPPを 他 国 の 農 業 に 対 抗 す る た め の 技 術 力 を 高 め る チ ャン ス と 見

ている。
2 TPPを機にして農産品を日本ブランド化し、 輸出拡大に向かう。
3 政府は農業への打撃を踏まえ、 TPP参加には慎重であるべきだ。
4 おいしい米を作れば、 安い外国米に敗れるおそれはない。

19 A 文とB 文の相違点と共通点はそれぞれどれか。
1  相 違 点:Aは 食 料 と し て の 米 を、 Bは 産 業 と し て の 農 業 を 考 え

ている。
共通点:TPPは安い農産物 の 流 入 に よ り、 農 業 に 打 撃 を 与 え る と 考

えている。
2 相違点:Aは 公 共 の 場 で の 米 の 消 費 を、 Bは 家 庭 で の 消 費 を 考 え

ている。
共 通 点 :TPPは 交 渉 次 第 で 農 業 に も 有 利 に 働 く と 考 え て い る。
3 相違点:Aは米を食育の 教 材 と し て、 Bは 商 品 と し て の 味 と し て 考 え

ている。
共通点:TPPは農業に打撃を与えるので、 保護しなければならない。
4 相違点:AはTPP参加に積極的であり、 一方 Bはやや消極的に考えて

いる。
共通点:TPPは農業にはマイナスだが、 産業界全体としてはプラスに

なると考えている。

問題5 次の文章を読ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の
を 、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

 ①現代の文明は完全に機械の文明である。 多くの単純労働において、
機械は人間より、 はるかに多くの能力を発揮することは、 すでに十九世

126

紀において明らかになった。 そして や が て 複 雑 な 労 働 す ら、 機 械 は 人 間
に代わってすることがで き る よ う に な った。 そ し て 最 後 に、 頭 脳 労 働 に
おいてすら機械は、 人間に勝るよう に な った。 勤 勉 が 絶 対 の 価 値 で あ る
ことを失うのである。
 なぜなら 汗 水 垂 ら し た 労 働 よ り、 む し ろ ゆ と り を 持 った 自 由 な 思 惟
が、 技術の発明に好都合であることが多いからである。 機械は人間より
もはるかに勤勉で す ら あ る。 か く し て、 勤 勉 は、 価 値 の 王 座 か ら 落 ち
る。 それとともに、 ②繁栄ももはや価値の王座に、 君臨することはでき
ない。 なぜなら、 繁栄は、 現在、 先進的資本主義国にほぼ実現され始め
た価値であるからである。 もちろん物質的繁栄には限りはないが、 今、
物質は先進国において、 そろそろ過剰になり始めているのである。 しか
もその繁栄には、 自然が犠牲に供されるのである。 つまり、 自然を自己
の意思によって征服することが、 こ こ で は 繁 栄 の 条 件 で あ る が、 こ の よ
うに、 人為により痛め付けられた自然が人間に復讐をしないかどうかが
問 題 と な って き て い る の で あ る。
 今日は、 自然は、 その調和を乱しつつある。 緑の山野は、 一面に荒れ

だ く り ゅう

果て、 清流は濁 流 となり、 野生の獣はもちろん鳥や魚も一日一日少な
くなる。 大都会のコンクリートの中に あ って、 人 間 が 果 た し て 生 き る こ
とができるかどうかは、 はなはだ疑問である。 公害の問題は、 そういう
自然破壊の一つの現れであろうが、 病 は も っと 根 本 的 な と こ ろ に あ る。
この よ う な 繁栄 と 自然征服 と い う 価値 が 揺 ら ぎ 始 め て き て い る の
である。
 そして、 や が て 進歩 も 文明 の 目標 で は な く な る。 進 歩 の 思 想 に お い
て、 未来は現在よりよくなるという観念がある。 ここでは現在は現在と
して価値あるのではない。 むしろ現在は、 未来のために是認されるので
ある。 こういう人生観のみが価値をもつとき、 われらは、 父や母より進
歩しているが、 われらの子はわれらより価値があるということになる。
 今日、 この勤勉—繁栄—進歩の価値観が急速に崩れていく。 代わって、
遊び—自然—自由の価値観が、 価値として登場してくる。 そこでは、 一
切の労働から離れ、 自由 で、 自然 に 帰 った 生 活 を 送 る こ と が、 人 間 の 理
想となる。
 このように、 勤勉—繁栄—進歩の価値観は崩壊しようとし、 それに代
わって、 遊び—自然—自由が、 新しい 価 値 観 と し て 立 て ら れ よ う と し て
も、 なおそのような価値観は人類を長い間支える価値観とはならないで
あろう。 なぜなら、 い った ん、 ③ 文 明 の 木 の 実 を 食 べ た 人 間 は、 再 び、

127

非文明へ逆転することはできないからである。 対立する二つの価値観を
どのように調和するか、 どのように総合するが、 そういう工夫の中に新
しい文明の原理は見つけ出されると、 私は思う。

(梅 原 猛 「 日 常 の 思 想 」 に よ る )

20 ①「現代の文明は完全に機械の文明である」とあるが、 筆者は「現代」
を ど う い う 時 代 だ と 言 って い る か。

1  機 械 が 人 間 を 支 配 す る 時 代
2  勤 勉 と い う 価 値 観 が な く な る 時 代
3  自 由 な 思 惟 が 失 わ れ る 時 代
4  頭 脳 労 働 に お い て も 機 械 が 勝 る 時 代

21 ②「繁栄ももはや価 値 の 王 座 に、 君 臨 す る こ と は で き な い」 と あ る
が、 筆者がこのように考える根拠はどれか。

1 繁栄が目的ではなく、 手段となっていること
2  物 質 的 繁 栄 に は 限 り が な い こ と
3  物 質 が 過 剰 に な り つ つ あ る こ と
4  自 然 が 犠 牲 に 供 さ れ て い る こ と

22 文章で言っている③「文明の木の実を食べた」は、 どういう意味で使
われているか。

1  機 械 文 明 の 便 利 さ を 知 った。
2  機 械 文 明 の 複 雑 さ を 知 った。
3  機 械 文 明 の 進 歩 を 知 った。
4  機 械 文 明 の 限 界 を 知 った。

23 この文章全体で述べているのはどれか。
1 現代 の 文 明 は、 人 間 の 勤 勉 さ を 必 要 と し な い ほ ど の 発 展 を 遂 げ た

が、 その結果は物質の過剰を招いたのである。
2 人間は自然を犠牲にして繁栄を続けてきたが、 今後は、 自然の持って

いる価値を第一に考えて生きるべきである。
3 人間と文明とは切 り 離 す こ と が で き な い し、 価 値 観 も 変 化 す る も の

なので、 相互の調和を図ることが必要である。
4 勤勉や繁栄などの 価 値 観 は 古 い も の で、 人 間 は 新 し い 価 値 観 に も と

128

づいて、 遊びや自由を大切にするべきである。
問題6 次のページは、 講 座 開 設 案 内 で あ る。 下 の 問 い に 対 す る 答 え と

して、 最もよいものを1·2·3·4から一つ選びなさい。
24 広報についての説明に合っているものはどれか。
1 広報は広報誌で行われ、 内容をインターネットで知ることができる。
2 広報は携帯サイトで行われ、 窓口でも内容を知ることができる。
3 広報は新聞紙上で行われ、 広報誌上でも知ることができる。
4 広報は広報誌で行われ、 はがきで内容を知ることができる。
25 申し込みはどうしたらいいか。
1 申し込みは往復はがきで行い、 結果は電話で連絡する。
2  申 し 込 み は 携 帯 サ イ ト で も 可 能 で 結 果 は ネ ット で 確 認 す る。
3 申し込みは往復はがきで行われ、 その場で登録される。
4 申し込みは窓口でも行われ、 結果は携帯サイトで知ることができる。

129

                                                                                                                                             
生涯学習プラザ及び地域公民館講座開設案内

 生涯学習プラザ及び各地域公民館では、 いろいろな講座を開設しております。
お申込み方法は、 往 復 は が き ま た は、 生 涯 学 習 情 報 シ ス テ ム (キ ュー ト ピ ア ネ ッ
ト )に て お 願 い い た し ま す。

■ 募集のお知らせ
◎ 応募の広報は、 応募時期 の「市民 の ひ ろ ば」及 び「生涯学 習 プ ラ ザ だ よ り」、
「 公 民 館 だ よ り 」(4,6,9月 号 )な ど で 行 い ま す。
◎ 申込みについては、 それぞれの募集時期に広報しますので、 所定の期日ま
でにお申込みください。
◎ インターネットや携帯 電 話 サ イ ト を 利 用 し て、 講 座 の 情 報 を 検 索 す る こ と
ができます。
◎ 講師等の都合により講座名や学習内容等が変更される場合があります。

■ 申込み方法
1.往 復 は が き に よ る 申 込 み
  ∗ 講座が開設される施設に締切までにお申込みください。
2.イ ン タ ー ネ ット · 携 帯 電 話 サ イ ト に よ る 申 込 み
  ∗ 携帯電話サイトのアドレスはhttp://www.qtopianet.com/i/です。
3.各 施 設 の 窓 口 で の 申 込 み
 ∗各施設に所定の申込み用紙が備えてあります。 必ず、 官製はがきをお持ち
になり、 お申込みください。

■ 受講の決定通知
∗ 応募者多数の場合は、 抽選となります。
∗ 往復はがきでの申し込みをされた方は、 返信用はがきにてお知らせします。
インターネット·携帯電話サイトでの申し込みをされた方は、 必ずキュートピ
ア ネ ット の 当 選 確 認 を し て く だ さ い 。

■ 受講料
 無料ですが、 学習に必要な教材費は受講者負担となります。

生涯学習課
〒8900054 鹿児島市荒田1丁目41
電話:0998130851  E-Mail:syougaku@city.kagoshimal.gj.p

130
                                  

第2回

問題1 次の(1)から(3)の 文章 を 読 ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て
最 も よ い も の を、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

(1)
 私は、 自分に正直に生きることを生きがいとしてきた。 だが、 現実に

に まいじた

はとても難し い。 現 代 社 会 は う そ だ ら け だ。 政 治 家 は 二枚舌を使い、 役

(注 )

人は市民を騙し、 商人は税金をごまかす。 人を騙すことは、 実は自分も
騙している。 そう気付い た と き、 せ め て 自分 に は 正 直 に と 願 った。 そ れ
がまた他者への誠実さにつながると考えた。 そのため、 親の勧める進学
を拒否し、 友人や先生と意見が対立し た こ と も あ った。 い つ で も 私 は 自
分の胸に手を当てて結論を出した。

に まいじた

(注 )二 枚 舌 を 使 う :う そ を 言 う こ と

1 「自分の胸に手を当てて」とはどうすることか。

1  自 分 の 健 康 を 大 切 に す る こ と で あ る。
2  政 治 家 や 役 人 に 対 す る 怒 り を 抑 え る こ と で あ る。
3  自 分 に 正 直 で あ る か 確 認 す る こ と で あ る。
4  親 や 先 生 の 意 見 を 深 く 理 解 す る こ と で あ る。

(2)
めんじつ ゆ

 サラダ油は、 本来はオリ ー ブ 油 が 主 で あ った が、 綿 実 油 や コ ー ン が 広

だい ず ゆ な たね ゆ

く使われるよ う に な り、 さ ら に 大 豆 油 や菜 種 油 が 使 わ れ て き た。 そ し

べにばな ゆ

て、 ここにきて紅花油に人気が集まってきた。

 紅花はキク科のエジプト原産で、 葉にはとげがあり、 アザミによく似

た形をした花が6月から7月に咲く。 種子から取れた油がサラダ油のもと
になり、 リノール酸を多く含む。 リノール酸は血液中のコレステロール

を取り除き、 動脈硬化予防に効果があるということから、 健康食品とし

ての地位を確立したわけである。

131

2 この文章の内容に合っているのはどれか。                                                                              
1  サ ラ ダ 油 の 流 れ は 単 な る 食 用 か ら 健 康 へ で あ る。
2  サ ラ ダ 油 の 主 力 は 大 豆 と 菜 種 油 で あ る。
3  サ ラ ダ 油 の 流 れ は 外 国 産 か ら 国 内 産 へ で あ る。
4  サ ラ ダ 油 の 新 人 の 紅 花 油 は 栄 養 価 が 人 気 で あ る。

(3)
                            20 18 年 7 月 5日 
花坂国際貿易会社
営業部 中山直人 様

㈱ ニ ュー ワ ー ル ド
事業部 小泉三郎

取引先ご紹介のお願い

拝啓
 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご
高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 このたび弊社では、 貴地つくば市に営業所を開設する運びとなり、

せきねん

来る8月8日オープンすることになりました。 弊社積年の念願が実現し
たわけでございます。
 つきましては、 この道の 指 導 的 立 場 に い ら っし ゃる 中 山 様 に、 お 取
引先をご紹介いただければ幸いに存じます。

いんけん

 近日中に、 弊社担当職員を参上させますので、 よろしくご引見のほ
どお願い申し上げます。
 重ね重ね、 ぶしつけなお願いで恐れ入りますが、 まずは書状をもっ
てお願い申し上げます。

敬具

132
                                  

3 この文書はどのような内容を言っているか。
1  相 手 方 の 地 元 に 営 業 所 を 設 け る と い う こ と
2  相 手 方 に 運 営 の 仕 方 を 指 導 し て も ら う こ と
3  相 手 方 に 取 引 先 を 教 え て も ら う こ と
4  相 手 方 に こ ち ら か ら 訪 問 し た い と い う こ と

問題2 次の(1)から(3)の 文章 を 読 ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て
最 も よ い も の を、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

(1)
 人間は万物の霊長だとか、 万物の尺度だとか、 自分で勝手に決めて少
々威張りすぎていた。 ほかの動物は人間のためにこの世に存在している
と思うのは傲慢すぎる。 近ごろは万物の霊長も自分の生活の便宜をはか
るために自然に対して勝手気ままに改造の手を加えてきた報いで、 いさ
さか①自信喪失の状態だが、 自分もまた万物の一員であることを悟るべ
き時かもしれない。

あ い び ょう か

 動物を愛する人に、 イヌ派とネコ派がいる。 まず愛 猫 家 は、 そ の 端
正、 優雅な姿態を愛する。 また、 ネコの威厳は全身を主人に委ねること
を拒み、 その独立自尊の心は、 いわれない恵みを受けるのを潔しとしな
いなどと言う。

あいけん は

 一方、 愛犬派は、 イヌの誠実さはネコの利己主義に勝ると主張する。
安逸をのみ追うネコは貴族的だが、 対話を求め、 善意を持つものに敵意
を持たないイヌは民主的だともいう。 確かに「吾輩はイヌである」という
題 で あ った ら、 ②漱石は人間社会を風刺しにくかったにちがいない。 ネ
コは冷たい観察者であり、 イヌは温かい奉仕者だとも言えそうだ。 「③
女にしっぽをつければ ネ コ」 に な る と 言 った 有 名 な 画 家 も い た。 よ ほ ど
ひっかかれたのだろう。 「ネコと遊んでいるとき、 向こうが私と遊んで、 暇
を潰しているのかと思う」と言ったのはフランスのモン テ ーニュである。

(注 )

(注)モンテーニュ:フランスの思想家(1533 1592)

133

4 ①「自信喪失の状態」はどういう状況を指していると思うか。
1  人 口 急 増
2  経 済 発 展
3  自 然 破 壊
4  科 学 技 術

5 ②「漱石は人間社会を風刺しにくかったにちがいない」とあるが、 ど
うして風刺しにくいのか。

1  イ ヌ は 利 己 主 義 者 だ か ら で あ る。
2  イ ヌ は 観 察 者 で は な い か ら で あ る。
3  イ ヌ は 奉 仕 者 で は な い か ら で あ る。
4  イ ヌ は 独 立 者 だ か ら で あ る。

6 ③「女にしっぽをつければネコ」とあるが、 女 性 の 特 性 と 合 って い な
いものはどれか。

1  勝 手 気 ま ま に 振 る 舞 う と こ ろ
2  独 立 自 尊 心 が 強 い と こ ろ
3  安 逸 の み を 求 め る と こ ろ
4  端 正 優 雅 な 姿 態 を 持 って い る と こ ろ

(2)
 日本は、 外国人労働者を受け入れるべきではない。 なぜなら、 それに
よって国内の労働市場の秩序が混 乱 す る だ け で な く、 治 安 悪 化 な ど も 懸
念されるからだ、 という意見がある。
 現在日本では、 外国人単純労働者を法的には受け入れていない。 しか
し、 中国やアジア、 中近東などからの不法就労者はかなりの数に上る。
彼らの多くは、 いわゆる3K(きつい·きたない·危険)と呼ばれ、 日本人が
敬遠する単純肉体労働に従事している。 経営者は、 タコ部屋のようなと
ころに彼らを 住 ま わ せ、 日 本 人 よ り も は る か に 安 い 賃 金 で 重 労 働 を
強いる。
 それでも彼らは一生懸命に働く。 安 い と い って も、 彼 ら の 国 の 基 準 か
らすればかなり高額の賃金を得られるからだ。 働きすぎや劣悪な生活環
境が原因で、 病気になる人も多い。 しかし、 健康保険もほとんどなく病
院に行くこともできないのだ。

134

 このように、 不法就労ということで、 彼らの人権があからさまに踏み
にじられているのが現実だ。 いくら不法とはいえ、 彼らにも基本的人権
はある。 しかも、 実質的には外国人の労働力に頼らなければ立ち行かな
い 業 種 (製 造 業 や 建 築 業 な ど )も 多 い の だ。
 こうしたことから、 外国人労働者を正式に受け入れ、 待遇や生活をき
ちんと保障すべきだ。 国益よりも人権を重視すべきなのだ。

(樋 口 裕 一 氏 の 文 に よ る )

7 不法就労者はどういうところが問題か。
1  単 純 労 働 で な け れ ば 高 額 の 賃 金 が 得 ら れ な い。
2  働 け る 業 種 が 製 造 や 建 築 に 限 ら れ て い る。
3  健 康 保 険 に 未 加 入 の 人 が 圧 倒 的 に 多 い。
4  待 遇 や 生 活 の 改 善 の 進 み 方 が 遅 い。

8 日本が抱えている問題点は何か。
1 外国人労働者が必要なのに、 法的に受け入れられない。
2  外 国 人 労 働 者 の ほ う が 日 本 人 労 働 者 よ り 待 遇 が 良 い。
3  外 国 人 ほ ど 日 本 人 労 働 者 の 人 権 は 守 ら れ て い な い。
4 外国人労働者が増える分、 日本人労働者の数が減る。

9 外国人労働者への対応として筆者が主張していることは何か。
1  国 益 を 第 一 に 考 え る べ き で あ る。
2  外 国 の 基 準 を 受 け 入 れ る べ き で あ る。
3  外 国 人 を3Kの 仕 事 に 就 か せ る べ き で あ る。
4  国 益 よ り 人 権 を 重 視 す べ き で あ る。

(3)
 高齢化社会で反射神経などの運転能力が落ちる人が増えているという
のに、 警察庁は自動車の制限速度を緩和する方針だという。 スピード違
反がはびこる現状から考えると、 緩和後は新たな速度制限となる時速80
キロ以上で多くの車が走ることとなるだろう。
 有識者は「交通実態に応じた基準を設ける」と提言しているが、 全く考
え違いではないか。 速度緩和はかえって、 社会全体を危険にさらす。
 高齢化が進むにつれ、 交通システム自体の枠組みを変えていかなくて

135

はならない時期だ。 本来なら、 バスやタクシーなどプロが運転する公共
交通機関を除き、 車両速度の規制を強化すべきはずだ。
 運転能力にばらつきのある自家用車を規制する一方、 運転能力に不安
の少ない公共交通機関は、 速度制限の緩和と優先通行権を与える方向で
道路整備のあり方などを検討できないものだろうか。
 高齢化社会が進むことを踏まえると、 危険を考慮した規制が乗用車に
設けられるのは当然だ。 自動車の移動速度は、 速ければ速いほど発生す
る事故は大きいのである。

(島 田 重 光 氏 の 文 に よ る )

10 筆者はA(自 家 用 車)、 B(タ ク シ ー や バ ス)の 速 度 制 限 に つ い て ど う
い う 意 見 を 持 って い る か。

1 A、 Bともに規制強化
2 A、 Bともに規制緩和
3 Aは強化、 Bは緩和
4 Aは緩和、 Bは強化

11 「時速80キロ以上で 多 く の 車 が 走 る こ と と な る」 と あ る が、 こ れ に
よ って 今 後 ど う い う 事 態 が 生 ず る と 言 って い る か。

1  交 通 渋 滞 が 緩 和 さ れ る。
2  交 通 事 故 が 多 発 す る。
3  公 共 交 通 機 関 利 用 者 が 減 る。
4  道 路 の 整 備 が 間 に 合 わ な く な る。

12 高齢者の運転規制についてどう言っているか。
1 高齢者は経験が豊かなのだから、 緩和すべきである。
2 高齢 者 は 運 転 能 力 に ば ら つ き が あ る か ら、 一 概 に 強 化 す べ き で

はない。
3 高 齢 者 は 反 射 神 経 に 問 題 が あ る か ら、 優 先 通 行 権 を 与 え る べ き

である。
4 高齢者は運動能力が落ちているから、 強化すべきである。

136

問題3 次の文章を読ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の
を 、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

 三、 四年前のことです。 故郷のA 市が市の記念祝典を催す際に、 市歌
せん じゃ

を募集して、 私は選者になったこと が あ り ま す。 和 歌 や 俳 句 の 盛 ん な 都

市でして、 四百編以上集まった詩の う ち か ら、 土 地 の 歌 人 や 俳 人 や 詩 人

せん

が選をして、 二十編ばかり選んで、 それを私のところへ持参して、 その

うちから一等と二等を選ぶというのが、 私の役目でした。

 私はその二十編のほかに、 応募作品にも全部目を通したが、 選ばれた

か さく

二十編がやはり佳作でした。 その二十編から二編を選んだが、 さて、 そ

のいずれを一等にすべきか①大変迷いました。

 一編は郷土愛を歌い上げて実に見事ですが、 用語などがどこか古くて、

ち せつ

稚拙なところがあるのです。 しかし、 その稚拙なところに新鮮な感覚も

(注1) いっぺん

あっておもしろく、 二等に し て し ま え な い の で す。 他 の 一 編 は り っぱ で

もあり、 無難ですから、 一等にしてだれも納得するものですが、 前の作

品ほどおもしろみはないのです。 用語などを直して、 ②そちらを一等に

しようか迷ったが、 それでは不公平 の よ う で す し、 無 難 な 作 品 を 一 等 に

決めました。 も ち ろ ん、 応募 し た 作品 に は 氏名 が 書 い て あ り ま せ ん か

ら、 作者がだれか知りませんでした。

げい だい い し ょく

 A 市ではその作品を 市 歌 と し て 作 曲 を 芸 大 の 若 い 教 授 に 委 嘱 し ま し

た。 そして、 市の記念祭典の日に、 市歌の発表をすることになり、 私も

選者として招かれて、 A 市へ行きました。
 市歌の発表会は市の公会堂でありました。 一等と二等の作者に賞品の

授与があってから、 新制高 校 の 男 女 生 徒 の 新 市 歌 の 合 唱 が あ って、 式 が

終わったのですが、 一等の作者は若 い 高 校 の 国 語 教 師 で、 そ の 背 広 の 先

生の横の椅子に、 二等 の 作 者 が ちょこんと掛けて い る の で す。 一 等 の 先
(注2)

生のお母さんぐらいの年輩の婦人で、 そんな晴れがましい席に出るのも

つつ (注3)

初めてだというような慎ましい格好で、 田舎のおばあさんと言いたいよ

うな人です。 ③それが、 とても印象的で、 このおばあさんがあの郷土愛

に燃えた詩の作者だったのかと、 私は驚いて、 興味を持ちました。

 式が終わって会場を出 よ う と す る と、 ④ そ の お ば あ さ ん が、 つ かつ か

おかじま (注4)

私に近づいて、 「先生、 私は岡島はるです。 先生の同級生の…。 覚えてい

らっしゃらないでござい ま し ょう ね。 私 は 先 生 が 小 学 校 の こ ろ 着 て い た

着物の縞まで覚えております」と名乗るのです。

137

ち せつ

(注1)稚拙:ここでは、 用語が未熟で、 ちょっと下手だという意味である
(注2)ち ょこ ん と 掛 け る :小 さ く じ っと 座 って い る 様 子



(注3)晴 れ が ま し い :華 や か な 様 子
(注4)つ か つ か :遠 慮 な く

13 ①なぜ「大変迷いました」のか。
1 目を通したすべての作品は優れているので、 中から選びにくいのだ。
2 二編とも甲乙づけがたい作品なので、 判断に戸惑ったのだ。
3 歌人、 俳人、 詩人の作品はそれぞれ風格が異なるから、 困ったのだ。
4 筆者は、 義理に絡まれて、 一等、 二等とはつけたくないのだ。

14 ②「そちら」とはどちらの作品か。
1 稚拙ではあるが、 それもかえっておもしろく、 郷土愛を歌い上げた見

事な作品
2 りっぱでもあり、 無難ですが、 おもしろみは欠けている作品
3 りっぱでもあり、 無難ですが、 用語などがどこか古い作品
4 郷土愛に燃えているが、 用語の間違いがあって直してあげた作品

15 ③「それが、 とても印象的」とあるが、 何が印象的なのか。
1  一 等 の 作 者 と 二 等 の 作 者 と の コ ン ト ラ ス ト
2  二 等 の 作 者 が 田 舎 者 と 分 か った こ と
3  一 等 の 作 者 と 二 等 の 作 者 と の 異 な った 身 分
4  二 等 の 作 者 が 書 い た 郷 土 愛 に 満 ち た 作 品

16 ④「そのおばあさんが、 つかつか私に近づいて」とあるが、 そのおば
あさんの気持ちに対する説明として最も正しいものはどれか。

1 たいした人物ではないが、 二等賞を得られて、 すっきりした気持ち
2 人に田舎者と見られるなんて、 とんでもないと言いたい気持ち
3 式場で慎ましいふりをしたが、 式が終って解放された気持ち
4  思 い も よ ら な い と こ ろ で 昔 の 同 級 生 に 出 会 って う れ し い 気 持 ち

138

                問題4 次のAとBは、 ある投書をめぐって展開された意見文である。 それぞ                 
れの文を読んで、 後の問いに対する答えとして最もよいものを、1·
2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い 。

 知人の家に届け物があり、 妻と車で出かけた。 久しぶりの訪問で、 近
くまで来たものの迷ってしまった。 郵便配達員に尋ねると、 「個人情報保
護法で教えること が で き な い」と の こ と だ った。 通 り が か り の 女 性 に 尋
ね、 到着できたが、 人間砂漠化現象とでも言おうか。 プライバシー保護
の名の下に、 私たちはかけがえのないものを見失いかけてはいないだろ
うか。

(関 口 政 道 さ ん の 投 稿 の 要 旨 — 「 読 売 新 聞 」 編 集 者 — に よ る )

A
   私 も 似 た よ う な 経 験 が  あ る 。  先 日 、 入 院 中 の 友  人 の 見 舞 い で 、 そ の 
部屋番号を確認しない ま ま 病院 に 行 って し ま った。 受付 で 友 人 の 部 屋
番号を確認しようと思ったが、 「個 人 情 報 な の で 教 え ら れ な い」と 言 わ
れた。
 友人の自宅の電話番号も知ら な か った の で、 旅 行 し て い る 知 人 の 携
帯電話に連絡したが、 通 じ な か った。 そ れ で 別 の 友人 に メ ー ル で 問 い
合わせ、 調べてもらった。 入 院 中 の 友 人 に 会 え た の は、 結 局、 病 院 に
着いてから1時間以上経ってからだった。 以前は、 案内係が部屋番号を
教えてくれたのに。 融通が利かないものだなとつくづく感じた。

(北島芳枝「病室わからず困惑、 融通利かない対応」による)

B
   「個 人 情  報 保 護 法 で 教 え る こ と が  で き な い 」 と き っ ぱ り 断 っ た 郵 便 配 
達員のことを、 私はむし ろ 立派 だ と 思 う。 き っと 教 え て あ げ た い 気 持
ちを押し殺し、 心を鬼にして断ったのだろう。
 ストーカーや配偶者への暴力から逃げ出した人、 子どもの親権を争
う元夫婦など、 想像を絶 す る 状況 に お か れ、 ひ っそ り と 暮 ら す 人 も 多
いと聞く。 だからこそ、 職務上、 知り得た情報を漏らさず、 職務を全
うした正しい判断を褒めるべきだ。
 投書された方は、 通りがかりの女性に尋ね、 無事に到着できたとの
ことだった。 日本は人間砂漠になどなっていないと信じたい。

(渡部恭子「職務上知り得た事、 配達員の判断正当」による)

139
                                                                   
                                  

17 「かけがえのないもの」はどういうものか。

1  救 え る 命
2  貴 重 な 時 間
3  職 務 の 大 切 さ
4  コ ミ ュニ ケ ー シ ョン

18 B 文は「個人情報保護法」は何のために作られたと言っているか。

1  一 人 暮 ら し の 老 人 や 弱 い 立 場 の 人 の 生 活 を 守 る た め で あ る。
2  一 人 ひ と り を 揉 め 事 や 犯 罪 に 巻 き 込 ま せ な い た め で あ る。
3  一 人 の 人 間 と し て の プ ラ イ バ シ ー を 守 る た め で あ る。
4  一 人 の 情 報 が 広 が って う わ さ に な ら な い た め で あ る。

19 A 文とB 文に共通しているテーマは何か。

1  個 人 情 報 保 護 法 の 是 非
2  個 人 情 報 の 保 護 と 人 情
3  郵 便 局 員 と 職 務
4  人 間 社 会 の 砂 漠 化

問題5 次の文章を読ん で、 後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の
を 、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な さ い。

 大変残念なことではあるが、 確か に 今 の 日 本 で は 障 害 を 持 った 人 々 が

街の中を自由に動き回るのは困難だし、 一人で生活することも難しい。

そこで多くの手助けを必要とするのも否めない事実だ。 だが、 障害者を

そのような立場に追い込んでいるのは「環境」なのだ。

 僕は日頃から、 「環境さえ整っていれば、 僕のような体の不自由な障害

者は、 障害者でなくなる」と考えている。 例えば、 僕がA 地点からB 地点
まで行きたいとする。 ところが駅にはエレベーターも付いていない、 バ

スやタクシーも車椅子のままでは利用できないという状況では、 A 地点
からB 地点までの移動 が 不可能、 ま た は 困難 に な る。 そ の 時、 確 か に 僕
は「障害者」だ。

 しかし、 駅にはエレベーターも付いている。 ホームと電車の間も隙間

や段差がなく、 スムーズな乗り入れが可能。 バスやタクシーにもリフト

(注1) (注2)

140

が付いていて、 車椅子のまま乗り込 め る と い った 時、 そ こ に は 障 害 者 は
なくなる。 一般的には、 家を出かける時に玄関で靴を履くが、 僕の場合
は、 靴の変わりに車椅子に乗る。 靴と車椅子の違いがあるだけで、 自分
の力でA 地点からB 地点まで移 動 し た と い う こ と に、 何 の 違 い も な い。
「障害者」を生み出しているのは、 紛れもなく、 ①環境の不備なのだ。

(注3)

 障害者を苦しめ る 物理的 な 壁 を 取 り 除 く に は、 何 が 必要 な の だ ろ う
か。 僕は、 心の壁を取り除くことが、 何より大切だと感じる。 乗り物や
建物などのハードと呼ばれる部分を作り上げるのは、 我々人間だ。 その
作り手である我々が、 どれだけ障害者·高齢者に対しての理解や配慮を
持てるかで、 ハードのバリアーフリー化は、 いくらでも進むだろう。

(注4)

 では、 障害 者 に 対 す る 理 解 ·配 慮 は ど こ か ら 生 ま れ て く る の だ ろ う
か。 僕は「慣れ」という部分に注目している。
 駅で障害者が困ってい る 姿 を 見 か け た。 し か し、 ど の よ う に 声 を 掛 け
たらいいのか分か ら ず に、 結 局、 そ の 場 を やり過ごし て し ま った。 み な

(注5)

さんにも、 そんな経験がないだろうか。 それは、 「慣れ」の問題によるた
めらいにほかならない。

(注6)

 そして、 ここで多くの人は、 「ああ、 どうして自分は声を掛けなかった
のだろうか」と自己嫌悪に陥る。 だが、 僕はそこで②自分を責める必要
はないと思う。 普段、 街を歩いていて障害者を見かける機会はまだまだ
少ない。 普段、 あまり接していない人々に対して適切な対応をしろと言
われても難しいものだ。

(乙 武 洋 匡 『 五 体 不 満 足 』 に よ る )

(注1)段差:道路、 地表などの高低の差
(注2)リ フ ト :乗 降 装 置
(注3)紛れもなく:まさに、 ほかでもなく
(注4)バリアーフリー化:身 体 障 害 者 や 高 齢 者 の 生 活 の た め に 便 利 を 図

ること
(注5)や り 過 ご す :あ る 状 態 の 経 過 に そ の ま ま に 任 せ る
(注6)た め ら い :あ れ こ れ 迷 う 状 態

141

20 筆者が言っている①「環境の不備」の例は、 どういうことか。
1 身体障害者に対す る 理 解 や 配 慮 が な い う え に、 い や な 顔 を し て い る

人もいるような環境
2 自分のそばに身体 障 害 者 が い て も 何 の 関 心 も 持 た ず、 助 け よ う と も

しない冷たい社会のこと
3 ホームと電 車 の 間 に 隙 間 も あ る し、 段 差 も あ る か ら、 健 常 者 に も 障

害者にも非常に不便なこと
4 駅にはエレベータ ー が 付 い て い な い、 バ ス や タ ク シ ー も 車 椅 子 の ま

まで利用できないこと

21 ②「自分を責める必要はないと思う」とあるが、 筆者がそのように主
張している理由はどれか。

1 障害者が困っているのは、 環境の不備のせいだから
2 あまり接しない障害者 に ど の よ う に 対応 す れ ば い い の か 分 か ら な い

のは当然のことだから
3 障害者に声を掛けるか掛けないかは、 人の自由だから
4  助 け て ほ し い 人 が 声 を 掛 け る べ き だ か ら

22 筆者は障害者のための環境の改善についてどう思っているか。
1 障害 者 を 取 り 込 む 環 境 さ え 整 って い れ ば、 障 害 者 は 障 害 者 で な

くなる。
2 少なくとも駅のよ う な 公共場所 に エ レ ベ ー タ ー の よ う な 設 備 を つ け

てほしい。
3 日本では、 環境の不備で身 体 障 害 者 や 高 齢 者 に 多 く の 不 便 を 与 え る

場合は少ない。
4 これからハードの環境 と ソ フ ト の 環境 の 中 で は ハ ー ド 面 の 改 善 を 加

速してほしい。

142

23 筆者の主張として、 最も適当なものはどれか。
1 身体障害者に 一 言 で も 優 し い 声 を 掛 け た ら、 彼 ら に と って 励 み に な

るから、 その面の配慮が必要である。
2 障害者に対するバ リ ア ー フ リ ー 化 は 政 府 ば か り で な く、 国 民 全 体 の

こととして考えなければならない。
3 積極的に障害 者 に 接 し て、 彼 ら の 苦 痛 や 声 に 耳 を 傾 け て、 バ リ ア ー

フリー化をさらに進めるべきである。
4 物理的な壁を取り 除 く に は 心 の 壁 を 取 り 除 く こ と が 必 要 で あ り、 そ

のために「慣れ」が必要である。

問題6 次のペ ー ジ は、 日 本 郵 便 の サ ー ビ ス 内 容 の 一 部 で あ る。 下 の 問
い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の を、 1·2·3·4か ら 一 つ 選 び な
さい。

24 郵便物が相手に届いたかどうか、 はっきりするのは直接相手に手渡
すことである。 このサービスを行うのはどれか。

1  書 留
2  レ タ ー ナ ビ
3  レ タ ー パ ック
4 EMS

25 各サービスの説明の中で合っているものはどれか。
1  レ タ ー パ ック の 専 用 封 筒 は 全 国 の 切 手 販 売 所 で 購 入 で き る。
2 選択ボタン を ク リ ック す れ ば、 郵 便 局 の す べ て の 配 達 状 況 が 分 か る

のが郵便追跡サービスである。
3 書留は郵便物が届かなかったりした場合、 保証金が支払われる。
4 レターナビは案内状、 あいさつ状などに特化したサービスである。

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